アレグラ錠60mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)
(1)慢性非浸潤性(寄生型)副鼻腔真菌症
真菌塊(fungus ball)を形成する。上顎洞に発生することが多い。
①症状
鼻漏、頬部違和感、鼻閉などが主症状であることが多く、臨床症状がない場合もある。
②検査・画像診断
鼻単純X線では、特異的な所見はない。
副鼻腔CTでは、①一側性の病変 ②内部不均一 ③骨肥厚 ④石灰化 ⑤air像 ⑥自然孔閉鎖 ⑦骨破壊 など
検出頻度が高い菌はアスペルギルス、カンジダ、ムコール である。
③治療
手術で副鼻腔を開放することで良好な結果が得られる。
(2)急性および慢性浸潤性副鼻腔真菌症
ステロイド、免疫抑制剤、抗悪性腫瘍薬などの使用により免疫が低下した患者において日和見感染として発症することが多い。両者とも組織浸潤をともなうが、慢性浸潤性の場合は粘膜内浸潤にとどまることが多い。
①症状
鼻症状だけでなく、発熱や頭痛、頬部痛などの症状を伴うことが多く、病変の広がりにつれて多彩な症状を示す。
②検査・画像診断
鼻腔内所見では灰白色の粘液性あるいは膿性の鼻漏と腫脹した鼻粘膜を認める。
副鼻腔CTでは鼻・副鼻腔内に真菌の石灰沈着や軽度から広範な骨破壊像を認める。
真菌の菌体成分であるβ-Dグルカンの血中濃度が深在性真菌症の臨床的な活動性を定量的に示し、診断および臨床経過の指標として有用であると報告されている。しかし、ムコールが原因菌の場合は細胞壁のβ-Dグリカンが乏しいため、上昇しない。
③治療
早期に診断し、手術による病変の除去と6か月以上の抗真菌薬の全身投与を行う必要がある。また、誘因となった基礎疾患の是正が必要である。全生存率はおおむね50%とされており予後は不良である。
(3)アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(allergic fungal rhinosinusitis:AFRS)
副鼻腔で非浸潤性に増殖した真菌に対するⅠ型・Ⅱ型のアレルギー反応やT細胞応答などによる。ニカワ状ともいわれる粘稠な好酸球性ムチンの形成が、この病態の増悪因子であると考えられている。
(太田伸男・鈴木祐輔 日医雑誌 第141巻 第10号 P2195-2198 より抜粋)
(吉川衛:副鼻腔真菌症の診断と予後 日耳鼻 118:629-635,2015)
副作用としては鼻の粘膜の乾燥感、軽度の鼻血がみられる場合があるということです。
花粉症の治療に用いる薬の中には、ステロイドが含まれているものがあります。ステロイド剤は高血糖の副作用をもたらし、糖尿病になるリスクがあります。
また、糖尿病患者の方がステロイドの薬を服用すると、糖尿病の症状が悪化するリスクが高くなります。今回は、花粉症の治療薬に含まれるステロイドにはどのようなものがあり、どのような副作用があるのかステロイドと糖尿病の関係についてみていきましょう。
5 副作用は? ・服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので ..
山下耳鼻咽喉科クリニック院長 山下利幸(吉野川市山川町)
来春のスギ花粉の飛散量は、今年の10倍くらいに増加すると予測されています。おそらく、質問者の女児のように鼻血を訴える患者の数も増えるでしょう。
鼻アレルギーでは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3大症状のほかに、鼻血も高頻度で見られます。原因は、鼻粘膜に加えられる物理的な刺激がほとんどです。▽鼻がかゆくてこすってしまう▽鼻の入り口に鼻くそがつきやすいので指を鼻の穴に突っ込む▽鼻をかむ回数がとても多く、気持ちが悪いので強くかむ-などが考えられます。
鼻中隔粘膜にあるキーゼルバッハ部位(血管が鼻粘膜の表面に集まる場所)は、鼻の入り口から指が届く範囲の距離にあり、血管壁は容易に傷ついて出血が起こります。小鼻を圧迫することですぐ止血し、大量出血はありません。しかし、いったんこの場所が傷むと、くしゃみをしたり、顔を洗ったりするだけのささいな刺激でも鼻血が出ることがあります。
そのほか、鼻アレルギー治療薬の一部の副作用として鼻血が出やすくなったり、点鼻薬の刺激でも鼻血が出たりすることがあります。
治療で一番大切なことは、アレルギーを徹底して治療・予防することです。アレルギー炎症が治まると、鼻の違和感が治まり触ることが少なくなります。鼻粘膜に対する刺激が解消され、血管壁も安定して次第に鼻血の頻度も減少します。
また、正しい鼻のかみ方を教えることや、鼻をいじる癖を直すことも大切です。私の医院では、アレルギーの原因が何かを検査し、原因を除去(空気清浄機の活用など)・回避(マスク使用など)するよう指導します。その上で適切なアレルギー治療薬を処方します。鼻の入り口の乾燥を避けるため、軟こうも使用します。
私が実施している鼻血に対する直接的な止血法は<1>小鼻の圧迫止血法<2>薬品による鼻粘膜の焼き付け<3>電気メスによる焼き付け<4>APC(アルゴンプラズマコアギュレーター)による焼き付け<5>さまざまな止血用の医療材料を鼻の中に詰め込むこと(止血タンポン)-などです。これらの中から、出血の状態や程度、患者の年齢などを考慮して治療法を選択します。
問題なのは、完全な止血が得られる治療法は、実施に際して痛みや刺激が伴いやすいということです。特に<3><4><5>は、処置の際にあらかじめ局所麻酔をして痛みを軽くするようにしていますが、幼小児で我慢できる子どもはあまりいません。耳鼻科医とよく相談してください。
ほかに悪い病気がないかとのご心配ですが、まずは全身を裸にして皮膚をよく観察してください。打撲した覚えがないのに青あざができていないか、小さな皮下出血が点々と広がっていないかがポイントです。また、出血量が多かったり、止血に時間がかかったりする場合も血液検査をする必要があります。
鼻血の治療はなかなか容易ではありません。よくなったり悪くなったりすることがありますので、耳鼻科医とよく相談して治療してあげてください。
②治療方針
(1)手術(ESS):
篩骨洞・蝶形骨洞・上顎洞を大きく開放し必要に応じて鼻中隔矯正も追加
特に中鼻甲介周辺の処置が重要
↓
術後の局所療法が効果的に行えるような鼻・副鼻腔形態を作る
(2)術後の維持療法:
ここの患者の症状に応じて頻度を調整し、必要に応じて2)、3) を追加する。
1) 鼻洗浄/噴霧ステロイド・・・維持療法の基本
2) 少量の経口ステロイド(セレスタミンなど) (数日~2週間)
3) 鼻閉に有効な抗アレルギー剤(キプレス、オノン、IPD など)
(3)増悪・再発時:
短期間の経口ステロイド(プレドニゾロン30mgから漸減、2週間)
・難治性喘息を合併した好酸球性副鼻腔炎患者にヒト化抗ヒトIgEモノクロナール抗体のオマリズマブを投与したところ、好酸球性副鼻腔炎が劇的に治った症例を1例経験しました。(石戸谷淳一:鼻アレルギーフロンティア 2010 Vol.10/No.3)
③好酸球性副鼻腔炎の治療経過
セレスタミン2錠(分2)を処方する。すると粘調な鼻汁は軽減し、鼻茸も縮小してくる。嗅覚障害も改善してくる。これが典型的な好酸球性副鼻腔炎の経過である。セレスタミンにて眠気の副作用がある場合は、プレドニン(5mg)4錠(朝)に変更する。まず2週間投与し、鼻腔内の所見を観察後、軽快しない場合にはプレドニン6錠に増量する。これでほとんどの症例が反応する。症状の改善を認めてきたならば、セレスタミン1錠もしくはプレト゜ニン2錠(朝のみ)に減量していく。その後数ヵ月間、セレスタミン・プレドニンの服用を隔日に、もしくは2日置き、3日置きと延長しながら継続し、その途中でESSを勧めている。経口ステロイド内服の期間が2ヵ月を越えた頃から、朝開院後すぐに来院してもらい、血中コルチゾールを測定する。異常がなければ治療を継続する。(藤枝重治、日耳鼻117:96-101)
• 小児では、副作用として興奮や痙攣誘発も報告されているので注
ごく一部の例外(注)を除き、点眼液には開封後の細菌の繁殖を抑えるための防腐剤として塩化ベンザルコニウムが使用されています。通常は点眼液の成分は長く局所にとどまりませんが、コンタクトレンズを使用しているとレンズにこの塩化ベンザルコニウムが吸着され、結果的に長く角膜と接触することにより角膜上皮障害を起こす可能性があります。したがって、コンタクトレンズを装着した状態での点眼液の使用は原則として避けてください。もしコンタクトレンズ使用中に点眼液を使用する際には、面倒でも必ずレンズを外して点眼し、10分程度間をあけてから再装着してください。一般的には、花粉症シーズンにはコンタクトレンズを装着していてもつい目を拭ったりこすったりする機会が増えたり、レンズ自体に花粉成分が付着して症状に影響する可能性もあり、メガネの使用が勧められます。
狭心症やの患者さんが服用している血栓予防のための血液の凝固を抑制する抗凝血薬(ワーファリン)や抗血小板薬(バイアスピリン)を服用していると、血液がサラサラになることで鼻血が止まりにくくなります。
第二世代抗ヒスタミン薬は、人によって効果や眠気などの副作用に大きな差があるのが特徴です。 ..
副鼻腔炎の症状が3ヶ月以上持続している場合には慢性副鼻腔炎とされる。
①排膿:
副鼻腔炎の慢性化の要因として、自然孔の閉塞が大きく関与していることは明らかである。最近、ESS(内視鏡下鼻内手術)が広く行われ、篩骨洞が開放され、上顎洞自然孔が大きく開放されると、慢性上顎洞炎が治癒に向かうことが多いことからも、自然孔の閉塞が慢性化の主因となっていることを示唆している。
自然孔の閉塞は、個人の持つ局所の解剖学的構造やアレルギー体質が関与することが多く、保存的な鼻処置などでは解決が困難である。上顎洞穿刺(Schmidt探膿針による)洗浄・Proetz置換法、YAMIKカテーテル法などによる洗浄法があるが、自然孔の閉塞が解除されない状況では、効果は一時的なものと考える。
血管収縮剤:粘膜の腫脹が強い場合には、血管収縮剤の点鼻により、粘膜の腫脹をとり、鼻漏の排膿を促すことは効果的である。私はトラマゾリンを頻用している。
②抗菌薬の使用:
検出菌について、いろいろなデータがでているが、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌、その他のグラム陰性桿菌(緑膿菌他)、嫌気性菌などが主であるという(図説より)。
によると、
黄色ブドウ球菌に対しては、ケテック>ファロム>セフゾン=クラビット>シプロキサン=メイアクト>フロモックスが有効である。
インフルエンザ菌に対しては、クラビット=シプロキサン≫メイアクト>ミノマイシン>フロモックス>ケテック=ジスロマックが有効である。
緑膿菌に対しては、シプロキサン>クラビットが有効である。
以上のデータから考えると、ファーストチョイスは、ニューキノロン剤(クラビット、シプロキサン、オゼックス、スオード、グレースビット、ジェニナック、アベロックス)、次にセフェム系(メイアクト、フロモックス)、ケテックなどが考えられる。
マクロライド療法:マクロライド療法(14員環マクロライド薬の少量長期投与)は1990年に洲崎らによって慢性副鼻腔炎に対する有効性が報告されて以来、第一線の耳鼻咽喉科診療で試みられ、いまや慢性副鼻腔炎に対するfirst lineの治療法となっている、という。(飯野ゆき子:日耳鼻114)
マクロライド療法の有効性は、マクロライド本来の抗菌作用ではなく、抗炎症作用、免疫調節作用、粘液過剰分泌抑制作用などによると考えられているという。
○慢性副鼻腔炎に対するマクロライド療法の要点(日本鼻科学会 副鼻腔炎診療の手引きより)
・使用薬剤:14員環マクロライド系抗菌薬(エリスロマイシン、ルリッド、クラリス(クラリシッド))
・適応となる副鼻腔炎のタイプ:過分泌症状が顕著な慢性副鼻腔炎および手術療法後の慢性副鼻腔炎
・一日投与量:原則として常用量の半量とする。ただし以下のような投与法も念頭に置く
1)臨床症状が強い場合には常用量で開始し、経過をみながら半量に切り替える
2)急性増悪時には常用量に切り換える。あるいは他の抗菌薬に変更する。
・投与期間:原則として3ヵ月を目安とする。
十分な改善が得られた場合はいったん投与を中止して経過を観察する。
・効果判定:原則として自覚症状の改善を重視する。
X線所見とはズレが生じることも多い。
・再投与:再投与しても、前回と同様の効果が得られる。
・効果不十分な病態:1)Ⅰ型アレルギー性炎症が主体である症例
2)気管支喘息を合併している症例
3)中鼻道が高度に閉塞している症例
4)大きな鼻茸を有する症例
5)長期投与中に急性像悪を生じた症例
・他の治療法との併用:内視鏡下副鼻腔手術、YAMAKカテーテル法、副鼻腔洗浄療法などを症例に応じて組み合わせると、マクロライド療法の有効性が高まる。
・臨床上の留意点:抗アレルギー薬など、他剤と併用する際には薬剤相互作用に留意する。
○慢性副鼻腔炎に対するマクロライド療法のポイント
14員環マクロライドを常用量の半量で投与する。臨床効果は2~4週で発現し、2~3ヵ月でプラトーに達するので、投与が無効な場合は速やかに他の治療法に変更する。有効症例でも3~6ヵ月の投与でいったん治療を打ち切り、経過を観察する。マクロライド療法の中断により再燃する症例には再投与で同様な効果が得られる。効果判定は原則として鼻漏・後鼻漏などの自覚症状の改善を指標にする。副鼻腔陰影の改善には時間を要するため、X線やCTは臨床効果の判定には不適当である。
マクロライド療法の効果が期待できない病態に、大きな鼻茸や中鼻道の高度閉塞、急性増悪・急性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎などがある。このうち、大きな鼻茸や中鼻道の高度閉塞がある症例では、鼻内視鏡手術により副鼻腔の換気・交通路を作成することで、術後のマクロライド療法による治療効果が増大する。マクロライド療法で完治しない症例や、再燃を繰り返す症例も手術療法の適応である。
○急性増悪や急性副鼻腔炎への対応
急性副鼻腔炎の主要起炎菌である肺炎球菌とインフルエンザ菌はそのほとんどが14員環マクロライドに耐性化しているため、急性増悪や急性副鼻腔炎には効果が得られない。したがって急性副鼻腔炎診療ガイドライン2010年版を参考に、重症度と耐性菌の危険因子の有無に応じた薬剤選択を行う。5歳以下の小児、保育園児、1ヵ月以内の抗菌薬の使用などが耐性菌感染の危険因子である。
○小児のマクロライド療法
小児の鼻副鼻腔炎の特徴に、細菌感染の要素が強く急性増悪を繰り返すこと、検出菌(肺炎球菌、インフルエンザ菌)が成人と異なること、鼻茸などの非可逆的病変が少ないこと、成長とともに自然治癒傾向があることがある。マクロライド療法はあくまで膿性鼻漏が1~3ヵ月持続する慢性例を対象とし、急性増悪を繰り返している症例では、感受性を考慮した他の薬剤選択が必要である。投与期間もできるだけ短縮し、多少の鼻漏や副鼻腔陰影が残っていても投与を中止し良い。小児の鼻副鼻腔炎は臨床症状と経過、鼻内所見で判断し、画像診断不要である。したがって、治療効果の判定は鼻漏・後鼻漏などの自覚症状の改善を指標にする。
(清水猛史:日耳鼻120 P63-63 2017 に要領よく書かれていたので、、抜き書きさせていただきました)
ネブライザー療法:数日に1回、ネブライザーで抗菌薬を投与することが、どれだけ効果があるかは不明である。但し、併用する血管収縮剤、ステロイド剤が鼻腔全体に行き渡って、自然孔の開放に効果があると思う。
消炎酵素薬:メーカーの示すデータを信ずれば、多少の効果があるのかもしれない。私はムコダインをメインに使用している。
抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬:最近の副鼻腔炎においては、アレルギー性鼻炎の合併を疑わせる所見がみられることが多い。必要に応じて、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の併用が有効である。
③再感染の予防:
急性副鼻腔炎と同じ。
④手術について:
篩骨洞は一度慢性炎症を起こしてしまうと、自然孔が狭窄してしまうため、保存的治療では治癒困難である。最近はESS(内視鏡下鼻内手術)が進歩して、篩骨洞をきれいに開放することができるようになった。蜂巣の隔壁を丁寧に截除鉗子で除去して篩骨洞を単一の空洞にして、排膿しやすくすることが大切である。浮腫状の粘膜は自然吸収されるのに時間がかかるので、なるべく鉗除するのが望ましい。骨膜は保存したほうが、後の粘膜の再生に有利である。
上顎洞の膜様部を鉗除して、自然孔を拡大しておくと、上顎洞の慢性炎症も徐々に治まってくるが、できれば浮腫状の粘膜は除去しておいたほうが治癒が早い。
上顎洞単独病変の場合は、古典的なCalldwell-Luc手術により、上顎洞を清掃し、自然孔を拡大する方法が一番治癒が早く確実と考えるが、内視鏡下に自然孔を拡大し、洗浄等の保存的治療でも治癒の可能性があると思われる。 いずれにしても、いかにきれいに洞を開放するかは、術者の手腕にかかっており、誰がやっても同じ結果が得られるとは限らない。
また、術後治療が大切であり、創が治癒するまで、感染を起こさないよう、慎重に抗菌剤の投与等が必要である。
また、アレルギーが関与している場合(好酸球性副鼻腔炎)には、感染性の鼻漏は治まっても、再び、粘膜が浮腫状になってくることが多く、止めがたいものである。 平成23年6月23日改訂
なかでもステロイド剤は、腫れや赤みなどの炎症を抑える作用やアレルギーを抑える作用があり、鼻づまりの症状や目の充血、白目の腫れなどの症状の緩和に用いられます。
市販薬では、「アレグラFX」や「アレルビ」として販売されています。以下が、この薬の利点です。 • 眠気が少ない
①有病率:図説(馬場廣太郎先生)によると、通年性アレルギー性鼻炎の有症率は19.8%、スギ花粉症18.1%、スギ以外の花粉症11.6%でいずれかのアレルギー性鼻炎の有症率は31.6%であるというから約3人に1人はアレルギー性鼻炎ということになるが、症状が強い人はそれほど多くないと思う。アレルギー性鼻炎では、自然治癒は少ない。特にスギ花粉症の自然治癒率は数パーセントといわれている。
②年齢分布:10歳代に通年性アレルギー性鼻炎が多く、30歳代、40歳代に花粉症が多いという。
③遺伝:両親ともに有症者の場合46.8%、父親のみ有症者の場合25.9%、母親のみ有症者の場合30.6%、両親とも無症者の場合13.7%に発症するという。
④喘息の合併:成人で10%、小児で30%に喘息の合併が認められる。逆に喘息にアレルギー性鼻炎が合併する頻度は、成人で60%、小児で75%という。
⑤アレルギー検査:
・皮膚反応:スクラッチテストが簡便である。27G注射針で、約3cm間隔にやや深く刺し、キズ口を広げるように、はねるようにしている。キズ口にスクラッチエキスを1滴垂らして、15分後に反応をみる。アレルゲンエキスは種類が限られ、鳥居薬品から発売されているのは、ハウスダスト、ダニ、花粉類(アカマツ、アキノキリン草、カナムグラ、カモガヤ、キク、クロマツ、スギ、ヒメガマ、ブタクサ、ホウレン草、チモシー、ヨモキ゛)である。
保険診療上は、アレルゲンテスト16点+アレルゲンスクラッチエキス(1mlで5,272円)(0.05ml使用して263.6円)で、一度に15種類まで認められている。
・特異的IgE抗体検査:血液を採って、検査センターに送ると1週間程で結果がでる。検査できる花粉の種類はスクラッチテストよりはるかに多い。
保険診療上は、1種類につき、110点、一度に13種類まで認められるが13種類検査すると患者負担金は4290円になる。
⑥治療:
①減感作療法:原因物質(アレルゲンエキス)を少しづつ増やして注射して、アレルギー体質を改善していく方法であるが、1週間に1~2回づつ1年以上注射して、改善率50~80%といわれている。
現在、市販されているアレルゲンエキスは、ハウスダスト、アカマツ、スギ、ブタクサ、ホウレン草のみである。
煩雑なため、一部の病院でのみ行われている。
①内服薬
a)抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬
1日1~3回、内服することにより、くしゃみ、鼻水、鼻閉を抑えるが、鼻閉に対する効果は弱い。副作用として眠気が出ることがある。
抗アレルギー薬は、十分な効果が出るまで1~2週間かかるので、「かかったかな」と思ったら、早めに飲み始めることが勧められている(季節前投与)。
、冬になってから、左側の鼻だけ鼻をかむと鼻血がつきます。鼻血が垂れてくることはありません。アラミストの副作用に鼻血があります
・製薬メ-カーの公表している有効率は43.5%~66.7%と違いがあるが、試験の条件が異なっているため、単純には比較できないが比較試験のデータもあり、一般に新しい薬のほうが有効率が高いことになっている。いずれにしても有効率は50%前後で、有効と無効が半々である。
・大阪医大の兵佐和子氏によると、アレグラ、ジルテック、クラリチンを内服開始後2日間の総合的な自覚症状改善度は(第16回日本アレルギー学会春季臨床大会)
眠気の副作用は薬によりまちまちですが、発売の新しいものは、かなり軽 ..
薬の効き目や副作用は個人差があるので、必ず薬剤師に自分の体質や症状、他に病気の心配はないかなどを相談してから選ぶようにしましょう。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 ..
ステロイド剤はアレルギーを抑える作用や炎症を抑える作用の効果が強い反面、副作用も強く現れます。
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなります。) 1
・副作用の眠気についても、0.17%から13.6%と開きがあるが、試験の条件が異なっているので単純には比較できない。
・薬価が比較的高いので、原則として抗アレルギー剤の併用は保険診療上、認められていない。
但し、ゼスラン=ニポラジンは薬価が安い(1錠8.2円)ため、他の抗アレルギー剤と併用が容認されている。ゼスラン=ニポラジンと他の抗アレルギー剤を併用して、有効率7~8割程度と考えてよい。
・花粉症の治療では、初診時、抗アレルギー剤+ゼスランで治療を開始するが、3人に1人は症状を十分に抑えることができないことがあり、抗アレルギー剤+セレスタミン(抗ヒスタミンとステロイドの合剤)になってしまうのはしかたのないことでしょうか。
副作用がある。 レーザーなどによる焼灼は、効果は短いが操作が簡単なので、定期 ..
栄養をしっかりと摂り、十分な睡眠を確保室温を25度に保ち、加湿器等で湿度を調節
アレグラ, 151.2円, 1回60mg 1日2回, なし, 不明, 眠気が少ない・効果まずまず.
半年前から、アレルギー性鼻炎で耳鼻咽喉科に通っています。半年間、アレグラとアラミストの点鼻を続けていますが、冬になってから、左側の鼻だけ鼻をかむと鼻血がつきます。鼻血が垂れてくることはありません。アラミストの副作用に鼻血がありますが、主治医に聞いたところ、乾燥してるから鼻血が出やすくなってるので心配しないでいいとは言われるのですが、このままアラミストは続けてよいのでしょうか?また、日常生活で鼻クソの処理等、気を付ける事があれば教えて下さい。
ステロイド剤は高血糖の副作用をもたらし、糖尿病になるリスクがあります。 ..
b)ステロイドホルモン(セレスタミン等)
強い薬なので、格段に効果が強い。長期に服用すると、顔が丸くなる、高血圧症、糖尿病などの副作用が出るので、特に症状の強い時だけ使用するようにしたい。
セレスタミンは抗ヒスタミン剤のポララミンとステロイドの合剤であり、頻用される。(私は、プレドニゾロンの15mg/日よりもセレスタミン2錠/日のほうが効くという印象です。(福井大学教授:藤枝重治Medico Vol.36 No.2))
その他、ステロイド単独の製剤として、プレドニンなど多種ある。
薬物治療は、長期間にわたることが多いことから副作用の少ない局所療法が第1選択である。
かぜ薬や解熱鎮痛薬のほか、特に副作用が報告されている成分を含有する製剤に記載されています。薬物の過敏反応の一つとしてショックがあらわれることが知られています。
アナフィラキシーとは抗原によって感作された個体に同一抗原を再度投与するときに見られる即時型アレルギー(Ⅰ型アレルギー)反応をいいます。抗原抗体反応の結果、ヒスタミン、SRS-A(ロイコトリエンC4、D4、E4)などの様々なケミカルメディエーターが遊離され、低血圧、呼吸困難、じんましんなどの症状(アナフィラキシー症状)が出現することもあります。このアナフィラキシーが全身的に起こってショックとなった場合を、アナフィラキシーショックといいます。また、アナフィラキシー症状と同様な症状を呈しながら、特異的抗体が発見されないものをアナフィラキシー様症状といいます。