ACTH依存性クッシング症候群には主に以下のようなサブタイプがあります。


クッシング症候群が疑われる場合には0.5~1mgの低用量デキサメタゾン抑制試験を行う。血中コルチゾール値が以下に抑制されない場合にクッシング症候群の診断となる。その後に病型分類のために、各種負荷試験、画像検査(CT/MRI、副腎皮質シンチグラフィなど)を行う。負荷試験には、デキサメタゾン抑制試験、CRH試験、DDAVP試験などが含まれる。ACTH、コルチゾール、尿中17-OHCSなどを測定する。


以下はACTH依存性クッシング症候群の主なサブタイプとその特徴です。

猫よりも圧倒的に犬で多いクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)について解説していきます。

クッシング症候群では前述のような特徴的な外見がみられますが、これらをきっかけに診断されることはまれです。多くは若年性や難治性の高血圧、高血糖(糖尿病)や高コレステロール血症、白血球増加の原因検索により診断に至ります。最近はCTやMRIで偶然見つかった副腎腫瘍をきっかけに診断される患者さんが増えています。
クッシング症候群を診断するための検査として、血液中のコルチゾールやACTH濃度の測定、24時間蓄尿中のコルチゾールの量の測定を行います。コルチゾール、ACTHの濃度を正確に評価するため、採血は午前中の早い時間に安静の状態で行う必要があります。さらに、コルチゾール濃度を早朝や深夜に測定したり、検査用の薬(デキサメタゾン)を内服した後に測定する検査も行います(文献3)
コルチゾールが病的に多いことが確認されたら、その原因を調べるため副腎や脳下垂体などの画像検査(CT検査、MRI検査、シンチグラフィなど)を行います。
クッシング症候群と診断されたら、コルチゾールの過剰によって生じる全身の合併症の有無を調べるための検査を行います。具体的には、血糖値やコレステロール、心臓や血管の検査、ウイルスや真菌、細菌などへの感染の有無を調べる血液検査、骨密度の検査、視野を調べる眼科検査などを行います。

ACTH非依存性クッシング症候群には主に以下のようなサブタイプがあります。

クッシング症候群にはその発生機序により、脳下垂体の腫瘍、副腎皮質の腫瘍、医原性の3つのタイプに分かれます。

なお、病名はクッシング症候群の発見者であるアメリカ人脳外科医ハーヴェイ・クッシングに由来します。

クッシング症候群では皮膚にも特徴的な変化が現れることがあります。

クッシング症候群を完治させる治療薬がないため、治療の第一選択は原因となる副腎や脳下垂体の腫瘍を手術で摘出することです。腫瘍が完全に摘出できればクッシング症候群は治癒します。完全に摘出できない場合でもコルチゾール過剰による症状や合併症を軽減・予防するため、腫瘍減量手術(デバルキング手術)を行う場合があります。
手術ができない場合や手術で腫瘍がとりきれなかった場合は、薬の治療(薬物治療)、放射線治療などを組み合わせて追加治療を行います。

クッシング症候群 とは、慢性のステロイド過剰分泌のことです。クッシング症候群は、ステロイド過剰分泌の原因により3つに分類されます。すなわち、クッシング病、異所性ACTH症候群、副腎疾患です。

また、1mgデキサメタゾン抑制試験も広く用いられるスクリーニング法です。

1)脳下垂体のACTH産生腫瘍、2)副腎のコルチゾール産生腫瘍、3)脳下垂体以外にできたACTH産生腫瘍(異所性ACTH症候群)、の3つの原因があります。

中心性肥満(手足は細いのにお腹に脂肪がつく)、満月様顔貌(顔が丸くなる)、野牛肩(背中の上部に脂肪がつく)、皮膚がうすくなる、腹部の赤色皮膚線条(赤い筋ができる)、体幹に近い部分の筋力低下、皮下溢血が特徴的な徴候です。このほかに、血糖値や血圧、コレステロールの上昇、骨粗鬆症、月経異常、うつ症状、感染症なども起こします。


a) 少量デキサメタゾン抑制試験・・・クッシング症候群に罹患しているかの鑑別を行う。ク

副腎髄質よりアドレナリンやノルアドレナリンが過剰に分泌され高血圧を来たします。副腎以外の場所にできることもあります。放置すると心臓病や脳卒中といった重大な病気に発展する恐れがあります。血液や尿中のアドレナリン、ノルアドレナリンを測定し、CTやシンチなどの画像検査にて腫瘍の場所を評価します。手術数週~数ヶ月前から循環血液量補正のためαブロッカーという降圧剤を内服してもらいます。術中に激しい高血圧を来たしたりすることや、腫瘍摘除後の低血圧を来たす可能性もあり、以前は褐色細胞種に対する腹腔鏡手術は危険といわれていましたが、我々は腹腔鏡にて安全に褐色細胞種の摘除術を行っています。しかし、腫瘍が大きい場合(5 cmを超えるなど)は悪性の可能性もあり開腹術で行っています。病理組織学的に良性悪性の区別が難しい腫瘍であり、病理医と十分にディスカッションを行い、術後のフォローアップに役立てています。悪性度が強い場合や再発した場合は抗癌剤による治療(CVD療法)を行います(CVD療法は悪性褐色細胞種に対しまして保険適応となりました)。

クッシング症候群、デキサメタゾン抑制試験についてまとめました#病態・薬物治療#クッシング症候群#デキサメタゾン抑制試験.

クッシング症候群は慢性的なコルチゾール過剰分泌(高コルチゾール血症)が原因となり、さまざまな合併症を起こします。ACTH非依存性クッシング症候群は種々の病態が原因となります。クッシング症候群の臨床所見はコルチゾール過剰分泌の程度や時間によって多岐にわたります。

Dex:デキサメタゾン,F:コルチゾール,DST:デキサメタゾン抑制試験 ..

クッシング症候群の診断にはデキサメタゾン抑制試験を行います。デキサメタゾンの内服を行うことで、ACTHとコルチゾールが正常に抑制されれば正常、そうでなければ負のフィードバックが働いていない(=自律的分泌がなされている)ことが強く疑われます。また、24時間の蓄尿を行い、遊離コルチゾールが尿中にどの程度排泄されているかを確認します。その他、副腎CT/MRI、131ヨウ素アドステロールシンチグラフィを行います。

小川 誠司:クッシング症候群におけるプロテインキナーゼA触媒サブユニットの変異.

当サイトは、糖尿病・内分泌領域において医師・医療スタッフを対象に、臨床に直結した医療情報を提供する電子ジャーナルです。

① デキサメタゾン抑制試験(0.5mg)において血中コルチゾール値が 5µg/dL 以上を ..

手術前に体内のコルチゾールを低下させる必要がある場合、手術で腫瘍がとりきれなかった場合は、メチラポン(メトピロン)やオシロドロスタット(イスツリサ)などの飲み薬を用いて治療を行います。脳下垂体ACTH産生腫瘍の場合はACTHを低下させる注射薬(パジレオチド;シグニフォーLAR)を用いることがあります。
コルチゾール過剰による合併症の対策のため、クッシング症候群の治療と並行して、必要に応じて日和見感染症予防や電解質調整、骨粗鬆症予防などの薬剤治療を行います。
副腎がんや異所性ACTH産生腫瘍が悪性の場合は、抗がん剤も含めた様々な方法で治療を行います。

[PDF] 副腎性潜在性クッシング症候群:病態、成因、臨床的意義と新診断基準

副腎性クッシング症候群:副腎皮質の腫瘍などでコルチゾールが過剰分泌されます。
ACTH依存性クッシング症候群:ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が過剰に分泌されることでコルチゾールが増える状態です。このうち下垂体の腫瘍によって下垂体からACTHが過剰に分泌される場合を「クッシング病」、肺がんなど下垂体以外の腫瘍によってACTHが過剰に分泌する場合を「異所性ACTH症候群」といいます。
薬剤性クッシング症候群:コルチゾールと同様の作用を持つ薬剤によってコルチゾール作用過剰の症状が現れます。

Cushing(クッシング)症候群〈Cushings syndrome〉

原因に応じて治療方法は異なる。原則、腫瘍は手術もしくは治療により治療する。

(注4)一晩少量デキサメタゾン抑制試験では従来1~2mgのデキサメタゾンが ..

特異的症候として,満月様顔貌,中心性肥満または水牛様脂肪沈着,赤紫色皮膚線条,皮膚の菲薄化および皮下溢血,近位筋萎縮による筋力低下,小児における成長遅延がある。

クッシング症候群は副腎皮質束状帯からの糖質コルチコイドであるコルチゾルという ..


副腎腫瘍が副腎皮質機能亢進症の原因となることもあります。副腎皮質腺腫や腺癌が発生します。副腎皮質腺腫は、周囲の組織に浸潤したり、肝臓や肺に転移したりします。副腎の腫瘍は必ずしも両側性に起こるわけではありません。

クッシング症候群 (くっしんぐしょうこうぐん)とは | 済生会

クッシング症候群の治療は腫瘍摘出手術が基本です。通常の腺腫であれば、腹腔鏡下副腎摘出術を行います。その後、副腎のホルモン補充療法を行います(コートリル内服など)。

クッシング症候群の原因や症状、治療法について解説。クッシング ..

病型診断は,血漿ACTH濃度を測定し,抑制(<5pg/mL)があれば副腎性,抑制なし(≧5pg/mL)であれば下垂体性クッシング病または異所性ACTH症候群を鑑別する。

クッシング病とクッシング症候群|内分泌 | 看護roo![カンゴルー]

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)でよくみられる症状として、多量に水を飲み多量に尿をする多飲多尿という症状があります。

クッシング症候群(CS. Cushings syndrome) – 内分泌疾患

血中コルチゾール高値や尿中遊離コルチゾール高値があれば、クッシング症候群の鑑別を行う。