[PDF] 医薬品安全性情報Vol.19 No.10(2021/05/13)


ステロイドパルス療法は1グラムのステロイドを3日間連続で点滴することを1クールとして疾患によって1~3クール行う治療法です。
多量のステロイドを1クールとして疾患によって1~3クール行う治療法です。
多量のステロイドパルス終了後はステロイド内服をおこない、ゆっくりと減量していきます。


重症COVID-19へのステロイドはDX?mPSL?集中治療医に聞く

CIDPの原因は、現在もなお不明ですが、末梢神経に対するにより髄鞘(ミエリン)が破壊されることで、いろいろな症状が出現すると考えられています。近年、一部の患者において末梢神経に対する自己抗体が陽性となる場合が報告され、病態の解明が進んでいます。CIDPの診断は、臨床症状と経過、神経学的検査、電気生理学的検査、脳脊髄液検査、神経MRI検査、神経生検における病理学的検査、免疫治療に対する反応性などから総合的に診断されます。診断のためのバイオマーカーは未だ確立されていません。CIDPの患者数は人口10万にあたり1~4人で、国の難病法が定める「指定難病」のひとつであり、一定の要件を満たせば医療費の助成が受けられます。

現在のCOVID-19に対するステロイド療法は、大規模なランダム化比較試験であるRECOVERY試験の結果に基づいています(N Engl J Med. 2021 Feb 25;384(8):693-704.)。つまり、酸素を必要とするCOVID-19患者に、デキサメサゾン6mg/dayを7~10日間投与するというものです(酸素を必要としない患者へのステロイド投与は、予後を悪化させる可能性が示されています)。しかし、SARS-CoV-2による肺炎は、発症7~10日目に悪化しやすい特徴があります。そのため、発症早期に酸素化が悪化しステロイドを投与した例では、発症7~10日またはそれ以前に投与を終了すると再増悪することを経験します。したがって、ステロイドの投与期間は7~10日間と限定せずに、投与開始日と病態のピークを勘案しながら、長期投与および状況に応じて漸減することを検討する必要があります。一方で、発症7~10日目以降にステロイド投与を開始した場合は、短期間で終了することも考えられます。
ステロイドパルス療法の効果については、ステロイドを使用しない群を対照にしたランダム化比較試験は、小規模ながら報告があります(Eur Respir J. 2020 Dec 24;56(6):2002808.)。この研究では、酸素を必要とする患者にメチルプレドニゾロン125mgを3日間投与することで、非投与群に比較し有意に死亡率が低下しています。デキサメサゾン6mg/dayとステロイドパルス療法を直接比較した介入試験は、現在のところ報告されていません。コロンビアの一施設において、デキサメサゾン6mg/dayの7~10日間投与(111例)を行って時期と、メチルプレドニゾロン250-500mgを3日間投与した後に、デキサメサゾン6mg/dayを11日間投与する治療法(105例)に変更した時期を比較したヒストリカルコホート研究が報告されています(PLoS One. 2021;16(5):e0252057.)。後者の方が回復までの期間が短縮し、ICUへの移送が減少したことが示されています。ただし、この結果には治療法が変更になった以外にも、他の医療水準が改善したことが影響している可能性があります。
パルス療法ではありませんが、メチルプレドニゾロン2mg/kgを1回投与後1mg/kgで5日間投与する群(44例)と、デキサメサゾン6mg/dayの10日間投与する群(42例)を用いたランダム化比較試験では、前者の方で改善が早く、人工呼吸器への移行も少なかった(18.2% vs 38.1%, p=0.040)ことが示されています(BMC Infect Dis. 2021;21(1):337.)。メチルプレドニゾロン群で良好な結果が示された理由は、ステロイドの種類というより力価としてデキサメサゾン6mg/dayより高用量であることが影響しているように思われます。
RECOVERY試験で示されたデキサメサゾン6mg/dayでは、治療量として不足する患者が一定数存在する印象を持ちます。デキサメサゾン6mg/dayにて改善が乏しい場合、もしくは当初からでも、より重症、増悪速度が著しい、肥満がある場合等は、ステロイドパルス療法を検討する必要があると考えます。

デキサメタゾンを40mg,経口,1日1回,連続4日間を月1回,6サイクル

また、 ヒドロコルチゾン分泌量に関する記載、文献を追加しました。 ▼投与方法は?ステロイド全身投与は内服が基本だが、 パルス療法など短時間に大量投与する場合は注射剤を選択する。 ▼内服⇔注射の切替の際の用量調節は?経口ステロイド剤は吸収率が高いため、 「内服⇔注射の切替の際の用量調節は不要」 と言われている。 ▼投与目安は?連日投与の場合は生体内利用率の低下を考慮し、 臨床効果を見て投与量調節すると良い。 また、 内服ステロイド1錠中のステロイド量は、 健康成人のヒドロコルチゾン分泌量 (約20mg/日)と同等となっており¹⁾、 臨床上の投与量の目安とされている。 ただし、ヒドロコルチゾン分泌量について、 10mg/日程度とする文献もあり議論が分かれている²⁾³⁾。、 、 、 /、 、 、 、 /、 /

26歳女.約3年前に全身性エリテマトーデス及びループス腎炎と診断され,prednisolone内服で寛解状態となったが,今回,尿蛋白の増加を認め入院となった.入院後の腎生検でループス腎炎と診断され,methylprednisolone sodium succinateによるパルス療法を施行したところ,皮疹が出現した.大腿部の皮膚生検で真皮血管周囲の細胞浸潤を認め,皮内テストを行った結果,コハク酸エステル基によるアレルギーが疑われた.Dexamethasoneを用いたステロイドパルス療法を施行し,副作用なく,蛋白尿は減少した

【Blood Adv】新規診断ITPに対するPSL vs 高用量デキサメタゾン

PDNとHD-DXMパルスは忍容性に優れていた。HD-DXMは初回治療反応が良好だったが、PDNほど治療効果が持続しなかった。 -----