[PDF] 前立腺癌 【DOC(75mg/㎡)療法】 インターバル
1) 組織学的又は細胞学的に、小細胞組織構造(小細胞癌)ではない前立腺腺癌であることが確認された患者。
2) アンドロゲン除去療法中(又は、両側精巣摘出術後)の条件下で、スクリーニング前6ヵ月以内に前立腺癌の疾患進行と判断した患者
3) 骨スキャンによる骨病変又は CT/MRIによる軟部組織病変のいずれかが記録されており、転移性疾患の根拠を有する患者。
4)mHSPC又はCRPCの状態で、アビラテロン酢酸エステル、エンザルタミド、アパルタミド又はdarolutamideのいずれか(ただし、2剤以上の投与歴はない)による治療歴 があり、疾患進行している又は不耐容である患者。
5) 血清テストステロン値が50 ng/dL未満(2.0 nM未満)のアンドロゲン遮断状態の患者。
6) 骨吸収療法(ビスホスホネート製剤又はデノスマブが含まれるが、これらに限定しない)を受けている場合は、無作為割付け前に安定した用量で継続している患者。
7) 治験期間中及び治験薬の最終投与後少なくとも120日間又はドセタキセルの最終投与後少なくとも180日間、以下の内容に従うことに同意した患者:精子を提供しないこと。加えて、無精子[精管切除術又は医学的理由に不随するもの]が確認されない限り、避妊法の使用に同意すること。
8) 男女を問わず他人に対して精液を移行させる可能性のあるあらゆる行為においても男性用コンドームを使用することに同意しなければならない。
9) 放射線照射を受けていない軟部組織病変から新たに採取したコア又は切除生検検体(スク リーニング前12ヵ月以内に採取)を提出可能な患者。放射線照射を受けた部位では疾患進行した腫瘍から採取した検体であれば、許容される。骨病変のみ又は骨病変が主となる患者は、骨病変の検体を提出できることがある。
10) 無作為割付け前7日以内に評価した Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)Performance Statusが0又は1の患者
本剤は、遠隔転移を有する前立腺癌においてドセタキセル併用下で投与されるため、最新のドセタキセル
以前よりわが国では,経口抗がん薬のうちフッ化ピリミジン薬の使用頻度が高く,大腸がんにおけるUFT/ロイコボリン,カペシタビン,胃がんにおけるS-1,肺がんにおけるUFT は比較試験により術後補助薬物療法の有効性が示されている。また,切除不能再発胃がんや大腸がんに対しても,S-1 やカペシタビン,UFT/ロイコボリン,大腸がんにおけるTAS102(トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)は,ガイドラインで推奨されている治療の一つである。これらの経口抗がん薬は単回での催吐性リスクは少ないが,連日内服による消化器症状がある。
軽度リスクの経口抗がん薬に対して,MASCC/ESMO ガイドライン2016 では,制吐薬3 種類(5-HT3受容体拮抗薬,デキサメタゾン,ドパミン受容体拮抗薬)を単剤で使用することが勧められているが,最小度リスクに対する制吐薬の予防的使用は推奨されていない。一方,NCCN ガイドライン2017 では,軽度・最小度リスクの経口抗がん薬を含めて,悪心・嘔吐が生じた際にメトクロプラミド,プロクロルペラジン,5-HT3受容体拮抗薬などの連日投与(必要に応じてオランザピンやロラゼパムを併用)が推奨されている。しかし,経口抗がん薬に対する制吐薬の比較試験がないため,これらの推奨される制吐療法の信頼度は低い。ただし,これらの経口抗がん薬の有効性のエビデンスを示した比較試験のプロトコールをみると,Grade 2 の悪心・嘔吐が発現した場合にはおおむね支持療法を行うかまたは休薬し,支持療法によってコントロールできない場合には,投与量を一段階減量する,さらにGrade 3 の悪心・嘔吐が発現した場合は,投与量を一段階減量することが一般的である。したがって,がん薬物療法のエビデンスを示した臨床試験のプロトコールを参考に,日常臨床で使用されている薬剤を使用するほか,食事の工夫,カウンセリングなどの支持療法を実施し,コントロール不良の際は休薬し,抗がん薬を一段階減量して再開するという原則を守り,Grade 3 以上の悪心・嘔吐を発現させず,Grade 2の悪心・嘔吐が継続しないように内服を継続することが求められる。
前立腺がん, URP-21 ドセタキセル+エストラムスチン+デキサメタゾン併用療法(DED療法) ..
1) 佐伯俊昭.制吐薬適正使用ガイドラインに関するアンケート調査.癌と化療.2015; 42: 305-11.
現在, 抗がん薬の副作用である悪心・嘔吐の評価方法としては, CTCAE (Common Terminology Criteria for Adverse Event) v4.0-JCOG が用いられているが,これは制吐療法の評価方法ではない(→)。従来のわが国の制吐療法における臨床試験では,悪心・嘔吐が「ない」,「我慢できる」から,「ほとんど食べられない」といったチェック項目を患者に提示して個々の治療効果を示してもらうなどの方法がとられていた。最近の臨床試験では,がん薬物療法施行後0~120 時間の完全制御割合,0~24 時間の完全制御割合(急性),24~120 時間の完全制御割合(遅発性)などが評価項目として用いられている()。しかし,医療者は過小評価の傾向が指摘されており,悪心・嘔吐の予測がどの程度できているかの評価も重要である。また, 患者自身による主観評価にあたる Patient-Reported Outcome (PRO) の重要性も認識されてきており, がん臨床試験における患者の自己評価に基づき, 有害事象評価の正確性と高い精度のグレーディングを追及したツールとしてPRO-CTCAEが公開されてきており(), 日常診療として客観的評価とどのようにして関連づけて評価していくか等に関する検討が必要になるであろう。
[PDF] 34 ドセタキセルが無効であった内分泌療法抵抗性前立腺癌に対して
1) 過去3年以内に進行性又は治療が必要な他の悪性腫瘍を有する患者。
2) 過去2年以内に全身性の治療を要した 活動性の自己免疫疾患を有する患者。
3) 免疫不全状態と診断された患者、又は長期全身性ステロイド療法による治療を受けた患者。
4) 無作為割付け前28日以内に大手術[前立腺に対する局所治療(前立腺生検は除く)を含む]を受け、毒性又は合併症から回復していない患者。
5) 薬剤の吸収に影響を及ぼす消化管障害を有する患者。カプセル/錠剤を飲み込むことができない患者。
6) 全身性の治療を必要とする活動性の感染症(結核など)を有する患者。
7) 間質性肺疾患/肺臓炎を合併、若しくはステロイド投与が必要な(非感染性の)間質性肺疾患/肺臓炎の既往を有する患者。
8) 活動性のヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎又は活動性の C型肝炎 を有する患者。
9) 活動性の中枢神経系(CNS)への転移又は癌性髄膜炎を有する患者。
10) ペムブロリズマブ又は治験薬の添加剤に対する重度(Grade 3以上)の過敏症を有する 患者。
11) 症候性のうっ血性心不全(New York Heart Association Class III 又は IV)を有する患者。
12) 無作為割付け前にがんに対するモノクローナル抗体治療を受けた患者又は前に投与されたモノクローナル抗体によるすべての毒性から回復(Grade 1以下又はベースライン)していない患者。
13) 無作為割付け前に、前立腺癌に対するホルモン療法と同様の活性を有する、又は PSAを減少させることが知られている漢方を使用した患者。
14) 前立腺癌に対する、ラジウム又はその他治療目的での放射性医薬品の治療歴を有する患者。
15) 抗 PD-1、抗 PD-L1、抗 PD-L2の薬剤又は他の補助刺激性若しくは共抑制性 T細胞受容体 (CTLA-4、OX-40、CD137等)を標的とした薬剤の治療歴を有する患者。
16) mCRPCに対してドセタキセル又は他の化学療法の治療歴がある患者。
17) ドセタキセル又はポリソルベート80に対する過敏症を有する患者。
18) 強力又は中程度の CYP3A4阻害剤の投与を受けており、治験期間中に中止することができない患者。
19) 治験薬初回投与前4週間以内に低分子標的治療、アビラテロン酢酸エステル、エンザルタミド、アパルタミド又はdarolutamideによる治療を受けた患者、若しくは前治療によるすべての毒性から回復(Grade 1以下又はベースライン)していない患者。
20) 治験薬初回投与前2週間以内に放射線療法を受けた患者。放射線療法に関連したすべての毒性から回復しており、コルチコステロイド投与を必要とせず、放射線性肺臓炎の既往がないこと。
21) 無作為割付け前30日以内に生ワクチンの接種を受けた患者
22) 無作為割付け前4週間以内に、5α還元酵素阻害剤(フィナステリド、デュタステリドなど)、エストロゲン又はシプロテロンによる治療を受けている患者
23) 前立腺癌に対してケトコナゾールの治療歴がある患者
24) 現在他の治験薬の治験に参加している、又は治験初回投与前4週間以内に他の治験薬の治験に参加した若しくは治験用の医療機器を用いた患者。
25) 骨画像にて super scanとなった患者 。
26) スクリーニング時来院から治験薬最終投与後120日までにパートナーの妊娠を希望する男性患者。
27) 同種組織/臓器の移植歴を有する患者。
経口抗がん薬における催吐性リスクについては,MASCC/ESMO ガイドライン2016 を参考に作成委員会内でコンセンサスを確認し, それ以外の薬剤については承認申請時のデータ,代表的な臨床試験の報告をもって に示すリスク分類とした。わが国で使用頻度の高いテガフール・ギメラシル・オテラシル(S-1)では,悪心の発現頻度は3~54%,Grade 3/4 は0.2~7.1%,嘔吐の発現頻度は14~28%,Grade 3/4 は1.2~4.3%と報告されており,軽度リスクに分類した。トリフルリジン・チピラシル(TAS-102)は悪心と嘔吐の発現頻度がそれぞれ48%,28%であることから中等度リスクに,アレクチニブは悪心の発現頻度が13%であり軽度リスクに分類した(→)。レンバチニブでは悪心の発現頻度が41%, Grade 3 が2.3%であり, 中等度リスクに分類した。
この治療法は前立腺癌に対する代表的な治療法です。DTX はドセタキセルの略称です ..
NK1受容体拮抗薬であるアプレピタント125 mg 経口投与もしくはホスアプレピタント150 mg 静脈内投与と5-HT3受容体拮抗薬およびデキサメタゾン9.9 mg 静注(12 mg 経口)の3 剤併用が推奨される。第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾンの2 剤併用に比べ,アプレピタントを加えた3 剤を併用することで制吐作用の著しい改善が示されている~。第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬(→ 参照)は,単剤間の直接比較およびデキサメタゾン併用下での比較において,薬剤間またその投与経路によって効果に大きな差はなく,用量や投与回数の影響を受けないことから,抗がん薬投与開始前に必要量を単回投与とする。第2 世代5-HT3受容体拮抗薬のパロノセトロンは,単剤間の直接比較およびデキサメタゾン併用下での比較において,急性嘔吐の予防効果は他薬剤と同等であるが,遅発性嘔吐の予防において優れている(→ 参照)。デキサメタゾンの用量(→ 参照)については,第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬との2 剤併用では13.2~16.5 mg を静注(16~20 mg を経口)とされてきたが,アプレピタントとの併用では,アプレピタントがCYP3A4 を阻害することによりデキサメタゾンの濃度-時間曲線下面積(area under the concentration-time curve; AUC)が増加するため,3 剤併用では9.9 mg 静注(12 mg 経口)に減量する。ただし,副腎皮質ステロイドが抗がん薬として投与されるCHOP 療法などではレジメン内のステロイドは減量してはならない。アプレピタントの投与期間は3 日間が推奨される。ホスアプレピタントはアプレピタントの水溶性を向上させたリン酸化プロドラッグであり,静脈内投与後に体内の脱リン酸化酵素によって速やかに活性本体であるアプレピタントに変換される。ホスアプレピタントはオンダンセトロン,デキサメタゾンとの3 剤併用でアプレピタントとの同等性が示されており,5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾン併用下での抗がん薬投与30 分前,150 mg の単回使用が推奨される。ただし,副作用として注射部位痛/発赤/血栓性静脈炎の頻度が高いことに留意すべきである。
1サイクル:21日
投与日:day 1
サイクル数:6(トラスツズマブは1年間)
【点滴静注】
1.トラスツズマブ初回8 mg/kg,2回目以降6 mg/kg+生理食塩水250 mL 90分(初回)
30分(2回目以降)
2.5-HT3受容体拮抗型制吐薬+デキサメタゾン6.6 mg+生理食塩水50 mL 15分
3.ドセタキセル75 mg/m2+生理食塩水250 mL 60分
4.カルボプラチンAUC 6+生理食塩水250 mL 60分
5.生理食塩水50 mL 15分
【内服】
アプレピタント125 mg day 1(化学療法薬投与60~90分前に内服),80 mg day 2,3(午前中に内服)
デキサメタゾン錠8 mg 分2 day 1夜~day 3朝(2日間)
①ホルモン抵抗性前立腺癌に対する低用量Cisplatin,UFT,Dexamethasone併用による内.
化学療法に入るタイミングを説明したものが、上の図です。転移(進行)がんでも、いきなり化学療法に入ることはありません。まずホルモン療法から始めます。
ホルモン療法を行っても、薬が効かなかったり、最初は効いていたのに、使っているうちにだんだん薬が効かなくなったりすることがあります。薬の効果はPSA値で判断します。PSA値が十分に下がれば効果ありと判断しますが、十分に下がらなかったり、逆に上がったりした場合は効果なしと判断します。
ホルモン療法で一般的な治療は、LH-RHアゴニスト(酢酸ゴセレリン/商品名ゾラデックス、酢酸リュープロレリン/商品名リュープリン)と、抗アンドロゲン薬(ビカルタミド/商品名カソデックス、フルタミド/商品名オダインなど)を併用するCAB療法です。LH-RHアゴニストの代わりに精巣摘除術を行う場合もあります。
CAB療法でPSA値が十分に下がった場合は、そのまま治療を続けます。多くの人がCAB療法でPSA値が十分に下がるので、すぐにドセタキセルで治療を始めることにはなりません。
ただし、少数の患者さんでPSA値が十分に下がらなかったり、上がったりすることもあり、その場合はドセタキセルによる治療を始めます。
一方、PSA値がある程度下がった場合は、そのままCAB療法を継続しますが、2、3年たって効果が落ちてきた場合は、抗アンドロゲン薬の種類を変えます。これを抗アンドロゲン交替療法といいます。
抗アンドロゲン薬を変えてもPSA値が上がる場合は、ドセタキセルによる治療を開始するか、もしくは女性ホルモン薬と抗がん薬の作用をあわせもったエストラムスチン(商品名エストラサイトなど)や、副腎皮質ステロイド薬などによる治療に切り替えます。
抗アンドロゲン薬を変えてPSA値が下がった場合は、そのまま治療を続けますが、薬が効かなくなってきたら、エストラムスチンや副腎皮質ステロイド薬などによる治療に切り替えます。この治療が奏効しない場合も、ドセタキセルによる治療を始めるタイミングとなります。
現在のところ、ドセタキセルを使った化学療法は最後の手段と考えられているので、ホルモン療法である程度効果があればなるべく続けるようにし、どうしてもがんの進行が止められないと判断した場合に、ドセタキセルを使った化学療法に踏み切るという流れになっています。
転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)の治療法として、ドセタキセル+プレドニゾン併用療法は米国で承認されて ..
NCCN ガイドライン 2015 では,アプレピタントの代わりに多受容体作用抗精神病薬(MARTA)であるオランザピンをパロノセトロンとデキサメタゾンと3 剤併用で用いるオプションが示された。さらに同2017では,新たにアプレピタント(またはホスアプレピタント),パロノセトロン,デキサメタゾンの3剤併用にオランザピンを加えるレジメンも提示された。これらは,シスプラチンとAC療法を含む高度リスク抗がん薬投与に際し,オランザピンが,パロノセトロンとデキサメタゾン併用下においてアプレピタントと同等であることが示された第Ⅲ相ランダム化比較試験や,アプレピタント(またはホスアプレピタント),パロノセトロン,デキサメタゾンの3剤併用にオランザピンを加える有用性が示された第III相ランダム化比較試験の結果を受けている。ASCO ガイドライン2017 でもオランザピンを加えた4剤併用が推奨療法として追加された。オランザピンはわが国でも複数の臨床試験が行われた。オランザピンは公知申請により2017 年6 月から,他の制吐薬との併用において成人では5㎎ を1 日1 回経口投与(患者状態により最大1日10㎎ まで増量可能),最大6 日間を目安として先発品と一部の後発品で保険下にて使用が可能となった。本邦における推奨用量,使用方法については未だ検証段階であるため,適切な患者に慎重に投与することが望まれる。慎重投与すべき患者としては,糖尿病患者ならびに高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者であり,使用に際しては副作用の傾眠や血糖上昇に十分注意する。高齢者への投与も慎重に行うべきである。作用点が重複するドパミンD2 受容体拮抗薬ドンペリドン,メトクロプラミド,ハロペリドール,リスペリドンなどとの併用は勧められず,また,睡眠薬との併用には注意を要する。投与量に関してはランダム化第Ⅱ 相試験ではあるが,高度リスク抗がん薬投与に対し3剤併用に加えたオランザピン5 ㎎ と10 ㎎では遅発期の悪心・嘔吐の制御において同等であったとの報告もある。
去勢抵抗性かつドセタキセル抵抗性前立腺癌に対して有効な治療法としては,.
本症例では免疫細胞療法として、まずγδT細胞療法を3回施行しその後αβT細胞療法を施行した。免疫細胞療法を導入した直後よりPSA値の劇的な低下を認めたことから、治療初期に施行したγδT細胞療法への反応性が非常に高かったと考えられる。また、その後のαβT細胞療法への反応性も非常に高かったことや、主なPSA産生細胞と考えられる左上腕骨転移巣に一致した部位の疼痛が免疫細胞療法施行期間中に軽快したことから、γδT細胞療法による局所ならびに全身性の抗腫瘍効果を契機に自然免疫と獲得免疫が新たに発動した可能性が示唆された。同様の機序は、放射線療法や抗癌化学療法と免疫細胞療法との併用療法でも期待されるところであり、腫瘍マーカーや画像所見などの臨床データと免疫細胞療法への反応性を注意深く観察し、適切な治療法を選択することが治療効果の長期継続に繋がると考えられた。
[PDF] 内分泌療法抵抗性前立腺癌に対する ドセタキセル療法の治療経験
【11.1.1】ショック,アナフィラキシー〔失神,意識喪失,呼吸困難,顔面蒼白,血圧低下等が発現〕【11.1.2】誘発感染症,感染症の増悪〔[9.1.1参照]。誘発感染症,感染症の増悪が発現。また,B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎が現れることがある。B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現が認められた場合には減量を考慮し,抗ウイルス剤を投与。[8.2,8.3,9.1.1,9.1.3,9.1.10参照]〕【11.1.3】続発性副腎皮質機能不全,糖尿病〔[9.1.4参照]〕【11.1.4】消化性潰瘍,消化管穿孔,膵炎〔[9.1.1参照]〕【11.1.5】精神変調,うつ状態,痙攣〔[9.1.1参照]〕【11.1.6】骨粗鬆症,大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死,ミオパシー,脊椎圧迫骨折,長骨の病的骨折〔[9.1.5参照]〕【11.1.7】緑内障,後嚢白内障〔[8.4,9.1.1参照]〕【11.1.8】血栓塞栓症〔[9.1.1参照]〕【11.1.9】喘息発作〔[9.1.11参照]〕【11.1.10】腫瘍崩壊症候群〔リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合,腫瘍崩壊症候群が発現。適切な処置(生理食塩液,高尿酸血症治療剤等の投与,透析等)を行う。[8.6参照]〕
[PDF] NCCN Guidelines Version 3.2016 前立腺癌
基本的に5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾン6.6~9.9 mg を静注(8~12 mg を経口)の2 剤併用とするが,一部の抗がん薬(カルボプラチン,イホスファミド,イリノテカン,メトトレキサート等)を投与する場合にはアプレピタント125 mg 経口投与もしくはホスアプレピタント150 mg 静脈内投与の併用が推奨され,その際にはデキサメタゾンを減量(静注: 3.3~4.95 mg,経口: 4~6 mg)する(→参照)。また,わが国では400 例を超えるオキサリプラチン投与患者に対する第III相ランダム化比較試験が行われ,5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾン併用下において,アプレピタント/ホスアプレピタント群がコントロール群より全治療期間,特に遅発期の悪心・嘔吐の制御に優れることが示された。
[PDF] 前立腺がんレジメン CBZ療法 DTX療法 各レジメン詳細は、以下頁参照
症例は68歳男性。家族歴、既往歴は特記すべきことなし。現病歴は、2006年11月2日に前立腺生検施行(PSA;138 ng/ml)。病理組織学診断にて、adenocarcinoma(Gleason score;4+5=9)であった。また、画像所見では、上腕骨骨転移と傍大動脈リンパ節転移を認め、Stage D2の診断にてホルモン療法を開始した。その後いったんPSA値は低下したが、2009年1月より再度上昇を認め、内分泌療法抵抗性前立腺癌と診断し、4月28日より抗癌化学療法(ドセタキセル+エストラムスチン)を開始した。
その後、2009年10月ごろよりPSA値が再上昇し、2010年6月からデカフール・ウラシル+シクロフォスファミド+デキサメタゾンに変更したがPSA値は上昇したため、7月8日に免疫細胞療法を希望して当院初診となった。
初診時は、PS0で、全身倦怠感と左上腕の疼痛があった。CT等の画像所見では評価可能病変を認めなかったが、PSAは14.09ng/mlと上昇傾向を認めた。内分泌療法抵抗性前立腺癌と診断し、7月28日より免疫細胞療法を開始した。免疫細胞療法のスケジュールは、まずガンマ・デルタ(γδ)T 細胞療法を3回施行し(7月28日、8月18日、9月8日)、その後アルファ・ベータ(αβ)T細胞療法を約2週間間隔で施行した。治療前まで上昇傾向にあったPSA値(14.09 ng/ml) は、γδT細胞療法施行後に低下し(3.62ng/ml)、その後のαβT細胞療法施行中も低下し続け、2011年3月22日時点で感度未満(< 0.01 ng/ml) となった。一方、全身倦怠感と左上腕の疼痛については、PSAの低下に伴って症状の消失が認められた。
2011年6月15日時点で、デカフール・ウラシル+シクロフォスファミド+デキサメタゾンの服用と約2週間間隔のαβT細胞療法を継続中で、PSA値は感度未満であり、特に自覚症状も認めていない。
1クール 21日、 10-20 クール (1クールには休薬期間を含む)
前立腺癌に対するホルモン療法は、ある程度の期間(この期間には個人差があります)継続すると効きにくくなる場合があり、このような病態を去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)と呼びます。去勢抵抗性前立腺癌に対しては、通常、外来にて内服薬の追加、変更あるいは対症療法などが用いられます。しかし、種々の外来治療でも病状が進行する場合は、抗癌剤による化学療法が必要になることがあります。