はじめに、歯科領域全体における抗菌薬使用について教えてください。
治療でなく予防で使うことが多いというのは、歯科特有だと思います。歯科全体の抗菌薬使用量は医科に比べれば少なく(図1)、また予防目的なので投与期間も通常は3日前後です。ただ本当に予防が必要な人以外にも、慣習的に処方している部分があるのではないかと考えられます。予防が主なので、起炎菌を調べたりアンチバイオグラムを作成したりといったことはほとんどされません。「予防で使う」は歯科の特徴であり問題でもある、といえるでしょう。
ここんところは114回国試に向けてちょっと考慮しないといけない点かもしれません。
そのような中、我が国のガイドライン*3では「高リスク患者に対し推奨する」「中等度リスク患者に対し提案する」と記されており、しています。感染性心内膜炎の死亡率は高く、もし発症すれば重篤な結果を招きます。抗菌薬の予防投与で救える患者さんは多くないかも知れませんが、1回の内服で感染性心内膜炎による身体的苦痛、生活への悪影響、経済的ダメージが回避できる可能性があるのならば意義があるという判断です。
図1 全国の医科・歯科における抗菌薬(経口+注射)使用量の推移(2015~2020年)
また、抜歯後に起こる表在性骨炎や、抜歯後感染もここに含まれます。
何も我々歯科医は不要な情報を記入させているのではない。
全身疾患は時として、歯科治療が命にかかわることもある。
口腔用ステロイド製剤(商品名:アフタッチ、アフターシール他)が処方されます。
口腔粘膜に貼り付ける錠剤やシールを歯科用貼付剤と呼びます。口内炎などによる潰瘍面を保護します。歯科用貼付剤を貼り付ける粘膜部位はしっかりと清掃してから貼付することが大切です。
歯の豆知識など、お口の健康に役立つ歯科情報を発信していきます。
歯科用貼付剤:シール状のフィルムを口内炎の潰瘍面の上に貼り付けます
単純性ヘルペスによるウィルス性口内炎にはアシクロビル軟膏(商品名ゾビラックス軟膏他)を塗布します。
今回は、心疾患の中でも歯科とのかかわりが非常に強い感染性心内膜炎について。
感染性心内膜炎は、細菌が心臓の心内膜に感染し、病巣を作った状態。
健全な健康状態では起こらないが、先天性心疾患や弁膜症の既往がある場合は注意を要する。
他には、糖尿病、肝硬変、腎疾患、ステロイド剤服用患者など。
その病態は、致死性が高く、自然治癒は見込めない。
その原因は、歯科治療における血中への細菌の流入が大きく関係する。
歯科の分野で、ジェネリックを勧めて、果たしてどれぐらいの効果があるのだろう・・?
そもそも私たちの体には何百兆もの細菌がすんでいるといわれています。細菌といっても悪者とは限らず、体のためになる物質をつくり出す良い細菌もたくさんいます。
私たちは無数の細菌と共生しながら、生命活動を営んでいるのです。
体にとって良くない細菌が外から侵入してきても、その人が健康で体力があれば免疫が働き、増えすぎないようにしたり活動を抑え込んだりするので、実害はありません。
抗菌剤はいろいろあり選択に迷うところです。いろいろな薬品をはば広く使うより、数種類の薬剤の知識を深くしてパターン化したほうが臨床的に有効と思います。ここではジスロマック、フロモックス、クラビットを主として考察してみました。サワシリン(アモキシシリン)は術前投与としか使用しません。セフゾンもフロモックスが使えないときに使用します。
私たちがきれいにした後も、そこに汚れがつかないように毎日のケアが一番大事です!
歯科用インプラント埋入後に術後抗生物質を投与しても、インプラント周囲の歯槽頂骨の変化や術後の疾病率には影響しなかった。 歯科用インプラント埋入の1時間前に抗生物質を1回投与するだけで、抗菌薬耐性を発症するリスクを最小限に抑えることができ、歯科用インプラントの合併症を防ぐのにおそらく十分である。
しんがい歯科医院 〒370-0075 群馬県高崎市筑縄町20-5
当院の問診票には全身疾患を記入する欄がある。
以前、初めて来院した患者が、こんなに問診票を書くのは嫌だ、歯だけ治療しろと言ってきたことがあった。
そこは記入していただけなければ、診療できませんといったところ、ならええわと出て行ってしまったことがった。
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何となく治らないから抗菌薬の種類を変えて処方したことや、何となく術後感染が心配で抗菌薬を処方したことはありませんか?
歯科における抗菌薬投与は、術後感染予防と歯性感染症治療の2つに大別でき、いずれも診療ガイドラインによって規定されています。
効果のない抗菌薬投与は耐性菌の出現や、重症感染症の発症につながることがあります。
日常臨床でのなんとなく‥をなくして、きちんとエビデンスに則った抗菌薬投与を行うことが求められています。
本セミナーでは抗菌薬の基本的な知識から、観血的歯科治療時の抗菌薬予防投与および歯性感染症治療の抗菌薬投与について、ガイドラインの内容を中心にご紹介します。
セミナー内容
・抗菌薬適正使用とは?
・歯科で処方できる抗菌薬の種類
・抜歯時の予防的抗菌薬投与について
・歯性感染症治療時の抗菌薬投与について
ドライソケットになると、抜歯後数日で強い痛みに襲われることも。
抗菌薬はかなり週類がありどれを使うか迷うところです。歯性感染症の第一選択はセフェム系、歯周組織炎での第一選択は移行率を考慮してマクロライド系、骨髄炎など薬剤の移行が十分で無い時はニューキノロン系が良いとされています。
歯科医師から高用量のサワシリン処方はなぜ? 疾患名:感染性心内膜炎の予防(適応外使用)
今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。
[PDF] 歯周病患者における抗菌薬適正使用のガイドライン 2020
中には抗生剤を併用することで効果が出る歯周病のタイプもあります。侵襲性歯周炎といい、10代、20代など若いうちから急速に進行していくタイプの歯周病です。歯垢歯石を除去しただけでは食い止めることができず、2週間ほどアモキシシリンとメトロニダゾール(日本の保険診療では歯科に使うことは認められていません)を内服します。細菌検査を行うことで特殊な細菌がいるかわかります。繰り返しますが、薬は補助的なもので、基本的な治療はとにかく歯の表面から歯垢歯石を取ることです。
[PDF] 歯科 ICT による外来抜歯の予防的抗菌薬適正使用支援活動
北川デンタルオフィスでは、歯の悩みを抱えている人々が最後にかかる歯医者を目指しております。精度の高い技術と1回の診察に最低60分のそれぞれのお悩みを解決するオーダーメイドの治療プランで満足度の高い治療を行います。
オーラルスタジオは医療従事者及び歯・医学部系学生の方へご提供することを目的とした歯科専門家向けポータルサイトです。
院長の歯科恐怖症への取り組みの動画をアップしました。当院にご来院の方の大半は、歯科恐怖症の方です。
歯科処置後に発生する一過性の菌血症(血液中に細菌が侵入すること)は ..
『歯石は取ると染みるし、とらないほうが良いんでしょ?』などの質問を受けることがあるので、
Sさんは、虫歯の治療で歯科医院に通院しています。ある日、Sさんの通院先の歯科 ..
前回のテーマにもなっていた「感染症」、その記事の中では虫歯を介しても発症することを記載しました。さらに今回は「歯性感染症」と呼ばれる、虫歯や歯周病が原因で細菌性の炎症が周囲の組織まで波及してしまう疾患についてのお話です。
歯性感染症の主な治療法は、ドレナージを作成することです。歯科での抗生物質の使用は、治療の用途に推奨される徴候や症状などが厳密に許可される「適応症」である必要があり、また広く有効性の期待できる「広域スペクトル」の抗生物質は、ほとんどの場合避ける必要があります。
すべての抗生物質治療においては、単回投与であっても通常の口腔内フローラ(口腔内の様々な微生物)に変化があり、回復するのに数ヶ月かかる可能性もあります。
[PDF] 歯科治療時の抗菌薬投与:感染性心内膜炎(IE)の予防
歯周病の治療は、歯にへばりついた歯垢・歯石を歯から剥がしてキレイにすることです。毎日の歯ブラシで歯垢をつけないことと、歯ブラシでは取れない歯垢歯石は歯医者さんで取ってもらいます。回数や方法は歯垢歯石の量や、歯周病の進行具合によって変わります。
高リスク心疾患患者に対する歯科処置に際して抗菌薬投与は IE 予防のために必要か? ..
■初診(60分)
簡易診査、写真撮影(必要に応じてX線撮影)、カウンセリング :15,000円(税別)
■歯科ドック :25,000円(税別)
■応急処置 :3,000円~(税別)
歯科におけるくすりの使い方:ChapterダイジェストPart1
抗生物質耐性とは、細菌が抗生物質に対する耐性を持つようになることです。これはスウェーデンだけでなく、国際的にも深刻化している問題です。したがって、適切な種類の抗生物質を使用し、使用用途が適切な適応症であること、用量、回数が適切な抗生物質を処方する必要があります。
パートタイムで勤務日ではないスタッフも来て、助手、衛生士、歯科医師の当院のスタッフのほとんどが参加をしました。 ..
「口腔感染症」のリスクを減らし、歯科治療における抗生物質の処方を減らすために最も重要なことは、良好な口腔衛生と予防歯科治療です。