デキサメタゾンは種類や用途によって、表れる副作用が異なります。
コロナの治療において大切なのは、処方された薬を最後まで飲みきることです。症状が軽くなったからといって飲むのをやめると、症状が悪化する恐れがあります。また、抗ウイルス薬のように、病気のメカニズムに作用する薬については、処方された薬を飲みきらなければ十分な効果を得られません。
天然糖質コルチコイドに比べ抗炎症作用が強く、副作用が弱い。抗リウマチ作用は ..
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デキサメタゾン (dexamethasone)
抗炎症作用が強く、作用の持続時間もステロイドの中で最も長い薬物。抗炎症や免疫抑制に使用されるが、糖尿病やムーンフェースなどの副作用が起こる可能性がある。連用後、急に服用を中止すると重篤な離脱作用が起こることがあり、連用後の服用中止時には、徐々に減量するなど注意が必要な医薬品。
2019年12月に新型コロナウイルス感染症が中国武漢で確認され、翌3月にWHOがパンデミック宣言をしてから2年以上が経ち、現在国内陽性者数が累計16.9万人(2022年8月厚労省報告)まで増加しています。
2017年10月に医薬品条件付早期承認制度が施行され、新型コロナウイルス感染症の予防薬(新型コロナワクチン)、治療薬はこの制度で承認されています。
新型コロナワクチンは、2021年2月から医療従事者を対象に先行接種が始まり、2022年8月までに1回目104百万人(82.1%)、2回目102百万人(81.0%)、3回目80百万人(63.9%)、4回目20百万人(8/19首相官邸情報、%は全人口に占める割合)が接種を受けています。通常であれば、集団免疫が獲得されて、終息している段階ですが、まだまだワクチン接種は必要となりそうです。
当副作用モニターにも新型コロナワクチンの副反応報告が集積され、現在49件の報告が上がっています。
新型コロナウイルス治療薬としては2022年8月現在、レムデシビル(ベクルリー点滴静注用®)、デキサメタゾン、バリシチニブ(オルミエント錠®)、カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ注射液セット®)、ソトロビマブ(ゼビュディ点滴静注液®)、モルヌピラビル(ラゲブリオカプセル®)、トシリズマブ(アクテムラ点滴静注®)、ニルマトレルビル・リトナビル(パキロビッドパック®)の8薬剤が承認済みで、他4剤も開発中です。
当副作用モニターにベクルリー7件(肝障害6件、嘔気1件)、オルミエント5件(リウマチで使用のみ)、セビュディ1件(肝障害)、ラゲブリオ4件(下痢、顔の腫れ、発疹、不眠)が報告されています。
副作用に十分注意しながら酸素投与期間中は1日1回デキサメタゾン
・デキサメタゾンに対して過敏症の既往歴のある人
・デスモプレシン酢酸塩水和物(男性の夜間頻尿に用いる)を服用している人
新型コロナウイルス感染症の重症患者では、肺障害および多臓器不全をもたらす全身性炎症反応を発現することが確認されています。ステロイドは抗炎症作用を有するため、デキサメタゾンにはこれらの有害な炎症反応を予防または抑制する可能性が示唆されており、前述の試験によって効果が裏付けられました。
副作用モニター情報〈601〉 抗コロナウイルス剤(内服薬)による副作用.
コロナの治療薬の副作用が現れた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。副作用を放置したり薬を飲み続けたりすると、さらに強い副作用が現れる恐れがあります。また、自己判断で減量したり薬を変更したりしてはいけません。
生ワクチンには、自然免疫のメカニズムを発動させて、幅広い感染防御のバリアを作る作用があることが分かってきた。
とりわけ、ポリオ生ワクチン(OPV)によって自然免疫を刺激することによって、新型コロナ感染を一時的に防ぐことができる可能性がある。
肝臓や腎臓の機能が悪化するという副作用が出ることがあるので、使用中は定期的に血液検査を受けていただく必要があります。 デキサメタゾン
合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)のひとつであるデキサメタゾン(商品名:デカドロン®)は、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用などの作用を有することが知られています。重症感染症を含めた種々の適応症を有しており、1960年代から現在に至るまで、様々な疾患に対して汎用されてきた薬剤です。
レムデシビルにはどんな効果や副作用があるのか、また、デキサメタゾンはどのような薬なのか。アビガンの効果にも触れつつ、医師に解説していただきました。
Q&A(COVID-19):デキサメタゾンを含む副腎皮質ステロイド
ステロイド薬であるデキサメタゾンは、多めの量を長期服用するといろいろな副作用が出やすくなります。その場合は定期的に検査を受ける必要があります。
コロナ治療薬「デキサメタゾン」とは? | ぽちたま薬局スタッフブログ
バリシチニブ(Baricitinib)は、関節リウマチに対する治療薬として、2017年よりオルミエント ®という名前で日本国内でも市販されていた飲み薬です。
体内で炎症が起こると、サイトカインという細胞間の情報伝達を行うタンパク質がリンパ球などから放出され、これが様々な細胞の表面にある受容体というタンパク質に結合することで、細胞の中に炎症のシグナルが伝わります。
バリシチニブは、受容体から細胞の中に信号を伝える際に必要な、ヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素を阻害することで、サイトカインによって細胞で炎症が起こることを抑える働きを持っています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を重症化させる、いわゆるサイトカイン・ストームに対して有効な薬剤として、米国では昨年11月より抗ウイルス薬レムデシビルとの併用治療が緊急使用許可されていました。
日本では、イーライ・リリー社によって昨年12月にCOVID-19の治療薬として承認申請が行われ、4月21日の厚生労働省の審議会で承認されました。
COVID-19の治療薬としては、レムデシビル、デキサメタゾンに続く3剤目となります。
今回は、承認の決め手となったと思われる、国際二重盲検試験(ACTT-2)の成績を報告した論文を読み解いてみたいと思います。
論文が掲載されたのは、The NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE 誌の2020年12月11日号です。
原文(英語)や図表は、下のリンクからお読みいただけます
Baricitinib plus Remdesivir for Hospitalized Adults with Covid-19
[PDF] デキサメタゾン COVID-19 小児患者に対する治療薬としての位置付け
デキサメタゾンの主な副作用としては、感染症の増悪、続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、消化性潰瘍、消化管穿孔、膵炎、精神変調、緑内障、血栓塞栓症などが報告されています。服用中止後に、発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、ショック等の離脱症状があらわれる場合もあるので、注意が必要です。
9)COVID-19 のマネジメントにおいて、デキサメタゾンにおける治療への効果とともにリス
ニュースなどで多くの方がご存じかと思いますが、たとえ新型コロナウイルス感染症を発病しても、ほとんどの患者さんは風邪のような症状をへて軽症のまま治ってしまいます。
しかし、一部の患者さんでは重症化して酸素吸入が必要になったり、更に悪化して人工呼吸器やECMOで生命を維持する治療が必要になったり、最悪の場合亡くなってしまったりします。
このような重症化が起こるメカニズムとしては、ウイルスの感染をきっかけに免疫システムが、いわゆる「サイトカイン・ストーム」を起こし、制御不能な炎症が肺を始めとした臓器に生じてしまうという説が有力です。
このため、新型コロナウイルス感染症の治療としては、①発症早期にはウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬を、②サイトカイン・ストームで重症化した場合には炎症を制御する薬剤を、という二段構えの戦略が必要になります。
新型コロナウイルス感染症に対する治療薬として国内承認された薬剤のうち、昨年5月に承認されたレムデシビル(ベクルリー®)は①の働きを持つ薬であり、昨年7月に承認されたデキサメタゾンは②の働きを持つ薬剤でした。
今回国内承認されたバリシチニブ(オルミエント ®)は②の働きを持つ薬剤ですが、デキサメタゾンと比較してどちらが有効性・安全性で優れているかは今の所わかっていません。
米国の疾病対策予防センター(CDC)のガイドラインでは、②の薬剤としてはデキサメタゾンを優先し、副作用の問題(高血糖など)でステロイドホルモンが使用できない症例では、バリシチニブの投与を検討するように記載されているようです。
一方、日本国内では、昨年末あたりからバリシチニブの保険適応外での使用が認められ、重症のコロナウイルス感染症の患者さんに投与が開始されていましたが、
①肺炎の陰影がCTスキャンで確認され、酸素飽和度が低下し始めるとレムデシビルの投与を開始
②悪化して酸素吸入が必要な状態になると、レムデシビルにデキサメタゾンを追加
③デキサメタゾン投与でもさらに悪化すると、上記2剤にバリシチニブを追加
という形で、デキサメタゾンとバリシチニブのどちらかを選択するというよりは、両剤を併用する医療機関が多いようです。
どちらが治療戦略として最適なのか、明らかになるにはしばらく時間が必要かもしれません。
近々改定されるであろう、厚生労働省の「COVID-19診療の手引き」では、本剤がどのような位置づけで記載されるのか興味があるところです。
第4波の到来による医療機関の逼迫が毎日のように報道されている今日このごろですが、バリシチニブの正式承認によって、投与する医療機関が増加→重症患者のICU滞在日数が短縮→重症病床の逼迫状態が改善、という流れが多少なりとも生じることを期待したいと思います。
[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 4 1
という情報だけを鵜呑みしてしまい、副作用などの服用リスクを理解しないまま、デキサメタゾンを服用してしまった方もいるようです。
新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第 8.0 版
デキサメタゾンは、新型コロナウイルス感染症に感染して症状が悪化し、酸素吸入、または人工呼吸器を付ける状態になった方に投与すると、抗炎症作用によって有害な炎症反応を抑制、または予防する可能性があると期待されています。
しかしようなので、使用するタイミングが大切です。
[PDF] COVID-19に対する薬物治療の考え方 第14版
イベルメクチンとは北里大学大村博士が開発に貢献された薬剤で、もともとは家畜やペットの回虫、寄生虫の治療薬です。ヒトに対してはアフリカ、中南米の河川で発生していた失明に至るオンコセルカ症や、脚のリンパ腺でフィラリアが増殖し象皮様を呈する象皮病の治療薬として注目を浴びました。今から40年前の1981年に開発された薬剤です。
現在のところ保険適応は疥癬と腸管糞線虫症です。なぜか新型コロナウイルス感染症にも効果があるのです。商品名はストロメクトール、1回4錠を飲むだけです。重篤な副作用はほぼないそうです。これは簡単ですね。
新型コロナ重症例、デキサメタゾンで28日死亡率が低下/NEJM
新型コロナウイルス感染症に効果のある薬剤を世界中の研究者が探し、開発しています。以前から使用できる薬剤として抗インフルエンザ薬、HIV治療薬、マラリアのクロロキン、そしてイベルメクチン、エボラ出血熱のレムデシビルなど。様々な治験が行われ徐々に有効な薬剤が徐々にわかってきました。
現在国内で承認の治療薬としては、エボラ出血熱のレムデシビル、ステロイドのデキサメタゾン、JAK阻害薬のバリシチニブ、そして今回承認された抗体カクテル療法のカシリビマブ・イムデビマブです。実は厚労省は昨年5月にイベルメクチンのCOVID-19治療への適応外使用を認めています。だから使用できるのです。その後も世界でイベルメクチンの効果を認める臨床試験結果が次々に出てきています。
副作用としては、急性腎障害、肝機能障害があります。 レムデシビルで ..
COVID-19に対するステロイド療法は、2020年7月にオンライン上で公表されたRECOVERY試験の結果に基づいて推奨されているのが現状です(N Engl J Med. 2021 Feb 25;384(8):693-704.)。この試験では、デキサメサゾン6mg/dayを7-10日間投与する群と投与しない群にランダムに割り付けて28日以内の死亡を比較しています。この試験結果が発表されて以降、多くのCOVID-19に対するステロイドの効果を検証する前向き介入試験が相次いで中止になり、同年9月2日にはThe WHO Rapid Evidence Appraisal for COVID-19 Therapies (REACT) Working Groupによって、複数のランダム化比較試験(RCT)を用いたメタ・アナリシスの結果が発表され(JAMA. 2020;324(13):1330-1341.)、同時にWHOからCorticosteroids for COVID-19 Living guidanceが公開されました。その内容は、人工呼吸器使用例や酸素投与のみ使用例には、デキサメサゾン6mg/dayの7-10日間投与を推奨し、酸素投与を必要としない例には投与しないことを推奨しています。
以下、各項目に分けてお答えします。
[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 5 1
そのようなことから新型コロナ治療では、他の疾患治療で使われている既存薬を転用して使用することが多いです。既存薬の使用は、症状の緩和や重症化リスクを抑えることが目的であるため、軽症で重症化リスクの低い方であれば使用されないことがほとんどです。