通常, ヒドロコルチゾンの抗炎症力価をとした時に, プレドニゾロンが倍, メチルプレドニゾロン


ステロイド外用薬は作用の強さで5つのクラスに分けられますが、テラ・コートリルの成分であるヒドロコルチゾンは、最も効き目がマイルドなウィーククラスに分類されます。
また、テラ・コートリルに配合されているオキシテトラサイクリンは、グラム陽性菌やグラム陰性菌のほか、スピロヘータ、リケッチア、クラミジアなどの微生物に対しても広い抗菌作用を示す抗生物質です。
作用が穏やかで、かつ抗菌作用を有するため、化膿をともなう顔の皮膚炎などにも使われることがあります。また、赤ちゃんなど幼いお子さまに処方されることもあります。


〔内因性ヒドロコルチゾンの分泌抑制のためにデキサメタゾン2mgを経口投与(23時)し、翌朝

大腿骨頭壊死のリスク因子として大腿骨頸部骨折などの外傷以外にも、ステロイド投与、SLE、アルコール摂取、高脂血症、高尿酸血症、喫煙、妊娠、腎不全、過凝固など多くの要因が関与することが知られている。大腿骨頭壊死は単純レントゲンで明瞭でない場合でもMRI撮影では感度良く診断される。ステロイドによる骨壊死の機構として、高脂血症による微小塞栓、骨髄内脂肪細胞の増大による血流阻害、静脈内皮障害から静脈鬱帯をきたし骨内圧を上昇させ骨壊死に至るなどの仮説が提唱されている。臨床でのステロイド使用と骨壊死の関係に関しては多くの報告があるが、残念ながら症例報告や後ろ向き研究報告が主でコントロールを置いた質の高い臨床試験は少なものの、ステロイド総投与量やステロイド投与期間よりも初期投与量が多い場合に骨壊死をおこしやすく、またムーンフェイスなどのクッシング様外見を呈すると骨壊死をおこしやすいという報告がある。画像診断手段による違いもあるがSLE患者では3~30%の頻度で骨壊死が生じるとされ、治療開始後1年目にMRIで異常がなければ以後の骨壊死のリスクは低いとされるが、年余を経て発症することもある。

「ステロイドには、副作用が多い!」という印象をお持ちの方も多いと思いますが、このような副作用のデメリットを差し引いたとしても、それ以上のメリットがあるのです。
ですから、現在でもステロイドが多く使用されているのです。
ステロイドは「両刃の剣」と例えられるように効果も副作用も強力なのですが、むやみにこわがる必要はありません。
当院ではステロイドをより安全に使うため、投与法の工夫や副作用対策として予防薬の投与などを行っています。
たくさんの難治性疾患に対する治療の切り札となってきたステロイドのメリットを最大限に発揮できるよう、薬剤師として患者さんに正しい情報を提供していきたいです。

エステルナトリウム製剤(ヒドロコルチゾン投与量の 1/4 を目安)、デキサメタゾンリン酸

(1)リポコルチンの産生とその作用
ステロイド剤によってマクロファージや白血球から産生される抗炎症性の蛋白をリポコルチンと呼んでいます。
リポコルチンはステロイドの作用によって産生が増加するのですが、通常補蛋白合成過程に基づくものとみなされており、ステロイドの抗炎症作用が効果発現に2~3時間を要する原因と考えられています。リポコルチンはホスホリパーゼA2の作用を阻害することによって、プロスタダランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンの生成を抑制します。これらのケミカルメジエーターの生成過程においてホスホリパーゼA2によるアラキドン酸の生成は律速段階になっており、重要な反応なのです。これをステロイドホルモンが抑制するので、ステロイドホルモンの抗炎症作用は強力で広範囲に及ぶわけなのです。
今まで、ステロイドの抗炎症作用として炎症局所における血管透過性の更新や血流増加の抑制作用が重視されていましたが、これらはリポコルチンによるケミカルメジエーターの産生抑制に基づくものと考えられます。

(1)糖代謝を中心として
ステロイド剤は、グルココルチコイドと呼ばれているように、その代謝作用の特徴は血糖値の維持と上昇です。すなわち、グルココルチコイドを投与すると、まず肝以外の組織、たとえば脂肪組織、皮膚、リンパ組織におけるブドウ糖の細胞内への取り込みが抑制されます。これに続いて、脂肪組織では中性脂肪の合成が抑制され、脂肪分解が亢進、血中に遊離脂肪酸が放出されます。このプロセスとして、カテコラミン等の脂肪動員ホルモンの作用を増強すると考えられています。
その他の組織では、血中にアミノ酸が動員されます。こうして動員された遊離脂肪酸とアミノ酸は肝に集められ、一部はエネルギー原として用いられ、他はブドウ糖の合成に利用されます。肝で合成されたブドウ糖は一部グリコーゲンとして蓄えられるが、残りは血中に放出され血糖値を上昇させます。
以上のようなグルココルチコイドの糖新生作用はインスリンによって拮抗され、大量のステロイド剤を投与した時はインスリンの分泌が亢進します。
インスリンに対する感受性の強い顔面や身体には脂肪が沈着して、満月様顔貌や水牛肩を呈し、一方、四肢や方ではステロイドの作用で皮膚の筋支持組織の委縮がおこり、皮膚に深い溝が出来るためしわしわが出来ます。
(2)脂質代謝
ステロイド剤を長期投与していると、肝に動員されてきた脂肪酸を材料として中性脂肪やコレステロールの合成が亢進し、高脂血症をきたします。ステロイド剤による食欲亢進から来る過食も同じく高脂血症を助長します。
(3)骨に対する作用
ステロイドによる蛋白異化亢進、骨芽細胞の抑制(骨形成の低下)、腸管からのカルシウム吸収抑制、尿中カルシウム排泄増加、ビタミンD活性化阻害によってカルシウム負平衡となる結果、二次性副甲状腺機能亢進症、ひいては骨吸収の亢進というメカニズムで骨粗鬆症をおこします。
(4)電解質作用
現在使用されている合成ステロイド剤は電解質作用が弱くなっているので、ナトリウムの貯留やカリウムの喪失は少ないのですが、プレドニゾロン大量投与中やヒドロコルチゾンを使用している時には低カリウム血症やナトリウム貯留に基づく浮腫をきたすことがあります。

ヒドロコルチゾンに比べ、塩類蓄積作用が弱い プレドニゾロンの約1.2倍の抗炎症作用

・副腎不全(ステロイド離脱症候群)
ステロイドホルモンは、1日にプレドニン換算で2.5〜5mg程度が副腎皮質から分泌されています。
しかし、それ以上の量を長期に使用した場合、本来分泌するはずのステロイドホルモンが分泌されなくなってしまいます。
そのため、急に服用を中止すると体の中のステロイドホルモンが不足してしまい、倦怠感、吐き気、頭痛等の症状が見られることがありますので、自己中断しないことが大切です。
副腎不全になると内因性ホルモンであるヒドロコルチゾン(コートリル®️)を服用して体内のステロイドを補います。


例えばヒドロコルチゾンは半減期が早いので、血中濃度の立ち上がりも早く、急性期の導入には向いています。例えば気管支喘息の初期治療ではヒドロコルチゾン 300mg(プレドニン換算で75mg)などで点滴投与しますが、連日使っていると鉱質作用が強く出るので浮腫が出てきます。なので、内服が可能なら早期に経口プレドニゾロンなどに切り替えます。

ステロイド / ヒドロコルチゾン / デキサメタゾン / 内リンパ水腫 / OCT ..

体内で作られるステロイドの量は5㎎/日。ステロイドの最高投与量は60㎎/日。セレスタミン1錠はプレドニン換算で2.5㎎。

糖質コルチコイド(以下ステロイド)はどの分野においても診療の中で使用することの多い薬剤である。しかし、ステロイドには血中半減期・生物活性半減期・力価の異なるさまざまな製剤が存在することや、各疾患によって投与量や投与方法、減量速度などが異なること、副作用に注意しなければならないことなどから、煩雑だと感じる医師も少なくない。本稿では各種ステロイドの特徴とその使い分けについての基本事項と、内分泌領域での使用例、ステロイドカバーについて述べ、実際の症例を紹介する。


食品安全委員会 動物用医薬品評価書 デキサメタゾン 2017 年.

パンデル(一般名:酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン)は、血管収縮作用と局所抗炎症作用を併せ持つステロイド外用薬です。通常は、皮膚の赤みや腫れ、かゆみなどの症状改善に用いられます。
ステロイド外用薬は強さにより5段階に分類されますが、パンデルの強さは上から2番目のベリーストロングクラスです。同じ強さのステロイド外用薬としては、(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)、(フルオシノニド)、(吉草酸ジフルコルトロン)、(モメタゾンフランカルボン酸エステル)、(ジフルプレドナート)などがあります。
なお、「パンデル」という名称は、「Pan(「汎、すべての」という意味)」と「Derma(「皮膚」を意味する英語)」に由来します。

臨床ではプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾンなどの合成ステロイド薬がよく用いられる。

ヒドロコルチゾン、プレドニゾロンはががありますが、半減期が短いため内服で主として使われます。ベタメタゾン、デキサメタゾンは電解質代謝の副作用がない上に、糖質コルチコイド作用が強いため好んで使われますが、その作用の強さゆえに副作用も出やすくなります。

デキサメタゾン製剤; 長時間作用型に分類される; 化学療法における悪心・嘔吐などを ..

コルチゾン(商品名、コートン25mg錠)、ヒドロコルチゾン(コートリル10mg)、プレドニゾロン(プレドニン5mg錠、プレドニゾロン1mg錠・5mg錠)、メチルプレドニゾロン(メドロール4mg錠)、デキサメサゾン(デカドロン0.5mg錠)、ベタメタゾン(リンデロン0.5mg錠)

デキサメタゾンプロピオン酸エステル軟膏0.1%「日医工」; デキサメタゾン ..

・消化性潰瘍[1、2ヶ月〜]
胃酸の分泌を亢進させ、消化器に潰瘍ができたり以前あった潰瘍が再発したりすることがあります。
暴飲暴食を避け、喫煙をしないことが大切です。

同効薬:ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム等.

テラ・コートリルの剤型は軟膏のみで、薬価は29.5円/gです。規格は5g/本と25g/本の2種類がありますが、薬価はそれぞれ147.5円、737.5円になります。
もっとも、患者さまにご負担いただくのは保険割合に応じた金額です。例えば、3割負担の患者さまがテラ・コートリル軟膏5g/1本を処方された場合、ご負担金額は44.25円になります(薬剤費のみの計算です)。
なお、テラ・コートリルにはジェネリック品がありません。薬局で希望しても変更できませんので、ご承知ください。

デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム,ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム,メチ ..

・数量ベース計算に該当します。一般名処方加算1に該当し、一般名処方加算2に該当いたしません。

0.1% ヒドロコルチゾン酪酸エステル(ロコイド®) 0.1% デキサメタゾン(グリメサゾン®、オイラゾン®)

投与されたステロイド剤は、細胞内に取り込まれますが、細胞内ではステロイドに特異的なレセプター(受容体)と結合しステロイド・レセプター複合体がつくられます。このレセプターの存在は、細胞内におけるホルモン作用の発現に必要な条件であり、レセプターの存在は細胞ではホルモン作用が発現しません。
ホルモンの作用は、レセプターの数と、ホルモンとレセプターの結合親和性によって決定されます。現在、臨床的に使用されている合成ステロイド剤はいずれも天然型のヒドロコルチゾンよりも生物学的活性が強いのですが、その理由として血中半減期の延長のほかこのようなレセプターに対する親和性の増強があげられています。例えば、デキサメタゾンの場合、ヒドロコルチゾンの約30倍の強さを持っていますが、レセプターとの親和性はヒドロコルチゾンの約8倍であり、自分の副腎皮質ホルモンの生産抑制の強さである血中半減期は約3倍です。

③⻑時間型:ベタメタゾン(商品名:リンデロン)、デキサメタゾン(商品名:デカドロン).

ヒドロコルチゾンの糖質コルチコイド作用を1、鉱質コルチコイド作用を1とすると、例えば良く使われるプレドニゾロンは糖質コルチコイド作用は4、鉱質コルチコイド作用は0.8と表現されます。

酪酸ヒドロコルチゾン(ロコイド、アボコート) デキサメタゾン(デカダーム)

膠原病では、用量の微調節が可能であるため、主に生物学的半減期が12~36時間の中間型のプレドニン®やメドロール®が最も広く使用されています。
メドロール®は鉱質コルチコイド作用(電解質への作用)がほとんどなく長期投与が必要な場合に多く使われています。
長時間型のデカドロン®やリンデロン®はステロイドの中でも作用が強力で髄液などへの移行性がよく細菌性髄膜炎にも使用されます。

ウイーク, プレドニゾロン(プレドニゾロン) 酢酸ヒドロコルチゾン(コルテス)

ステロイド内服薬は多数ありますが、主な違いは効果持続時間です。
また各薬物によって糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用の強さが異なります。
臨床で期待される抗炎症、免疫抑制などの効果は糖質コルチコイド作用の強さに依存しています。
鉱質コルチコイド作用はナトリウムの再吸収亢進とカリウムの排泄亢進があり、高血圧や電解質異常等の副作用として現れることがあります。
下の表に、当院採用薬の生物学的半減期、糖質コルチコイド作用の等価用量、糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用の効力比(ヒドロコルチゾンを1とした場合)をまとめました。
等価用量とは、同等の効果を発現させるのに必要な用量(mg)のことです。

□, 吉草酸デキサメタゾン製剤, □, 吉草酸ベタメタゾン製剤, □, デキサメタゾン製剤

ただし、患者さまにご負担いただくのは保険割合に応じた金額になります。例えば、3割負担の患者さまがパンデル軟膏10g/1本を処方された場合、ご負担金額は62.1円です(薬剤費のみの計算です)。

デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム; 3.3mg1mL1管

ステロイドホルモンはアレルギーの免疫反応を抑える抗炎症作用により、皮膚炎の赤みやかゆみを抑えます。一方で、ステロイドホルモンには抗炎症作用以外に、血糖値をあげたり、胃粘膜を過敏にしたり、骨粗鬆症を引き起こす作用があり、そのために非常に怖い薬という印象があります。ステロイド内服薬は消化管で吸収され全身に波及するため、こういった全身性の副作用を引き起こすことがありますが、外用薬は皮膚から吸収されるため、血液中に入る量は微量で先ほど触れたような全身性の副作用が起きることは、まずありません。
一般に、ステロイド外用薬の副作用は皮膚にあらわれます。はステロイド外用薬とタクロリムス軟膏の効果と副作用をまとめたものですが、ステロイド外用薬の局所性副作用として、以下のようなものがあげられます。

デキサメタゾンは、ペットや家畜の広範囲な代謝性疾患や炎症性疾患の治療のため、動物用医薬品として長

外用薬に含有されているステロイドホルモンは、体内で産生されるステロイドホルモンを人工的に合成して力価(効果)を強めたものです。いろいろな症状で使用しやすいように、強さ(ランク)の弱いものから強いものまで多くの製品があり、その強さは5ランクに分けられています()。最近はジェネリックのステロイド外用薬が多く登場し、たくさんの商品名がありますが、中に入っている成分名を比較すると、どのランクのステロイド外用薬かを知ることができます。
日本にはたくさんのステロイド外用薬があると言われていますが、欧米ではさらに多くのステロイド外用薬が使用されています。また、日本では5gチューブが主流ですが、欧米の外用薬は50gや100gチューブが主流です()。日本と比較して、欧米の方が外用薬の使用量が多いのは、チューブサイズの違いが影響していると考えられます。