また、本剤はCYP3A、P-糖蛋白質(P-gp)を阻害する。[16.4、


一般的な感染症であれば、服用開始から2~5日程度で症状が改善してきます。
ただし、症状が良くなったからといってすぐに服用を中止してはいけません。症状をしっかり改善し、かつ耐性菌の発現を防ぐためには一定期間服用を続けなければいけません。
したがって、重篤な副作用などがない限り、処方されたクラリスロマイシンは飲み切るようにしてください。


文献「体内動態における薬物相互作用を評価する トランスポーターが関係した相互作用 3 クラリスロマイシンとP-糖蛋白基質」の詳細情報です。

クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。

クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。

本剤による抗凝固作用が増強することがある。 P-糖蛋白阻害剤(経口剤)

マクロライド系抗菌薬を大別すると,14員環系,15員環系,16員環系の3つに分けられる。14員環系マクロライドのエリスロマイシン(EM)やクラリスロマイシン(CAM)はシトクロムP450(CYP)3A4との結合親和性がきわめて強く,強力なCYP阻害作用を有するため,同様にCYPで代謝される薬物の血中濃度を上昇させることが知られている。また,消化管および腎近位尿細管に発現するP-糖タンパク質(P-gp)の阻害作用も有するため,CYP3A4基質でなくてもP-gp基質である薬剤については,CYPを阻害しない15員環系マクロライドのアジスロマイシン(AZM)においても,併用投与による血中濃度上昇に注意が必要である。

マクロライドアレルギーの患者さん
クラリスロマイシンの併用禁忌:自閉症などに用いられるピモジド(商品名:オーラップ)、片頭痛薬のエルゴタミン製剤(商品名:クリアミン、ジヒデルゴット)及び肺動脈性高血圧薬のタダラフィル(商品名:アドシルカ)に対してはピモジド、エルゴタミン製剤及びタダラフィルの血中濃度を上げるために禁忌です。肝臓、腎臓に障害があり、痛風及びベーチエット薬のコルヒチン服薬中の患者さんでは、コルヒチンの毒性増強のため併用禁忌です。

強い又は中程度のCYP3A阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、フルコナゾール等)との併用について教えてください。

フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。

以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。

クラリスロマイシン錠50mg小児用「CEO」では「2.相互作用」です。 Page 2

ベラパミル,アミオダロン,キニジン,クラリスロマイシンなどのP糖蛋白質を阻害する医薬品は,ダビガトランと併用注意となっている。健康成人を対象とした臨床試験により,これらの医薬品をダビガトランと併用した場合,総ダビガトラン(ダビガトランと同等の抗凝固作用を示すグルクロン酸抱合体の総和)のAUCとCmax が1.5~2.5倍程度に上昇することが示されている(表1)1)2)

イトラコナゾールの経口製剤とダビガトランを併用した臨床試験はこれまでに実施されていないが,イトラコナゾールの類薬で,強いP糖蛋白質阻害作用を示すケトコナゾール(経口製剤はわが国未発売)を併用し,ダビガトランの体内動態への影響を検討した臨床試験が実施されている1)
ダビガトラン150mgとケトコナゾール400mgをそれぞれ同時に単回経口投与した臨床試験では,ダビガトランの最高血中濃度(Cmax )は2.35倍,血中濃度─時間曲線下面積(AUC)0-∞ は2.37倍に上昇している(表1)。またケトコナゾール400mgを反復投与し,最終投与時にダビガトラン150mgを同時投与した場合でもCmax,AUC0-∞が単回投与時と同程度(2.49倍および2.52倍)に上昇することが示されている。一方,総ダビガトランの消失半減期 (t1/2)は単回投与でも反復投与でも延長しなかった(単回:非併用7.31時間vs. 併用7.17時間)。
類薬のケトコナゾールとの併用試験により強い相互作用が認められたことから,同様に強いP糖蛋白質阻害作用を示すイトラコナゾールの経口製剤を併用した場合でも,ダビガトランの血中濃度が2~2.5倍程度に上昇する恐れがある。経口抗凝固薬は2倍程度の血中濃度の上昇でも,出血などの副作用が増加する可能性があるため,併用禁忌に設定されている。


相互作用」の「併用禁忌」の項の記載を一部改訂し、以下のように改めました。 [クラリスロマイシン錠200mg・50mg小児用「NPI」共通]

以下に、薬物相互作用試験で認められた薬物動態への影響をまとめた。