【101回108問】 メラトニンの1H-NMRに関する記述のうち、正しいものはどれか?


図1は、メラトニンの1H-NMRスペクトル(400MHz、DMSO-d6、基準物質はTMS)である。なお、ア及びエのシグナルは一重線であり、ケ及びコのシグナルはそれぞれNH基のプロトンに由来する。また、拡大図A及びBの拡大率はそれぞれ異なる。次の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。


【結果・考察】 メラトニンアナログを酸化した結果無色の結晶が得られ、NMR、MS、

1987年秋田大学医学部医学科卒業。医師、博士(医学)。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本睡眠学会専門医。日本睡眠学会、日本生物学的精神医学会、日本時間生物学会の理事、日本学術会議連携会員などを務める。秋田大学医学部精神科学講座准教授、バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、2006年より国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。これまでに睡眠薬の臨床試験ガイドライン、同適正使用と休薬ガイドライン、睡眠障害の病態研究などに関する厚生労働省研究班の主任研究者も歴任。

日本電子株式会社、富士フイルム和光純薬株式会社、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)計量標準総合センター 物質計測標準研究部門、国立医薬品食品衛生研究所(以下「国立衛研」という)、(特非)バイオ計測技術コンソーシアム(以下「JMAC」という)とが共同で取り組んでまいりました、核磁気共鳴(NMR)を利用した有機化合物の定量的な純度評価に関わる国際規格が、この度ISO 24583「定量核磁気共鳴分光法 -食品に利用される有機化合物の純度評価- 1H NMR内標準法のための一般的要求事項」(英文タイトル:Quantitative nuclear magnetic resonance spectroscopy-Purity determination of organic compounds used for foods and food products -General requirements for 1H NMR internal standard method )として発行されました。

択肢 5 「整数質量」 は、本問題の主旨である 「メラトニンの H-NMR スペクトル」 とは無

既存の分析法が抱える問題解決に向け、標準物質開発において、産総研では2000年頃からNMRによる定量分析の研究を進め、計量トレーサビリティを確保する有効な分析法としての成果を発信してきました。また、国立衛研は、薬局方や食品添加物公定書などの公定法に利用される定量用標品の純度評価のため、NMRによる定量分析の有用性に着目し、さまざまな規制に適用するための実用化に関する研究を進めてきました。研究レベルでは正確な分析値を得ることができる手法としてNMRを用いた定量技術の認識が高まる一方で、1)具体的な操作が論文ごとに最適化されており、一般化されていない、2)測定に用いる試薬やNMR用定量解析ツールなどインフラ整備が不十分である、3)分析法の妥当性評価に対する情報が不足していることに加え、4)NMRで正確な定量は難しいという業界の常識などの理由から、定量分析法として普及するためには多くの課題がありました。

通常のAβの線維は複数の線維が束を作りコンパクトな構造になりますが、今回単離されたE22G Aβ40線維は分散性が高く、一本ごとに分離していることが電子顕微鏡写真で分かりました(図1b)。このため、同じ重量でも野生型のAβ40線維と比べて約12倍の大きさを持つ密度の低い凝集体を作ることが分かりました(図2)。また、ピッツバーグ試薬と同じ分子骨格を持つ蛍光試薬(チオフラビンT)では検出しにくいことも示されました。これらのE22G Aβ40線維の特徴は、綿花状の老人斑で観測されているアミロイド線維の多くの特徴とよく一致します。さらに、通常のADでは脳内に多く存在するAβ40よりも少数派の42残基のAβ(Aβ42)が老人斑の形成を促すと考えられていますが、国際共同研究グループはE22G変異があるとAβ42よりもAβ40が早く凝集をすることを、老人斑が蓄積する細胞外環境の溶液状態に似せた試験管内の実験で示しました。

問 108 図1は、メラトニンの H‑NMR スペクトル(400MHz、DMSO‑d、基準物

本国際規格は有機化合物における純度評価の信頼性向上に寄与することから、検査や分析のみならず、高い信頼性が必要となる標準物質の開発にも活用することが見込まれます。今後は、定量分析に必要となる基準の設定にqNMRを利用して値付けを行うことが当然のことになることを目指し、様々な分野の研究、開発および分析実務に対応するqNMR測定・解析システムの高度化や簡易化、試薬、器具などの分析環境の整備を継続し、安心・安全な社会の実現に努めてまいります。

択肢 5「整数質量」は、本問題の主旨である 「メラトニンのH-NMR スペクトル」 とは無