ヒドロコルチゾンは鉱質コルチコイド作用を有するために,ナトリウム蓄積作用により浮腫を認.
Chlorambucil
・メルファラン
・ハイドロキシウレア
・フルダラビン
・タモキシフェン
,ASCO 公式カリキュラム『がん症状緩和の実際』(2003), ,6,7
#10
高度催吐性抗がん薬および中等度のなかでも、催吐性の強いカルポプラチンに対する国内外共通の標準制吐療法は、5-HT3受容体拮抗薬+NK-1受容体拮抗薬+デキサメタゾンの3剤併用療法である。
しかし、3剤併用療法による制吐効果は十分ではない。われわれ(安部正和:浜松医科大学産婦人)は、この成績を改善する目的で、シスプラチンを対象にをプラセボ対照二重盲検ランダム化第3相比較試験(J-FORCE STUDY)で検証した。3剤併用療法に加え、またはプラセボをシスプラチン投与1~4日目に投与した。主要評価項目である遅発期(シスプラチン開始24~120時間)の嘔吐完全抑制割合(嘔吐なしかつ救済治療なし)は、だった(79%vs66%、p
この結果から、ASCOおよびNCCNガイドラインでは、3剤併用療法+オランザピン5~10mgが標準制吐療法となった。また、カルボプラチンに対しては第2相試験を行い、良好な成績を報告した。
オランザピンのおもな副作用にがある。添付文書では眠前投与だが、すると就寝時に入眠しやすく、翌日の眠気が残りにくい。睡眠薬を常用している患者では、オランザピン併用による鎮静に注意が必要である。
,緩和ケア(2021),31,4,29
#10
とは、有害事象/合併症が出現する前から介入し、有害事象/合併症の発生自体を抑えるものである。予防的介入での一番の目標は、「有害事象/合併症の頻度を下げる」ことである。
抗がん剤で、発生する悪心嘔吐について(特に高催吐性リスク)は、予防的に対応することが標準となっている。最近では、従来の3剤(ステロイド、5-HT3阻害薬、NK1受容体拮抗薬)に加え、が有効であることが示唆されている。
海外では当初オランザピン10mgが提案されていたが、眠気など支持療法そのものによる副作用も確認されていたため、従来の3剤にを加えたレジメンを検証するJ-FORCE試験(J-SUPPORT1604)が、わが国で行われ710名の患者が、プラセボ群とオランザピン5mg群に振り分けられ、結果でも遅発性嘔吐を含めた悪心・嘔吐を抑える効果が示された。さらに、支持療法自体の副作用である眠気も軽減することがわかった。
緩和ケア医の目線で考察すると、悪心・嘔吐が制御できないと相談を受けた場合には、支持療法がしっかりなされているかをチェックして、次コースの抗がん剤からは、出現しないように指導することも必要となる。また、もし抗がん剤治療中に眠気等活動量が落ちているといった相談があった場合には、がんそのものによる影響、抗がん剤治療による影響に加え、支持療法によって新たに出てきている副作用の可能性も考慮する必要がある。
,緩和ケア(2020),30,6,18
#10
(Chemotherapy Induced Nausea and Vomiting:CINV)への対症療法は、この15年間で飛躍的に発展している。高度催吐性リスク(>90%)の化学療法に対しては、ト(もしくは)、セロトニン5-HT3受容体拮抗薬(第1世代:など、第2世代)、の併用療法が標準療法として推奨されていて、研究により結果はさまざま(約60%の患者が嘔吐なく過ごせる)ではあるが、不能な場合にはすることで、さらに制吐効果を強化できることが実証されている。
しかし、やドパミンD2受容体拮抗作用によるを生じた際には、オランザピンを使用できないのだが、オランザピンの代わりになる治療法は確立されていない。
実臨床ではときに悩むことが多い状況、はその薬理作用からオランザピンのスーパーサブ(オランザピンとタイマンを張るにはそれ相応のRCT(ランダム化比較試験)が必要)になる可能性を秘めている。この課題に挑んだ検証試験をみてみる。
本試験は、二重盲検化されていないことやサンプルサイズが少なかったことから、の有効性はまだ確定的なものではない。オランザピンが投与できない糖尿病をもつ患者や、オランザピンが不能または有害事象に不耐であった患者、アカシジアなど錐体外路症状の既往がある人のオプションとして認識しておくのはよいかと思う。
先述したように、オランザピンが投与できない患者の救済案の検証はまだ不十分であるし、救済案を求めている患者は実臨床でも結構いる。そのための引き出し、そしてその根拠の1つとして覚えておいても損はないかと思う。
,緩和ケア(2022),32,2,62
#10
化学療法施行後から1週間程度で多くみられる症状である。「」という訴えの場合もの効果は期待でき、患者に制吐薬の使用を促すことも重要である。嘔気嘔吐の予防薬としてNK1受容体拮抗薬、5-HT3受容体拮抗薬、ステロイドなどの制吐薬は化学療法当日に投与されており、追加薬剤投与をする際は別作用機序であるD2受容体拮抗薬や抗不安薬、多次元受容体拮抗薬を検討する。食思不振には、さっぱりしたものや喉越しのよいものなど食事内容の工夫(具体的には、がん症状別レシピ検索「CHEER!(チアー)」)、栄養補助食品の利用、グレリン作用を高める六君子湯やアナモレリン(エドルミズ)が検討される。
①5mg/回、1日3回毎食前、または頓服:読者先生方が処方慣れしていると思われ、まず検討される薬剤。薬剤性パーキンソニズムに注意し、漫然と長期投与をしない。
②0.2~0.4mg/回、1日3回毎食後、または頓服:予期性悪心・嘔吐に有効である。眠気が出るため眠前などに内服提案することも有用である
③5mg/回、1日1回眠前または夕食後:糖尿病の既往がなければ、①で改善に乏しいような症状に4~5日ほど継続内服を提案。
④経口摂取が十分でない場合、;ゼリーやシャーベットなどに調理しながらでも可だが、加熱冷凍で一部栄養素は失われる(cookpadなどのレシピを参照)。
⑤1包/回、1日3包毎食前:食前にこだわらず、1日3包を目安に内服
⑥100mg/回、1日1回空腹時:処方にはe-learningの受講が必要
,治療(2021)すべてのがん患者をみる人のためのがんサポーティブケア,103,10,18
#10
が起こる時期は、抗がん薬投与開始~おおむね1週間以内である。この期間を超えて、悪心・嘔吐が遷延する場合や、制吐薬が効きにくい場合には、CINV以外の原因を検索することが必要である。CINV以外の原因の場合、病態に合わせた治療を行ったうえで、予測される悪心、嘔吐の発現機序に合わせて制吐薬を選ぶことが原則であるが、効果が不十分な場合には、作用機序の異なる薬剤や複数の受容体を拮抗する薬剤を検討する。
プラチナ製剤では、の頻度が高く、悪心の原因になることがある。排便の状況を確認し、必要であれば下剤を処方する。イリノテカン塩酸塩水和物やフルオロウラシルは、の頻度が高く、脱水や電解質異常が悪心の原因になることがある。整腸剤や止瀉薬を処方するが、症状が強い場合には採血し、脱水や電解質異常があれば点滴で補正する。
,緩和ケア(2021),31,4,30
#10
【経過】
76歳、男性。膵臓がん、多発肝転移の診断となった。膵頭部腫瘤による胆道閉塞を内視鏡的胆管ドレナージで対処した後、ナブパクリタキセルとゲムシタビンを併用した化学療法を外来で導入した。
1コース目1回目の投与翌日から悪心が出現し、メトクロプラミドを内服したが効果がなく、2回目の投与(8日目)時には、抗がん剤の投与量を減量し、プロクロルペラジンが悪心時の屯用で処方されたが悪心は改善しなかった。3回目の投与(15日目)時には、1日1回眠前投与が開始され悪心は改善したが、日中にがあり1日中臥床してうとうとして過ごされていた。
オランザピンは、悪心に有効であったため1回2.5mgを1.5mg(細粒)に変更し、内服タイミングを夕食後に変更したところ、眠気は軽減したが悪心は再燃した。メトクロプラミドやプロクロルペラジンが無効であり、眠気のリスクが少ない非定型抗精神病薬での対応を検討した。
そのなかで眠気を誘発する受容体への親和性が他剤よりも少なく、血中消失半減期が短いを選択し、2コース目の2回目の投与(8日目)時にペロスピロン1回4mg1日1回眠前内服を開始した。ひどい眠気は出現せず悪心は軽減し、2コース目の化学療法を完遂することができた。その後もを継続使用し、起床後に悪心がある日は朝にも4mg内服する工夫を患者自身が見い出されていた。
,緩和ケア(2021),31,4,65
#10
●制吐療法に使用される薬は、セロトニン(5-HT3)受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬、副腎皮質ステロイドおよびである。
●5-HT3受容体拮抗薬は抗ドパミン作用による錐体外路症状などが少なく、第一世代、第二世代がある。
●嘔吐中枢のNK1受容体を抑えることで制吐効果を発揮するNK1受容体拮抗薬は、高度催吐性リスクの抗がん薬治療への制吐療法として推奨されている。
●副腎皮質ステロイドの悪心・嘔吐に対する作用機序は十分に解明されていないが、臨床試験において主にデキサメタゾン(DEX)が用いられており承認用量は注射剤では3.3~16.5mgである。
●非定型抗精神病薬であるオランザピンは、ドパミン、セロトニン、アドレナリン、ヒスタミン、ムスカリンなどの受容体に対して拮抗作用を示すことで制吐効果が期待される。
●高度催吐性リスクの制吐療法は、日本ではアプレピタント、5-HT3受容体拮抗薬、DEXの3剤併用、海外ではオランザピンを加えた4剤併用が標準である。
,薬局(2021),72,12,58
#10
非定型抗輔神病薬であるはドパミン、セロトニン、アドレナリン、ヒスタミン、ムスカリンなどのさまざまな受容体に対して拮抗作用を示す。このような作用機序は吐き気や嘔吐を抑制する可能性が高いと考えられており、制吐薬として研究されてきた。American Society of Clinical Oncology(ASCO)、National Comprehensive Cancer Network(NCCN)ガイドラインでは、CDDPを含む高度催吐性リスク抗がん薬に対しては、5-HT3受容体拮抗薬+NK1受容体拮抗薬+DEXに加えてオランザピンの併用が提示されている。その投与量は10mgであるが、ASCO、NCCNガイドラインにおいて高齢者や過剰な鎮静を経験した症例では5mgを考慮すべきと述べられている。わが国においても公知申請により2017年6月から制吐薬として使用できるようになった。「制吐薬適正使用ガイドライン」では、推奨用量や使用方法についてはいまだ検証中としており、適切な患者への慎重な投与を求めている。
,薬局(2021),72,12,61
↑オランザピンは素晴らしい制吐薬ですが、副作用に高血糖があります。
私(真野)はてっきり、「食欲が出て糖尿病が悪化するんだろう」ぐらいにしか考えていませんでした。
ところが、インスリンの分泌抑制作用があるとのこと、これは本気で注意しなきゃ。
#5
各抗がん剤の嘔吐のリスクは以下の4つに分類される。
このグループに分類される抗がん剤は90%以上の嘔吐リスクがあり、急性嘔吐と遅発性嘔吐に対する対策が必要である。急性嘔吐に対してはの併用が推奨され、遅発性嘔吐にはの併用が推奨されている。
このグループに分類される抗がん剤は30~90%の嘔吐リスクがある。アントラサイクリン系薬とシクロホスファミドの急性嘔吐に対してはの併用が推奨され、遅発性嘔吐には単剤後与が推奨されている。このグループに属するその他の薬剤の急性嘔吐に対してはの併用が、遅発性嘔吐にはの単独投与が推奨されている。
このグループに分類される抗がん剤は10~30%の嘔吐リスクがあり、急性嘔吐にはの単独後与が推奨されているが、遅発性嘔吐に対する予防的な治療は必要ないとされる。
このグループに分類される抗がん剤の嘔吐リスクは10%未満であり、とされる。
,栄養管理から見たがん緩和治療(2007),,,39
#5
☞ デキサメタゾンの前投薬で浮腫の発現率を軽減。 ☞ (当レジメンでは該当 ..
↓《注:詳細に関しては、以下の各章も参照して下さい》
↑《モルヒネが原因の場合はこちらをご覧ください》
#10
,緩和ケア(2021),31,6,12
#10
,終末期のエビデンス(2017),,,99
#10
,緩和ケア(2021),31,6,12
#10
,Q&Aでわかるがん疼痛緩和ケア第2版(2019),,,270
#7
,よい質問から広がる緩和ケア(2017),,,99
・嘔吐を引き起こすとして化学療法剤が挙げられるが、すべての嘔吐が化学療法剤に起因するものではない
他の原因を積極的に検索する:
,ASCO 公式カリキュラム『がん症状緩和の実際』(2003), ,6,10
#5
1)
2)
3)
,緩和ケア55(2010),,,96
#6
,ここが知りたかった緩和ケア 第2版(2019),,,191
#7
●を確認する。
●悪心・嘔吐の原因を探索する。薬剤を見直す、血液検査、身体所見、腹部X線検査を行う。必要な場合、腹部超音波検査・CT・頭部画像検査などを行う。頭蓋内病変(がん性髄膜炎)はCTでは不明なことがあるので、必要ならばMRIで評価する。
●などの心理的評価を行う。
,がん緩和ケアガイドブック(2017),,,68
#10
・吐き気は原因が異なるので、それに合った薬剤が適切である
・医療用麻薬を使っている人の吐き気がすべて医療用麻薬が原因ではない。特にしばらく吐き気がなかった人が急に吐き気が出た場合は他の原因を考える必要がある
・(の場合)吐き気の閾値が低下して悪循環を形成している。抗不安薬のが奏効しうる。
,間違いだらけの緩和薬選びVer4(2021),,,226
#10
「超音波検査による腹腔内の液体の検出」に対するshifting dullnessの感度:60~87%・特異度:56~90%、波動の感度:50~80%・特異度:82~92%という報告がある。ただし、腹水の存在診断に有益なだけで、悪心・嘔吐の原因かどうかの判断は難しい。原因の確定には、腹水穿刺・ドレナージなどで腹水減量が得られたときに、症状が軽快するかを確認する必要がある。
腹痛を伴う悪心・嘔吐は、腹腔内の異常による可能性が高い。すれば、腹腔内に原因があることはほぼ確実である。なかでも腸管が関与する場合、することがある。また、では食後の大量嘔吐を認め、嘔吐後に悪心が軽減することがよくみられる。一方、では、少量の悪臭のある嘔吐(便性)を認めることが多く、嘔吐後も悪心が残存することが多い。
が関与する場合、嘔吐後に腹痛が軽減する可能性は低い。腹痛があれば、痛みの場所と原因臓器に密接な関係が認められる(胆嚢炎は、右季肋部に限局した圧痛、膵炎は、胸膝位で軽減する心窩部~背部の持続痛、虫垂炎は、心窩部や臍周囲から移動する右下腹部痛、腎盂腎炎は、膀胱刺激症状を伴う腰背部痛や側腹部痛など)。また、被膜に覆われた臓器の急速な増大(肝転移の増大など)も原因となりうる。
悪心がほぼなくてもを認めれば、中枢神経に原因がある可能性は高い。が現れれば、頭蓋内疾患(脳腫瘍や脳血管障害・髄膜病変など)の除外診断を行う必要がある。
中枢神経病変を疑えば、麻痺などの運動障害だけではなく、高次脳機能/認知機能障害のみを伴う場合もあり、記銘力・失行・性格変化などの有無も評価する。また髄膜病変(髄膜炎や脳炎など)を疑えば、髄膜刺激徴候(項部硬直など)を確認する。
また、があれば、中枢性めまい(小脳/脳幹の梗塞や出血など)と末梢性めまい(良性発作性頭位めまい症や前庭神経炎など)の鑑別が重要である。
眼球運動の診察時に、正面視、側方注視時で眼振の有無もみるとよい。ペンライトなどを使用し、患者の眼から本を読むほどの距離に保持し、患者にその先端を注視させる。一方向性注視眼振では、末梢性めまいが考えられるが、左右両方向性や回旋性、垂直性眼振では、小脳や脳幹の障害を想定する必要がある。ただし脳血管障害の危険因子を複数もつ患者では、末梢性めまいを示唆する眼振を認めても、小脳下部の障害を見逃す可能性があり、体幹失調(起立や歩行の障害)の有無まで調べるのが無難である。
代謝異常(薬剤性を含む)が関与する場合、嘔吐後に悪心は治まらない(持続性の悪心)ことが多い。また、原因となる代謝異常(低Na血症、高Ca血症・副腎不全など)では意識障害を伴う可能性もある。したがって、みられれば、代謝異常を除外するため、採血などの評価を行うことが望ましい。身体所見として、個別の代謝異常に特徴的な所見があげられる。
Kussmaul呼吸は、代謝性アシドーシスの患者(糖尿病性ケトアシドーシスなど)に出現し、速くて深い呼吸で、呼吸の中断はない。呼吸器疾患などの他の原因による頻呼吸は、肺活量が低下し、速くて浅い呼吸になるため、この異常に深い呼吸は独特である。また羽ばたき振戦(アステリキシス)を誘発するには、まず両上肢を伸展させる。次に両手の指先を軽く開かせたまま、両手首と指を背屈させるとよい。短い潜時の後に手と指が1~数秒間隔の不規則な突発的な、脱力に伴う動きを生じる。不随意運動ではなく、意識障害のため姿勢を固定し、保てないことが異常の本質であり、ときに足・舌・顎でも認められ、原因は、代謝性脳症(肝性脳症・尿毒症・高二酸化炭素血症など)である。
,緩和ケア(2021),31,6,13
#5
,がん患者の心の扉を開くコミュニケーション術(2008),,,71
・水分投与量、必要エネルギー量は悪液質を伴わない場合の約にとどめる。
,緩和ケア ゴールデンハンドブック(2009),,,137
#6
エイコサペンタエン酸(EPA)は、抗炎症作用をはじめ、PIFの産生低下、骨格筋の分解阻止効果があり、悪液質患者のQOLの向上等の効果が報告され、本邦においてもがん患者に対し広く用いられつつある。ASPENやクロアチアのガイドラインでは使用が推奨されているが、ESPENガイドラインでは明確な推奨はなく、EPAの単独投与での効果は意見が分かれ、現段階では集学的治療の一つとして有望であるというレベルにとどまっている。
分岐鎖アミノ酸(BCAA)は蛋白崩壊を抑制し、同時に蛋白合成能を促進する作用と、偽神経物質の生体内代謝を制御して食欲不振を改善させるなどの効果が指摘されている。また、L-カルニチンはCoQ10との併用によって細胞レベルでの脂肪酸の代謝を促進するとともに、これも食欲不振を改善するとの報告があるが、これら各種栄養素の効果についてはさらに詳細な研究が望まれる。
,終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン(2013),,,59
#5
●と、がみられた際、悪液質食思不振症候群を疑う.
●治療または管理方法
がん性悪液質自体の改善を図るのは困難であるが、に対しては症状軽減の可能性がある.
ドセタキセル療法に関連する下肢浮腫への薬理作用機序に基づく先制予防ケアの開発
!)。その後、グレリン受容体のアゴニストであるアナモレリンが、がん性悪液質の治療薬として開発されてきた。
174名の患者の内、90名が対照群に、84名がアナモレリン群に割り付けられた。
結果としては、主要評価項目の除脂肪体重:LBMは、対照群では数百gの減少だったが、アナモレリン群だとだった。直感的にわかりやすい体重では、3カ月後に、対照群では500gほど減少していたが、アナモレリンを内服していると、していた。
体重増加を裏づけるように、食欲に関連したQOL調査票の項目は、改善していた。「食欲がありますか」「食事がおいしいですか」(1~5)でが見られている(対照群は+0.3くらい)。体重の増加には、少し時間がかかっているが、にみられるようだった。
握力、6分間歩行といった、「筋力」にまで及ぶ数値には、改善はなかった。
緩和ケアの対象となる患者では、アナモレリンが投与されていない患者では、投与してみて効果があれば継続する(効果がなければ中止する)というところはいいと思うが、すでにアナモレリンが投与されている、では、従来どおりを使用するという位置づけになりそうである。アナモレリンとステロイドの位置づけについては、今後の研究を待つところとなるであろう。
の患者に対して、を投与して、効果を判定するのは、保険適応上の使い方としても標準的になるであろう。当面、治験の行われた原疾患に、保険適応が限定されているが、機序としては原疾患よりも、悪液質の段階によって、効果が左右されるのではないかと思う。薬価にもよるが、効果がないとみなされる場合には、一定期間で中止することになるかと思う(しかし、この判断もなかなか難しそう)。
アナモレリンを投与して食欲が改善しなかったとしても、患者のERDに対しては、病態の説明などの教育的介入、家族との話し合いの調整、アピアランスヘの配慮など薬物療法以外のケアを講じることは、いままでどおりである。
,緩和ケア(2021),31,3,70
#10
適応;非小細胞、肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんに伴うがん悪液質6カ月以内に5%以上の体重減少と食欲不振があり、①~③(①疲労または倦怠感②全身の筋力低下③CRP>0.5mg/dL、Hb<12g/dL、Alb<3.2g/dLのいずれか1つ以上)のうち2つ以上を認める患者に使用する。
国内で実施した2つの臨床試験の適格基準に準ずる。本剤は経口のグレリン様作用薬で、グレリン受容体であるGHS-R1a(成長ホルモン放出促進因子受容体タイプ1a)に作動し、視床下部では食欲の増進に関与し、脳下垂体では成長ホルモン(GH)の放出に関与する。GHは肝臓からインスリン様成長因子-1(IGF-1)を分泌させ、IGF-1は筋肉のタンパク合成を促進させる。食欲を増進するとともにGHの分泌を促進することで、筋肉量および体重増加作用を示す。重大な副作用として、が報告されている。する。なお、臨床試験では12週間を超える使用経験はない。また、承認の根拠となった2つの臨床試験は、進行がんというものの全身状態がそれなりによい状態の集団の結果であり、緩和ケアが主体となるような患者集団にそのまま外挿することは難しい。
,治療(2021)すべてのがん患者をみる人のためのがんサポーティブケア,103,10,66
#10
は、食事の影響を避けるため空腹時に服用し、服用後1時間は食事をしないこととされている。
は、主に薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)3A4により代謝されるため、CYP3A4の強い阻害作用のあるなどと併用すると同薬の血中濃度が上昇する恐れがあり、となっている。また同薬はナトリウムチャネル阻害作用を有し、心毒性を有する抗悪性腫瘍薬であるで心毒性が増強される恐れがあるため、となっている。
,日経ドラッグインフォメーション(2021),,8,74
#10
●がん悪液質はを主症状とする多因子性の症候群である
●は成長ホルモン分泌促進物質受容体1a(GHS-R1a)作動活性を有する低分子グレリン様作用薬である。
●アナモレリン内服によりがん悪液質患者のが期待される。
がん悪液質の病態には腫瘍に対する生体反応としての炎症性サイトカインや食欲の制御に関与する因子などさまざまな液性因子が関与する。グレリンはそれら液性因子の一つであり、胃の壁細胞で産生されるペプチドホルモンである。成長ホルモン分泌促進物質受容体1a(GHS-R1a)のリガンドとして下垂体視床下部に存在する摂食調節領域に作用し食欲亢進作用を示す。
グレリンは1999年に児島・寒川らによって発見されて以降、がん悪液質に陥った患者の食欲改善効果を期待され、製剤化が進められてきた。しかしペプチドホルモンの血中半減期は15~30分と短く、投与経路も経静脈投与であったため、安定した製剤化と投与経路の確保が課題であった。アナモレリンはGHS-R1a作動活性を有する経口投与可能な低分子グレリン様作用薬である。半減期はおよそ9時間で1日1回の投与を実現させた。臨床研究では、進行非小細胞肺がん・大腸がん・胃がん・膵がんの患者に対し、12週間の内服で効果を検証したところ、投与開始3週目から除脂肪体重や食欲関連QOLの有意な改善が確認された。ただ残念ながら臨床試験においては握力や6分間歩行試験による運動機能の回復までは確認できなかった。運動機能回復には運動・栄養療法といった非薬物療法を併用する必要があると考えられており、現在開発中の高齢者進行非小細胞肺がん/膵がんに対する早期栄養・運動介入の臨床試験、NutritionandExerciseTreatmentforAdvancedCancer(NEXTAC)program7)との併用効果が今後検証されようとしている。
は適正使用・副作用についても注意が必要である。まず、アナモレリンの投与適応となるのはの患者である、という点である。冒頭に述べたようにがん悪液質を「がんの末期的症状」と認識している医療者はのがんの進行により身体機能が低下した患者を投与対象と想定することもあるだろうが、臨床試験において上記有効性および安全性が確認されているのはが期待される進行がん患者である。
また、副作用としては以外に、があることにも注意が必要である。これはアナモレリンがナトリウムチャネルおよびL型カルシウムチャネルへのリガンド結合を阻害することから生じる副作用である。全身状態の悪い患者や元来心血管リスクの高い患者ではこれらのイベントがさせる可能性があるため、投与前後の評価を十分に行い、致命的な副作用を起こすことのないよう適正使用が求められる。
さらに、投与期間についても、国内の臨床試験で結果が示されているのは12週間に限定した投与であり、実臨床における投与の終了時期に関して明確な規定がない。ただ海外の第Ⅲ相試験では24週目までの安全性および有効性は確認されており、国内で実施された第Ⅲ相試験0apicCTI-194735、結果未発表)でも24週間の投与の結果が示される予定である。今後、それらの結果も加味して適切な投与期間について判断していく必要がある。
,薬局(2021),72,13,86
#10
本剤投与により体重増加または食欲改善がする。なお、12週間を超える本剤の投与経験はなく、体重や問診により食欲を確認するなど、定期的に投与継続の必要性を検討する。
使用に当たってまず注意すべきは、すべてのがん種が適応ではなく、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんに限られている点である。また、がん悪液質は「前悪液質」「悪液質」「不応性悪液質」の3つのステージに分類されるが、は本剤による治療の対象からは除外される。
,日本初のがん悪液質治療薬「エドルミズ錠50mg(2021),,,1
#10
2020年12月の時点でFDAでの認可は得られていないようだが、国内では、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんで保険適応を取得した。3週間ほどの投与で効果がみられれば継続、効果がみられなければ中止するようにとなっているので、は緩和ケアで使用するというよりは、骨合併症に対するランマークのようにになりそうと思っている。緩和ケアの対象となる患者では、アナモレリンが投与されていない患者では投与してみて効果があれば継続する(効果がなければ中止する)、すでにアナモレリンが投与されているか、投与されていたが効果が不十分な患者では従来通りステロイドを使用することを考えるという位置づけになりそうである。
緩和ケアで少し話題になりそうなのが、があるかもしれないということになっているので、メサドンを使う場合には少々気にすることが増えるのかもしれない。
,緩和治療薬の考え方、使い方Ver3(2021),,,224
#5
●悪液質を併発した場合
・栄養管理のギアチェンジを行い、ことが患者の代謝学的負荷を減らすことになり、身体に対する緩和ケアの実施に繋がる。
・エネルギー消費は抑制されているため、投与輸液量、エネルギー量は減ずる必要がある.
10~20mLを
1日2回, 2週間,咳嗽薬と同じように
使用し飲み込む. ,トワイクロス先生の緩和ケア処方薬第2版(2017),,,521
#7
口腔カンジダ症が見逃されやすいのは、口腔内の観察が不十分であるのに加えて、観察しても視診による診断には熟練を要するためである。カンジダ症には、複数のタイプがある。「舌を出してください」、とお願いして、舌背部(ベロの表面)や頬粘膜などに白い膜やヨーグルト状の白いかす(偽膜)がついている場合(白いカンジダ症)には、明らかにカンジダ症だとわかるが、それでも一目見てわかるようになるまでは経験を必要とする。白っぽいのは、舌苔なのか口腔カンジダによる偽膜なのか、鑑別がむずかしかったり「赤いカンジダ」や「厚いカンジダ」をカンジダ症と診断することには躊躇を伴うこともある。
そんなときでも、痛みや違和感について質問し、口腔カンジダ症に特徴的な「ビリビリ痛む」「ヒリヒリ痛む」「食事がしみる」ということがわかれば、口腔カンジダ症を疑い治療的診断として抗真菌薬(ミコナゾールゲル)の塗布を行ってみる。1~3日程度で症状が改善すれば口腔カンジダ症と診断することができる。症状の改善とは、自覚的な痛み・違和感・味覚障害および粘膜病変が改善することである。
加えて全身状態の悪化や化学療法、オピオイド、抗うつ薬などの副作用により口腔乾燥をきたしやすく、口腔内の問題を生じやすいためでもある。特に、経口摂取量が低下しているステロイドを使用している患者では注意する。体力が低下し、自分で口腔内保清ができなくなると、ますます口腔乾燥をきたし日和見感染によるカンジダ症を発症しやすくなる。
■口腔内の簡便な観察方法
以下に、忙しい診療の中でも口腔内の病変をできる限り見逃さない簡便な方法を示した。患者に協力してもらう方法のため、痛みも伴わず、手袋や舌圧子がなくても観察できる。ただし、ペンライトはあったほうが格段に観察しやすくなる。
【手袋なしで行える口腔内の簡便な観察方法】
①下口唇内側:「下唇をめくってください」
上口唇内側:「上唇をめくってください」
②右頬粘膜 :「右を向いてください」→「アーっとお□を開けてください」
左頬粘膜 :「左を向いてください」→「アーっとお□を開けてください」
③舌背部 :「舌を出してください」
舌右側面 :「舌で右脇をなめてください」
舌左側面 :「舌で左脇をなめてください」
舌裏面、口腔底:「上の前歯の裏側をなめてください」
④軟口蓋 :「アーっと声を出してください」
患者自身に唇をめくるなどの動作を行ってもらえば、手袋なしで観察できる
抗がん剤による口腔粘膜炎は、通常、非角化粘膜(口唇裏面、頬粘膜、舌側縁、舌腹、軟口蓋)に生じる。逆に、角化組織(舌背部、硬口蓋、歯肉)に異常所見が観察されたら、口腔カンジダ症を代表とした感染の関与を疑い、ミコナゾールゲルなどによる治療的診断を行うとよい。
痛みだけを質問し、口腔内を観察しないことはNG。口腔カンジダ症の特徴は、持続性の弱い痛みとされるが、無症状のこともあり、また鎮痛薬の使用により痛みを感じにくくなっていることもある
一般的に、自覚症状は白いカンジダ症<赤いカンジダ症である。そのため、問診と口腔内の観察の両者が必須となる
特に化学療法による口腔粘膜炎は、軽度では痛みがなく、口腔粘膜炎の進行または感染症を合併してはじめて痛みが出現する。軽度の口腔粘膜炎を見つけ、口腔ケアの習慣化を指導することによって、その後のカンジダなどの感染や難治化の予防につながる
,よい質問から広がる緩和ケア(2017),,,125
#7
口腔カンジダ症の悪化により、口腔粘膜炎を伴い疼痛が出現することがあるため、粘膜痛の有無を確認し、苦痛が最小限になるように努める。
義歯洗浄は、歯磨き粉は使用せず機械的除去を行う。ブラッシングと流水で除去できない場合は、乾ガーゼによる拭き取りも有効である。含嗽が可能な患者は、アムホテリシンB(ファンギゾン)による含嗽を行う。含嗽ができない場合は、抗真菌薬の投与を行う。
,緩和ケア(2016),26,4,51
抗真菌薬の全身投与は、ナイスタチンの局所使用よりも簡便であり投与時に義歯をはずす必要もない。ただし、固着した感染性の汚れを取り除くために毎日義歯をはずして洗浄することは重要である。全身投与には、いずれのイミダゾール系抗真菌薬も使用可能である。
・フルコナゾールカプセル() 150 mg を直ちに;
治療効果および再発率はケトコナゾールとほぽ同等であるが、高価である。免疫低下患者には(はっきり定まってはいないが)1日1回100~200 mg を投与する。ある医療センターではカンジダ症発生の危険因子の大きい患者には50 mg単位の投与を続く期間においても続けている。
・ミコナゾール125 mg/5mL のゲル()を1日4回ティースプーンで投与し、舌を使って口腔内に拡散させるようにするが、主な効果は全身性である。
,トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント(2003),,,89
#6
口腔カンジダ症に対しては、カンジダ治療ガイドラインでは内服薬による局所療法での対処が推奨されている。
通常、使用後2~3日で効果を認め、口腔症状がほぼ消退する。どの薬剤でもほぼ同様の治療効果が得られるため、患者の状況(内服コンプライアンスや嗜好)にあわせて薬剤の特徴を考慮して選択する。
口腔表在だけでなく、咽頭から食道へ広がる重症例や深在性真菌症を疑う場合は、が適応となる。
,月刊薬事臨時増刊-がん緩和ケアのフィジカルアセスメント(2013),55,10,98
(1)10%過酸化水素水で含嗽をする。
(2)濃いお茶での含嗽も止血作用がある。
(3)出血部位に0.1%ボスミンガーゼを塗布する。
(4)凝血は無理に剥がさないよう注意する。
,緩和ケアハンドブック-心安らかな医療のために-(1995),,,50
#7
がん患者は、さまざまな理由で口腔内出血しやすい状態となる。がん治療期における骨髄抑制、口腔乾燥や栄養状態不良による口腔粘膜の脆弱化、歯肉炎・歯周炎の増悪などが原因である。。口腔ケアを実施しないでいると、口腔内清掃状態が不良となり、歯肉炎による歯肉出血が認められ、結局のところ出血する機会が増えてしまうためである。また、可能であれば予防的に対応すべきである。
・治療
出血した場合は、まずは圧迫止血を試みる。ガーゼなどを使用した圧迫止血が最も実施しやすい。止血しにくい場合は、アドレナリンを含ませたガーゼで圧迫止血するとよい。また、マウスピースのような、口腔内に装着する止血用シーネの作製も有効である。場合によっては焼灼止血を実施することもあるが、侵襲を伴う処置となる。
,緩和ケアレジデントマニュアル(2016),,,173
#7
口腔出血の多くは、口腔乾燥や口腔衛生の不良による歯肉炎であり、である。歯肉炎は、歯茎と歯の間に溜まった歯垢によって生じる歯肉の炎症である。。十分に口腔内を湿潤させたうえで余剰な歯垢を拭き取った後、ブラッシングを行う必要がある。
口腔ケア時のポイントは、圧迫止血と出血点の確認である。粘膜出血は唾液と混ざり多く見えるが、微小血管からの出血は圧迫止血が可能である。圧迫止血には湿潤ガーゼを使用する(乾ガーゼは使用しない)。適切な口腔ケアを行っても歯肉出血が改善しない場合は歯科口腔外科の介入を検討する。
,緩和ケア(2016),26,4,49
抗ムスカリン薬を処方する。
・プロパンテリン(プロ・バンサイン)
・三環系抗鬱薬
・フェノチアジン系の薬
・ベラドンナ・アルカロイド 例えば、スコポラミンもしくはアトロピン
唾液腺のムスカリン受容体の感受性は非常に強い。唾液分泌への作用は、抗ムスカリン薬が持つ他の抗ムスカリン作用が発現しない少量で得られるため、副作用が少なくてすむ。
,トワイクロス先生のがん患者の症状マネジメント(2003),,,83
#7
抗ムスカリン薬の適応がない、忍容性がない、あるいは無効であったという患者には、耳下腺±顎下腺にの注射が可能である。予後の長い(月単位というより年単位)患者の場合は、放射線や手術はより進んだ選択肢になる。
,トワイクロス先生の緩和ケア処方薬第2版(2017),,,46
#7
【目的】
流涎による誤嚥性肺炎の抑制
【調整法】
スコポラミン軟膏は,親水軟膏にスコポラミン臭化水素酸塩(ナカライテスク株式会社)を5%となるように加えて,軟膏板で練合し調製する。
・容器・貯法:滅菌済プラスチック製軟膏容器、冷暗所保存
・使用期限:6カ月
・用法用量:ごく少量を1日1~2回,耳下腺部皮膚にカットバンを使用して塗布する。
・使用上の注意:皮膚吸収があるため、直接指で触らないようにする。
,月刊薬事(2013),55,3,156
は口腔内腫瘍によっておこる悲惨な状態である。食道の腫瘍で唾液を嚥下できない場合も、これと同様に流涎が多くなる。苦みの強いビールやみょうばんの含嗽薬、2%アトロピン数滴を使用すると、唾液の分泌を抑制することができる。アトロピン錠0.6 mg、1日2回の経口投与も有効であろう。口唇や顎の保護用には、保護クリームを用いたり、唾液を拭くために柔らかな古い麻布を十分に用意しておくことも重要である。
,終末期ケアハンドブック(1993),,,136
#6
とくに筋萎縮性側索硬化症/運動ニューロン疾患、進行したパーキンソン病、諸種の頭頚部疾患の患者に適応がある。次の投与法が推奨されている。
・を1回4滴1日4回の舌下投与(注:1滴の量は、おおむね200~500μgであり、1回800μg~2mgとなる)
・グリコピロニウムの内服(本邦未導入)
・プチルスコポラミン臭化物(ブスコパン)1mg/3日の経皮吸収剤(本邦未導入)
アトロピン1%500μg(1滴)の舌下投与1日2回投与法が報告されているが500μg(2滴)舌下投与1日4回の比較試験ではプラセボとの差がなかった。
抗ムスカリン薬の適応がない、忍容性がない、あるいは無効であったときに超音波ガイド下のを試みる。一般的に効果は2週間以内にみられるようになり、3~4か月は効果が持続する。
,トワイクロス先生のがん緩和ケア処方薬(2013),,,44
↓《注:詳細に関しては、以下の章も参照して下さい》
「ステロイドの効果は約3週間で無くなります。(参照)です」
末期癌患者には非常に高い頻度で全身倦怠感や食欲不振が出現する。淀川キリスト教病院ホスピスの調査では、死亡前3ヵ月で約30%、死亡前2ヵ月で約50%、死亡前1ヵ月で約75%、死亡前半月で約80%の患者に全身倦怠感や食欲不振が出現したと報告している。癌性疼痛の出現頻度は末期癌患者の約70%と報告されているから、疼痛よりも全身倦怠感や食欲不振に苦しむ患者のほうが多いわけで、症状マネジメントにおける大きな課題だといえる。
しかし、疼痛に関してはWHO方式の癌疼痛治療法という世界的なスタンダードが確立しているが、全身倦怠感や食欲不振の緩和治療はまだ確立していない。
,ホスピス医に聞く 一般病棟だからこそ始める緩和ケア(2004),,,16
#10
チームで診療しているので、薬剤師が副作用を確認するのであれば、医師や看謹師は(薬剤師の言うことについて)みながみな、同じことばかり言わないことも大事かと思う。麻薬が珍しかった時代には、主治医が「…」、緩和ケアの看護師が「…」、病棟で看護師が「そういえば…」、服薬指導に来た薬剤師が「この薬はが…」、そうなると、と気になる人にはノセボ効果が強まりそうである。そんな環境を自らがつくっていないかを確認して、もしみんなが吐き気が…吐き気が…と言わなくなった後のほうが患者の副作用も減ったとしたら、それはとても興味深いと思う。
ところで、学術的には、ノセボ効果を臨床でいかすための方法がいくつか挙げられている。
「副作用がある患者の割合ではなく、副作用がない患者の割合を示すことで、そのような副作用の発生率を減らすことができる」方法は、フレーミングを利用している(5%で起きる、ではなく、95%で起きないという)。また。contextualized informed consent (状況に応じてインフォームド・コンセントの程度を変えるといった意味)や、authorized concealment(患者の了解を得て、重要ではない副作用情報をいちいち言わないといった意味)といわれる方法は、吐き気が一過性に出る、胃がむかつくかも、といった一般的な副作用については患者に了解をとった上であえて言わないという方法を指す(とはいえ、いちいち、言わなくてもいいですか?
・ドセタキセルの有害事象 “浮腫” についてステロイド投与対策はランダム化比較試験により有効性が示されて
悪性脳腫瘍の治療中に、背中や腰の強い痛み、足のしびれや運動麻痺などがあった場合には、脊髄への転移を疑って脊髄MRI検査を行います。
退院後、日常生活に不具合が生じたり、仕事が以前と同じようにできなかったりすることで障害に気が付くこともあります。しかし、本人は気が付かないことも多いため、ご家族や周りの人が、これまでと変わったことはないかなど、患者の様子を注意深く観察することも重要です。
消化管に器質的な病変がある場合 通過障害の改善に、抗浮腫作用のあるステロイドの効果が期待される。 ..
脳腫瘍の患者で、腫瘍や治療の影響により、高次脳機能障害(注意障害、記憶障害、遂行機能障害)が残った場合に、さまざまな訓練法を組み合わせた認知リハビリテーションの実施が推奨されています。
脳腫瘍では、良性・悪性や転移の有無に関わらず、運動障害(片麻痺や運動失調など)が残った場合に、リハビリテーションが有効であることが示されているため、実施が推奨されています。
[PDF] 副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液
脳腫瘍では、腫瘍や治療の影響で、運動や認知の機能にさまざまな障害が生じる可能性があります。しかし、障害が軽度の場合には、自分で気が付くことが困難なことも少なくありません。また、入院中には分からなくても、退院後、日常生活の中で、記憶や注意などに問題を来すこともあります。
実験脳腫瘍および腫瘍性脳 浮腫に対するdexamethasone ..
15.2.2. 新生仔の雌雄ラットに7週間反復経口投与したところ、10mg/kg1日2回投与群以上で包皮分離遅延及び膣開口早期化が認められたが、これら動物の生殖行動、受胎能力、妊娠機能、生殖器の病理学的検査において変化はなく、生殖能への影響はなかったとの報告がある。
ここでは比較的高頻度に出現する副作用と頻度は少なくても注意が必要な副
15.2.2. 新生仔の雌雄ラットに7週間反復経口投与したところ、10mg/kg1日2回投与群以上で包皮分離遅延及び膣開口早期化が認められたが、これら動物の生殖行動、受胎能力、妊娠機能、生殖器の病理学的検査において変化はなく、生殖能への影響はなかったとの報告がある。
✓ 浮腫の発症は毛細血管漏出症候群によるもので、発症後はデキサメタゾンの投与で対応。 ..
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
ゾンプロピオン酸エステルと同等もしくは強いカラゲニン足浮腫抑制作用を示した。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
作用の強いデキサメタゾンエリキシルの使用頻度が高くなる。(50歳代病院 ..
6). ホルモン避妊法(エチニルエストラジオール等)〔16.7.9参照〕[これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与期間中及び最終投与から1ヵ月間は、代りの避妊法又は補助的避妊法を用いる必要がある(機序は解明されていないが、本剤との併用によりこれらの薬剤の代謝が亢進することが報告されている)]。
(1) 作用機序◇コルチコステロイドの一般的機序としては,標的組織の特異的受容 ..
6). ホルモン避妊法(エチニルエストラジオール等)〔16.7.9参照〕[これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与期間中及び最終投与から1ヵ月間は、代りの避妊法又は補助的避妊法を用いる必要がある(機序は解明されていないが、本剤との併用によりこれらの薬剤の代謝が亢進することが報告されている)]。
機序の疑われるもの)、白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性 ..
このため、脳腫瘍では、専門家が病状と身体機能や認知機能を適切に評価しながら、必要に応じてリハビリテーションの実施が検討されます。
骨髄腫に対する作用の仕組みはよく分かっていませんが、大量投与により ..
転移性脳腫瘍の治療は、最初のがんの担当医を中心に、放射線科や脳神経外科など複数の科の医師が、連携をとりながら進めていきます。不安や疑問点が生じた際には、まず、最初のがんの担当医にしっかりと相談をすることが大切です。
ドセタキセル療法を続けていると、 顔や足に浮腫 (むくみ) があらわれることがあります。
特に、放射線治療は重要な役割を果たします。転移した腫瘍が小さく、個数が少ない場合には、腫瘍だけにピンポイントで放射線をあてる定位放射線治療(ガンマナイフ、サイバーナイフ)が行われます。患者によっては脳全体に放射線をあてる全脳照射が有効なこともあるため、個々の状況を踏まえて検討されます。一般に、腫瘍の大きさが3cm以上の場合には、定位放射線治療の効果が得られにくいため、手術が行われます。また、分子標的薬の効果が見込まれる腫瘍であれば薬物療法を検討することもあります。
デキサート注射液3.3mg(富士製薬工業株式会社)の基本情報・副作用
症状がなく腫瘍が小さい場合には、定期的にMRIを撮影して経過観察することもあります。
デキサート(デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム) · 用法および用量
ピモジド<オーラップ錠1mg、3mg、細粒1%>〔2.2参照〕[併用薬剤の血中濃度上昇によりQT延長・心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある(本剤の用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、併用薬剤の血中濃度上昇を来すことがあり、重篤又は生命を脅かす事象の原因となるおそれがある)]。