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感染症が重症化した際に起こる全身の炎症反応(サイトカインストーム)を抑えることで、臓器障害などを抑制する効果が期待できます


デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモンとして強力な抗炎症作用を有し、副作用の少ないコルチコ

抗炎症薬として広く用いられている薬ですが、重症感染症や間質性肺炎などの治療にも用いられます。重症肺炎患者さまの死亡率を下げる効果があるとされています。

なお、SLMについては、プラセボ、SLM400 mg又は200 mgを重症/重篤肺炎患者に単回静脈内投与を行う企業治験が実施されたが、いずれの用量においてもプラセボ群との有意な差は認められず、NIHガイドラインにおいても、REMAP-CAP試験においてSLMの症例数は限られていること、TCZと異なり既承認疾患では静脈内投与製剤は承認されておらずCRSでの適応を有していないこと等から、現時点ではSLMの有用性を評価するデータは不足しているとの記載にとどまっている。

デキサメタゾンは、合成副腎皮質ホルモンとして 1958 年に開発された化合物

複数のRCTでTCZによる死亡率の低下は認められなかったが、侵襲的酸素投与又は死亡に至った患者割合を評価したEMPACTA試験ではTCZの有用性が示された。また、REMAP-CAPグループ主導で実施された大規模な非盲検ランダム化アダプティブプラットフォーム試験やRECOVERY試験でもIL-6阻害薬の有用性が示されており、これらのプラットフォーム試験とRCTsの結果の差異は、治療体系の変化に伴いデキサメタゾンの併用率が大きく異なることが一因と考えられる。これらの知見を踏まえ、NIHガイドラインでは、人工呼吸器/高流量酸素を要する患者や、急速に酸素化の悪化を認めCRP値等の炎症マーカーの上昇を認める患者等に対して、デキサメタゾン併用下でのTCZ (8 mg/kg[最大800 mg/body]単回静脈内投与) 投与推奨が追記され、FDAは、人工呼吸器、ECMO管理含めた酸素投与を要し、ステロイド投与を受けている入院中の成人および2歳以上の小児COVID-19患者に対する本剤の緊急使用許可を2021年6月24日に発出した。国内では、非盲検単群国内第Ⅲ相試験(J-COVACTA 試験:JapicCTI-205270)が企業治験として実施されており、今後承認申請について規制当局と協議予定とのことである。

炎症性サイトカインIL-6の選択的阻害薬として、本邦では抗IL-6受容体抗体であるTCZとSLMがRA等の適応で承認されている[22]。TCZは皮下注射製剤と静脈内投与製剤があり、後者はRA等の慢性炎症性疾患の他、腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群(CRS)にも適応を有する。重症COVID-19ではT細胞や単球等から産生されるIL-6がCRS様病態に寄与している可能性があり、治療標的となりうる。

デキサメタゾンは、合成副腎皮質ホルモンとして 1958 年に開発された抗炎症作用を

国内で実施された臨床試験としては、藤田医科大学が代表施設として実施された特定臨床研究と企業治験がある。前者は、無症状・軽症患者89例を対象に、本剤を1日目より投与開始する通常投与群と、6日目より投与開始する遅延投与群の2群を比較する多施設共同非盲検RCTであり、主要評価項目である6日目までの累積ウイルス消失率は、通常投与群で66.7%、遅延投与群で56.1%、調整後ハザード比は1.42[0.76, 2.62](p=0.269)と、陰性化率は通常投与群で高い傾向を認めるものの統計学的に有意な差は認められず、他の有効性評価項目についても同様に両群に有意差は示されなかった。後者は、肺炎患者を対象としたプラセボ対照単盲検RCTであり、中間評価の結果に応じて症例数を増やすアダプティブデザインで実施され、中間評価を行った独立委員会からの勧告により、当初の予定症例数96例から症例数が増加され、最終的に156例の患者が登録された。主要評価項目は症状(体温、酸素飽和度、胸部画像)の軽快且つウイルス陰性化までの時間と設定され、各群の中央値は本剤群11.9日、プラセボ群14.7日、調整後ハザード比1.593[1.024, 2.479](p=0.0136)であり、統計学的に有意な差を認めた。

一般的に臨床試験は第1相試験、第2相試験、第3相試験と進みます。臨床試験の解析が終了するまでには3~7年を要し、基礎研究や非臨床試験、承認申請や審査なども含めると、薬を開発するのに9~17年が必要です。いかに新型コロナウイルスの治療薬が急ピッチで進められているのかがわかるでしょう。

[PDF] デキサメタゾン製剤の制吐薬としての開発に関する要望については

2021年9月の段階でファイザー社(アメリカ)や塩野義製薬社(大阪市)は第2/3相、メルク・アンド・カンパニー社とアテア・ファーマシューティカルズ社は第3相試験に突入しました。ファイザー社の臨床試験は2021年3月から開始しており、早くて同年10月に第2/3相試験が終わる見込みです。

ファビピラビルは本邦で開発されたRNAポリメラーゼ阻害薬で、元々インフルエンザ感染症の治療薬として開発されたが[16]、催奇形性を有すること等から上記効能についてはリスクベネフィットバランスが得られないとの判断で承認されず、製造販売は行われていない。しかし、作用機序から従来の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症に対し治療効果が得られる可能性を鑑み、当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品として承認を受け、国内に備蓄されている。COVID-19に対しても作用機序から治療効果が得られる可能性があることから、本邦においては、COVID-19入院患者に対して医療機関の判断で本剤をCompassionate useとして投与する場合、藤田医科大学が実施する抗ウイルス薬観察研究への参加を前提に薬剤が提供されており、2021年2月28日現在、抗ウイルス薬観察研究への登録患者数は10956例である。


デキサメタゾンの17位にシクロプロパンカルボキシレート基を, 21 位に ..

COVID-19のような新興感染症では、発生時点では治療薬は存在しないことが多い。このような状況で取りうる手段として、既存薬や他効能で開発中の医薬品の中からの有効薬剤の探索(repurposing)がある[14]。この手法では新薬開発の大きな壁である「安全性」がある程度担保できていることから、有効なものが見出せれば大きな社会的効果が期待される。以下のような既存薬が候補として取り上げられ、本邦においても臨床試験が実施されている。

そのため、デキサメタゾン及びベタメタゾンの試験法について開発が進められてきたと

Sotrovimab は2003年のSARS回復者から分離された抗体を基に開発された単クローン抗体製剤であり、SARS-CovとSARS-Cov-2間に共通して保存されるスパイク糖タンパクのRBD領域上のエピトープを認識するため、変異株等に対しても幅広いスペクトラムを有することが推測されている。重症化リスクを有する発症早期の軽症~中等症外来患者を対象としたCOMET-ICE試験では、本剤500 mg又はプラセボの単回静脈内投与から29日目までの入院又は死亡率を評価した。FDAに提出された中間解析の結果では、プラセボ群7% (21/292例)に対し本剤群1% (3/291例)であり、入院又は死亡リスクを85%減少させた(p=0.002)。本結果を踏まえ、FDAはSotrovimab 500 mgの緊急使用許可を2021年5月26日に発出した。

5) 新型コロナウイルスワクチンの被接種者は薬剤開発のための臨床試験で除外されている ..

その結果、重症化リスクが高い患者さまには一定の効果があったものの、残念ながら軽症から中等症の患者さまではウイルスを明らかに減少させることはできませんでした

合成副腎皮質ホルモンとして 1958 年に開発された化合物で、強力な抗炎症作用を持つ。 2

本試験結果を踏まえ、FDAはREGN-COV2 2400 mgカクテル製剤について2020年11月21日緊急使用許可を発出した。なお、重症化リスクを有する外来患者に対象者を限定し実施された同試験の第Ⅲ相パートでの投与後29日目の入院又は死亡率は、本剤2400 mg群1.3%(18/1355例)、本剤1200 mg群1.0%(7/736例)であり、各々のプラセボ対照群と比較した入院死亡リスク軽減は各々71%(p

[PDF] 新型コロナウイルス感染症に関する 国内外の研究開発動向について

スイスの大手製薬会社ロシュ社は、アテア・ファーマシューティカルズ社(アメリカ)と共同で経口薬の「AT-527」の開発を進めてきました。実験的な研究では、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス作用が確認されていましたが、人での有効性や安全性を評価するために新型コロナウイルス感染症の患者さまを対象とした臨床試験が開始されることになったのです。

するもので、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)新興・再興感染症に ..

REGN-COV2 は、リジェネロンにより創薬された2つの中和抗体(imdevimab、Casirivimab)のカクテル製剤であり、RBD上の異なるエピトープを認識し非競合的に結合する。発症早期の軽症~中等症外来患者を対象としたREGN-COV 2067試験のⅠ/Ⅱ相パートでは、本剤2400 mg(Casirivimab 1200 mg+Imdevimab 1200 mg:266例)、8000 mg (Casirivimab 4000 mg+Imdevimab 4000 mg:267例)又はプラセボ(266例)を単回静脈内投与し、7日目までのウイルス量の時間加重平均変化量を比較した。ベースラインでウイルス検出を認めた患者集団において、プラセボと比較し本剤いずれかの用量を投与された集団でウイルス量は有意に低下し(群間差: ―0.36 log10 copies/mL, p

ショウガ+)微糖タイプ」、加工者:澪森)に、医薬品のステロイド成分であるデキサメタゾン ..

新型コロナウイルス感染症の経口薬は、国内外を問わず実用化に向けて開発が進められています。

開発責任者の Jeffrey Jackson は、次のように述べ

イギリスでは世界に先駆けてモルヌピラビルの使用が承認されました。軽症から中等度程度の患者さまのうち、肥満や心臓病などの重症化リスクがある方が対象です。最も高い効果が得られるのは感染が判明してすぐの投与だと考えられており、発症後5日以内の服用が推奨されています。

ています。「エムプリシティとレナリドミドおよびデキサメタゾンの併用療法は、再発または難治

FDAに提出された中間解析結果における入院又は死亡率は、Bamlanivimab 700 mg+Etesevimab 1400 mg群0.8%(4/511例)、その対照群6%(15/258例)、Bamlanivimab 2800 mg+Etesevimab 2800 mg群2%(11/518例)、その対照群7%(36/517例)であり、Bamlanivimab 700 mg+Etesevimab 1400 mg群で87%、Bamlanivimab 2800 mg+Etesevimab 2800 mg群で70%の入院又は死亡リスク軽減が得られた。本試験結果を踏まえ、FDAはBamlanivimab 700 mg+Etesevimab 700 mgのカクテル製剤について2021年2月9日緊急使用許可を発出した。なお、Bamlanivimab 700 mg単独投与については[14]、変異株の拡散状況に伴い、2020年11月9日に発出された緊急使用許可が2021年4月16日に取り消された。国内での開発予定は現時点では不明である。

[PDF] COVID-19肺炎に対する 量デキサメタゾンの治療効果

両抗体は、各々北米と中国のCOVID-19回復者血漿より分離された抗体を基に開発された中和抗体であり、認識するエピトープは一部異なるものの重複している。発症早期の軽症~中等症外来患者を対象としたBLAZE-1試験のⅡ相パートでは、Bamlanivimab 700 mg(101例)、2800 mg(107例)、 7000 mg(101例)又はBamlanivimab 2800 mg+Etesevimab 2800 mg(112例)の単回静脈内投与から11日目のウイルス減少量を、プラセボ(156例)と比較した。ベースラインからのウイルス変化量は、プラセボ群-3.80 Logに対し、各投与群で各々-3.72 、-4.08、-3.49及び―4.37 Logであり、併用群においてプラセボとの有意差が確認された(群間差:-0.57[-1.00, ―0.14]、p=0.01)。同試験のⅢ相パートでは、Bamlanivimab 700 mg+Etesevimab 1400 mg群とBamlanivimab 2800 mg+Etesevimab 2800 mg群が設定され、投与後29日目の入院又は死亡率を、各々のプラセボ対照群と比較した。

新型ウイルスの新治療法、重症患者の3人に1人に効果=英研究チーム

その他、感染回復者から、SARS-Cov-2のスパイク蛋白上の受容体結合ドメイン(RBD)を標的とした中和抗体を同定・分離し、新規抗ウイルス薬として開発する試みも進行中である。現在臨床試験での有効性を示唆する結果に基づきFDAから緊急使用許可を取得し、重症化リスクを有する軽症~中等症外来患者に投与可能な抗体製剤は、下記の1) ~3) の製剤のみである。

開発分担者:琉球大学 大学院医学研究科 臨床薬理学講座 教授 植田真一郎 ..

また、回復者血漿から一定量かつ高濃度の抗体を含有する抗SARS-CoV-2高度免疫グロブリン製剤(H-Ig)を精製し、医薬品として臨床効果を検証する試みもある。NIAID主導で、CoVIg-19アライアンス(CSL Behring、武田薬品他4社)よりH-Igの提供を受け、重篤化リスクを有する成人COVID-19入院患者593例を対象に、レムデシビル併用下に疾患リスク軽減効果を評価する国際共同プラセボ対照二重盲検RCT(ITAC試験)が実施され、国内の医療期間も参加したが、CoVIg-19アライアンスグループからの報告では、主要評価項目について統計学的に有意な差は認められなかったとされた。