また、ジャディアンスとフォシーガの違いとしてはも挙げられます。
SGLT2阻害薬の解説 - 作用機序、副作用、薬の一覧、心不全・腎保護・体重減少などの多面的効果まで
飲む量ではジャディアンスが10mgまたは25mg、フォシーガが5mgまたは10mgという違いがあります。
SGLT2阻害薬の副次的な作用のひとつに体重減少がある。各薬剤の長期投与試験における投与52週後の平均体重減少量は表のとおり。
私は今まで、あえてこのテーマから距離を置いて来たのかもしれない。でEMPA-REG OUTCOMEⓇに軽く触れ、でClass effectかDrug effectかというテーマにしてお茶を濁してきた。それはこのテーマに直球勝負で意見することに対し、四戒(驚、懼、疑、惑)を抱いていたからだ。しかし今、自信を持って言える。SGLT2阻害薬は凄い薬だ!
SGLT2阻害薬は発売当初から逆風の真只中に立ち続けてきた。尿糖を増やすとは何事だ!脱水で脳梗塞が激増するに違いない!といった非難を浴び続けた。しかし、冷静に考えればどの薬剤も治験を経て世に出回っているのだから、驚くような大惨事になるはずがない。群集心理は恐ろしいものだ。わが国最初のSGLT2阻害薬イプラグリフロジン(スーグラⓇ)が臨床応用された頃、ベーリンガー・インゲルハイム社の担当者と“エンパグリフロジン(ジャディアンスⓇ)が発売される頃にはSGLT2阻害薬が全面発売中止になっているかもしれませんね”と苦笑したことを覚えている。しかし、、で紹介したEMPA-REG OUTCOMEⓇ以降SGLT2阻害薬は一気にスターダムにのし上がった。その後、多くの大規模臨床試験でSGLT2阻害薬の心保護作用・腎保護作用が明らかにされ、最近では非糖尿病者に対しても、心不全や慢性腎臓病の病名で保険適応を取得するSGLT2阻害薬も現れた。SGLT2阻害薬は糖尿病治療薬の枠を超えたのだ。SGLT2阻害薬がここまで素晴らしい心腎保護の結果を出せた背景に、心腎連関の改善というメカニズムの存在が示唆されている(Mebio 34:58-66, 2017)。糖を尿に捨て血糖を下げ、浸透圧利尿で余剰な水を捨てるのみならず、ナトリウム再吸収も抑制するためmacula densaに流れ込むナトリウム量を増やして糸球体内圧を下げている。我々はスーグラⓇ発売当初から逆風に立ち向かい、FUSIONという臨床研究を行った(Endocr J 2018 Aug 27;65(8):859-86)。この時、SGLT2阻害薬が患者背景に関わらず血糖降下作用を発揮するということのみならず、血圧低下、体重減少、血清CPRの低下という副次的作用も見出した。
ジャディアンスとフォシーガでは、フォシーガの方がより強いダイエット効果が期待できます。
このようにSGLT2阻害薬は糖尿病以外の疾患の治療に対しても効果が期待できることがわかってきました。また、腎保護作用、心保護作用共に糖尿病の有無に関係なく効果を発揮します。
2型糖尿病ではSGLT2発現率が上がり、グルコースの取り込みが亢進しているため、SGLT2を選択的に阻害する薬剤は2型糖尿病の治療に効果的である(適応の問題で1型糖尿病には使用できない)。
ジャディアンスとフォシーガは、それぞれ下記のような人におすすめです。
SGLT2阻害薬は、日本では2014年から使われている比較的新しい薬です。
尿中に糖分(グルコース)が漏れる事により、血糖降下作用を発現します。
血糖の改善だけでなく、体重減少、血圧低下、糖尿病性腎症の保護作用、心血管疾患・心不全リスクの低減作用など、さまざまな多面的効果が報告されています。
副作用としては、性器感染・尿路感染が多く、女性では特に注意が必要です。
肥満を伴う糖尿病患者や心血管疾患・糖尿病性腎症をもつ糖尿病患者さんが良い適応です。
慢性心不全()に対する標準薬となった阻害薬だが、薬剤間で有用性に差はあるだろうか。ランダム化比較試験()データの比較では否定的だ。一方、実臨床データからは、エンパグリフロジンがダパグリフロジンよりも有用である可能性が示唆された。ボストン大学(米国)の氏らがした。
糖尿病の薬(SGLT2阻害薬)~スーグラ、フォシーガ等~
SGLT2阻害薬がおすすめな人・おすすめできない人についてもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
フォシーガ®、ジャディアンス®、スーグラ®、ルセフィ®、デベルザ®、カナグル®など
ダイエットに使われることが多いSGLT2阻害薬は、「ルセフィ」や「カナグル」などです。
DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者さんの治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第Ⅲ相試験です。フォシーガは、基礎治療[ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧を含むすべての併存疾患に対する各地域における標準治療]への追加治療として1日1回投与されました。DELIVER試験は、駆出率が40%超の心不全患者さんを対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者さんが実薬群とプラセボ群に 無作為化されました。
主要複合評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間としました。重要な副次評価項目は、心不全イベントおよび心血管死の総数、8カ月時点でのKCCQの総症状スコアのベースラインからの変化量、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間などです。
SGLT2阻害薬は、このSGLT2の働きを妨げることで効果を発揮します。
日本人DKD患者100例の初診から透析に移行するまでを検証した試験では、糖尿病性腎症は、早期に微量アルブミン尿が確認され、その後、顕性アルブミン尿が検出されると同時に、腎機能が低下し、末期腎不全となり、人工透析が必要になります。
薬の名前としてフォシーガ、ジャディアンス、カナグルあたりが有名です。
173総合内科クリニックは、。そのため、健康診断で異常値を指摘され、来院される方が多くいらっしゃいます。
逆に言うと、異常値が出るまでは皆さん医療機関には受診されません。当然といえば当然のことです。では異常ではありませんから。
しかしながら、最近の論文では、健康的な肥満などはないということが結論付けられています。健康とされる肥満者であっても、心臓発作や脳卒中、心不全、呼吸器疾患のリスクが高いことから、『健康』とは言えず、減量は全ての肥満者にとって有益な可能性がある」と述べるにいたっています。Diabetologia volume 64, pages1963–1972 (2021)
また、韓国のデータですが、肥満およびメタボリック症候群が50歳未満での大腸がん発症リスクに及ぼす影響を検討したところ、BMIおよび胴囲の高値で早期発症リスクの有意な上昇が見られたとのことです。Gastroenterology. 2022 May 25
SGLT2阻害薬の使用で起こりうる副作用には、以下のようなものがあります。
私ごとですが、2023年2月に「SGLT2阻害薬投与した患者はループ利尿薬を減量できるのか」というテーマで日本薬剤師会近畿学術大会での発表を予定しています。薬剤師の方で、ご興味ある方はよろしかったら観にきてください。
ジェネリック医薬品は全てのSGLT2阻害薬で発売されていません。
フォシーガに限らずSGLT-2阻害薬の作用とは尿細管におけるブドウ糖の再吸収を抑える事で、尿中にブドウ糖を強制的に排泄させるようにする薬剤です。
ここでは、SGLT2阻害薬の効果や副作用についてご紹介していきます。
治療薬の種類も増えています。2型糖尿病の適応では、インクレチン関連薬のDPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬が09年に登場したのを皮切りに、13年には過剰な糖を尿中に排出するSGLT2阻害薬、21年にはインスリンの分泌促進と抵抗性改善の両作用を持つイメグリミン、23年にはGLP-1/GIP受容体作動薬が発売。GLP-1製剤では、従来の注射薬に加えて21年に経口薬も発売されました。
なお、全てのSGLT2阻害薬に共通する禁忌事項は、以下の通りです。
この研究において、頸動脈IMTに変化は認められなかったが、脈波伝播速度(PWV)が改善していたことから、SGLT阻害薬は動脈硬化を改善しないが、おそらく容量負荷を軽減することで血管の硬さは改善するとディスカッションに書いたのが仇となった。最終的に日本内分泌学会の主催するEndocr Jという雑誌に拾って頂いたのだが、最初に投稿した某雑誌では“EMPA-REG OUTCOMEⓇで心血管イベントが抑制されているのに動脈硬化が改善しないはずないだろう!”と門前払いを食らったのだ。ところが、それから数年の月日が経ち、順天堂大学と大阪大学のグループが行ったUTOPIAという研究は、SGLT2阻害薬を用いて我々と矛盾しない結果を一流紙に報告している(Cardiovasc Diabetol. 2020; 19(1): 110)。我々は早すぎたのだ。さらに基礎研究においても、SGLT2阻害薬がDPP-4阻害薬とコラボして、著明な高血糖になる糖尿病モデルマウスでの血管肥厚を抑制することも報告した(Biochem Biophys Rep 2019 Apr 19;18:100640)。
SGLT2阻害薬の副作用と頻度は、以下のように報告されています。
みなさんは“糖尿病”という病名に疑問を持ったことはないですか?
読んで字の如し、尿の中に糖が出る病気なのですが、現在の糖尿病の診断基準には尿糖陽性の所見は含まれていません。さらに、SGLT2阻害薬(ルセフィ®、ジャディアンス®、フォシーガ®など)という尿に糖を出す薬が、糖尿病の治療薬として使われています。おかしいですよね。
糖尿病は英語でDiabetes Mellitusと呼ばれています。Diabetesという言葉は、サイフォンのように水がジャンジャンあふれ出す状態を表しています。また、Mellitusは蜜のような甘いという意味を持っています。Diabetesな状態は尿がいっぱい出る多尿の病態を示しています。多尿になる病気中でも無味の多尿の尿崩症(Diabetes Insipidus)と、蜜のような甘い多尿の糖尿病(Diabetes Mellitus)を18世紀の医師ウィリアム・カレンさんが分類し、日本ではDiabetes Mellitusが直訳された“糖尿病”という病名を今でも使用しています。
しかし、尿という排泄物の名前の付いた病名を患者さんに付けるのはスティグマ(負の烙印)ではないかという声が最近上がっています。実は、Diabetes Mellitusの病名に“尿(urine)”という直接的な表現を使用しているのは日本と中国だけです。そのため、糖尿病という病名を変更しようという動きがあります。果たしてどんな病名がいいでしょう?名案を思い付いた方は、日本糖尿病協会までお知らせください。
ジャディアンスよりも、ほかの「SGLT2阻害薬」の方が安価です。
解析対象の母体は、SGLT2阻害薬服用歴がなく、エンパグリフロジンかダパグリフロジンを開始した患者2万例である。北米を中心とする民間診療情報データベースから抽出した。
なお、SGLT2阻害薬の体重減少の効果は、あくまで副次的なものです。
腎硬化症は、アルブミン尿が検出される前から腎機能が低下しており、微量アルブミン尿、顕性アルブミン尿が検出され、末期腎不全となり、人口透析が必要になります。
SGLT2阻害薬はその作用機序からケトアシドーシスに注意が必要です。
フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回経口投与によって使用するファーストインクラスのSGLT2阻害剤です。心臓、腎臓および膵臓の基本的な関連性を背景として、フォシーガでは、研究により、心腎疾患に対する予防と抑制効果、臓器保護効果が示されています。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器が機能しなくなり、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病といった、全世界の主要な死因となる病気を引き起こす可能性があります。
・フォシーガ5mg 18,000円・ジャディアンス錠10mg 18,000円
尿の中に糖を出して血糖を下げます。比較的新しい薬で、心血管疾患を抑えることができるという研究結果もあり、近年はSGLT2阻害薬が処方される割合が増えています。糖尿病だけでなく心不全の患者さんにも使えるようになりました。ただし、高齢者、腎臓機能の低下がある方、利尿剤を使用している方は、脱水や血栓・塞栓症などに注意が必要です。主な副作用として低血糖、尿路・性器感染、脱水、頻尿、皮膚症状などがあります。