【抗菌薬 Q&A】腎機能調整が必要な抗菌薬まとめ:肝代謝?腎代謝?
脂肪細胞が分泌する生理活性物質(アディポサイトカイン)の一種である。アディポネクチンは筋肉・肝臓でのインスリン感受性増強,血管内皮細胞障害の修復作用を介して抗糖尿病作用や抗動脈硬化作用などを示す。肥満の程度が強く内臓脂肪の蓄積量が多いと分泌量が減少して血中濃度は低下し,逆に減量によって増加する。血中アディポネクチンの低下によりインスリン抵抗性が増大して糖尿病を発展させ,動脈硬化も同時に発症・進展する可能性がある。アディポネクチンはメタボリックシンドロームの内因性防御因子である。
しかしクラリスロマイシンはエリスロマイシン同様、薬物代謝酵素チトクロー
なお、同じマクロライド系抗生物質にアジスロマイシン(ジスロマック®)という薬がありますが、こちらは大部分が代謝を受けず未変化体で胆汁中に排泄されるため、上記のような免疫抑制剤との相互作用の心配はいりません。
抗生物質の中には、肝臓での代謝を受けず未変化体のまま腎臓から排泄される薬剤が数多くあります。
腎臓の機能の低下した患者さんにとって、このような薬剤は体外へ排泄されにくく、体内の薬の血中濃度は健常人に比べて高くなります。未変化体で排泄される薬が体内に長く留まることは、効果が強く出過ぎたり、さらに副作用も強く出やすくなったりします。このことから腎臓の機能の低下した患者さんでは服用量や服用回数の調節が必要になります。
(腎臓と薬については、をご覧下さい。)
[PDF] 高齢者の腎機能低下時の薬物 投与と薬物相互作用の考え方
さらに同研究では、作用機序の異なるペニシリン系抗生物質(細菌の細胞壁合成を阻害)と比較した場合、マクロライド系抗生物質(細菌のタンパク質合成を阻害)のほうが腸内細菌叢に影響を与えやすいことも報告されています。
どのようなメカニズムでこのようは相互作用が起こるのかについては、少し専門的な話になりますが、クラリスロマイシン(クラリス®、クラリシッド®)、エリスロマイシン(エリスロシン®)自身も肝臓の薬物代謝酵素CYP3Aで代謝されます。代謝されて一部化学構造が変化したクラリスロマイシン(クラリス®、クラリシッド®)、エリスロマイシン(エリスロシン®)は、CYP3Aのヘム鉄と複合体を作ることで、CYP3Aは酵素として働くことが出来なくなくなります。
[PDF] 腎機能低下時に最も注意の必要な薬剤投与量一覧 (2017改訂30版)
IgEの測定法には,IgEに対する特異抗体を用いて血清中に存在するIgEの総量を測定するRIST法(Radioimmunosorbent Test)と,アレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)に対する特異なIgE量を測定するRAST法(Radioallergosorbent Test)やMAST法(Multiple Antigen Simultaneous Test)等がある。アレルゲン特異的なIgE抗体は,肥満細胞や好塩基球に付着しており,アレルゲンが体内に侵入すると,抗原抗体反応が生じ,その結果ヒスタミンなどの化学伝達物質が細胞から放出され,Ⅰ型アレルギー反応(即時型アレルギー反応)が発症すると考えられる。アレルギー性疾患ではRIST法でIgE総量を測定してアレルギー体質の有無や症状の度合いを調べると共に,RAST法やMAST法等でアレルゲンの同定を行うことが重要である。
電話により処方せんを訂正し,調剤することは可能。ただし,当該事項(照会内容,回答内容,相手の氏名,照会日時等)を処方せんの「備考」欄または「処方」欄,かつ調剤録の備考に記入しておかなければならない。
(日本薬剤師会編:保険薬局業務指針 2004年版,薬事日報社,2004.より)
腎から排泄されるので、排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある.
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甲状腺機能は甲状腺刺激ホルモン(Thyroid Stimulating Hormone:TSH)と甲状腺ホルモン(Thyroxine:T,Triiodothyronine:T)のネガティブフィードバック機構により調節されている。TSHは視床下部からの甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TSH Releasing Hormone:TRH)の刺激により合成・分泌が促進され,脳下垂体前葉より分泌されて甲状腺を刺激し,甲状腺ホルモン(T4,T3)の生産を調節する。血中の甲状腺ホルモン(T,T)が低下すればTSHは増加し,逆に血中の甲状腺ホルモン(T,T)多くなるとTSHは減少するため,甲状腺ホルモン(T,T)は一定量にコントロールされる。
また、ノロウイルスの治療として止痢剤を投与するとかえってウイルスの排泄が遅れ ..
する(後述).蛋白結合率が高い薬は肝で代謝されるので,肝障害では減量を考慮する必要があり,蛋白結合率が低いものは腎で排泄されるので,腎障害では減量を考慮する必要がある(表4-5)3),7)~10).3.相互作用a.抗てんかん薬同士(表4-6)3),11)~13)ほかの抗てんかん薬の追加,増量,変更により中濃度は蛋白結合型と遊離型をあわせた総濃度を測定している.蛋白結合率が高い抗てんかん薬では,血清蛋白濃度が減少する病態(妊娠,低蛋白血症,肝障害,腎障害など)では遊離型が増え,投与量が変わらなくても効果と副作用が増強する.あるいは,血中濃度が下がっても効果は変わらない.また,蛋白結合率は,母親が服用している抗てんかん薬の母乳への移行に最も大きく影響表4-4 薬物動態に影響を与える要因年齢と薬物動態 ・新生児を除くと若年ほど血中濃度のT1/2,Tmaxは短く,同じ血中濃度を得るのに要する用量(mg/kg)は多くなる.思春期以降は成人と同様になる・高齢者では薬物代謝が低下し,T1/2とTmaxは長くなるので,通常量では血中濃度が上がりすぎ,低容量にする必要がある蛋白結合型と遊離型 ・抗てんかん作用を有するのは遊離型であるが,遊離型は商業ベースでは測定できず,血中濃度は蛋白結合型と遊離型を合わせた総濃度を測定している・血清蛋白濃度が減少する病態では遊離型が増え,血中濃度は変わらなくても抗てんかん作用が強まる,あるいは副作用が出る恐れがある抗てんかん薬同士の相互作用 ・抗てんかん薬を追加・変更時に,ほかの抗てんかん薬の血中濃度の上昇による効果増強や副作用,低下による発作増加が起こりうる・酵素誘導薬剤(PB,PRM,CBZ,PHT)はほかの薬の濃度を下げることが多く,STPはほかの薬の濃度を上げることが多い・多剤併用の場合,併用薬の量を変えるとほかの薬の血中濃度も変化する・血中濃度の増減だけでなく,T1/2は相互作用で血中濃度が低下する組合わせでは短縮,上昇する組合わせでは延長する抗菌薬との相互作用 ・CBZはマクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシン,エリスロマイシン等)で血中濃度が上昇し,ふらつき,眠気を生じる・VPAはパニペネム・ペタミプロン,メロペネウム,イミペネム・シラスタチンで血中濃度が激減し,発作が頻発する危険がある肝機能低下,腎機能低下・肝,腎または両者で代謝される薬はその機能低下時には血中濃度が上がり,中毒の危険があり,減量を考慮する.腎障害時:KBr,GBP,VGB,LEV,TPM,肝障害時:CZP,CLB,STP,CBZ,PHT,LTG,VPA,RUF,PER,ESM,両者とも:ZNS,PB,PRM,LCM(表4-5)消化器疾患・胃潰瘍や急性胃腸炎などは薬の吸収を低下させ,血中濃度が下がる.ただし,ファモチジン以外のシメチジン,エソメプラゾール,オメプラゾールなどの抗潰瘍薬はPHT, CBZ,CLBの血中濃度を上げる(表4-9)1)~4),14)妊 娠・妊娠すると血中濃度は低下する.特にPHT,PB,VPA,LTG,LEVでは大幅に低下する.PHT,PB,VPAは蛋白結合型が減少し,総血中濃度(結合型+遊離型)は減少する・遊離型はPHT,PBでは減少するが,VPAでは増加する.CBZは総血中濃度,遊離型ともにあまり変化しない食事との関係 ・抗てんかん薬の血中濃度は,空腹時は食後より速く,高く上昇する.ただし,VPA徐放剤は,空腹時は食後より約1.3倍遅くなる食物との相互作用 ・グレープフルーツの外の皮となかの包皮に多く含まれているフラノクマリン類は肝の薬物代謝酵素CYP3A4を阻害するため,果皮ごとしぼったグレープフルーツジュースではおもにこの酵素で代謝される抗てんかん薬の血中濃度が上昇する.CBZでは39%上昇し,CLB,PER,ESM,ZNSでも血中濃度が上昇する可能性があり,副作用の恐れがあるが,CBZほどではない.しかし,ほかの抗てんかん薬では問題にならないので,むやみにグレープフルーツを制限する必要はない・CYP3A4を阻害する物質は外の皮となかの包皮に含まれているので,皮をむいた実だけならどの抗てんかん薬でも問題はない(第14章1参照)合理的な多剤併用・それぞれの発作型に対する薬を組み合わせるが,抗てんかん薬の相互作用を考慮し,可能なら作用機序の異なる薬を組み合わせ,そのうえで個々の薬の血中濃度を十分に上げる(須貝研司:てんかんの治療-てんかん症候群の治療. 佐々木征行,他〈編著〉:国立精神・神経センター小児神経科診断・治療マニュアル 改訂第3版.診断と治療社,2015:290-303/須貝研司:血中濃度の意義.Clinical Neuroscience 2017;35:835-839より作成)32
「吸収」「分布」「代謝」「排泄」という 4 段階に分けられます。 ..
タクロリムス(グラセプター®、プログラフ®)やシクロスポリン(ネオーラル®)は肝臓の薬物代謝酵素CYP3Aで代謝されますが、抗生物質のクラリスロマイシン(クラリス®、クラリシッド®)、エリスロマイシン(エリスロシン®)は、この代謝酵素を阻害する作用があります。そのため、タクロリムスやシクロスポリンを服用中の人がクラリスロマイシン、エリスロマイシンを服用すると、タクロリムスやシクロスポリンの血中濃度は急に高くなってしまい、免疫状態はとても不安定になります。
(肝臓の薬物代謝酵素については、をご覧下さい。)
インタビューフォーム 5)湯川久信:糞便中に残渣が排泄される薬剤:鹿児島市医報 第44巻第10号(2005)
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・治療はまず、鼻のネブライザー(吸入療法)を行い、分泌物が排泄されやすいようにします。 ..
クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。
血中濃度の推移や尿への排泄などのデータです。 そして、添付文書に「用法・用量 ..
クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。
サートは,腎排泄性であり,酸性尿(pH<5.5)でメトトレキ ..
抗生物質の中には免疫抑制剤の血中濃度に影響を与えるものがあります。
免疫抑制剤と抗生物質の相互作用で特に注意が必要な組み合わせは、
免疫抑制剤では、タクロリムス(グラセプター®、プログラフ®)、シクロスポリン(ネオーラル®)と、
抗生物質では、クラリスロマイシン(クラリス®、クラリシッド®)、エリスロマイシン(エリスロシン®)です。
尿中代謝物の累積排泄率は、M1 が最も多く、投与量の 11.8%であった。次いで M6 が ..
一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。
禁忌 (腎から排泄されるので, 排泄遅延により副作用が強く現れるおそれがあ
長期的に内服すると、耐性菌という抗菌薬が効きにくい菌が発現したり、赤血球・白血球・血小板が減少する可能性があります。クラリスを処方された場合は、決められた投与量をしっかり守って治療に当たりましょう。副作用のチェックのため、定期的に血液検査が必要になる場合もあります。