要旨:目的:クラリスロマイシンを含む化学療法が行われた肺 Mycobacterium avium complex(MAC)感
2015年:喀血・転院
そうしてC病院でクラリスロマイシン単剤での療養を続けながら過ごしていた2015年8月、初めて喀血をしました。主治医からは「肺MAC症の悪化は見られないので重いものを持った瞬間に気管支に負荷がかかったことにより血管が切れたのだろう」と言われ2週間の安静を指示されました。その年の10月、肺NTM症専門病院の市民講座に参加し、講師の医師に相談したところ「現状の投薬では耐性化の危険がある。今の状態なら投薬する価値があるし、減感作療法で副作用の影響を考慮しながら投薬できる可能性がある」と言われ転院を決意しました。 主治医にその意思を伝えたところ「紹介状を書くのは構わないが専門の先生には怒られると思う。なぜならクラリスロマイシンの単剤投与はやってはいけないといわれているから」と言われて絶句しました。やってはいけないと知っていて単剤投与を長期間していたことを知り、言葉がでませんでした。勝手に大学病院を辞めたことは誤りだったことにこの時、気が付きました。
肺MAC症に究極の治療法が誕生 | Medical Tribune
現在結核は一部の多剤耐性結核を除いて多くが治癒を期待できるようになったのに比較して、非結核性抗酸菌症は治療がまだ確立しておりません。結核と類似した病気のため、抗結核薬を含めた3~4種類の薬を用いて治療を行います。(手術を行う場合もあります)。
MAC症の治療は、結核に準じた治療が行われ、抗結核薬のリファブチンとマクロライド系抗生物質のクラリスロマイシンも治療薬として承認されていますが、その効果は結核に比べ低く、確実に治癒に導く治療法はありません。現在のところできるだけ症状を少なくし、病気が進行せず、通常の生活を送れるようにすることを目標にします。
MAC)症成人被験者にクラリスロマイシン(CAM)及びエタンブトール(EB)を用いた治療 ..
2011年~2015年:改善しない症状に悩まされる~不信感を抱く
2011年の3月にまた主治医が退職し、後任の医師に変更になりましたが、クラリスロマイシンとL-カルボシステインという投薬内容に変更はありませんでした。その後、自覚症状を伝えても「肺MAC症の悪化ではない。前回とレントゲンに変化はない」と言われるだけでしたので、自分からは特に報告することはしなくなりました。血液検査はするものの、喀痰検査やCT検査も特になく、薬をもらうための通院という感じでした。しかし、単剤投与を再開して4年目の2014年7月、激しい咳こみと痰に悩まされ始めます。受診したところ、細菌感染かもしれないといわれ、スルタミシリントシル酸塩水和物を処方されました。その時は後から、インフルエンザ菌への感染であったことがわかり、投薬の効果で症状が改善しました。しかし最初の健診より10年が経ち、自覚症状は明らかに悪化しているのに診察には進展はなく、主治医への不安が強くなりました。そこで転院を希望したところ、「専門病院に転院したら強い薬を飲んでまた副作用が出ますよ。よく考えたほうがいい」と言われました。そう言われると気持ちが消極的になり、身内の手術などもあり、転院は保留となっていました。
結核菌以外の抗酸菌が起こす病気でとという二種類の菌による肺の慢性感染症です。
肺結核と違い、人から人に直接感染しづらいというのが特徴で、酸に非常に強い菌になります。
病院では結核菌と同じ・・・などを用いますが、副作用が強いうえにあまり効果がなく病院側でも治療方法がない状態です。
抗酸菌の多くは川や池・土・空気中のほこり・お風呂の残り水などのと過労や手術後、過度なストレスなどによるが原因になります。
非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の患者さんの95%はになり年間に約8,000人の新規患者の発生が報告されています。
症状としては感染初期の殆どがです。
高解像度CTにより早期発見のケースも増えていますが、その他にもに驚き病院に行った所「非結核性抗酸菌症(肺MAC症)」と診断される事も。
進行した場合やから始まり次第にや、などの症状が表れます。
肺マック症・肺非結核性抗酸菌症 | 甲南山手おしたにクリニック
肺MAC症を完全に治癒に導く薬物療法は、現在のところ確立していません。ただし、比較的ゆっくりと進行する病気であり、ときに自然軽快することもあるため、軽症の時には経過観察のみを行うこともあります。痰・咳・血痰といった症状がある場合や、画像検査で病変が広く進んでいく場合には治療を行います。クラリスロマイシン(CAM)、 エタンブトール(EB)、リファンピシン(RFP)の3種の抗菌薬内服による多剤併用療法が標準治療になります。薬物治療は、少なくとも2年~3年(菌が培養されなくなってから1年間)続ける必要があります。病勢の強い方には、初期にストレプトマイシン(SM)またはカナマイシン(KM)の点滴・注射の併用を行うことや、難治性の場合にはアミカシン(AMK)の吸入療法を追加することもあります。病変が肺の一部分にとどまっている場合には外科手術を、しつこい血痰や喀血が続く場合には止血目的でカテーテル治療を行うことがあります。
薬による治療は、複数の抗菌薬(抗生物質)を同時に使います。非結核性抗酸菌(NTM)に効く薬は限られており、1年以上の長期にわたって薬を飲むことが必要です。
薬の治療を始めるかどうかは一律には決まっていません。肺非結核性抗酸菌(肺NTM)は、一般に長い経過をたどりますが、日常生活には支障がないまま、ゆるやかに進行していくことも多いです。治療をしなくても痰から菌が検出されなくなったり、何年もレントゲンの影が変化しなかったりする患者さんもいますが、年単位で少しずつ進行していく例が多いです。自覚症状が乏しいこともめずらしくありません。多くの場合は緊急に治療を開始する必要はないので、患者さんの基礎疾患などの背景と治療内容、自覚症状、副作用や定期的な画像や喀痰検査などの重要性を理解したうえで治療を開始します。治療に年齢制限はありませんが、高齢の患者さんも多いため、薬の副作用も考慮し、病状によっては治療をせずに経過観察する場合もあります。以下のような場合には治療開始を考慮します。
肺MAC(マック)症は呼吸器感染症の一種で、近年増加傾向に ..
呼吸器内科で診療を行う病気は、腫瘍、感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、間質性肺炎など多岐にわたります。
なかでも、WHOの2020年度全世界での死亡原因予想で上位となることが予測されるCOPD・肺癌・肺炎(結核含む)など頻度の高い疾患や、地域特性の高い悪性胸膜中皮腫について最新のエビデンスに基づいた治療を行うことができるよう取り組んでいます。
先端分野の臨床と研究の実践、医師をはじめとする医療人の臨床教育、受診される患者さんにとって安心できる呼吸器領域の医療の提供を心がけています。
その後:耐性菌陰性化と2度の菌交代と現在
専門病院での多剤併用療法は3年続き、難しいと思っていたクラリスロマイシン耐性MAC菌の陰性化に成功しました。 ただ、同じ非結核性抗酸菌のアブセッサス菌(マシリエンセ亜種)に感染し新たな治療を行ってそれを陰性化してもまたアビウム菌に感染するなど、最初の診断から17年目に入ってもまだ治療は終わっていません。 現在のアビウム菌はクラリスロマイシンに感受性があることがわかっており、クラリスロマイシン・リファンピシン・エタンブトールの3剤治療を続けています。 どうして自分はこうして菌交代しながら感染を繰り返すのだろう、と悲しくなります。お風呂掃除はその日のうちにサッとやる程度にして念入りにやるのは夫に任せ、庭の園芸仕事もやめ、水回りのリフォームもしたにも関わらず、です。「ああどうしてこうなるんだろう」と繰り返し思います。けれどこうなった以上、新しい菌に対処していくしかないです。
世界各地で地域差はありますが、日本では肺非結核性抗酸菌症の90%がMAC(マック)菌による肺MAC症で、肺 ..
肺MAC症はMAC(Mycobacterium avium complex)という菌が肺に感染して起こる病気です。
このMAC菌は、というグループに属する約200種類の菌の1つで、系統的には結核菌の「いとこ」のような存在です。非結核性抗酸菌は私たちの生活環境中の土壌や水回り(水が使われる場所)に広く生息していて、ことで感染すると推定されています。日本では、非結核性抗酸菌による肺感染症の8~9割を肺MAC症が占めます(そのほかは肺カンサシ症、肺アブセッサス症など)。
感染初期には無症状のことが多いのですが、進行すると、咳、痰、血痰、微熱、疲れやすい、体重減少といった症状が出ます。さらに重症化すると、呼吸困難になって酸素療法(酸素吸入)が必要になることもあります。結核との大きな違いは、、そして(数年~十数年単位)ということです。実際、自覚症状のないまま、検診の胸部Ⅹ線検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査で偶然に見つかることも珍しくありません。
肺MAC症の患者は、特に持病のないに多いのが特徴です。かつては結核の人や、ヘビースモーカーに多い慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、肺に病気を持つ男性が中心でしたが、なぜ傾向が変わったのか、わかっていません。また、免疫力が低下した場合に起こりやすいといわれていましたが、最近は免疫力が正常な人にも増加しています。
肺MAC症に対する治療は、CAM(クラリスロマイシン),EB(エサンブトール),RFP(リファンピシン)または RBT(リファブチ
の3つに分けて漢方薬を選んでいます。
・咳や痰が酷い方は・を中心に。
・血痰や喀血をされている方はで出血を防ぎます。
・だるさや微熱が続く方はを。(脾虚とは身体の疲れのことです。脾虚がおこると微熱・体重減少・食欲低下・疲れなどが起こります。)
ある程度改善が見られた時にの治療をして肺をきれいな状態に戻していきます。
[DOC] 抗酸菌症(結核および非結核性抗酸菌症)の治療薬と副作用
当院呼吸器内科では、非結核性抗酸菌症の啓発や標準治療の普及などを目指し、地域の医療機関と協力しながら患者さんが安心して治療を受けられる体制の整備を目的として、「非結核性抗酸菌症専門外来」を開設しました。
難治性肺 Mycobacterium avium complex 症における ALIS 治療
このQ&Aは2013年10月26日開かれた第1回肺非結核性抗酸菌症公開市民講座に患者さん代表で話されたIさんの依頼で出来ました。Iさんは, 最近肺MAC症のことはインターネットにも比較的沢山見られるようになりましたが、 断片的であったり、 信頼できるものかどうか不明な情報も数多いと不満を感じており、沢山のQuestionを寄せられました。
もちろん判らないことがまだたくさんある病気なので断言出来ないことが色々ありますし、これからも内容を更新していきたいと思っています。
病気総論(全体像をおおまかにつかむ)
MAC 症の標準治療はリファンピシン(RFP)+エタンブトール(EB)+クラリスロマイシン.
肺MAC症の罹患率(りかんりつ)は年々増加の傾向にあります。発生患者数も増加しており、特に要因を持たない中高年女性が発症する症例の報告が増加しています。
肺 MAC 症,肺 MABC 症,クラリスロマイシン耐性肺 MAC 症,病型,予後
クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。
非結核性抗酸菌症 | 複十字病院 公式サイト(東京都 清瀬市)
非結核性抗酸菌は、住居や自然環境の、水や土ぼこりの中に広く分布しています。
洗い物や入浴、加湿器の使用、家庭菜園での土いじりなどの際に、微細な水滴や土ぼこりと一緒に肺に吸い込まれますが、吸い込まれた菌が肺の中で定着・増殖するか、免疫系によって排除されるかは、人によって異なります。
統計上は、非結核性抗酸菌症を発症するのは中高年の女性が圧倒的に多いとされていますが、その理由については明らかになっていません。
MAC( マイコバクテリウム アビウム コンプレックス)という菌は、非結核性抗酸 ..
現病歴:X−5年に健康診断の胸部X線で異常陰影を指摘され,呼吸器内科を受診した.胸部CTでは左上葉と右中葉を中心に粒状影,浸潤影,気管支拡張が認められた.気管支鏡検査を施行し,気管支洗浄液よりが培養陽性となり,肺MAC症と診断された.しかし,自覚症状や胸部画像所見の変化が乏しかったため,無治療経過観察とされた.X−3年に画像所見の軽度悪化を認め,クラリスロマイシン(CAM)800mg/日+リファンピシン(RFP)450mg/日+エタンブトール(EB)750mg/日による治療が開始された.治療開始2年後のX−1年に咳嗽,喀痰,労作時呼吸困難の増悪を認めたが,画像所見は変化がなかったため,同治療が継続された.しかし,その後も自覚症状は増悪し,3カ月前の胸部CTでは右中葉・左上葉の浸潤影が増悪していた.細菌学的にも抗酸菌塗抹陽性,培養陽性が持続しており,治療方針の検討目的でX年に当科外来を紹介受診した.
[PDF] マクロライド系抗生物質製剤 日本薬局方 クラリスロマイシン錠
非結核性抗酸菌とは、抗酸菌という細菌のグループのうち結核菌以外の抗酸菌を総称したもので、現在約種類程度が存在するとされています。非結核性抗酸菌による感染症を非結核性抗酸菌症といいますが、非結核性抗酸菌の中で、Mycobacterium aviumという菌とMycobacterium intracellulareという菌を合わせてMAC菌(ycobacterium vium omplexの頭文字からと命名と呼んでおり、非結核性抗酸菌症のうち程度が菌による感染症とされています。
て行ってはならない. 本邦では,病型等に関係なく,一律の化学療
患者として感じる困難は、ガイドラインがあってもこれで治るとか、どの程度時間がかかるという明確な指標がないために常に不安の中にいるというところです。薬を飲んだ方がいいのか飲まない方がいいのか、副作用はどうなのか、服薬を継続できたとして効くのか効かないのか、それらはすべてやってみなければわからないということが多かったです。それに加えて、医師の中でも治療に消極的な方がいらっしゃったりなど、多くの不安材料や、わからないことが多く、患者としては治療に取り組むことを躊躇してしまうように感じました。 またNTMの治療の特徴としても、運良く薬が飲めて、陰性化してもその後1年間程度は服薬を継続しなければなりません。その間にまたどれかの菌が陽性化してしまう不安があります。これはまるで「あがりのない双六」をぐるぐる回っているような感覚を覚えました。 何年も大量の薬を飲むというのは体への負担や精神的なしんどさに加えて、金銭的な負担も大きいです。そのため、投薬を終了すると言われたら普通は喜ぶところです。しかしNTM患者にとってはそれが夢のような言葉であり、同時に、再度陽性化し振り出しに戻ってしまうかもしれない、それを言われたらどうしようという恐怖の言葉ともなり得ます。医療者の皆様には、こうした不安や両価的で複雑な患者の気持ちを理解して欲しいです。ずっと付き合っていかないといけない病気と思っていますが、治せる薬が出てくるまで頑張ろう、ということも患者同士で励まし合って日々を過ごしています。私たちの病気を知っていただき、応援していただけたらとても嬉しいです。よろしくお願いいたします。
肺 MAC(Mycobacterium avium complex)症
■予防
HIV感染者では、抗レトロウイルス療法(ART)を受けていない、またはARTを受けてもウイルス血症が持続しているが完全に抑制できるARTレジメンの現在の選択肢がない場合で、CD4数が50 cells/mm3未満の際には、播種性MAC症に対するアジスロマイシン(またはクラリスロマイシン)での予防が推奨されている(※CD4数が50 cells/mm3未満でも直ちにARTが開始できる場合には、推奨されていない)。