※以下では「メラトベル」として、メラトニンの効果や副作用をお伝えしていきます。
中高年以降、睡眠の質の低下に加えて様々な疾患にかかることが予想されます。老化の原因の一つとしてホルモン低下を考えたときに、補充すべきホルモンはたくさんありますが、メラトニンは安全・安心・安価なホルモンとして非常に有用なのです。
頭痛に関しては、メラトニン受容体を刺激することで生じる副作用です。
昨年10月2日に掲載された私の「『睡眠の質』を高める三つのキーワード」の記事で、「睡眠の質」の制御には、メラトニン、オレキシン、コルチゾルの三つのホルモンが重要であるというお話をしました。今回は、体内時計と地球時間とのずれに関わるもっとも重要なホルモンであるメラトニンがテーマです。
最初に,私たちが寝ている間に身体の中で何が起きているかをお話しします。睡眠とホルモンに関する解説です。 睡眠に関連したホルモンは,2つに大別できます。1つは,「寝ている間」に分泌されるホルモンです。そして2つ目は,「夜」に分泌されるホルモンです。つまり前者は睡眠に依存したホルモンであり,後者はサーカディアンリズムに関連したホルモンです。睡眠に依存したホルモンの代表格は,成長ホルモンやプロラクチンです。一方,サーカディアンリズムに関連したホルモンの代表格は,メラトニンとコルチゾールです。 成長ホルモンは,身体の成長,修復および疲労回復の役割を果たします。そして,睡眠初期のノンレム睡眠(大変深い睡眠)時に最大の分泌量を示します。プロラクチンは,睡眠開始直後から分泌され,朝方に向かって増大します。乳汁分泌促進,ストレス耐性の増加,身体修復の作用があります。睡眠時には,自律神経の副交感神経が働き細動脈が弛緩し,成長ホルモンやプロラクチンが身体の隅々に運ばれることになります。とりわけ,睡眠の初期段階でしっかり寝ると, 身体の疲労が取れます。
メラトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンからセロトニンをへて作られます。
しかし、残念ながら思春期の頃から年齢とともにその分泌量は低下し、40歳代では高齢層とほとんど同じ分泌量となってしまいます。
メラトニンは、内服して補充することが出来ます。
日本国内では、サプリメントとしてではなく、医薬品の指定をされていますから、医師の処方が必要で、当院ではDHEAと同様、海外より輸入した製品を、同意書に署名して頂いた上で処方しています。
メラトニンの摂取により、において採卵の際に卵子が回収できる率の上昇、顕微授精での受精率の上昇などが報告されています。
なお、メラトニンはそれ以外にも、抗酸化作用などに関わっていると言われていて、アメリカなどではサプリメントとして幅広く売られています。
夜眠れない時にメラトニンを摂取するのは安全? 専門家が詳しく解説
メラトニンは口から飲むとそのまま体内に入れることができるという性質があります。また、日本では2010年からメラトニンと同じような働きをする処方薬が発売されています。これらの薬やメラトニンそのものを飲むことで、体に「夜が来たよ」と強く教えることができます。
メラトニンは,習慣的就床時間の1〜2時間前から分泌され始め,深部体温が最低になる1〜2時間前にピークを迎えます。つまり深部体温が最低になる時間は朝の4時頃ですから,深夜2〜3時頃がピークになります。メラトニンは,サーカディアンリズムに従い夜に分泌され,光刺激によって分泌が抑制されるので,「ドラキュラホルモン」とも呼ばれます。メラトニンは,入眠作用や睡眠維持作用があります。また,サーカディアンリズムの強い同調因子で,夕方〜深夜のメラトニンはサーカディアンリズムの位相を前進させます。一方,コルチゾールは,睡眠初期のノンレム睡眠(大変深い睡眠)で分泌が抑制され,朝の起床前後で分泌は最大値示します。コルチゾールは,血糖値維持や肝臓における糖新生促進などの作用があります。これは日中に活発に過ごすために使われ,夜に向けて減少していきます。そして,ストレスに耐えて生活するためにも重要な役割を果たしており,「ストレスホルモン」とも呼ばれています。
傷ついた細胞を修復させる作用がある。 入眠直後から分泌され、入眠から2~3時間後にピークを迎える。 □メラトニン
のうち、強い抗酸化作用を持つ催眠ホルモン「メラトニン」があります。
メラトニンは、夜周囲が暗くなると脳の松果体という部分から分泌され、眠気を催すホルモンです。
これはビタミンEの2倍もの抗酸化作用を有し、脳内にも移行することが出来る、ちょっと特殊なホルモンです。
わずかな明かりでもその分泌が低下するため、沢山のメラトニンを出すためには、22時頃から部屋の明かりを暗くする、特に液晶のテレビやPC、スマートフォン、は極度に明るいため、避けることをお勧めします。
そして就寝時には真っ暗にしましょう。
メラトニンとは、松果体より分泌される脳内ホルモンで、トリプトファンからセロトニンを経て合成される。昼間は少なく夜間睡眠時に分泌が上昇する。メラトニンは直接的に睡眠作用を持つほか、概日リズム(体内時計)に深く関係し、深部体温を低くする作用があり、睡眠・覚醒リズムの調整に重要な役割を果たしている。
して酸素の毒性から細胞を守る作用ということから、メラトニンには老化防止作用や抗が ..
メラトニンにはほかにも有用な役割がたくさんあります。エネルギーの活性化、気分の改善、ナチュラルキラー細胞の増加、そして非常に強い抗酸化力です。
人間は生きていく上で酸素を利用するのでその結果活性酸素ができてしまいます。この活性酸素が徐々に体を錆びつかせているのです。体の錆びつき、すなわちDNAへのダメージがすべての病気の原因となります。メラトニンは非常に強い抗酸化力を持った物質なのです。これだけでも摂取する意義が十分あります。
多くの読者が知りたいであろう『不眠改善としてのメラトニン』の情報が読み取りにくい。 ..
睡眠薬は作用メカニズムから大きく2つに分類されます。
① 脳の機能を低下させる睡眠薬・・・従来の多くの睡眠薬はこの分類です。
ベンゾジアゼピン系 :(例)トリアゾラム、ブロチゾラム、ベンザリン、ドラール など
非ベンゾジアゼピン系:(例)ゾルピデム、ゾピクロン、ルネスタ など② 自然な眠気を強くする睡眠薬・・・近年発売されました
メラトニン受容体作動薬:(例)ロゼレム
オレキシン受容体拮抗薬:(例)ベルソムラ まずは①について解説します。
「ベンゾジアゼピン」とは脳にある受容体で、ここに薬が作用することで、脳をリラックスさせ、催眠や抗不安作用を発揮します。「非ベンゾジアゼピン」は「非」とついていますが、実はこちらもベンゾジアゼピン受容体に作用します。
この受容体には2つの種類があり、一つは催眠に作用し、もう一つは抗不安や抗けいれん、また筋肉の緊張低下に作用します。「ベンゾジアゼピン系」は両方の受容体に、「非ベンゾジアゼピン系」は前者メインに作用します。「非ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬は、脱力やふらつきの副作用を少なくするために開発された薬です。次に②について解説します。
■ロゼレム錠
体内時計のリズムをコントロールしている「メラトニン」という物質の分泌を促す薬です。
メラトニンは20時頃から分泌されて、深夜1~2時頃にピークを迎え、明け方になると光を浴びて消えていく物質です。年齢と共に分泌量が減ると言われていて、ロゼレムはこのメリハリをつける薬です。
■ベルソムラ錠
私たちが覚醒状態にあるときに働いている「オレキシン」という物質の働きをブロックして、眠気を誘導する薬です。 どちらの薬も生理的な物質に作用するため、依存性がきわめて少ない代わりに、作用に強引さがないので、効果や副作用に個人差が大きいとも言われています。
そして朝の太陽の光と反応してメラトニンが消え、起床するという仕組みです。 ..
一方で、メラトニンには上記の2番めの効果として、体内時計をずらす作用もあります。例えば、夕方4時5時ころに少量(0.5mgから1mg)を服用すると、服用直後に眠気が出るのではなく、通常の眠くなる時間が早くなるという効果を用います。これによって、寝付きの悪い人の寝付きが良くなるということもあります。(寝付きの悪さは、必ずしも睡眠時間帯だけの問題ではありませんので、必ず効果があるわけでもありません。)このような利用法は、体質的には夜型人間だが、早く床に入る習慣がある人などには、より効果が高いと思います。(関連項目: 朝型夜型質問紙とは?)また、この効果をつかって、時差ボケ(ジェットラグ症候群)を軽減させることも行われています。
睡眠について(後編)~良質な睡眠を得るために~|ドクターコラム
メラトニンは体の中には「pg/mL」という本当にわずかな量だけが存在しています。pg(ピコグラム)とは1兆分の1グラムというものすごい微量の単位です。このため、多すぎる量を飲んでしまうと体のリズムが逆に混乱してしまうので、少しの量を飲みます。
メラトニンは夜になると増加しますが、網膜がわずかな光でも感知すると分泌が抑制されてしまいます。 暑い夏が過ぎ ..
治療の第一選択は睡眠衛生指導であり、特に光環境を中心に指導/調整が行われますが、効果が乏しいことも少なくないという問題があります。薬物療法としては、世界的にはメラトニンの投与が多く行われていますが、日本においては市販されておらず、処方薬も小児の神経発達症を除いて承認がされておりません。また、多くの国でメラトニンはサプリメントとして販売されていますが、品質が保証されておらず、ばらつき等があるという問題が存在します。 一方で、日本を始めいくつかの国ではラメルテオン(ロゼレム®錠)というメラトニン受容体(MT1/2)作動薬が不眠症に対する医薬品として承認されています。ラメルテオンもDSWPDの加療に有用である可能性があるものの、臨床試験は存在せず、ごく少数例の症例報告が存在するに留まりました。さらに、既存の研究や薬理学的プロファイルは「通常用量での投与はDSWPDを改善できないおそれがある」ことを示唆していますが、その理論的考察が充分ではありませんでした。 ここで我々は、DSWPDに対してごく少量のラメルテオンを夕刻に処方した例をまとめ、その効果の有無について検討すると共に、なぜ超少量のラメルテオン夕刻投与が効果的であると考えられるのかについての薬理学的レビューと検討を行いました。
今の日本は世界的にも最も睡眠時間が短い国の一つですが、それは大人社会に限ったことではありません。 今や日本の3歳児は、夜10時を過ぎ ..
睡眠リズム障害(概日リズム睡眠・覚醒障害)の薬物治療の第一選択は、体内時計を整え、かつ、動かせる(前進:朝型化さられる)メラトニン・メラトニン受容体作動薬です。しかし、これ単体では十分改善しきらないことや、あるいは、学校・仕事との兼ね合いで睡眠時間の十分な確保が難しく、睡眠時間が短いがために「寝つけるようにはなったが起きられない」という状態が生じてしまうことがあります。
メラトニン,TSH,コルチゾール,エストラジオール,プロゲステ ..
今回のコラムでは『不眠』、そして、睡眠に関連するお薬をテーマにお話をしていきます。
まず、睡眠薬は、眠れないときに用いられる薬です。夜の睡眠が十分に取れないと、日中に眠気や疲労感、集中力の低下などを感じやすくなります。ただ、どのくらいの睡眠が必要なのかは個人差がありますし、その時の体調などにもよります。
平均的には、睡眠が足りているかどうかの目安は時間前後とされています。また、年齢が上がると睡眠時間が短くなってくることが一般的です。
漢⽅方薬やメラトニンも不不眠症に効果があるでしょうか? Q28
以上の通り,良質の睡眠を実現する上でメラトニンの分泌は不可欠ですが,この「ドラキュラホルモン」といわれるメラトニンは,ちょっとしたことで分泌が抑制されてしまいます。そこで,以下に,メラトニンの分泌を抑制してしまう主なものを挙げます。
(1) 寝る前2〜3時間の,200〜300ルクス以上の光刺激,特に商店街の明かりやコンビニの照明はNGです。また,テレビやパソコンのモニタの明かりもNGです。
(2) 寝る前2〜3時間の,刺激物の摂取,特にコーヒーや緑茶などカフェインの入ったものはNGです。カフェインはメラトニン分泌を強力に抑制します。
(3) 睡眠環境(寝室)における30ルクス以上の明かりはNGです。ロウソクの明かりは15ルクス位です。0.3ルクス位が理想的です。障子越しの月明かりです。理想的な睡眠環境に関しては,次回に詳細に説明します。
たり等、本来の就寝時刻を過ぎても、さまざまな余暇活動を⾏う ..
前述しましたようにメラトニンは、日本では販売されていません。しかし、日本で認可されていない医薬品でも、医師が厚生局を通じて厚生労働省から薬監証明を取得して合法的に輸入し、日本国内で処方薬として治療に使うことが可能は制度があります(文献4)。メラトニンはアメリカではサプリメントとして使われていますが、日本では神経ホルモン剤として医薬品の扱いになります。
飲酒は飲んだ直後は眠くなりますが、数時間たつと眠りが浅くなる作用があり、利尿作用もある
一方、個人で輸入することは可能です。Googleサーチで、メラトニンを探せば、多くのサイトが現れます。冒頭の写真も、私が個人としてというサイトから購入したものです。