・ GAS が検出された急性咽頭・扁桃炎に対して抗菌薬を投与する場合にはアモキシシリン(AMPC)内服 10 日間
エプスタインバーウイルス(Epstein-Barr Virus=EBV)初回感染で発症する伝染性単核球症は、発熱、咽頭・扁桃(へんとう)炎や極度の倦怠(けんたい)感、肝障害、リンパ節や脾臓(ひぞう)の腫れなどの症状がみられます。発症中にアモキシシリン(AMPC)などのアミノペニシリン系抗生物質を投与すると、ほぼ全例に発疹が出現します。
[PDF] 梅毒に対するアモキシシリン 1,500mg 内服治療の臨床的効果
世界的な梅毒患者の増加に伴い,妊娠期の梅毒,先天梅毒も急増している.2022年より世界的な梅毒標準治療薬であるベンジルペニシリンベンザチン(BPB)持続筋注製剤が,本邦でも使用可能となった.しかし,妊婦において,これまで使用されてきたアモキシシリン(AMPC)内服治療といずれを選択すべきか明確な指針がない.また,治療終了の基準も明確ではない.今回我々はAMPC内服後にBPB筋注を追加した妊娠期梅毒の一例を経験した.症例は34歳6妊1産.妊娠18週に感染時期不明の潜伏梅毒と診断した.AMPC1,500 mg/日を4週間内服し,母体のRPR値は54.3 R.U.から9.5 R.U.まで低下した.しかし,近年の報告によれば,RPR値が低下した母体からも先天梅毒が発生している.感染症を専門とする医師の意見を求めたところ,BPB持続筋注製剤による追加治療が提案された.本人同意を得て,妊娠31週でBPB240万単位の単回筋注を行った.副反応を認めず,妊娠経過を通じて胎児に異常所見は認めなかった.妊娠39週2日,経腟分娩により女児を娩出した.児のRPRは陰性であり,生後7か月まで先天梅毒を疑う所見を認めていない.本症例の治療方針の正当性につき検討し,今後同様の妊娠期梅毒の症例に対してどう対応すべきか,文献的考察を加えて報告する.
アミノペニシリン系抗生物質の添付文書は、伝染性単核球症の患者には投与禁忌としています。
AMPCは、現状では溶連菌感染症の治療の第一選択であり、その他感染症治療でも幅ひろく使用されています。
溶連菌感染症と伝染性単核球症の症状は共通点もあり、AMPCの服用後に皮疹が発現し、あらためて検査をしてみると伝染性単核球症と判明する例も少なくありません。
アミノペニシリン系抗生物質を投与した伝染性単核球症の患者に発疹が生じた場合、薬剤アレルギーだけでなく、疾患による影響も考え、再投与可能かどうか慎重に検討する必要があります。不用意な抗生物質の投与は控えましょう。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)
アモキシシリンカプセル 125mg「日医工」アモキシシリンカプセル 250mg「日医工」.
掲載する情報は、医療関係者を対象に作成されたもので、一般の方に対する情報提供を目的としたものでないことをご了承ください。
・具体的な相談については、主治医やかかりつけの薬剤師にご相談ください。
・自己判断で服用を中止しないでください。
・治療・処方に関する個別の相談には応じかねます。
商品名:パセトシン
識別コード:KH807/806/815
【作用】
合成のペニシリン剤で、細菌を直接殺す作用があります。ブドウ球菌などの化膿菌だけでなく、肺炎球菌、大腸菌など腸内細菌、インフルエンザ菌などに効力を示すので、皮膚、眼、耳、鼻、呼吸器、泌尿生殖器、歯科などの感染症に用いられます。しかし、最近はこの薬に対して耐性のある菌も増えてきて、以前ほどには効かない場合もあります。また、梅毒に用いられることもあります。胃潰瘍または十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ菌の除菌に対する効果が追認され、健康保険での使用が可能となっています。
アモキシシリン (AMPC) · 感受性 · 耐性 · 非感性 · ペニシリン結合蛋白 (PBP)
5日後に改善が認められなかった場合は、ペニシリン系薬のアモキシシリン(AMPC)またはアンピシリン(ABPC)常用量を5日間投与し、改善がなかった場合は、AMPCまたはABPC高用量または、セフェム系薬のCDTR-PI,CFPN-PI,CFTM-PIの高用量のいずれかを5日間投与する。
【副作用】
ペニシリン剤に共通の副作用として、ペニシリン過敏症が起こることがあり、ごくまれにショックのような激しい過敏症を起こし、生命が危険になることもあります。そのほか、下痢、食欲不振などが起こることがあります。
1) AMPC(アモキシシリン)と AMPC/CVA(アモキシシリン/クラブラン酸)
【服用上の注意】
血液中の抗生物質の濃度を保つため、できるだけ一定時間ごとに服用します。ヘリコバクター・ピロリ菌感染には、1回750mgを他剤と併用で1日2回7日間服用します。
【の受講生・卒業生へ】
抗生剤(医療用医薬品・処方薬)の、略号・一般名と代表的な商品・識別コード・画像を記載します。
の参考になればと思います。
のが便利です。(携帯は、下の記事検索で)
略号・商品名・一般名・識別コードの、どれか一つを入力し検索すれば、抗生剤の作用・副作用等もわかります。
の受講生で、ブランクがある看護師や復職・再就職希望の看護師の方もご利用下さい。
消化器症状
悪心・嘔吐:とくにベンジルペニシリンやアモキシシリンで多く起こります。
下痢:抗菌薬自体の副作用だけでなく、()感染症によるものもあります。
急性副鼻腔炎ではAMPC/CVAよりAMPCの方が副作用が少ない
欧米では経口吸収率のよいpenicilin Vが使用できるが、本邦では使用できません。
ペニシリンGの内服薬(バイシリン)をどうしても使用したい場合(例:GAS咽頭炎疑いだが伝染性単核球症がどうしても除外できずアモキシシリンを使いづらい場合)は、胃酸の影響を受けにくい空腹時の投与を検討しましょう。
オーグメンチン(CVA/AMPC)+アモキシシリン(AMPC)、セファレキシン(CEX)
ベンジルペニシリンよりも副作用・投与間隔などの面で「使い勝手」がよいため、ベンジルペニシリンの使用を希望する状況で、代わりに使用することも多くあります。
アモキシシリン(AMPC)(U) Amoxicillin 【分類】経口ペニシリン製剤
急性上気道炎(かぜ)の原因はウイルス(アデノ、インフルエンザ、ライノ、コロナなど)であり、細菌ではないため抗生剤は効果がありません。不要な抗生剤の内服は、効果がないところか、体内に薬剤耐性菌を誘導してしまう恐れがあります。薬剤耐性菌を保菌していると本当に抗菌薬が必要な時、例えば手術や菌血症などの重症細菌感染症にかかった時に、抗菌薬が効かなくて治療に難渋します。世界的に多剤耐性菌が出現し、効果のある抗菌薬の種類は減っている一方で、新規の抗菌薬の開発は限界にきているともされています。いまある抗菌薬を適切に使用して、耐性菌を作らない取り組みがクリニックなどの日常診療でも必要です。実際、小児科の外来では、抗生剤を使う場面は限られています。薬剤耐性菌からお子様を守り、無用な薬剤耐性菌を作らないためにクリニックでは、抗菌薬は、本当に感染症が疑われるときのみに限定して処方するようにしています。
[PDF] アモキシシリン(AMPC)投与後の発疹についての前方視的調査
PC薬の第3群は、PCG骨格の6位側鎖にアミノ基を導入して吸収後の体内持続性とグラム陰性桿菌の外膜透過性を実現したため、広域PCsと位置付けられてPC薬全体の代表ともいえます。この群の代表はアンピシリン(ABPC)と、その経口吸収性を改善したアモキシシリン(AMPC)であって、今日でも有用性は衰えず、PC薬の中で最も繁用されています。ABPCとAMPC以外にも多くの薬剤が使われていますが、PCaseには不安定です。PC薬の第4群は6位側鎖にamidino構造を持つPC薬であり、グラム陽性球菌への抗菌活性は不十分ですが、グラム陰性桿菌にはABPCより強い抗菌活性を示します。PCaseにはやはり不安定です。
いた遅延型アモキシシリン(AMPC)アレルギーの診断について後方視的症例集
【アモキシシリン】500mg 6~8時間ごと内服
※梅毒では、【アモキシシリン】1~3g 8~12時間ごと +【プロベネシド】750~1500mg/日 内服 14~28日間
アモキシシリンの吸収を高めるためにプロベネシドを併用します(尿細管からのアモキシシリンの排出を抑制し、血中濃度を高める作用があります)。
オーグメンチン(CVA/AMPC)+アモキシシリン(AMPC)
PC薬の出番は今も多いのですが、経口薬と注射薬とに分けて考えます。経口PC薬では、生体内利用率の高いアモキシシリン(AMPC)とスルタミシリン(SBTPC)およびアモキシシリン/クラブラン酸(AMPC/CVA)の有用性が高く、前2者では連鎖球菌、肺炎球菌、腸球菌、プロテウス・ミラビリス、大腸菌(感受性の認められるもの)などが対象となります。AMPC/CVAではさらに、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)、大腸菌、肺炎桿菌なども対象となります。疾患としては、前2者で細菌性扁桃炎、細菌性中耳炎・副鼻腔炎、軽症の肺炎、軽症の歯性感染症などが対象となり、AMPC/CVAではさらに、イヌやネコなどによる咬傷(破傷風の予防にもなる)、軽症の虫垂炎も対象となります。他には、ヘリコバクター・ピロリ感染症における除菌治療でクラリスロマイシン(CAM)およびプロトンポンプ阻害薬との併用でAMPCが用いられます。なお、高用量投与が必要な場合、AMPC/CVAを増量投与すると消化器症状が出やすいので、同量のAMPCと併用するいわゆるオグサワ処方も考えましょう。
アモキシシリンの効果は?使用上の注意や飲み合わせについても解説
【アモキシシリン/クラブラン酸】250mg/125mg +【アモキシシリン】250mg 8時間ごと内服
※「オグサワ」療法について
欧米と比べて、国内で発売されている成人用の製剤は、アモキシシリンの含有量が少ないのが特徴です。増量の必要がありますが、合剤で増量してしまうとクラブラン酸の投与量が増えて下痢などの副作用が増えるため、アモキシシリンと組み合わせて処方することが多くあります。
アモキシシリンは、特定の性感染症 (STI) の治療のために経口で服用する抗生物質です。 アレルギー(Allergies)
4歳以下の乳幼児の肺炎は主にウイルス性が占めており、細菌性は10%程度です。細菌としてはなどが原因となります。近年アメリカの小児科学会の提言によると「適切に予防接種が実施され、合併症のない小児の市中肺炎にはアンピシリンより広域な抗菌薬を使用すべきではない」と述べられています。予防接種により肺炎球菌やインフルエンザ菌による重症感染症はほとんど経験することがなくなりました。そういった点でも、外来ではアモキシシリン以上の抗菌薬を選択する意味はないように考えます。
一般的名称 アモキシシリン水和物 一般的名称(欧名) Amoxicillin Hydrate 略号 AMPC
【Q】腸内細菌科のグラム陰性桿菌で,染色体にclass Cのβラクタム分解酵素でセファロスポリン分解酵素AmpCの遺伝子を持っている一群(Serratia marcescens,Enterobacter spp.,Citrobacter spp.など)は,第1~第3世代セフェム系抗菌薬に曝露され続けると,その酵素AmpCを過剰産生するようになり,ときどき誘導耐性を示すことがあることが知られています。
膿瘍や骨髄炎といった根治的治療に抗菌薬長期投与を要する感染症で,まだAmpC過剰産生をしていない段階で,その類の菌が起因菌と判明している場合に,どの抗菌薬により標的治療を行うか判断に悩むことがあります。実際にどのような治療選択肢が考えられるでしょうか。JCHO東京高輪病院・岡 秀昭先生のご教示をお願いします。
【質問者】
大場雄一郎:大阪府立急性期・総合医療センター 総合内科医長・部長代理
【A】 まず,AmpCを過剰産生しているこれらの腸内細菌に対する標準的かつ安全な治療薬は,メロペネムなどのカルバペネム系抗菌薬です。また,セフェピムのような第4世代セファロスポリン系抗菌薬も,比較的class Cβラクタマーゼに安定であり,おそらく使用できると考えられています。
セフトリアキソンなど,第3世代のセファロスポリンに感受性がある場合に使用してもよいのかどうかについては,専門家の間でも意見がわかれているのが実情です。
他の選択肢としては,感受性があればアミノグリコシド系,ニューキノロン系,そしてST合剤などのほか,ペニシリン,セファロスポリン系のようなβラクタム構造を持たない薬剤も有効と考えられます。
菌と抗菌薬のみで考えると,以上が主な選択肢となりますが,そうするとカルバペネム系ばかりが選択されることになり,将来的にカルバペネム耐性腸内細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae:CRE)の増加を促す懸念があります。
実際の診療では,菌と抗菌薬以外に,外科的な切除やドレナージなどのソースコントロールの可否も,このような腸内細菌が原因菌になる感染症では予後を左右します。経験的に,尿路感染では尿中に抗菌薬が高濃度に濃縮移行するため,菌の感受性以上に良好な効果をもたらしますし,化膿性胆管炎では内視鏡的ドレナージが行われれば速やかに軽快することが多くみられます。カテーテル血流感染症でも,感染性心内膜炎や椎体炎などの合併症がない場合は,カテーテルが抜去されていればしばしば改善します。通過障害のない腎盂腎炎,ドレナージされた胆管炎,カテーテルが抜去されたカテーテル血流感染症では患者のバイタルサインが安定しており,感受性があれば私はセフトリアキソンを使用することもあります。しかし,先日経験した人工血管置換術後のセラチア(Serratia)菌によるカテーテル血流感染症では,無理をせずにセフェピムを使用しました。
これらの菌による脳外科手術後の重篤な細菌性髄膜炎,敗血症性ショックなど重篤な感染症であれば,躊躇なくメロペネムを使用すると思います。
ご質問のドレナージが不十分な膿瘍や骨髄炎では,私は初期にはセフェピムを使用し,感受性によりST合剤やニューキノロン系抗菌薬の内服に変更して長期治療の完遂をめざします。膿瘍や骨髄炎の多くは慢性経過で治療が長期化するため,カルバペネム系の使用は避けたいと考えますが,第3世代セファロスポリンの長期使用中のAmpC過剰産生による誘導耐性が心配なので,セフトリアキソンは使用していません。
最後に,AmpCの遺伝子を有する細菌でも,菌種によってAmpCを過剰産生する頻度は違います。Enterobacter spp.には最も注意が必要だと思います。
以上のように,菌と抗菌薬だけでなく,患者の診断,病状,菌の種類を加味して選択薬を決定していくしかないというのが実情なのではないでしょうか。
[PDF] アモキシシリン水和物 小児感染症に対する最大投与量の変更
緑膿菌などの好気性グラム陰性桿菌によるFNや重症感染症、黄色ブドウ球菌・腸球菌による感染性心内膜炎を対象として、おもに併用療法で使用する薬剤です。
副作用では、腎毒性(トラフ濃度を測定して投与量を調整します)や聴神経毒性(不可逆性)が問題になります。
成人: アモキシシリン水和物として、通常 1 回250mg(力
多くのグラム陽性菌・一部のグラム陰性菌、非定型肺炎の原因菌などの効果がありますが、本邦では耐性化が進んでいます。
ほかのマクロライド系に比べて腸管吸収率は悪く、下痢などの副作用が起こりやすいです。