また、薬歴によると、クラリス(クラリスロマイシン)による発疹の既往がある。


お世話になります。薬疹について質問させてください。経過は下記の通りです。3/27:風邪で内科受診。クラリスロマイシンとカルボシステインを処方され、夜服用3/28:朝、手足に1~2mm程度の赤く痒みのある発疹(丘疹)が数ヶ所。朝夕薬服用。3/29:朝薬服用、夕方発疹が増えてきたため、薬の影響かと疑い服用中止。3/30:発疹、手足それぞれ20~30箇所程。入浴後は特に赤く痒くなる。3/31:皮膚科受診。薬疹であればもっとバーッと出るはずだから薬疹とは言えないとの診断。汗がうまく出ない?ことが関係しているのでは?とのこと。ベポタスチンベシルとサレックスクリーム処方。4/3現在:上記薬を服用しているが、手足の発疹の数は30日からさほど変わらず。新たに首に10ヶ所程の発疹。※4年前に甲状腺全摘手術をしているため、チラーヂンを毎日服用しています。皮膚科では薬疹ではないと言われましたが、自分ではその疑いがぬぐい切れず、こちらに相談させていただいています。1.本当に薬疹ではないのか?疑いがある場合、今後の為に血液検査などできちんと調べておく必要はあるか?2.その場合皮膚科へ行くのか、それとも薬を処方された内科へいくのか?3.薬疹の場合、薬を中止しても発疹が更に増えてくることはあるのか?4.どのくらいで発疹が引いてくるのか?以上のことを特にお聞きしたいです。色々申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。(40代/女性)


クラリスロマイシン 発疹について | 医師に聞けるQ&Aサイト

実は初めて飲む薬ですぐに薬疹を起こすことはありません。体がその薬に対してアレルギーを獲得するまでの準備期間(感作期間)が必要だからです。その期間は通常は10日~14日間です。従って、原因薬は「発疹がでる直前に初めて飲んだ薬」ではなく、「10日以上前に少なくとも1度は飲んだことのある薬」を最も疑うべきだということになります。

アナフィラキシー、重症薬疹(中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症)、横紋筋融解症、薬剤性肝障害、薬剤性腎障害、間質性肺炎、無顆粒球症、薬剤過敏症症候群、出血性大腸炎

クラリスロマイシン・カルボシステインの薬疹について2018/04/04

アレルギー症状には大別して2種類があります。一つは「即時型アレルギー」で薬を飲んで10~30分後に蕁麻疹として、もう一つは「遅延型アレルギー」で12~48時間後に赤い発疹として症状が現れます。従って、薬疹が生じる「直前」もしくは「1~2日前に」に飲んだ薬を原因として疑うのは正しいといえます。

上記をまとめると、「10~14日前から初めて飲み始めた薬」、「10日以上前に一度飲んだことがあり、発疹がでる直前もしくは1~2日前に飲んだ薬」が薬疹の原因薬として最も疑われます。なので、例えば初めての薬を飲み始めて5日目に発疹が出た場合、薬疹は疑いませんし、飲み続けて3ヶ月経つ薬を薬疹の原因とは考えません。

クラリスロマイシン・エリスロマイシン・フルコナゾール; 抗不整脈薬:ベラパミル

抗生物質による副作用で最も多く集積されている副作用が薬疹です。2015年のデータで言うと、副作用全体の58%を占めています。ひとくちに薬疹と言っても、身体の一部に出るものから、全身発疹まで多岐に渡っています。
抗生物質自体が(一般的に)投与日数が長いものではありませんが、薬疹の発生に関しては、1日目~7日目の発生が多い状況です。投与後すぐに発現するイメージがありますが、数日後からの場合も多いため、注意が必要です。





上記は、内服薬で全身に発疹が発症した症例です。治療薬を使っても、皮疹消失まで12日間も掛かっています。抗生物質の注射は、以前は投与前に皮内テストを行なってアレルギーが無いことを確認してから投与することになっていました。しかし、皮内テストの有用性が疑問視され、現在は廃止されていますが、依然としてアレルギー反応が多いことは間違いありません。
また、近年ではヘリコバクターピロリ除菌療法(抗生剤2剤併用)での副作用発現もかなり多く報告されています。




このようなケースでは、どちらの抗生物質が原因なのか掴みにくく、その後にどの薬剤を飲まないほうが良い(禁忌薬剤)のかの判断が難しくなります。

アナフィラキシー症状(呼吸苦、眼瞼浮腫、血圧低下、蕁麻疹):服薬中止 すぐに救急要請

DIクイズ1:(Q)クラリスによる発疹の既往のある患者への代替薬

カルボシステインは、幅ひろく使用されている去痰剤です。副作用の少ない薬剤として認識されているかもしれませんが、当モニターには2022年10月までに、薬疹などの皮膚障害や肝障害を中心に247件が寄せられています。PMDA(医薬品医療機器総合機構)の副作用が疑われる症例報告にも、スティーブンスジョンソン症候群や薬疹などの皮膚障害、肝障害が数多く報告されています。
薬疹の発生機序については、カルボシステインの代謝が夜間と日中で異なることが報告されており、原因の一つとして考えられるようになってきています。ヒトの硫黄酸化酵素の活性が、昼間は高く夜間は低いため、夜間は主に2,2′-チオジグリコール酸(以下、TDGA)に代謝されてしまいます1)。カルボシステイン服用後薬疹が起きた症例で、TDGAのパッチテストを実施し、陽性となったケースが学会などで報告されていますので、有力な原因と考えてよいでしょう2)。
このTDGAが蓄積されることで症状が発生する場合は、高用量の場合では服用開始から2~3日後に副作用として確認されることになります。当モニターに報告された症例を紹介します。

掲載しているQ&Aの情報は、アスクドクターズ(エムスリー株式会社)からの提供によるものです。実際に医療機関を受診する際は、治療方法、薬の内容等、担当の医師によく相談、確認するようにお願い致します。本サイトの利用、相談に対する返答やアドバイスにより何らかの不都合、不利益が発生し、また被害を被った場合でも株式会社QLife及び、エムスリー株式会社はその一切の責任を負いませんので予めご了承ください。


このお薬は、細菌が原因で起こる感染症の治療に用いるお薬です。 △ 注意

皮膚科をやっていると一日一回は聞かれます。薬の説明の紙に「発疹が出たら医師に相談を」と書いてあるので当然です。

ピロリ菌除菌薬による薬疹 (武蔵小杉病院 安齋眞一 荻田あずさ)

薬疹は原因薬を続けているとどんどん悪化し時には命に関わることさえあります。薬を飲み始めて2週間くらいしてから薬を飲むたびに蕁麻疹が生じる、過去に飲んだことがある薬を久しぶりに飲んだら全身に赤い発疹が出てきて広がっている等の症状があれば薬を中止して皮膚科を受診してくださいね。

急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)は、スティーブンス・ジョンソン症候群、

副作用は、添付文書とPMDA資料を参考に、訴えのあるものについてのみ記載しております。

電話:
時間外、休診日は、緊急回線(診察券に記載)にお電話ください。

中毒性表皮壊死症、薬剤性過敏症症候群と並ぶ重症型の薬疹である。 ..

症例)40代女性。蓄膿(ちくのう)症のため、カルボシステイン錠1500mg/分3毎食後、ロキシスロマイシン400mg/分2朝夕食後を開始。2日目の夜間に背中がかゆみだし、翌朝、腹部、下肢にも湿疹がひろがっていたため、両剤の服用を中止。4日目にカルボシステインを再開、同時にクラリスロマイシン200mg/分1を開始、数日後に再発。医師判断で、これら3剤を単独服用でチャレンジテストをしたところ、カルボシステインで同様の症状を再確認した。

入院治療を要した多形紅斑型薬疹, 播種状紅斑丘疹型薬疹の ..

今回の症例は、夕食後だけカルボシステインの服用を回避すれば、継続治療可能だったかもしれません。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)

【抗菌薬】ペニシリンアレルギー、 セフェムアレルギーの対応と代替薬

●副作用モニター情報〈210〉 偽膜性大腸炎に注意
偽膜性大腸炎は、抗生物質で他の菌が死滅し、結腸周辺で増殖したクロストリジウムディフィシル菌(CD・通称ディフィシル菌)が毒素を出し、びらんなどが生じて起こります。抗生物質の連続投与7日程度で生じるとされ、CLDM[クリンダマイシン, リンコマイシン系]かABPC[アンピシリン, ペニシリン系]の投与で15~28%に下痢を発症、1~3%で菌を確認した報告も。日本での健常成人のクロストリジウムディフィシル菌の保菌率は平均7.6%(4.2~15.3%)です。
欧米ではこの菌は院内感染下痢症の重要な原因菌であり、入院患者の約10%が感染した、という報告もあります。同時多発感染の防止には排泄物などの管理に注意が必要です。
当モニターには、やむをえず連続投与した事例で報告がありました。抗生剤投与には定期的なチェックや、必要に応じた調査・監視が求められます。事例を紹介します。


Stevens-Johnson症候群, TEN, DIHS/DRESS→投与回避 ..

葛根湯とトラネキサム酸は、一緒に服用しても問題ありません。トラネキサム酸は、抗炎症作用があるため、風邪による喉の痛みや扁桃炎の治療に使われることがあります。また、抗プラスミン作用があるため、皮膚科では肝斑(かんぱん)の治療に処方されることもあります。さらに、市販の風邪薬にもよく含まれています。

CAM (クラリスロマイシン) · AZM (アジスロマイシン)

第3世代セフェム系抗生物質に、ピボキシル基を持つ抗生物質があります。(先発品:フロモックス、メイアクト、トミロン、オラペネム、メリシンなど)これらの抗生物質は、2012年にPMDAより「小児(特に乳幼児)への投与においては、血中カルニチンの低下に伴う低血糖症状(意識レベル低下、痙攣等)に注意してください」との警鐘が出されています。この副作用は小児(1~5歳)の方に多いと報告されていますので、注目されています。しかし、この系統の薬剤は、年間600万人に処方されていると言われ、副作用は低カルニチン血症だけではありません。民医連の副作用モニターでは、以下のような報告がありました。一般的な抗生物質としての注意も必要です。

薬剤の摂取 1〜数時間後に口唇、外陰部、眼角といった粘膜皮膚移行部や

●副作用モニター情報〈272〉 ピボキシル基を持つ抗生物質の副作用のまとめ
メイアクト、フロモックス、トミロンは、ピボキシル基を持つ内服用抗生物質製剤です。ピボキシル基は生体内で代謝される過程でホルムアルデヒドを産生します。
建築用材などから空気中に放出されたホルムアルデヒドは、シックハウス症候群やアレルギー性皮膚炎、気管支喘息の原因ともいわれています。内服薬から体内で発生した場合、人体に影響を与えないのか気になるところです。
2006年度に副作用モニターに寄せられたピボキシル基を持つ薬剤の副作用報告は22件。発疹が10件(フロモックス細粒3件、メイアクト小児用2件)と多数を占めました。ほか、下痢が3件、肝障害が3件、吐き気が2件、その他4件でした。小児に多い傾向が見られます。
典型的な症例では、AMPC細粒[アモキシシリン, ペニシリン系]を4日間服用後、メイアクト小児用細粒に変更したその日に発疹が出現。翌日にAMPC細粒に変更したところ、その翌日に発疹の消失が確認されました。不思議なことに、ほかの症例でも中止後1~2日と速やかに発疹などの症状が治癒しているのが特徴です。
この症例ではβラクタム同士の交差反応とは考えにくく、ホルムアルデヒドに暴露している間にだけ起こる炎症反応という解釈が自然なようです。
概して抗生物質製剤によるアレルギーは多く観察されます。最もアレルギーの多い抗生物質としてはセファクロルが知られています。最近、ピボキシル基を持つ薬剤の副作用も目立つ印象があります。各施設での注意深い観察が望まれます。

[PDF] セフェムアレルギーと βラクタム系抗菌薬の使用(交差反応)

【参考文献】
[1]マトリックスでわかる!漢方薬使い分けの極意 渡辺賢治
[2]日本漢方生薬製剤協会 カンゾウ(甘草)含有医療用漢方製剤による低カリ ウム血症の防止と治療法
[3]ツムラ葛根湯エキス顆粒(医療用)添付文書
[4]公益社団法人福岡県薬剤師会 妊婦への投与に注意が必要な漢方薬
[5]公益社団法人福岡県薬剤師会 質疑応答

βラクタム系抗菌薬にはペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、モノバクタム系、ペネム系が

【Q】62歳,女性。内視鏡検査でピロリ菌陽性。以前,ミノサイクリン,ニューキノロン系薬でピロリ菌除菌治療を試みたところ,薬疹が出現し,またリンパ球幼若化試験で,アモキシシリン,クラリスロマイシン,いずれも陽性。
このようにピロリ菌除菌に用いる薬剤で薬疹をきたす患者に対してピロリ菌の除菌は可能なのでしょうか。ご教示下さい。 (宮城県 N)

【A】 本例は,以前にミノサイクリン,ニューキノロン系薬にてピロリ菌除菌治療を行ったところ薬疹が出現し,またリンパ球幼若化試験でアモキシシリン,クラリスロマイシン,ともに陽性とのことです。
本例では,どのようなレジメンで除菌治療を行ったのか,現在,保険が適用されている一次(PPI+アモキシシリン+クラリスロマイシン)・二次(PPI+アモキシシリン+メトロニダゾール)除菌レジメンの治療を行ったのかなどの詳細は不明です。しかし,ミノサイクリン,ニューキノロン系薬を含む治療(おそらくは別々のものと想像しますが)では,薬疹の副作用が出ています。
アモキシシリンとクラリスロマイシンを投与したかどうかは不明ですが,リンパ球幼若化試験が陽性です。そのため,これらの抗菌薬は,本例のピロリ菌除菌治療に使用できないことになります。これら以外でピロリ菌除菌に用いられる抗菌薬は,メトロニダゾールのみです。ただし,抗菌薬が本剤1剤のみのレジメンでは,胃酸分泌抑制薬と併用したとしても,除菌はまず困難です。
したがって,本例では,ピロリ菌除菌治療はできないと考えます。

また同じプロピオン酸系の薬剤との間に交叉反応が認められるため、同じ系統の外用・内服薬に

●副作用モニター情報〈199〉 抗生物質による急性腎不全
ミドシン注射液(リン酸クリンダマイシン)による急性腎不全疑い例1件の報告がありました。
75歳の女性に、肺炎治療のため600㎎/日を投与。投与開始直後からBUN、クレアチニン値の上昇がみられ、4日目には血清カリウム値7.0と高値を示しました。ただちに投与を中止し、ラシックスで利尿を確保、翌日までカリウム値の上昇が見られましたが、その後 速やかに腎機能は回復しています。
リンコマイシン系の本薬は、抗生物質の中では腎毒性の低いものとして知られています。しかしメーカーには死亡例を含む急性腎不全疑い例6例が報告されており、ハイリスク患者に対しては、腎障害への注意が必要です。本例も脳梗塞後遺症と糖尿病の既往があることに加え、投与前のBUNもやや高値を示していました。
薬剤性腎障害では「中毒性(非アレルギー性)」が最も多く見られ、そのうち抗生物質による腎毒性の典型的な臨床症状は急性腎不全です。抗生物質による腎障害を防ぐためには、脱水症状に陥らないようにして、また十分な利尿を心がけること、大量投与を避け、投与量の調節で最小有効濃度を維持すること。またカリウムなど電解質のモニタリングや尿検査によって、腎障害の徴候を見逃さないなどの注意が必要です。

*(表) 添付文書に重症薬疹の副作用が記載されている主な院内採用薬一覧 ..

●副作用モニター情報〈224〉 アミノグリコシド系薬剤の難聴の副作用について

アミノグリコシド系薬剤の第8脳神経(内耳神経)障害は有名な副作用です。
被疑薬である硫酸カナマイシン注では、副作用発現のリスク要因の高い高齢者(60歳以上)・腎機能低下した患者への投与量は1回0.5~0.75gとするよう記載されています。高齢者への投与量は個別性があるため、ともすれば成人量投与で医療がされやすいので注意が必要です。
産科・小児科などを除いた病棟では、高齢者が多く、そのリスクを抱えています。
たとえば、塩酸バンコマイシン・ループ利尿剤・白金含有抗がん剤等も、高齢者には副作用が増える可能性があり、注意が必要です。
医薬品の供給と調剤という薬剤師の仕事のうち、調剤の概念は処方監査と医薬品の調整に留まらず服薬指導へと拡大し、さらに医薬品の適正使用推進と医薬品を 使用した患者の安全管理(副作用・相互作用回避)へと発展してきています。投与量や投与間隔、医薬品の選択などに薬剤師がかかわれるシステムも必要です。