卵胞液内のVEGFが高濃度であれば、良好な妊娠率、胚細胞の成長が得られるとされています。


イランで行われた、二重盲検プラセボコントロール研究です。
妊娠24-37週の子宮内胎児発育遅延例を対象とし、バイアグラまたはプラセボを服用して頂き、 超音波検査で、評価しています。
バイアグラ(シルデナフィル)は、妊娠中の安全基準のカテゴリーBに分類されています。
一般的には、25-50mgを使用しますが、妊娠中は循環血漿が増加している事を考慮し、 服薬量を50mgとしています。
服薬前と服薬後2時間において、カラードップラー法超音波検査を用いて、 臍帯血流と胎児の中大脳動脈血流を評価しています。
59例の妊婦が登録されましたが、試験を終了したのは41例です。 バイアグラ群とプラセボ群間の妊婦の特徴に差は認められておりません。 全体の6例に羊水過少症、3例に高血圧、1例に死産を認めています。 38例は非対称性の発育遅延であり、3例は対称性の発育遅延でした。 (対称性発育遅延の3例は、すべて対照群に含まれていました)
バイアグラ群では、臍帯血流は改善し、血管抵抗の減弱が観察され、中大脳動脈の血流も、同様に増加しています。 これに対し対照群では、いずれも認められておりません。


イアグラが有効であったとする報告が有ります。 バイアグラの安全性が無ければ、この様な実験は行えません。

バイアグラは、詳細な機序は割愛いたしますが、一酸化窒素NOを増加させる薬剤です。
様々な研究報告により、このNOが排卵周期や妊娠に作用する事が示されています。 卵胞の形成や排卵、ゴナドトロピン放出ホルモンの分泌、胚細胞の成長などです。
男性の精子の運動に影響を与えているとした報告もございます。
そして、NOの合成が受精卵着床時に亢進していることが確認されており、感受性に影響致します。
NOを増加させることが血流増加につながり、着床率を向上させるとしています。

循環中のホスホジエステラーゼは、子癇前症において増加していると言われております。 また、ホスホジエステラーゼを阻害する事によって、子宮血管の緊張が和らぐことも指摘されています。
バイアグラ(シルデナフィル)は、ホスホジエステラーゼ5阻害剤です。 皆さんご存知のように、に使用される薬剤です。 cGMPの分解を抑制することによって、陰茎血管の弛緩を引き起こします。
その他にも、子宮血流を増加させ、エストロゲンによる血管拡張作用を増強する事が示されています。
受精時において女性膣内に投与した所、母体、児ともに有害な影響を与えず、また、 膣内への投与によって、ナチュラルキラー細胞活性と子宮内膜厚が変化し、 受精率に好影響を及ぼす可能性が有るため、不妊治療治療(受精困難)の選択肢の一つになる可能性も指摘されています。
バイアグラ(シルデナフィル)の静脈投与は、胎便吸引症候群における肺血管抵抗を減弱させるとの報告もあります。
豚を用いた動物実験では、低用量のバイアグラは、分娩時における胎児仮死を減少させ、高用量のバイアグラは、 胎児体重を1.5倍に増加させたとしています。
母体の肺高血圧症に対しバイアグラ(シルデナフィル)での治療は、胎児の成長を促進させることも知られています。
妊娠中のバイアグラの使用は、正常妊娠、子宮内発育遅延妊娠問わず、子宮筋~内膜の血管の収縮を抑制します。
このことから、妊娠中のホスホジエステラーゼ阻害剤の使用は、安全に子宮血流を増加させられると考えられます。

バイアグラ、シアリス、バルデナフィルなどのED治療薬は妊娠に影響ありませんか?ED治療薬で妊娠しても胎児にはまったく影響ありません。

すべての女性のライフサイクルに起こる心と身体の変化をサポートいたします。
思春期、成熟期、更年期、老年期とそれぞれの年代によって起こりやすい症状、疾患は異なります。また各種予防接種や一般不妊治療にも対応しています。日常生活を過ごすうえで、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

油物を食べた後にPDE5阻害薬を内服すると吸収が悪く効果が不十分な場合があります。通常の食事では、バイアグラよりレビトラ(※)の方が影響を受けにくいとされています。また、シアリスは食事の影響がないとされています。しかし、効果が不十分の場合は、空腹時に内服します。患者さんによっては、時間が延長されても、食前に内服するほうが効果を発揮することがあります。
(※)レビトラは現在製造を中止されています。

一般医師は、EDの定義に合うか評価し、健康チェックをし、薬の使用方法を『バイアグラ ..

条件があえば健康保険が使えます。一般不妊治療中のみです。 生殖医療ガイドラインのホスホジエステラーゼ5阻害薬(PDE5i)についての記載(「PDE5阻害薬は、勃起障害を伴う男性不妊症に対して有効である。」)がもとになって、男性不妊症の患者さんでの勃起障害に対して、バイアグラ(シルデナフィルクエン酸塩)およびシアリス(タダラフィル)が2022年4月から保険収載となりました。バルデナフィル塩酸塩は収載されていません。ご存知の通り、これまで我が国で処方はみとめられていたものの勃起障害に対しては、自費診療での取り扱いでした。
ただし、保険診療での使用には厳密な条件があり、簡単に言うと不妊症の男性因子として、経験のある泌尿器科医師が診療し、ED診療ガイドラインに沿って勃起障害が診断され、そのために「一般不妊治療」をおこなっている場合のみ保険診療として処方が可能であり、そのほかの場合はひきつづき自費となります。
「一般不妊治療」についてですが、不妊症診療は、女性側の診療が中心となっていることを理解する必要があります(図)。我が国の保険診療としての生殖医療は女性側の治療を中心として組み立てられられており、タイミングや人工授精での治療である「一般不妊治療」と、「生殖補助医療」(採卵や体外受精、顕微授精、胚移植など)の2段階となっています。PDE5iは、一般不妊治療(主にタイミング)に用いられることになります。採卵した卵子を用いる「生殖補助医療」(体外受精)では、性交渉が不要なため、勃起障害があっても他の方法で精子が得られれば治療可能であるからです。たとえば、自慰にて射精ができ運動精子がえられれば体外受精は可能です。また、男性機能障害の一つである射精障害が重度であって射精不能な場合でも、精巣内精子採取術などの外科的な精子精手術で精子を得ることができれば、体外受精のひとつである卵細胞質内精子注入法(いわゆる顕微授精)での治療が可能です。 (リーフレット)不妊治療の保険適用(厚生労働省)()を加工して作成 文責:小宮顕(泌尿器科部長) 亀田メディカルセンターでは男性不妊外来を開設しております。
泌尿器科専門医・指導医、生殖医療専門医の小宮顕部長が担当します。
当院のもご参照ください。 奥様とご一緒にいらしてください。 お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当ブログ内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。 亀田IVFクリニック幕張


ジャヌビアは、主に2型糖尿病に使われる治療薬で、DPP-4阻害薬の1つです。DPP-4酵素は、インクレチンと呼ばれる酵素を分解する働きがあり、ジャヌビアはこのDPP-4の働きを阻害しますので、結果的にインクレチンの働きは増強します。インクレチンとは、食事の刺激によって小腸から分泌されるホルモンで、血糖値の上がる食後などに膵臓からのインスリンの分泌を促進させる働きがあります。またインクレチンは、膵臓から分泌されるグルカゴンと呼ばれる血糖値を上げるホルモンの分泌を抑える働きがあり、食後などに過度に血糖値が上がることを抑える働きもあります。ジャヌビアは、インクレチンの作用を高め過度に血糖値が上昇することを抑える働きによって、従来のSU薬やグリニド薬のように低血糖を引き起こしにくいという特長があります。
EDと糖尿病は密接に関係しており、糖尿病によって血糖値の高い状態が続くと、血管が詰まりやすくなりまた血管壁を傷つけます。血流の悪化は、性器への血液の流れ込みを邪魔して、真っ先にEDの症状が出ますので、しっかりと血糖値をコントロールしていくことが大切です。
糖尿病とEDについて詳しくは、下記をご覧ください。

ED治療薬を開始してから半年後に妻が妊娠し、その後健康な女児がうまれた。

妊活を始めたけれど、なかなか授からない!? 不妊治療を考え始めた男性に贈る「男性不妊」をよく知るための特集です。
不妊治療をパートナーだけに頑張らせないために、自分で予習してからクリニックへ!

今回は「不妊の原因になる男性の疾患・症状」と「不妊治療のステップ」について、辻村晃先生にお聞きしました。

“男性不妊”を考えよう #3
※参考:「妊活たまごクラブ 初めての不妊治療クリニックガイド 2024-2025」

泌尿器科での検査で異常が見られた場合、治療に進みます。
ここでは、男性不妊の原因になることが多い疾患について解説します。
★男性不妊の原因の8割を占める
「造精機能障害」とは、精子をつくる機能に障害があり、精液の濃度や精子の運動率が低いため、自然妊娠が難しい状態のこと。自覚症状がなく、検査をして初めてわかるというケースがほとんど。

精子の通り道である精管や血管などが束になっている精索。ここの血流が悪化して精巣の温度が上がり、熱に弱い精子が順調に発育できず、健康な精子がつくられにくくなる症状のこと。造精機能障害の約3割を占めます。
★1つでも当てはまるなら可能性あり
□ 右より左の陰嚢(いんのう)が小さい
□ 陰嚢の表面にしわが寄り、でこぼこしている気がする
□ 立ち上がった際、たまに痛みを感じる
□ 陰嚢表面を触ると、ぶよぶよとしたこぶのようなものを感じる

★治療法
軽度であればサプリメントの服用、重度なら外科手術を行います。手術方法は複数あり、リンパ管や神経などをまとめて結ぶ手術が一般的。手術の場合、施設によって異なりますが、日帰りか1泊2日程度の入院ですみます。
「造精機能障害」のうち、精子に問題がある場合の多くはこの3パターンです。
◯症状
精子の数は正常だが、精子の運動率が悪い。
◯治療法&不妊治療
漢方薬やサプリメントの服用。不妊治療は人工授精からスタート。妊娠できない場合はステップアップも。
◯症状
精子の数が少ない。
◯治療法&不妊治療
軽度なら漢方薬やサプリメントの服用。不妊治療は症状に合わせ、タイミング法から始めることが多い。
◯症状
精液中に精子が1個もいない。
◯治療法&不妊治療
精管がふさがっている場合は精路をつなぐ手術を行う。精子を作る能力が低下している非閉塞性(ひへいそくせい)無精子症の男性が不妊治療する場合、陰嚢を切開して精子を探し出す精巣内精子採取術(micro TESE)の手術を経て、顕微授精になる。
さまざまな検査をしても問題はないのに、性機能が低下し、精液の状態が悪い男性が増えています。若年層の勃起力が衰えていることが原因と推測されていますが、はっきりとした理由はわかっていません。
この場合、確立された治療法はなく、サプリメントの処方などが行われますが、原因がわからないため、どの成分が有効かもわかりづらいでしょう。早く子どもを望むなら、人工授精や体外受精に進む方法も。

★その時、男性は何ができる?
人工授精と体外受精の違いって?
当事者にならないとよくわからない不妊治療のステップ。
何から始めるのか、各ステップで男性は何をするのか、お教えします。
妊娠しやすい排卵日前後の3〜5日間に性交渉を持つこと。成功率を高めるため、女性のホルモン値や卵胞サイズの計測などから、排卵日を医師に指導してもらいます。

★男性に向けて辻村先生からのアドバイス
1週間を上限に禁欲期間が長いほど精子は濃縮されます。ただし精子の質は、前回の射精からの間隔が短いほうが高い傾向に。精子濃度が薄い人は、禁欲期間を長くしても。

◯精液の流出をガード
性交後に腟内に挿入し、精液の流出を低減させる医療機器。柔らかく、曲げやすい医療用シリコーン製で半年間再利用が可能。
タイミング法の次のステップで行う治療法。排卵の時期に合わせ、採取した精液を洗浄・濃縮して、女性の子宮の奥に直接注入します。副作用はほとんどありません。

★男性に向けて辻村先生からのアドバイス
しっかり睡眠をとり、ストレスをためずに万全の体調で採精を。亜鉛やL-カルニチン、コエンザイムQ10などの男性機能を高めるサプリを摂取しておくのもいいでしょう。

◯人肌の温度で精子を運搬
暑さと寒さに弱い精子。適切な温度を保ちながら、採取した精子をクリニックまで運ぶ専用ポッド。シンプルなデザインも◎。
体外受精は体内から取り出した卵子を体外で受精させ、正常に発育した胚を子宮内に移植する方法。顕微鏡を用いて授精を行う顕微授精のほうが体外受精より精度は高くなります。

★男性に向けて辻村先生からのアドバイス
万全の体調管理、男性機能を高めるサプリの摂取に加え、パートナーの負担も考えましょう。体外受精・顕微授精は心身ともに女性の負担が大きいです。一緒に治療する気持ちを。

女性の年齢や回数に制限はありますが、2022年4月から人工授精、体外受精・顕微授精などの不妊治療が保険適用に。男性の不妊治療は、造精機能障害や先天性の形態異常などが対象で、手術療法や薬物療法が行われます。さらに勃起不全の男性に処方するバイアグラとシアリス、造精機能改善を目的にしたクロミッドと、主にタイミング法を試みている男性に向けた医薬品も一部保険適用に。不妊治療で保険適用を受けるには、パートナーと一緒に初診を受ける必要があります。
不妊治療を始めるのはハードルが高いと感じる男性もいらっしゃるかもしれません。でも、妊娠が期待できる期間は限られています。子どもを望むなら、ご夫婦で協力することが大切。また、女性にとって不妊治療はとても体に負担がかかるということも、理解する必要があります。
妊活中のパートナーの方にもお願いがあります。個人差はありますが、排卵日にプレッシャーを感じる男性は多いです。排卵日をどのように共有するか、話し合って妊活を進めてください。
辻村晃 先生

男性不妊と深い関わりがある三大男性機能や、男性不妊の予防や治療を解説。男性不妊検査体験者や妊活に悩んだ夫婦の声も収録。

●撮影/合田和弘
●イラスト/水谷慶大
●構成・文/津島千佳

※本誌掲載の内容は2024年8月19日現在のものです。以降変更されることもありますので、ご了承ください。

監修
辻村晃 先生
PROFILE:順天堂大学医学部附属浦安病院 泌尿器科 教授。国立病院機構大阪医療センター勤務後、ニューヨーク大学に留学し細胞生物学臨床研究員を務める。大阪大学医学部泌尿器科准教授などを経て現職。Dクリニック東京でも従事。生殖医学、性機能障害の治療に注力し、不妊に悩む数多くの夫婦を助けている。著書『名医が教える男性妊活の最強事典』(扶桑社)。