特発性間質性肺炎, 急性増悪, メチルプレドニゾロン, ステロイ ドパルス療法 ..
オシメルチニブは,活性型EGFR遺伝子変異と耐性変異であるEGFR T790M変異の両方を阻害する第三世代EGFR-TKIである。第一・二世代のEGFR-TKIによる治療の後にT790M変異陽性となった患者を対象にオシメルチニブ単剤療法とプラチナ製剤併用療法(CDDPまたはCBDCA+PEM療法)を比較した第Ⅲ相試験(AURA3試験)が報告された。主要評価項目であるPFSのHRは0.30(95%CI:0.23-0.41,P<0.001,中央値:10.1カ月vs 4.4カ月)であった。OSのHRは0.87(95%CI:0.67-1.12,中央値:26.8カ月vs 22.5カ月)であった。Grade 3以上の毒性の頻度は,オシメルチニブ単剤療法群のほうが低かった(6%vs 34%)。また本邦において,T790M変異陽性となったPS不良(PS 2-4)患者を対象としたオシメルチニブ単剤療法の効果と安全性を検証する単群第Ⅱ相試験が行われた。主要評価項目であるPFSの中央値は7.0カ月,OSの中央値は12.7カ月であり,72%の患者でPSの改善を認めた。Grade 3以上の毒性の頻度は以前の報告と同様だったが,16.6%(3例)で間質性肺炎を認めた。また,同様のデザインで行われた単群第Ⅱ相試験(NEJ032B試験)では,主要評価項目であるORRは53.1%,PFSの中央値は5.1カ月,OSの中央値は10.0カ月であった。間質性肺炎が15.2%(5例),そのうちGrade 3以上のものが6.1%(2例)で認められた。
間質性肺炎又は肺線維症の既往歴又は合併症がある患者(間質性肺炎等の ..
以上より,EGFR-TKI未治療のT790M変異陽性例に対しては,オシメルチニブ単剤療法が勧められる。エビデンスの強さはD,また総合的評価では行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
以上より,エクソン20の挿入変異陽性例に対しては,一次治療でEGFR-TKI療法は勧められない。エビデンスの強さはC,また総合的評価では行わないよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
特発性間質性肺炎であれば難病ですから進行性です。でも進行を遅らせるステロイド ..
以上より,一次治療EGFR-TKI耐性または増悪後のT790M変異陽性例に対しては,オシメルチニブ単剤療法が勧められる。エビデンスの強さはB,また総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
エクソン20の挿入変異の報告は少なくEGFR-TKI単剤療法のORRも10%弱であることから,一次治療としてEGFR-TKI療法が有効とは判断できない。なお,同対象に対しては新たな薬剤の検討も進められており,新規治療薬であるAmivantamab(本邦未承認)は,第Ⅰ相試験(CHRYSALIS試験)において有効性が示唆された。
性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む)/重症感染症(化学療法と併用 ..
以上より,PS 3-4の場合,EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失またはL858R変異)陽性例の一次治療としては,ゲフィチニブ単剤療法が勧められる。エビデンスの強さはC,ただし総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
EGFR遺伝子高感受性変異陽性でPS 3-4が大多数を占める予後不良群を対象としてゲフィチニブの投与を評価する第Ⅱ相試験(NEJ001試験)が行われ,約80%の患者でPSが改善し,ORR 66%,OS中央値17.8カ月,PFS中央値6.5カ月と極めて良好な治療効果が得られた。一方,PS不良,男性,喫煙歴,既存の間質性肺炎,正常肺領域が少ない患者,心疾患を合併した患者などで間質性肺疾患発症のリスクが高いことが報告されており,慎重な検討も必要である。なお,ガイドライン検討委員会薬物療法及び集学的治療小委員会では,特にPS 4に対する投与の是非について議論がなされた。このような集団においては益の評価項目としてPSや症状の改善は重要であり,EGFR-TKI単剤療法によってこれらの改善が期待されるものであるのかを十分吟味する必要がある。
びまん性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む)[*静脈内注射、点滴静脈 ..
一次治療における非扁平上皮非小細胞肺癌に対する,CBDCA+PTX+ベバシズマブ+アテゾリズマブ療法とCBDCA+PTX+ベバシズマブ療法を比較した第Ⅲ相試験(IMpower150試験)のEGFR遺伝子変異陽性のサブグループ解析において,OSのHR 0.61(95%CI:0.29-1.28,中央値:未到達vs 18.7カ月),PFSのHR 0.61(95%CI:0.36-1.03,中央値:10.2カ月vs 6.9カ月)とアテゾリズマブ併用群が良好な傾向を示した。さらに活性型EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失・L858R変異)のみを対象としたEGFR-TKI治療後の患者におけるOSの更新された解析では,OSのHR 0.74(95%CI:0.38-1.46,中央値:29.4カ月vs 18.1カ月)と良好な傾向を示した。しかし,このサブグループ解析はプロトコールであらかじめ予定されていた解析ではなく,EGFR遺伝子変異の有無が割付調整因子に設定されていないなど,解釈には注意が必要である。また,非扁平上皮非小細胞肺癌に対するCBDCA+nab-PTX+アテゾリズマブ療法とCBDCA+nab-PTX療法を比較した第Ⅲ相試験(IMpower130試験)のEGFR遺伝子変異もしくはALK融合遺伝子陽性のサブグループ解析において,PFSのHR 0.75(95%CI:0.36-1.54,中央値:7.0カ月vs 6.0カ月),OSのHR 0.98(95%CI:0.41-2.31,中央値:14.4カ月vs 10.0カ月)であった。上記試験においてEGFR遺伝子変異陽性では一次治療としてEGFR-TKIの治療歴のある患者が対象とされており,二次治療の患者が登録されている。
協議の結果,PS 2の場合,EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失またはL858R変異)陽性例の一次治療において,ゲフィチニブ+CBDCA+PEM併用療法の投与の可否を判断するだけの根拠が明確ではないと判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
間質性肺炎(3.2%)、胸水(1.9%)、急性肺水腫(0.4%)、急性呼吸窮迫症候群(頻度不明) ..
以上より,治療効果と毒性のバランスを考慮し,EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失またはL858R変異)陽性例の一次治療としてはダコミチニブ単剤療法を行うよう提案する。エビデンスの強さはB,また総合的評価では行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
nary disease;COPD)と間質性肺炎など〕,③みかけ上の拘束性換気障害を来す疾 ..
EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌を対象としたエルロチニブ単剤療法とプラチナ製剤併用療法の2つの第Ⅲ相試験において,PS 2は各々7%,14%含まれておりPS 0-1と同等の有効性が示されている。また,ゲフィチニブ単剤療法はPS不良例に対する有効性が報告されている。アファチニブ単剤療法,ダコミチニブ単剤療法に関しては,PS 2に対する安全性と有効性の検討は十分ではない。オシメルチニブ単剤療法についても,PS 2に対する有効性の検討は十分ではないが,ゲフィチニブ単剤療法やエルロチニブ単剤療法と比較しても間質性肺疾患以外の毒性は軽度であり,使用を考慮し得る。
[緊急寄稿]新型コロナウイルス間質性肺炎の検証 初発と再発では
EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失またはL858R変異)陽性,PS 0-1のⅣ期非小細胞肺癌患者を対象として,ダコミチニブ単剤療法とゲフィチニブ単剤療法を比較する第Ⅲ相試験(ARCHER1050試験)が行われ,主要評価項目であるPFSはHR 0.59(95%CI:0.47-0.74,P<0.0001,中央値:14.7カ月vs 9.2カ月)と,ダコミチニブ単剤療法はゲフィチニブ単剤療法に対しPFSを有意に延長することが示された。OSは探索的検討ではあるが,HR 0.76(95%CI:0.582-0.993,中央値:34.1カ月vs 26.8カ月)という結果であった。しかし,ゲフィチニブ単剤療法では下痢56%,爪囲炎20%,ざ瘡様皮疹29%に対し,ダコミチニブ単剤療法では下痢87%,爪囲炎62%,ざ瘡様皮疹49%であり,毒性においてはダコミチニブ単剤療法で頻度が高かった。日本人集団の報告では毒性の頻度が増えるものの,全体集団と同様であった。また,QOL指標は両群で差は認められなかった。
予測される副作用:骨髄抑制(白血球減少、赤血球減少、血小板減少)、腎機能障害、肝機能障害、間質性肺炎、脱毛、嘔気・嘔吐、.
以上より,EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失またはL858R変異)陽性例の一次治療としてはエルロチニブに血管新生阻害薬を併用した治療を行うよう提案する。エビデンスの強さはA,また総合的評価では行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
平成 23 年度残留基準見直しに関する資料 デキサメタゾン残留性試験(非公表)
以上より,EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失またはL858R変異)陽性例の一次治療としてはゲフィチニブ+CBDCA+PEM併用療法を行うよう提案する。エビデンスの強さはA,また総合的評価では行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
びまん性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む) [*静脈内注射、点滴 ..
ゲフィチニブ+CBDCA+PEM併用療法とゲフィチニブ単剤療法の第Ⅲ相試験(NEJ009試験)で,主要評価項目の1つであるPFSはHR 0.49(95%CI:0.39-0.62,P<0.01,中央値:20.9カ月vs 11.9カ月)であったが,PFS2*においてはHR 0.99(95%CI:0.78-1.25,P=0.90,中央値:20.9カ月vs 20.7カ月)と両群間で有意差を認めなかった(*PFS2は,ゲフィチニブ単剤療法群において,ゲフィチニブでPDになった後の次治療でPDになるまでの期間と,ゲフィチニブ+CBDCA+PEM併用療法でPDになるまでの期間の比較)。OSの解析においては探索的検討ではあるが,HR 0.722(中央値:50.9カ月vs 38.8カ月)という結果であった。毒性については,併用群でGrade 3以上の血液毒性の頻度が高く,好中球減少(31.2% vs 0.6%),貧血(21.2% vs 2.3%),血小板減少(17.1% vs 0%)であった。なお,海外で実施された同じデザインの第Ⅲ相試験では,主要評価項目であるPFSはHR 0.51(95%CI:0.39-0.66,P<0.001,中央値:16カ月vs 8カ月)であり,OSにおいてもHR 0.45(95%CI:0.31-0.65,P<0.001,中央値:未到達vs 17カ月)と併用群において有意な延長がみられた。毒性については,Grade 3以上の毒性が併用群で高く(51% vs 25%),血液毒性,腎障害,低カリウム血症の頻度が高かった。
間質性肺炎が15.2%(5例),そのうちGrade 3以上のものが6.1%(2例)で ..
いずれも探索的なサブグループ解析のみであり,現時点では,一次治療EGFR-TKI耐性または増悪後例に二次治療で細胞傷害性抗癌薬と免疫チェックポイント阻害薬を併用した治療を行うよう勧めるだけの根拠が明確ではないと判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
樽野 麻依,梶田 貴司,西川 豊,上田 睦明:シクロスポリンのTDM~間質性肺炎~. ..
以上より,治療効果と毒性のバランスを考慮し,EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失またはL858R変異)陽性例の一次治療としてはオシメルチニブ単剤療法を行うよう推奨する。エビデンスの強さはA,また総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
[PDF] 副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液
EGFR遺伝子変異(エクソン19欠失またはL858R変異)陽性,PS 0-1のⅣ期非小細胞肺癌患者を対象として,オシメルチニブ単剤療法と第一世代EGFR-TKI単剤療法(ゲフィチニブまたはエルロチニブ)を比較する第Ⅲ相試験(FLAURA試験)が行われ,主要評価項目であるPFSはHR 0.46(95%CI:0.37-0.57,P<0.001,中央値:18.9カ月vs 10.2カ月)と有意に延長することが示され,OSに関してもHR 0.80(95.05%CI:0.64-1.00,P=0.046,中央値:38.6カ月vs 31.8カ月)と有意に延長することが示された。なお,PFSはサブグループ別の差異を認めなかったが,OSのサブグループ解析では,アジア人やL858R変異の集団において,それぞれのOS-HRが1.00(95%CI:0.75-1.32),1.00(95%CI:0.71-1.40)という結果であった。その後,中国で同様のデザインの第Ⅲ相試験(FLAURA China試験)が行われ,同試験においても主要評価項目であるPFSはHR 0.56(95%CI:0.37-0.85,P=0.007,中央値:17.8カ月vs 9.8カ月)と有意に延長することが示された。また毒性においても,第一世代EGFR-TKI単剤療法では下痢57%,ざ瘡様皮疹48%,AST上昇25%,間質性肺炎2%に対し,オシメルチニブ単剤療法では下痢58%,ざ瘡様皮疹25%,AST上昇9%,間質性肺炎4%であり,皮疹,肝機能障害に関してはオシメルチニブのほうが軽い傾向がみられた。本試験の日本人集団においては間質性肺炎がオシメルチニブ単剤療法では12.3%(8例/65例),ゲフィチニブ単剤療法では1.8%(1例/55例)と報告されており,全体集団に比して高率であった。
デキサメタゾンエリキシル0.01%「日新」(一般名:デキサメタゾン液) ..
ドライバー遺伝子変異/転座陰性例の治療法を決定/選択するにあたっては,PD-L1検査を行うことが有用である。腫瘍細胞におけるPD-L1発現によって免疫チェックポイント阻害薬の効果が異なる薬剤もあることから,①PD-L1 TPS 50%以上,②PD-L1 TPS 1~49%,③PD-L1 TPS 1%未満,の3つのサブグループに分類する。
[PDF] COVID-19治療薬デキサメタゾンの類縁物質分析
非小細胞肺癌の一次治療において,EGFR遺伝子変異陽性,かつPD-L1陽性例を対象としたペムブロリズマブの有効性を評価する第Ⅱ相試験が行われた。中間解析において10例中のORRは0%であり,早期での無効中止となっており有効性は示されなかった。非小細胞肺癌の二次治療において,免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ,ペムブロリズマブ,アテゾリズマブ)とDTXの比較第Ⅱ/Ⅲ相試験を統合解析した報告の中で,EGFR遺伝子変異陽性例における免疫チェックポイント阻害薬のDTXに対するOSはHR 1.11(95%CI:0.80-1.53,P=0.54)であり,免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療は全体集団では有効性が示されているもののEGFR遺伝子変異陽性例において優れているという結果は示されていない。このため,EGFR遺伝子変異陽性の患者に対する免疫チェックポイント阻害薬単独療法の効果は,EGFR遺伝子変異陰性の患者と比べて低い可能性がある。治療ラインとして一次治療,二次治療において,免疫チェックポイント阻害薬単独療法は,現時点で明確な有効性は示されていない。