そして青年期のうつ症状は、非定型な特徴(本来のうつとは異なる特徴)を ..
気分を鎮める抗躁効果、気分を持ち上げる抗うつ効果、気分の波を少なくする再発予防効果の3つをすべて持ち合わせており、特に再発予防効果が高いとされています。また、自殺予防効果が示されている唯一のお薬になります。
しかし、治療域と安全域が狭いため、中毒に注意が必要です。定期的に採血をして、血中濃度を確認しながら使う必要があります。
妊娠への影響も大きなお薬なので、妊娠の可能性がある方には注意が必要です。
非定型は良いことは気分が良くなりますが、過眠や倦怠感、他者の言葉 ..
以上を踏まえて、中等症・重症うつ病に対して推奨される治療のポイントをまとめます。中等症以上のうつ病では、まず外来で診療できるのか、入院をさせるべきなのかを判断します。そして、軽症うつ病において述べられている基礎的介入を丁寧に行った上で、薬物療法は軽症に比べてより積極的に行います。抗うつ薬を単剤で十分量・十分期間使用し、多剤併用は行わないことを基本とします。
本ガイドラインでは推奨する第一選択薬を一つに定めていませんが、新規抗うつ薬(SSRI,SNRI,ミルタザピン)やTCA/non-TCAが用いられます。新規抗うつ薬(SSRI,SNRI,ミルタザピン)は、TCAに比べて抗コリン性有害作用、心・循環器系有害作用は軽減しており忍容性に優れているという考え方が主流であり、大部分の中等症や重症はこのクラスから開始することが一般的です。
ベンゾジアゼピン受容体作動薬を併用する場合はその必要性を慎重に考慮します。中等症以上では不安・焦燥・不眠への対処にベンゾジアゼピン受容体作動薬が必要となることが多いでしょう。その場合でも、最大、抗不安薬1剤、睡眠薬1剤までを原則とし、併用期間は治療初期4週までを目安とします。セカンドライン以降の治療選択としては、第一選択薬に無反応の場合は「抗うつ薬の変更」を、部分反応にとどまる場合は「抗うつ効果増強療法」を行います。
自殺の可能性や生命危機の差し迫った(最)重症うつ病にはECTを考慮します。ECTにすみやかに反応し、寛解が得られた場合は、軽症・中等症うつ病に準じて新規抗うつ薬を主剤として維持できることもあります。
<薬物療法の実際>
うつ病の治療指針は絶対的なものではないので「アルゴリズム」と呼び、「ガイドライン」とは区別していました。
「アルゴリズム」には「問題解決のための段階的手法」という語義があります。
「アルゴリズム」における「うつ病」とはDSMの診断基準における「大うつ病」をさしており、そこでは「病因論」が排除されています。すなわち、「うつ病」とは「治療を要するうつ状態」という意味であり、一つの病気ではなく「うつ状態を呈する症候群」であって原因はまちまちです(うつ病の異種性)。うつ病にはいろんな種類や併存症があり、精神科の臨床にガイドラインやクリニカル・パスといったものがなじみにくい要因がそこにあると思われます。現在はうつ病の「治療ガイドライン」が国内外にいくつかありますが、それらのどれをとっても「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮されたものではありません。「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮した治療により、うつ病の難治性、再燃・再発といった問題はかなり解決すると考え、当院では「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮した治療を心がけています。
うつ病は、早期(6か月以内)に治療しないと治りにくくなると言われていますので、患者の予後を考えると、有効な薬剤を最初に選択し、十分量・十分期間投与する事が肝要です。
薬物選択の「アルゴリズム」や「ガイドライン」は、プライマリケア医に標準的な薬物療法を示唆するという点では有用ですが、「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮されたものではありません。従って、有効な薬剤を最初に選択する為には、画一的に「アルゴリズム」や「ガイドライン」を適用するのではなく、どのようなタイプのうつ病なのかを初診時に見極める事が大切です。
多くの抗うつ薬の用量は、日本では海外よりもかなり少量で認可されています。最大量で4~8週間は投与しないと効果の有無は判断できません。寛解後(完全に治った後)6カ月以上は急性期と同用量で治療継続しないと、うつ病がぶり返す恐れがあります。
<私の処方例>
うつ病の初期治療においては、まず身体疾患を除外した上で、「うつ病の異種性や併存症の有無」に留意して最初の治療薬を選択する事が妥当かと思います。
クエチアピン(非定型抗精神病薬:徐放剤は米国ではうつ病でも承認あり ..
「抗うつ効果増強療法」においては、アリピプラゾールが日本で唯一抗うつ薬の増強療法の適用を有する非定型抗精神病薬です。国内で行われた臨床試験(Kamijima et al. 2013)で、6週間の短期投与試験で有効性が報告されています。一方、有害事象の頻度は、海外における有効性を支持する3本の先行研究(Berman et al. 2009:Berman et al. 2007:Marcus et al. 2008)と同様の傾向にあり、最も多かったものはアカシジアでした。米国精神医学会のガイドラインにおいても非定型抗精神病薬による抗うつ効果増強療法は、第一選択薬で効果が不十分であった場合の薬物治療選択肢の一つとして位置付けられていますが、非定型抗精神病薬による抗うつ効果増強療法を選択する場合は、リスク・ベネフィットを考慮した上で選択することが必要でしょう。
気分安定薬は、主に双極性障害(躁うつ病)の治療薬として使われることが多いです。双極性障害は躁症状とうつ症状を繰り返し、気分の波に振り回されてしまう病気です。
気分安定薬には、気分を落ちつける抗躁効果、気分を持ち上げる抗うつ効果、気分の波を小さくする再発予防効果が認められます。その結果として、気分の波の振れ幅を小さくする(うつ症状と躁症状を小さくする)、気分の波を少なくする(再発を減らす)という効果を期待します。
抗精神病薬には、定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬に分けることができます。
難治性てんかんの治療薬として作られた比較的新しいお薬です。
ラミクタールには、抗うつ効果を期待することができます。気分安定薬の中で抗うつ効果が期待できる薬は少ないため、ひとつの有効な選択肢となります。
また、副作用が少なく、妊娠への影響も少ない薬です。ただ、重症薬疹(スティーブンスジョンソン症候群)の頻度だけ高いため注意が必要です。薬疹に注意しながら用法どおりに使っていれば、比較的安全性の高いお薬といえます。
ラミクタールは、うつ状態が中心の方には向いているお薬です。また、妊娠を考えている方にも向いているお薬です。
さて、第一選択薬による治療に成功せずECTを予定しない場合、セカンドラインの治療をどのように考えるかについて紹介します。薬物療法上の対応を考える前に、まず服薬アドヒアランスについて確認します。また、現在の診断について正しいか(一般身体疾患、処方された医薬品や物質乱用による抑うつ状態、双極性障害との鑑別など)、併存障害の見落としがないか(パーソナリティ障害、不安症や自閉スペクトラム症の併存など)について再検討することも重要です。その上で、初期治療が成功しない場合の薬物療法上の対応として、①抗うつ薬の増量、②抗うつ薬の変更、③抗うつ効果増強療法、④抗うつ薬の併用が挙げられます。
を,より起こしにくい医薬品である非定型抗精神病薬のクエチアピンやクロザ.
抗うつ薬は単剤で使用し、多剤併用は行わないことを基本とします。また、第一選択薬を十分量・十分期間使用し、用量不足や観察期間不足による見かけの難治例を防止することが重要です。特に重症例の場合でECTを予定していない症例では、有害作用に注意しながら、速やかに薬物を保険診療上認められた最大用量まで増量します。薬物の代謝には個人差が大きく、患者さんによっては同じ量を服用しても血中濃度が上がりにくい可能性も考えられます。ケースバイケースで判断することですが、用量不足による無反応例や不完全寛解例があるので、有害作用に注意しながら十分な用量を使用することが重要です。第一選択薬に反応があるかどうかを判断する観察期間の長さについてもケースバイケースで決定します。例えば2週間で目処がつくこともあれば、3~4週間での見極めが困難であることも少なくありません。4~6週間、場合によっては8週間の時間をかけて、抗うつ効果が出てくることもしばしば経験します。この場合、もし可能であれば有害作用が問題とならない範囲で十分用量まで増量しておくことが望ましいでしょう。低用量で使用していると、用量不足によって反応がないのか、観察期間不足によって反応がないのか、2つの可能性を同時に考える必要が生じてしまいます。抗うつ薬を低用量で使用して反応がない場合は、有害作用が臨床上問題とならない範囲で十分量まで増量した後、4週間程度を目安に効果判定を行うのが望ましいでしょう。
2.精神病症状を伴う→抗精神病薬を併用。
3.重症で休職を要する→ノルアドレナリンにも作用する薬剤でないと寛解しにくいとも言われている為、SNRI、ミルタザピン、ボルチオキセチンを単剤または併用。
4.不安障害を背景にもつ→不安障害も治療する必要がある為、まずはSSRIを主剤とし、抗うつ効果が不十分ならミルタザピンまたはミルナシプラン(中高年男性では尿閉に注意)を追加。または最初からベンラファキシン、ボルチオキセチン単剤。
(1)若年男性→性機能障害の少ないエスシタロプラム、またはフルボキサミン(併用薬剤に注意)を主剤。
(2)若年女性→若年女性に有効率の高いセルトラリンを主剤。
(3)(1)または(2)で不安障害に対する効果が不十分→パロキセチンに変更。
5.非定型うつ病→セルトラリンを主剤(Stephen M.Stahl)とし、抗うつ効果不十分ならミルタザピンを併用、気分の波、怒り発作、不安抑うつ発作にはバルプロ酸200~400mg、鉛様の麻痺にはブロナンセリン2mgを併用。
6.老人→老人のうつに多い不眠、食欲低下、不安、焦燥に有効で、投与初期の副作用である眠気等が老人では出にくいミルタザピンを主剤。妄想や認知機能の改善を期待する場合にはフルボキサミンを単剤または併用。
7.上記以外の中等症のうつ病→ノルアドレナリンにも作用する薬剤でないと寛解しにくいとも言われている為、SNRI、ミルタザピンを単剤または併用。
1.~3.は精神科での治療が必要ですが、4.~7.はプライマリケアでも治療可能と思われます。
うつ病/非定型うつ · 双極性障害 · 睡眠障害(不眠) · 恐怖症 · 大人の発達障害(ADHD ..
SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害剤
(商品名:パキシル、ルボックス、ジェイゾロフト、レクサプロなど)
SNRI:選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
(商品名:トレドミン、サインバルタ、イフェクサーなど)
非定型抗精神病薬:(商品名:エビリファイ、ジプレキサ、サインバルタなど)
この他、睡眠薬、抗不安薬など。
非定型精神病」といわれたような激しい躁状態に有効です。 その一方で、躁うつ病のうつ状態に効くかは定かではありません。
SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害剤
(商品名:パキシル、ルボックス、ジェイゾロフト、レクサプロなど)
SNRI:選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
(商品名:トレドミン、サインバルタ、イフェクサーなど)
非定型抗精神病薬:(商品名:エビリファイ、ジプレキサ、サインバルタなど)
この他、睡眠薬、抗不安薬など。
非定型骨折が起きた場合には,反対側の大腿骨の症状等を確認し,X線検査を行う ..
非定型抗精神病薬(ジプレキサ、エビリファイ、セロクエルなど)
抗うつ薬のみの処方で効果がとぼしい場合に使用します。
うつ病・非定型うつ病 /; SSRIなどの抗うつ薬が性欲低下・性機能障害を ..
本ガイドラインの基本的立場は、重症度によらず、うつ病・抑うつ状態の患者には支持的態度で接するとともに、十分な心理教育を行い、個々の患者背景に応じた適切な治療方針を取ることにあります。特に、中等症・重症のうつ病では、薬物療法がその中心的役割を担うため、抗うつ薬の使い方に留意する必要があります。本格的治療を導入する前には、患者の訴える内容を支持的に傾聴し、苦悩には共感を示し、ともに問題点を整理して、必要があれば休養を含めた日常生活上の指示を行うなどの基礎的介入を丁寧に行った上で、薬物療法やECT(modified electroconvulsive therapy)を導入するようにします。急性期における薬物療法の要点は、①治療開始前に丁寧な説明を行う、②抗うつ薬を低用量から開始する、③有害作用に注意しながら可能な限り速やかに増量する、④十分な最終投与量を投与する、⑤十分期間効果判定を待つ、ことです。さらに寛解維持期には、⑥十分な継続療法・維持療法を行い、⑦薬物療法の終結を急ぎすぎないこと、が重要です。
レクサプロ錠10mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)
「日本うつ病学会治療ガイドライン.大うつ病性障害」は、2012年7月に日本うつ病学会が作成した
ガイドラインです。その後、2013年9月、2016年7月に改訂版(以下、本ガイドライン)を公表しています。
今回は、本ガイドラインの「3.中等症・重症うつ病」の章に記載されている内容、
特に薬物療法を中心に解説したいと思います。
うつ病・うつ状態、社会不安障害。 (効能又は効果に関連する注意) 5.1 ..
まずは単剤で十分量・十分期間投与する事が基本ですが、必要に応じて薬剤を追加します。
抗うつ剤の単剤で効果が不十分な場合、①抗うつ剤の変更、②抗うつ剤の併用療法、③増強療法、の選択枝があります。増強療法は短期間で効果が発現するという利点があります。
当院では、なるべく抗うつ剤は単剤でうつ病、不安症のいずれに対しても十分な効果を期待できるベンラファキシン、ボルチオキセチンを第一選択とし、非定型うつ病にはセルトラリンを第一選択とし、抗うつ効果が不十分な場合に増強療法を選択するようにしています。
エスシタロプラムはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)に分類される抗うつ薬で「レクサプロ」という商品名で販売されています。
医療法人和楽会はパニック症(パニック障害)・非定型うつ病・社交不安症(社交不安障害)
などの不安・抑うつ症状の治療を手掛ける心療内科・精神科 専門医療機関です
うつ病 横浜尾上町クリニック 山田和夫 院長 | 川村内科診療所様
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【精神科医が解説】ジェイゾロフト(セルトラリン)の効果と副作用
非定型うつ病の治療では、薬物療法だけでよくなるということはあまりありません。
み阻害薬);ルボックス・デプロメール、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ ..
これまで、非定型うつ病では以下の3点が重要であるとお伝えしてきました。
中等症・重症うつ病の薬物治療を整理する(テキスト版) | レクサプロ
もちろん薬物療法は重要です。精神症状を軽減させていくことができますし、症状が楽になれば気力が続きます。非定型うつ病では精神療法と社会生活での実践が大切なので、それを支えていくには薬は松葉杖になるのです。
また、小児の大うつ病性障害については、抑うつ気分が目立たず焦燥が前景に立つなど
うつ病の治療では、抗うつ薬のほかにも抗不安薬や睡眠導入薬、非定型抗精神病薬、気分安定薬などのお薬が処方されることがあります。こうした薬は抗うつ薬と合わせて活用することで症状を緩和されることが期待できます。下記、それぞれの薬の特徴を簡単に説明していきます。
抗うつ薬の副作用は、抗うつ薬が脳内のターゲットとする神経伝達系だけでなく、他の ..
こころの病気では、睡眠が不安定になってしまうことは非常に多いです。
睡眠が十分にとれないと心身の疲労が回復せず、集中力低下や自律神経症状などにつながってしまう可能性があるため、睡眠の確保は様々な病気の治療で共通して重要になります。