プロペシアは「AGAの進行を止める」という画期的な効果をもつ治療薬です。
また,フィナステリド,デュタステリドを服用している患者さんでは,2型糖尿病発症のリスクが高いとの報告も出ています(Incidence of type 2 diabetes mellitus in men receiving steroid 5α-reductase inhibitors: population based cohort study. BMJ 2019; 365:1204).
男性型脱毛(AGA)の治療のためにフィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ,アボルブ)を服用されているかたは,お子さんがお生まれになるまでは中止してください.喫煙と違って,ずっと止めてくださいとお願いしているわけではありません.お子さんを授かられるまでです.幸いなことに,薬は中止すれば,副作用は消失しますので,子作りをすでに始めていても,これからでも,これらの薬を服用しておられるなら,まずは精液検査で精子の状態を確認するべきです.
なぜフィナステリド(プロペシア)でEDが起こるのかというと、があるためです。
前の2回では、健常者を対象とした研究を紹介してきましたが、今回の論文は男性不妊症を対象としたものです。フィナステリド中止により劇的に精子数が上昇しています。この研究では乏精子症での改善が主に報告されていますが、精子数が15x106/mLと基準値内の症例でも精子数が3倍以上に増加していました。泌尿器科医師で生殖医療に関わっているものでは、この研究でのフィナステリドや、あるいはもっと強力な5α-還元酵素阻害薬であるデュタステリドを内服しているかどうかを常に確認し、内服していた場合は中止をお願いすることが一般的になっています。今回の研究は海外の検討ですが、我が国からの症例報告もあります(Chiba K et al., Fertil Steril 2011)。この症例は5年前に不妊治療専門のクリニックで乏精子症を指摘されていましたが、不妊治療はしていませんでした。1年前からAGA治療薬としてフィナステリド1日1mgを内服していましたが、再び乏精子症を指摘され、初めて男性不妊症外来を受診しました。その時点ではほとんど精子を認めず、無精子症に近い状態でしたが、フィナステリド中止後16週で精子数10x106/mLを超えるまでに改善しました。つまり、顕微授精が必要な状況から、人工授精が可能なレベルまで改善したということになります。適切な対応であったと思われます。
AGAは男性としては深刻な問題で、フィナステリドやデュタステリドを内服している方は高いお金をはらって治療しています。やめることをお勧めしてもなかなかご理解を得られない場合もありますが、子作りをする場合は、この薬剤のメリット(髪の毛が増える、前立腺癌予防)とデメリット(精子数が減る、持続的な男性機能障害がおきる、薬剤費がかかる、体外受精や顕微授精などより奥様の負担となる治療が必要になるといったリスクがある)をよく考えていただく必要があります。また、男性パートナーの方も早めに泌尿器科の専門医を受診して、検査や必要な治療、アドバイスをうけることが重要です。
3回にわたって5α-還元酵素阻害薬であるフィナステリドとデュタステリドと不妊症について、解説いたしました。若い健常者で精液所見が問題ない男性であれば、これらの薬剤の影響はあまり考えなくてもよいですが、若くても子供を作りたい場合や精液所見が悪い方は内服を避けた方がよいと考えられます。一方で、妊娠や生児獲得までのデータはありません。結局明確な結論はでませんが、男性不妊の場合には、原因は複数あることが多いので、できることはなんでもしていただくことが元気な赤ちゃんを授かることにつながります。ご参考になれば幸いです。
副作用としてよく知られる男性機能の低下は特に気になる点ですが、確率から考えても神経質になる必要はほぼありません。
フィナステリドは厚生労働省の承認を得ている医薬品です。します。
女性にも少量の男性ホルモンは存在しますが、フィナステリドやデュタステリドを服用するとホルモンバランスが大きく乱れてしまうこともあります。
中にはエストロゲンやプロゲステロンなど妊娠に必要な生理周期のサイクルを司る女性ホルモンの分泌にも影響を与えることがあります。
その結果、排卵や子宮内膜の増殖など、妊娠に必要な機能を損なう可能性も考えられます。
また、胎児の生殖器の正常な発達のためには、男児の場合はDHTが必要だからです。
また、万が一受精したとしても、うまく着床しなかったり流れてしまうことで奇形の赤ちゃんが生まれてくることはないと考えられています。
フィナステリドとザガーロはどちらもAGAの進行を止める効果が期待できます。
男性型脱毛症患者にフィナステリド1mg を1 日1 回6 週間経口投与し、精液中濃度を測定したが、60%(35 例中21 例)でフィナステリドは検出されなかった。平均フィナステリド濃度は0.26ng/mlであり、であった。 この最高精液中濃度を使用し、射精量1 日5mlとして、かつフィナステリドが100%吸収されるものと仮定すると、経膣吸収による人の曝露は最高7.6ng/日となり、これはアカゲザルの発育異常に対する無影響量の750 分の1 より低い。
フィナステリド(プロペシアなど)や、
デュタステリド(ザガーロ、アボルブなど)は、
AGA(Androgenetic Alopecia)=男性型脱毛症 に対して
効果が実証されている治療薬であり薄毛で悩む人にとっては、
とても良い薬です。
AGA治療薬の一つであるフィナステリドは、妊活中でも使用できる薬です。 ..
亀田メディカルセンターでは男性不妊外来を開設しております。
泌尿器科専門医・指導医、生殖医療専門医の小宮顕部長が担当します。
当院のもご参照ください。
フィナステリドはAGA治療薬の1つです。
症状が初期段階であれば、フィナステリを処方される可能性は非常に高いでしょう。
それほど、AGA治療にとってメジャーな存在です。
AGA(男性型脱毛症)治療薬であるプロペシア(フィナステリド ..
内科、外科、産婦人科、小児科、婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、精神科、循環器科、消化器科、呼吸器科をはじめ、55以上の診療科より、のべ8,000人以上の医師が回答しています。
【AGA治療薬】プロペシア(フィナステリド)とは?効果や副作用
追:男性型脱毛(AGA)の発毛促進のためにフィナステリド,デュタステリドに加えてミノキシジルが処方されていることがありますが,不妊への影響はないようです.ミノキシジルは血圧を下げる薬(降圧薬)として開発されましたが,副作用として体毛の増加があり,そちらが注目されることになった薬剤です(バイアグラも降圧薬として開発されたものの,副作用で勃起があり,EDの治療に使われるようになったのでよく似ています).ただ内服すると血圧がかなり激しく下がることがあり,男性型脱毛には塗り薬(リアップですね)として使用され,内服薬は日本では未承認です.子作り中はフィナステリド,デュタステリドは中止しなければなりませんが,どうしても脱毛が気になるなら,ミノキシジルの外用薬をお使いください.ミノキシジルの内服は,副作用が心配ですので,おすすめしません.
(ザガーロ)やフィナステリド(プロペシア)などのAGA治療薬 ..
女性の身体の中にも男性ホルモンは存在し、DHTが作られています。
しかし、フィナステリドやデュタステリドを服用してDHTの合成がストップしてしまうと男児の生殖器は正常な発達ができなくなることも。
フィナステリド・デュタステリドによって生殖器の奇形が生じる可能性が指摘されているのです。
フィナステリド服用中の妊活には注意が必要! 「フィナステリド ..
しかし、造精機能障害を初めとして様々な副作用も報告されています。
今後、妊娠を目指すカップルにおいては、精液状況を悪化させる可能性が高いので
使用見送り(妊活終了後に再開)、中断をお勧めしたい薬剤でもあります。
いくつかの論文報告をもとに、理由などを掲載していきます。
自分は妊活のため、3年間フィナステリドを休薬した。 その期間で明らかに薄毛が進行した。 現在再開して8ヶ月経過し、回復してきている。
お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。
今日は、子作り中はフィナステリド(プロペシア)を中止するべき理由、中止した場合の対処法について解説しました。 ..
前立腺肥大症と男性型脱毛症に用いられるフィナステリド(プロペシア🄬)とデュタステリド(アボルブ🄬)は、5α-還元酵素阻害薬(5ARI)で、投薬中も投与終了後にも持続する副作用があり、と呼ばれています。
妊活中でもAGA治療は受けられる?妊活中でも可能な治療もご紹介
フィナステリドは、男性型脱毛症(AGA)の治療に広く用いられている薬剤ですが、本記事では、フィナステリドの基本情報から具体的に副作用が治るかどうか、その対処法までを詳しく解説します。特に副作用に関しては、性機能障害や肝機能障害、抑うつ症状が治るかどうかについて触れ、副作用が現れた場合の対処法や、他の治療法についても具体的に紹介します。フィナステリドの使用を考えている方、または現在使用中の方にとって、有益な情報をお届けします。ぜひ最後までお読みいただき、安心して治療を続けるための参考にしてください。
通常、副作用は薬の投与を中止すれば成分が体内から排出されるため症状も消失して ..
亀田メディカルセンターでは男性不妊外来を開設しております。
泌尿器科専門医・指導医、生殖医療専門医の小宮顕部長が担当します。
当院のもご参照ください。
【医師解説】フィナステリドについて。服用ポイント、作用・副作用
AGA治療薬に関わらず、「妊活中はどんな薬であっても飲みたくない」と考える方もいらっしゃいます。
もし、どうして心配な際には計画的に妊活と休薬を行う事で、AGA治療薬の休薬期間を最小限に抑えることもできます。
【例】
妊活をする日を決めて、その5日ほど前から休薬し妊活が終わり次第お薬を再開する
これなら、月に7日ほどの休薬期間は発生してしまいますが、最小限の休薬で治療を継続することが可能です。
いずれ、妊活に関してはデリケートな問題ですので、気になる方はパートナーさんとも治療に関して相談してみてください。
薬の飲み方に迷う方は主治医に相談してみてくださいね。
当院は医師による対面診療を行なっております。しっかりとお客様一人一人のお話を聞き状態に合わせて適切な診察を行いますのでお気軽にご相談ください。
妊活中・妊娠中にAGA治療はできる?胎児への危険性について解説
安全性もプロペシアと同等であり、ジェネリックに切り替えても、これまでと変わらないAGA治療を続けることができます。
ただし、服用する用量・濃度によって体内の半減期も変動します。 ..
今回は、妊活中の方やパートナーが妊娠している方に対して、フィナステリドを取り扱いに気を付けなければいけないことを紹介していきます。
また2週間以上休薬すると内服再開時に初期脱毛が見られるという報告も ..
上記①と②の通り反復投与時の精液中の最高濃度はに対してですから胎児の生殖器の発達に影響を及ぼす割合はデュタステリドの方が高いと思われるかもしれませんが、そもそも成分が違うので比較対象にはなりません。両剤ともに可能性は低いというだけで0(ゼロ)ではないので心配なようでしたら子作りの時には服用を中止する方が良いかと思います。
服用を止めるのであればデュタステリドの場合、反復投与時の消失半減期は3.4±1.2週間もあることから最低でも子作りをする1ヶ月以上前から服用するのを止めておいた方が良いでしょう。完全に血中濃度をゼロにする、つまり精液への移行を完全にゼロにするのであれば6ヶ月前から服用を止める必要があります。
フィナステリドに関しては服用を止めて1ヶ月経過すれば血中濃度はゼロになります。
今後、子作りを予定していて、尚且つAGA治療薬の胎児に対する影響を心配されている方はお薬を選ぶ際に、このような情報も判断材料にしていただければと思います。
フィンペシアを服用していても子作りは可能ですが、副作用に性欲減退などがあるため妊活に影響を及ぼす可能性はあります。
もともと前立腺肥大症に対する薬剤ですが、男性型脱毛症の進行を遅らせること目的としても使われています。5α-還元酵素II型を選択的に抑制することでテストステロン(T)からジヒドロテストステロン(DHT)への変換を阻害し,発毛作用を示します。妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人は禁忌(使用を避け必要がある)の薬剤です。
【医師監修】 AGA治療薬で性欲減退やEDに? 副作用とその対処法
もともと前立腺肥大症に対する薬剤ですが、男性型脱毛症の進行を遅らせること目的としても使われています。5α-還元酵素II型を選択的に抑制することでテストステロン(T)からジヒドロテストステロン(DHT)への変換を阻害し,発毛作用を示します。妊婦または妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には禁忌の薬剤です。