この表からジャディアンスとフォシーガには下記のような違いがあることが分かります。


ただし、“initial dip”と呼ばれ、SGLT2阻害薬の内服開始間もない期間は腎臓の機能が一時的に低下することが知られており、それを理由に即座に中止してしまうのはもったいない為、処方医は長期的視野で継続・中止の可否を慎重に決定する必要があります。


また、ジャディアンスとフォシーガの違いとしてはも挙げられます。

SGLT2阻害薬を服用すると、尿量が増えることで体内の水分量が減るため、脱水に注意が必要です。

フォシーガは、一般名を「ダパグリフロジン」といいます。110ヶ国以上で承認されている、インスリン治療との併用が可能な薬です。2型糖尿病ほか、慢性心不全や糖尿病のない慢性腎臓病、1型糖尿病の患者さんにも使用することができます。

(SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation 2014.6.13より)

ジャディアンスをはじめとする「SGLT2阻害薬」は、ダイエット外来・肥満外来・内科などの病院で処方を受けられます。

SGLT2阻害薬は前述のGLP-1受容体作動薬と並んで、所謂”やせ薬”と称されます。

飲む量ではジャディアンスが10mgまたは25mg、フォシーガが5mgまたは10mgという違いがあります。


SGLT2阻害薬には、血糖を下げる働き以外にも、多様な良い効果があることが報告されています。

マンジャロには、強力なHbA1低下効果と体重減少効果があることが報告されています。
2型糖尿病を対象とした海外での研究データですが、これまでに日本で販売されていた糖尿病治療薬の中で最も体重減少効果が強いとされていたオゼンピックと比較しても非常に強いHbA1c低下効果と体重減少効果があることが示されています。

SGLT2阻害薬は、このSGLT2の働きを妨げることで効果を発揮します。

なお、SGLT2阻害薬の処方時には、診察代・送料・手数料などがかかります。

SGLT2阻害薬を服用すると尿中の糖が増えて細菌が繁殖しやすくなるため、注意が必要です。


ここでは、SGLT2阻害薬の効果や副作用についてご紹介していきます。

※SGLT-2阻害薬のうち体重減少効果が最も高いのがカナグルであるため、当記事の監修医師である私が運営するクリニック()の医療ダイエット外来においては、『カナグル』を採用しています。

SGLT2阻害薬の副作用と頻度は、以下のように報告されています。

③の体重増加がないことも大きな利点です。過体重の患者さんの糖尿病治療において、減量は根幹をなしますが、インスリン治療やSU剤などは体重増加をきたします。メトホルミンは体重増加を来さず、むしろ少し体重を減らすので有利です(ちなみに、下記で紹介するSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は両方とも体重を大幅に減らします)。

SGLT2阻害薬の使用で起こりうる副作用には、以下のようなものがあります。

④の安さも重要です。糖尿病の治療薬は長期間にわたり内服をしなければなりません。最新の薬は高価であり、医療費が高いと治療中断につながることもあります。例えば、メトホルミン1000mgはジェネリックであれば20円/日ですが、下記で説明するSGLT2阻害薬のジャディアンス®︎10mgは約190円/日、GLP-1受容体作動薬のビクトーザ®︎0.9mgは約521円/日とメトホルミンの安さが際立ちます。

なお、全てのSGLT2阻害薬に共通する禁忌事項は、以下の通りです。

8.添付資料

図1 SGLT2阻害薬の薬剤間におけるeGFRの変化量

ジャディアンスとフォシーガでは、フォシーガの方がより強いダイエット効果が期待できます。

日本でジャディアンスに保険が適用されるのは、2型糖尿病や慢性心不全などの治療に使う場合のみです。

ジャディアンスよりも、ほかの「SGLT2阻害薬」の方が安価です。


SGLT2阻害薬には、体重減少作用があることが報告されています。



(プラセボ群では平均 68.6kgから、0.8kg(約1%)の体重減少を認めました。)




縦軸:HbA1c変化(%)
ジャディアンス 左 10mg 右 25mg
BMI:左:やせ 中:普通 右:肥満


体重が減少した際に気になるのは、体重が減ったのは、筋肉が減ったのか、脂肪が減ったのかです。

ルセフィ(ルセオグリフロジン)を、日本人2型糖尿病患者さんに、52週間にわたり投与して、体重推移や脂肪量などの変化を検討した研究の結果は次のようになりました。

体重は 平均78.6kgから、3.1kg減少しました。

次の図は、体脂肪量と除脂肪体重の時間経過をみたものです。




除脂肪体重は、有意差はありませんが、若干減る傾向が認められます。

体脂肪量は、時間が経つにつれて減少していき、52週後には、約2.5kg減少しています。



体重減少の機序としては、尿中に糖分が漏れて、カロリーのロスが生じることが一因と考えられます。

しかし、尿糖の排泄量が少ない腎機能が悪い人でも、同程度に体重が減る事から、尿糖の排泄量の増加以外の機序もありそうです。



SGLT2阻害薬はその作用機序からケトアシドーシスに注意が必要です。

<慢性心不全>
高度腎機能障害患者
eGFRが20mL/min/1.73㎡未満の患者では、投与の必要性を慎重に判断すること。本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがある。

なお、SGLT2阻害薬の体重減少の効果は、あくまで副次的なものです。


下の図は、カナグル100mgを投与した際の血糖の日内変動の変化を表しています。

(2型糖尿病患者を対象にした第I相反復投与試験)






平均血糖値については、カナグルを投与する前と比べて、投与1日目では、平均 19mg/dLの低下認め、16日目では、平均 29mg/ dLの低下を認めました。

(プラセボ群では、投与1日目 3mg/dLの低下、投与16日目 11mg/dLの低下を認めています。)

平均血糖値が、20mg/dl 低下すると、HbA1cは 約1% 低下しますので、この結果から推定されるHbA1cの改善効果は、1%弱といったところです。



下図は、日本人2型糖尿病患者にジャディアンスを1日 10mg、もしくは、25mgを、28日間、投与した後の日内血糖変動です。




ジャディアンス投与後も、カナグルと同じように、食前・食後が低下しています。

また、1日平均の血糖値の変化量は、ジャディアンス10mg投与群では、30.3mg/dl低下しました。

(プラセボ群では5.8mg/dl低下しています。)

そのため、SGLT2阻害薬で高い治療効果を期待することができます。

ジャディアンスは一般名を「エンパグリフロジン」といいます。2型糖尿病ほか、慢性心不全の患者さんにも使用することができます。

SGLT2阻害薬では心血管疾患や腎疾患に対するデータが示されています。

SGLT2阻害薬を服用すると尿中の糖が増えるため、尿路感染症の副作用に注意が必要です。

SGLT2阻害薬は、摂取したブドウ糖を排泄します。つまり、できます。

SGLT2阻害薬を服用すると尿中の糖が増えるため、尿路感染症の副作用に注意が必要です。

以下に該当する人は、SGLT2阻害薬をおすすめできない可能性があります。

SGLT2阻害薬という種類に分類されます。尿に栄養分であるブドウ糖を捨てるため、体重が減ります。1日に糖分75g(300キロカロリー換算すると白米1.5杯・6枚切り食パン3枚・ラーメン1杯分)相当を排泄できます。作用時間はジャディアンス>フォシーガ、効果はフォシーガ>ジャディアンスです。夜間頻尿が気になる方は、フォシーガ、朝食と夕食後 時間が12時間程度離れている方はジャディアンスのほうがあっていると思 います。安全性のことも考慮し、ダイエット外来ではフォシーガ10mgとジャアディンス25mgは使用しません。グラフはテベルサという商品名のSGLT2阻害薬での結果です。用量と体重の減少に相関はありません。なので、ダイエット目的の高価なフォシーガ10mgやジャディアンス25mgは必要ありません。
Tanizawa Y Expert Opin Pharmacother 2014

ジャディアンスを含むSGLT2阻害薬に、脱毛の副作用は認められていません。

ジャディアンスとフォシーガのダイエット効果を比較するため、それぞれの体重減少に関する臨床試験の結果をまとめました。
結果は下記の通りです。

また、ほかのSGLT2阻害薬もは開発されていないのが現状です。

昨年、SGLT2阻害薬として初めて慢性心不全での承認を取得し、慢性腎臓病への適応拡大を申請した「フォシーガ」。同薬を開発したアストラゼネカの緒方史子氏(執行役員 循環器・腎・代謝/消化器事業本部長)と矢島利高氏(メディカル本部 循環器・腎・代謝/消化器疾患領域統括部 統括部長)に、その意義や心・腎領域の事業戦略について聞きました。