伝染性膿痂疹(とびひ)(Impetigo bullosa) – 感染症
夏場は虫刺され、あせも、湿疹などの皮膚炎、野外活動での擦り傷などが多くなる時期です。
皮膚炎では子供はかゆみを我慢できずに皮膚をかきむしり、皮膚のバリア機能を壊してしまいます。
また、高い気温と湿度は伝染性膿痂疹(とびひ)の原因となる黄色ブドウ球菌の増殖に都合がよい環境をつくりだします。
増えた黄色ブドウ球菌は皮膚のバリア機能が低下した部位から容易に侵入して伝染性膿痂疹(とびひ)をおこします。
現在は暖房器具や温水プールの普及で冬季にもみられます。
伝染性膿痂疹 (とびひ)について | 府中市東府中の小児科・アレルギー科
とびひ・伝染性膿痂疹において、以下のような症状を認める際は、早期に皮膚科を受診してください。
黄色ブドウ球菌あるいはレンサ球菌が皮膚の表面に感染し、紅斑とともに水疱・膿疱(のうほう)・びらん・痂皮(かひ)を形成します。
細菌は自分のからだの他の部位にも感染して広がっていきます。飛び火するようにひろがっていくので、「とびひ」とよばれます。
正式な名前は「伝染性膿痂疹」です。
細菌は兄弟、幼稚園・保育園のほかのこどもにもうつることがあります。
一般に伝染性膿痂疹(とびひ)は夏に多くみられます。
小児のとびひの処方箋 | 薬剤師のための皮膚科処方箋 | Medical Tribune
とびひ・伝染性膿痂疹は、特定の細菌によって引き起こされる皮膚感染症です。ここでは感染を引き起こす要因について、解説していきます。
野田阪神駅前いまい皮フ科小児皮フ科アレルギー科では、皮膚科専門医の院長がとびひの治療を行います。院長は10年以上にわたり、兵庫医科大学医学部でとびひの講義を医学生に担当してきたこともあり、とびひは得意分野です。早く治すためにも野田阪神(福島区、此花区)で、皮膚に水ぶくれやカサブタができた方は、お気軽にご相談ください。
内服薬は抗ヒスタミン剤、ビタミン剤(ビオチン、ビタミンCなど)、漢方薬、抗生剤(ミノサイクリン、クラリスロマイシンなど)が基本となります。
とびひは、黄色ブドウ球菌でも起こります。黄色ブドウ球菌は、溶連菌と違って、抗菌薬が効きにくい耐性菌が多いです。治りが悪い場合は、黄色ブドウ球菌も考えて、抗菌薬を変更します。
アトピ-性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下していて伝染性膿痂疹(とびひ)が合併しやすくなります。
症状にあわせて、抗生剤の入った軟膏や飲み薬を使用します。 人にうつるので、家族でのタオルの共有やプールは避ける必要があります。
その後の経過に大きく影響してくるため、とびひ・伝染性膿痂疹の早期発見・診断が大切になってきます。
伝染性膿痂疹(とびひ)はおおきく水疱性膿疱疹と痂皮性膿疱疹に分類されます。
今回は伝染性膿痂疹、俗に言う(とびひ)についての紹介です。
乳幼児から小学校1年生まで、特に男の子に多いです。ほとんどが黄色ブドウ球菌というばい菌が原因です。乳幼児は鼻の中に黄色ブドウ球菌を保菌していることがあることから、鼻孔周囲にとびひの皮疹を認めることがあります。黄色ブドウ球菌が産生する表皮剥脱性毒素(exfoliative toxin)は皮膚の細胞と皮膚の細胞をバラバラにしてしまうことから、皮膚に水ぶくれやカサブタができてきます。まれにレンサ球菌による膿痴疹もあります。
とびひ・伝染性膿痂疹における主要な症状を病型
とびひ・伝染性膿痂疹の治療では感染をコントロールし、症状の緩和を目指します。
とびひ・伝染性膿痂疹の原因菌
黄色ブドウ球菌の感染によるものです。
0~6歳までの乳幼児に多く夏におこります。
虫刺されや湿疹部などに感染がおこると、大小さまざまな水疱(すいほう)ができ、淡い紅斑を伴います。
水疱はかんたんに破れてびらんとなり、辺縁を縁取るように拡大していきます。
また、最初の水疱から遠く離れたところにも、あらたな病変が生じてどんどん増えていきます。
これが火事の「飛び火」のように起こるのが「とびひ」という言葉の由来です。
軽いかゆみを伴いますが、発熱などの全身症状はありません。湿疹に合併していると強いかゆみがあります。
とびひ・伝染性膿痂疹の感染リスクを高める要因
主にA群β溶血性レンサ球菌(化膿レンサ球菌)によっておこります。
年齢や季節に関係なく発症します。
最初は顔面や手などで局所の小水疱や膿疱として始まり、次に小水疱や膿疱から漏れ出た滲出液(じくじくした液)が厚い黄色痂皮(かひ)(かさぶた)へと変わっていきます。
その後局所に多発したり、からだ全身に広がっていきます。
炎症の症状が強く、発熱・のどの痛み・リンパ節の腫脹などの全身症状を伴います。
治療がうまくいっていないアトピー性皮膚炎のお子様におこりやすいです。
伝染性膿痂疹 (とびひ)について
初期病変は紅斑として始まり、次第に浸出液を伴う紅色丘疹へと変化します。
とびひ・伝染性膿痂疹の補助的な検査
①治療の実際 小児にみられる感染による皮膚疾患
雑誌名:臨牀と研究 94巻3号 375-380
②小児感染症のマネージメント 小児の皮膚軟部組織感染症
雑誌名::小児科臨床 68巻12号 2555-256
③小児感染症Q&A とびひのみかたと治療法について教えてください
雑誌名:Up-to-date子どもの感染症 4巻1号 Page30-31
④見てわかる小児の皮膚疾患】 感染性皮膚疾患 伝染性膿痂疹、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、丹毒・蜂巣炎
雑誌名: 小児科診療 78巻11号 1603-1609
⑤伝染性膿痂疹 最近の動向
雑誌名: 日本臨床皮膚科医会雑誌 26巻5号 458-462
⑥Impetigo: Diagnosis and Treatment(膿痂疹の診断と治療)
雑誌名Am Fam Physician. 90(4):229-235.(アメリカ家庭医雑誌)
⑦The Primary Care Dermatology Society
(イギリスの皮膚科医協会)
とびひの方ではこれらの菌が多く増殖している状態です。
治療として抗生物質で原因のばい菌をやっつける必要があります。そこで、どのような菌なのか、また、どのような種類の抗生物質が有効なのか調べるために、当院では細菌培養検査を行っています。実際に患者さんの皮膚病変から検出された菌に数種類の抗生物質をふりかけてみて、最も効いた抗生物質を次回に投与します。この検査に数日必要なため、1回目の受診では抗生剤の選択は、どうしても経験に基づく処方になります。もし皮疹が治らない場合は、残念ながら処方した抗生剤が効かない耐性菌だったということです。2回目の受診では、どの薬に弱い菌なのか検査結果が判明しているので、適切な抗生物質の選択が可能になってきます。最近は、通常の抗生物質が効かない黄色ブドウ球菌(MRSA)による伝染性膿痂疹が増えており、細菌培養検査の重要性が増しています。
とびひの患者さんのします。
クリニックで治療しているに、伝染性膿痂疹(とびひ)が治らない、または悪化している場合はMRSA(Methicillin‐Resistant Staphylococcus Aureus:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が原因菌となっていることが考えられます。
MRSAとは、黄色ブドウ球菌のなかで耐性遺伝子をもち、メチシリンという種類の抗生物質をはじめ、多くの抗生物質に耐性を持つ(薬が効かないもしくは効きにくくなる状態)菌です。
皮膚科では、初診時にMRSAによる伝染性膿痂疹(とびひ)も念頭にいれて細菌培養検査をおこなうことにしています。
とびひの患者さんのととびひになる可能性があります。
クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。
わかる先生、教えて下さい。今の症状は鼻水と咳、とびひです。
とびひ(伝染性膿痂疹)の治療に使うのは抗生物質です。面積が小さい場合は塗り薬を用います。ゲンタシン、ナジフロキサシン、オゼノキサシンなどがあります。ゼビアックス油性クリームは1日1回塗るだけなので患児の負担が少ないです。一方、とびひの面積が広い場合は、のみ薬が有効です。セファレキシンやセファクロルなどの第一世代セフェム系抗生物質が基本ですが、検査の結果が通常の抗生物質が効かないタイプの黄色ブドウ球菌(MRSA)による伝染性膿痂疹が3人に1人くらいありますので、検査結果を見て有効性のある抗生物質(レボフロキサシン内服やホスミシン内服など)を投与します。なお、湿疹の二次感染はとびひではないので、湿疹の外用剤を使います。
伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん・とびひ)
初期段階における皮膚症状はまず直径1-2mm程度の小さな紅斑として出現し、その後急速に特徴的な病変へと変化していきます。
風邪症状ととびひ時の薬の飲み合わせについて。
結論:抗生物質の選択は、大きくは国、小さくは市町村単位地域、医師による考え方が異なりますので一定の見解はあるものの個別には多少異なります。以下の表にまとめました。
とびひの治療。家庭でできるケアについて
とびひの部位を洗い流すことはとても大切です。
細菌を含んだ滲出液(じくじくした液)や痂皮(かさぶた)を物理的に洗い流すことになるからです。
とびひが水疱になっていたり、じくじくしているときは入浴は避けたほうがよいです。
1日1回、市販の石けん・ボディーソープを使って患部をやさしく洗い、シャワー浴や掛け湯などで十分にすすぎます。消毒液は使いません。
抗菌外用薬は1日2回ぬり、ガーゼや包帯で患部を完全におおうようにします。
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ゲンタマイシン軟膏を塗ることは、実際はワセリンを外用しているのと同じ程度の効果でしょう。
ゲンタマイシン軟膏をつかっているにとびひが治らないのは、抗菌作用が少ないことが原因です。
とびひには殺菌する力が強く、いろいろな菌に効くナジフロキサシン軟膏(アクアチム軟膏)、オゼノキサシンクリーム(ゼビアックスクリーム)が適しています。
かゆみが強いときや湿疹を伴っている場合にはステロイド外用剤を使いますが、必ず抗菌内服薬を併用します。
ステロイド外用剤単独で治療すると、伝染性膿痂疹(とびひ)はむしろ悪化することがおおくて危険です。
じくじくがひどい部位は、ナジフロキサシン軟膏を塗ったあとに亜鉛華軟膏を重層して包帯することもおこないます。