• 処方患者数上位 4 医薬品(デキサメタゾン、レムデシビル、アジスロマイシン水和 ..
厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の「診療の手引き」に、薬物治療に使える承認薬として、抗炎症薬「デキサメタゾン」を掲載した。英国で重症者の死亡率を下げる効果が確認されており、5月に特例承認された「レムデシビル」に続き、2例目の標準的な治療薬に位置づけられた。
コロナ治療薬に「デキサメタゾン」…「レムデシビル」に続き2例目
は21日までに感染症の診療の手引を改定し、抗炎症作用のある剤「デキサメタゾン」を二つ目の治療薬と位置づけ、追加掲載した。の治療薬では、のベクルリー(一般名レムデシビル)がすでに承認されている。
日本感染症学会(理事長:舘田 一博氏[東邦大学医学部教授])は、2月1日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬について指針として「」をまとめ、同会のホームページで公開した。
本指針は、COVID-19の流行から約1年が経過し、薬物治療に関する知見が集積しつつあり、これまでの知見に基づき国内での薬物治療に関する考え方を示すことを目的に作成されている。
現在わが国でCOVID-19に対して適応のある薬剤はレムデシビルである。デキサメタゾンは重症感染症に関しての適応がある。また、使用に際し指針では、「適応のある薬剤以外で、国内ですでに薬事承認されている薬剤をやむなく使用する場合には、各施設の薬剤適応外使用に関する指針に則り、必要な手続きを行う事とする。適応外使用にあたっては基本的にcompassionate useであることから、リスクと便益を熟慮して投与の判断を行う。また、治験・臨床研究の枠組みの中にて薬剤を使用する場合には、関連する法律・指針などに準じた手続きを行う。有害事象の有無をみるために採血などで評価を行う」と注意を喚起している。
抗ウイルス薬などの対象と開始のタイミングについては、「発症後数日はウイルス増殖が、そして発症後7日前後からは宿主免疫による炎症反応が主病態であると考えられ、発症早期には抗ウイルス薬、そして徐々に悪化のみられる発症7日前後以降の中等症・重症の病態では抗炎症薬の投与が重要となる」としている。
抗ウイルス薬などの選択について、本指針では、抗ウイルス薬、抗体治療、免疫調整薬・免疫抑制薬、その他として分類し、「機序、海外での臨床報告、日本での臨床報告、投与方法(用法・用量)、投与時の注意点」について詳述している。
〔抗ウイルス薬〕
・レムデシビル(商品名:ベクルリー点滴静注液100mgなど)
・ファビピラビル
〔抗体治療〕
・回復者血漿
・高度免疫グロブリン製剤
・モノクローナル抗体
〔免疫調整薬・免疫抑制薬〕
・デキサメタゾン
・バリシチニブ
・トシリズマブ
・サリルマブ
・シクレソニド
〔COVID-19に対する他の抗ウイルス薬(今後知見が待たれる薬剤)〕
インターフェロン、カモスタット、ナファモスタット、インターフェロンβ、イベルメクチン、フルボキサミン、コルヒチン、ビタミンD、亜鉛、ファモチジン、HCV治療薬(ソフォスブビル、ダクラタスビル)
・レムデシビルのRCTを表化して整理
・レムデシビルの添付文書改訂のため肝機能・腎機能を「定期的に測定」に変更
(抗体治療薬の項目追加)
・バリシチニブ+レムデシビルのRCT結果を追加
・トシリズマブのREMAP-CAP試験などの結果を追加
・シクレソニドの使用非推奨を追加
レムデシビルのみの投与の時よりの低くなることが分かっています。 デキサメタゾン
COVID-19中等症Ⅱに対するレムデシビル,デキサメタゾン,バリシチニブの可能性
Coronavirus disease 2019が全世界で広がっている.わが国においてはレムデシビル(remdesivir),デキサメタゾン(dexamethasone),バリシチニブ(baricitinib),中和抗体製剤が承認されているが,実臨床で中等症Ⅱへの3剤併用の効果についての報告は少ない.当院に入院し,3剤併用で治療された中等症Ⅱの38例について後ろ向き検討を行った.高流量鼻カニュラ(high flow nasal cannula:HFNC)酸素療法が必要になった症例は13例あった.HFNC使用期間の中央値は6日間,酸素投与期間の中央値は8日間であった.有害事象も対応可能なものであり,31例が退院可能となった.中等症Ⅱに対する3剤併用の効果が示唆される結果であった.
レムデシビル(ベクルリー®)、ステロイドのデキサメタゾン(デカドロ
病院では、まずレムデシビルやデキサメタゾンを使い、改善しない場合にバリシチニブを加えるといった使い方がされている。
バリシチニブ(Baricitinib)は、関節リウマチに対する治療薬として、2017年よりオルミエント ®という名前で日本国内でも市販されていた飲み薬です。
体内で炎症が起こると、サイトカインという細胞間の情報伝達を行うタンパク質がリンパ球などから放出され、これが様々な細胞の表面にある受容体というタンパク質に結合することで、細胞の中に炎症のシグナルが伝わります。
バリシチニブは、受容体から細胞の中に信号を伝える際に必要な、ヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素を阻害することで、サイトカインによって細胞で炎症が起こることを抑える働きを持っています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を重症化させる、いわゆるサイトカイン・ストームに対して有効な薬剤として、米国では昨年11月より抗ウイルス薬レムデシビルとの併用治療が緊急使用許可されていました。
日本では、イーライ・リリー社によって昨年12月にCOVID-19の治療薬として承認申請が行われ、4月21日の厚生労働省の審議会で承認されました。
COVID-19の治療薬としては、レムデシビル、デキサメタゾンに続く3剤目となります。
今回は、承認の決め手となったと思われる、国際二重盲検試験(ACTT-2)の成績を報告した論文を読み解いてみたいと思います。
論文が掲載されたのは、The NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE 誌の2020年12月11日号です。
原文(英語)や図表は、下のリンクからお読みいただけます
Baricitinib plus Remdesivir for Hospitalized Adults with Covid-19
抗ウイルス薬投与[ 無 ・ 有 : レムデシビル ・ デキサメタゾン ・ その他 (
ニュースなどで多くの方がご存じかと思いますが、たとえ新型コロナウイルス感染症を発病しても、ほとんどの患者さんは風邪のような症状をへて軽症のまま治ってしまいます。
しかし、一部の患者さんでは重症化して酸素吸入が必要になったり、更に悪化して人工呼吸器やECMOで生命を維持する治療が必要になったり、最悪の場合亡くなってしまったりします。
このような重症化が起こるメカニズムとしては、ウイルスの感染をきっかけに免疫システムが、いわゆる「サイトカイン・ストーム」を起こし、制御不能な炎症が肺を始めとした臓器に生じてしまうという説が有力です。
このため、新型コロナウイルス感染症の治療としては、①発症早期にはウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬を、②サイトカイン・ストームで重症化した場合には炎症を制御する薬剤を、という二段構えの戦略が必要になります。
新型コロナウイルス感染症に対する治療薬として国内承認された薬剤のうち、昨年5月に承認されたレムデシビル(ベクルリー®)は①の働きを持つ薬であり、昨年7月に承認されたデキサメタゾンは②の働きを持つ薬剤でした。
今回国内承認されたバリシチニブ(オルミエント ®)は②の働きを持つ薬剤ですが、デキサメタゾンと比較してどちらが有効性・安全性で優れているかは今の所わかっていません。
米国の疾病対策予防センター(CDC)のガイドラインでは、②の薬剤としてはデキサメタゾンを優先し、副作用の問題(高血糖など)でステロイドホルモンが使用できない症例では、バリシチニブの投与を検討するように記載されているようです。
一方、日本国内では、昨年末あたりからバリシチニブの保険適応外での使用が認められ、重症のコロナウイルス感染症の患者さんに投与が開始されていましたが、
①肺炎の陰影がCTスキャンで確認され、酸素飽和度が低下し始めるとレムデシビルの投与を開始
②悪化して酸素吸入が必要な状態になると、レムデシビルにデキサメタゾンを追加
③デキサメタゾン投与でもさらに悪化すると、上記2剤にバリシチニブを追加
という形で、デキサメタゾンとバリシチニブのどちらかを選択するというよりは、両剤を併用する医療機関が多いようです。
どちらが治療戦略として最適なのか、明らかになるにはしばらく時間が必要かもしれません。
近々改定されるであろう、厚生労働省の「COVID-19診療の手引き」では、本剤がどのような位置づけで記載されるのか興味があるところです。
第4波の到来による医療機関の逼迫が毎日のように報道されている今日このごろですが、バリシチニブの正式承認によって、投与する医療機関が増加→重症患者のICU滞在日数が短縮→重症病床の逼迫状態が改善、という流れが多少なりとも生じることを期待したいと思います。
4/25 追記
米国で進行中だったレムデシビル+デキサメタゾン療法とレムデシビル+バリシチニブ療法の比較試験(ACTT-4)が、有効性において有意差が出ない見込みのために新規の症例登録を中止したとの報道がありました。炎症を抑制する薬剤としては、病態に応じてデキサメタゾンとバリシチニブのどちらかを使えば良いと思われます。
(両方使用するとさらなる有効性が期待できるかは、追加で検討が必要と思われます。)
国内で既に承認されている「レムデシビル」、「デキサメタゾン」に次いで3 ..
デキサメタゾンと異なり、レムデシビルは数の少ない新薬で、薬価もまだ公表されていない。
デキサメタゾンよりも先に、または同時にレムデシビルを投与開始した方が、デキ
厚労省が承認すれば、新型コロナウイルスの治療薬として承認されている「レムデシビル」、「デキサメタゾン」に続いて三つ目の治療薬となる。
#レムデシビル · #コロナ · #ソトロビマブ · #モルヌピラビル · #ニルマトレルビル・リトナビル · #デキサメタゾン
日本でコロナウイルスの治療として承認されているのはレムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブ、抗体カクテル療法の4つです。
されている医薬品として、レムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブ、トシリズマ
2019年末に中国で確認後、急速に全世界に拡散した新型コロナウイルス(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2:SARS-CoV-2)は、今日に到るまで1億7000万人が感染し350万人が死に到る歴史に残るパンデミックとなっている。このSARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)の治療法開発には多くの研究者と企業が総力をあげてこの一年取り組んできた。抗ウイルス活性が示唆される既存薬のrepositioningの試行に加え、重症例での病態への関与が示唆される過剰免疫の抑制についても各種抗炎症薬の効果を検証する臨床試験が実施されている。しかし、2021年4月時点、本邦でCOVID-19治療薬として承認されているものは、抗ウイルス薬のレムデシビルと、抗炎症薬であるデキサメタゾン、バリシチニブの3剤のみである。
[PDF] COVID-19に対する薬物治療の考え方 第14版
デキサメタゾンに加えてレムデシビルを導入することで得られる追加効果や、最適な導入時期についてのエビデンスは不足している。
軽症肺炎例を対象にしたレムデシビル5日投与群、レムデシビル10日投与群、標準治療群 ..
2020年1月21日から2021年1月31日の間に入院した香港のCOVID-19患者10,445人の地域全体のコホートにおいて、1544人の患者が入院中にデキサメサゾンを投与されていた。暴露群は、デキサメタゾンの前にレムデシビルを投与開始した患者(n=93)、または2剤を同時に投与開始した患者(n=373)であり、非暴露群は、デキサメタゾンの後にレムデシビルを投与された患者(n=149)、またはレムデシビルを使用していない患者(n=929)であった。傾向スコアに多重帰属と治療の逆確率の重み付けを適用し、Cox回帰モデルを用いてイベントアウトカムのハザード比(HR)を推定した。
[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 4 1
中等症のCOVID-19患者において、レムデシビルをデキサメタゾンに先行して、または同時に投与を開始することは、臨床症状の改善とIgG抗体の陽性化までの期間を有意に短縮し、院内死亡のリスクを低下させ、さらに入院期間を短縮することと関連していた。
Figure 1
Figure 2
[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 5 1
には2021年1月10日時点においてCOVID-19の治療に対して使用される主な薬剤を示す(適応未承認薬も含める)。COVID-19に対してはさまざまな薬剤が での効果やスクリーニングにおいて候補薬剤として挙がっているが、我が国においてCOVID-19に対して承認された治療薬はレムデシビル、デキサメタゾンのみである。レムデシビルは主な副作用に肝機能障害、下痢、皮疹、腎機能障害などがあり、デキサメタゾンは高血糖や消化性潰瘍などに注意が必要である。さらにCOVID-19においては合併症として血栓塞栓症に関する報告もあり、未分画ヘパリンや直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant;DOAC)などの治療薬も使用されることがある。また、COVID-19に対して適応承認はされていないものの、シクレソニドなどの吸入薬が使用されることもあることから適切な吸入手技の確認も必要となる。また、COVID-19に対して使用する薬剤、特に経口薬や吸入薬に関しては漫然とした長期使用とならないよう処方された薬剤に対して使用目的をきちんと把握して適正使用状況を確認することは非常に重要と考える。
[PDF] Covid-19 に対する薬物治療の考え方 第15.1版
一方、レムデシビルの有効性については否定的な報告も存在する。重症COVID-19患者を対象に中国で実施された多施設共同プラセボ対照二重盲検RCTでは、目標被験者数452例の組み入れを達成できず237例の組み入れで試験を終了した為統計学的な解釈は困難であるものの、臨床状態改善までの時間に両群の差は認められなかった(本剤群21日、プラセボ群23日、ハザード比:1.23[0.87, 1.75])。世界30カ国から入院中COVID-19患者を登録し、レムデシビルを含む複数の薬剤の有効性を評価するWHO主導の非盲検RCT(Solidarity試験)の中間解析の結果も、死亡率、挿管率、入院期間等の有効性評価指標について、各治療群(レムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル及びインターフェロン1α)と各々の対照群との間に大きな差異を認めなかった。このように、レムデシビルの有効性に関して試験間でのばらつきはあるが、これまでの試験成績や作用機序からは、重症化前の酸素需要のある発症早期例でより高い効果が得られることが想定される。
[PDF] NCGM COVID-19 治療フローチャート(成人)
新型コロナウイルス感染症にはまだ特効薬がありません。世界中で新薬の研究が行われていますが、開発には時間がかかるので、治療現場では別の病気に使われるさまざまな薬が使われています。現在、日本ではエボラ出血熱の治療薬として開発中だった抗ウイルス薬のレムデシビルと、ステロイド系の抗炎症薬のデキサメタゾンの2種が承認されており、いずれも中等症から重症患者向けです。吸入ステロイド薬の中では、シクレソニド(オルベスコ)に有効な可能性があるとの報告がある一方、国内の臨床試験では、軽症な方には肺炎発症の予防効果がなかったとの報告もあります。現在使用中の薬剤が合っていれば、継続してください。軽症患者では確立された治療法はなく、発熱やせきなどの症状を緩和する対症療法が中心です。
※ 重症化リスク:65 歳以上、悪性腫瘍、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎臓病、糖尿病、
厚労省は、抗炎症薬「デキサメタゾン」を新型コロナウイルスの治療薬として認定した。
デキサメタゾンは、17日付で厚労省が出している医療関係者向けの治療の手引きに掲載されている。新型コロナ治療薬の承認例は、5月に特例承認された「レムデシビル」に続き、2例目となる。
急速に進行する呼吸不全と全身炎症のある患者にはバリシチニブかトシリズマブを上
レムデシビルの副作用は、肝障害、腎障害、徐脈[26, 27]などが報告されている。製剤内にシクロデキストリンが含まれているため、腎不全患者に対して使用を控えたほうがよいとする意見もあるが[28]、安全に使用可能とする報告もある[29]。