(4)偽性クッシング症候群との鑑別でスクリーニング検査を行うが、0.5mgデキサメタゾン抑制試験1回法が必須である。 ..


デキサメタゾンの内服の方法には様々なやり方がありますが、慶應義塾大学病院では一晩法を採用しています。一晩法では、深夜23時に低用量の場合はデカドロン®1mg(2錠)、高用量の場合は8mg(16錠)を内服していただきます。そして、翌朝の8時~9時頃に血液検査を行い、コルチゾール濃度が低下するかどうかを検査します。入院中にこの検査を行う場合は、同時に蓄尿(ちくにょう)検査(24時間に排尿した尿をすべてバッグに貯める検査)を行って、尿中のコルチゾール濃度を参考にすることもあります。


(2) 一晩大量デキサメサゾン抑制試験:前日深夜に大量 (8 mg) のデキサメサゾン

内分泌疾患の診断は、血中、尿中の基礎値や産物の測定により行われる(参照)。しかし、内分泌系の調節はフィードバック機構などが関与するため、上位ホルモンと標的臓器ホルモンの基礎値だけでなく、その調節因子を組み合わせて測定することが必要になる。また、内分泌疾患は、単回測定で得られる検査結果のみでは正確な病態判断ができない場合がある。そこで、ホルモン分泌の動態を把握するために種々の負荷試験が行われる。

正常な低下反応の判定は、低用量の場合はコルチゾール濃度<3μg/dl、高用量の場合はコルチゾール濃度<1μg/dlで低下反応あり(正常)と判定します。ただし、クッシング症候群の最終的な判定は他の検査も踏まえて総合的に決定します。

デキサメタゾン抑制試験は国試にも出題されています。高容量では? ..

内分泌負荷試験には、分泌不全を疑う場合の分泌刺激試験と、ホルモン分泌過剰を疑う場合に行う分泌抑制試験の2種類がある。この項では、各種負荷試験を含めて内分泌機能検査の各論について述べる。

コルチゾールが過剰になりクッシング症候群を引き起こす主な原因は、副腎皮質腺腫(副腎皮質の腫瘍)や脳の下垂体と呼ばれる部位にできる腫瘍です。まれに副腎皮質がんが原因となることもあります。

デキサメタゾン抑制試験とは、副腎からのコルチゾール分泌がどの ..



高値…クッシング症候群、アジソン病、ストレス、うつ病、神経性食欲不振症、異所性ACTH産生腫瘍、グルココルチコイド不応症など

低値…下垂体機能低下症、副腎性クッシング症候群、ACTH単独欠損症、外因性ステロイド投与など

副腎性クッシング症候群:副腎皮質の腫瘍などでコルチゾールが過剰分泌されます。
ACTH依存性クッシング症候群:ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が過剰に分泌されることでコルチゾールが増える状態です。このうち下垂体の腫瘍によって下垂体からACTHが過剰に分泌される場合を「クッシング病」、肺がんなど下垂体以外の腫瘍によってACTHが過剰に分泌する場合を「異所性ACTH症候群」といいます。
薬剤性クッシング症候群:コルチゾールと同様の作用を持つ薬剤によってコルチゾール作用過剰の症状が現れます。

[PDF] クッシング症候群 問 189(国家試験問題)CHECK!

●顔に脂肪が沈着して丸くなる「満月様顔貌(まんげつようがんぼう=ムーンフェイス)」
●肩に脂肪が蓄積する「野牛肩(やぎゅうかた)」
●体幹部分に脂肪がつき手足は痩せる「中心性肥満」
●皮膚が薄くなる「菲薄化(ひはくか)」
●皮膚に赤い色の筋が現れる「腹部赤色皮膚線条」
●体幹に近い部分の筋肉が衰える「近位筋の筋力低下」

全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。


内分泌検査|検体検査(血液検査) | 看護roo![カンゴルー]

サブクリニカルクッシング症候群とは副腎腫瘍があり、コルチゾールの自律分泌を認めるにもかかわらず、先述したクッシング症候群に特徴的な身体所見を伴わないものを指します。とはいえ、耐糖能障害、高血圧症、脂質異常症、骨粗鬆症などを高率に合併します。

内分泌機能検査|検体検査(血液検査) | 看護roo![カンゴルー]

クッシング症候群の治療は腫瘍摘出手術が基本です。通常の腺腫であれば、腹腔鏡下副腎摘出術を行います。その後、副腎のホルモン補充療法を行います(コートリル内服など)。

クッシング症候群 (くっしんぐしょうこうぐん)とは | 済生会

クッシング症候群の診断にはデキサメタゾン抑制試験を行います。デキサメタゾンの内服を行うことで、ACTHとコルチゾールが正常に抑制されれば正常、そうでなければ負のフィードバックが働いていない(=自律的分泌がなされている)ことが強く疑われます。また、24時間の蓄尿を行い、遊離コルチゾールが尿中にどの程度排泄されているかを確認します。その他、副腎CT/MRI、131ヨウ素アドステロールシンチグラフィを行います。

クッシング症候群は副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンの作用が過剰になることで、身体に特徴的な徴候が現れる病気です。

クッシング症候群とは、副腎皮質ステロイドホルモンのひとつであるコルチゾールというホルモンが過剰分泌され、全身に種々の症状が生じる症候群のことです。クッシング症候群の中でも、下垂体からACTHが過剰に分泌されることで副腎が刺激されコルチゾールが過剰に分泌されたものをクッシング病(下垂体腺腫)、副腎腫瘍などによって副腎からコルチゾールが過剰に分泌されたものを副腎性クッシング症候群といいます。また、ACTHは肺癌のような腫瘍が勝手に分泌してしまうことがあり、下垂体以外からACTHが過剰につくられることで発症するものを異所性ACTH産生腫瘍によるクッシング症候群といいます。

[PDF] クッシング病の診断の手引き(平成21年度改訂) 1

これまで、明確な診断基準が存在しませんでしたが、2017年に新たな診断基準が作成されました。1mgデキサメタゾン抑制試験のカットオフ値を1.8μg/dLとした。ACTH分泌抑制、コルチゾール日内変動の消失、副腎シンチグラフィ健常側抑制、DHEA-S低値を採用していて、より臨床に即したものとなっています。

を内服した翌朝(8-10 時)の血中コルチゾール値が前値の半分以下に抑制され

看護師にとって、看護技術は覚えることも多くなあなあにしてしまいがちで、周りに聞きたくても聞きづらい状況にいる看護師も多くいます。「看護師の技術Q&A」は、看護師の手技に関する疑問を解決することで、質問したナースの看護技術・知識を磨くだけでなく、同じ疑問・課題を持っているナースの悩み解決もサポートします。看護師の看護技術・知識が磨かれることで、よりレベルの高いケアを患者様に提供することが可能になります。これらの行いが、総じて日本の医療業界に貢献することを「看護師の技術Q&A」は願っています。

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看護師にとって、看護技術は覚えることも多くなあなあにしてしまいがちで、周りに聞きたくても聞きづらい状況にいる看護師も多くいます。「看護師の技術Q&A」は、看護師の手技に関する疑問を解決することで、質問したナースの看護技術・知識を磨くだけでなく、同じ疑問・課題を持っているナースの悩み解決もサポートします。看護師の看護技術・知識が磨かれることで、よりレベルの高いケアを患者様に提供することが可能になります。これらの行いが、総じて日本の医療業界に貢献することを「看護師の技術Q&A」は願っています。

さらに物にぶつかった自覚がなくとも皮下出血しやすくなり、顔もむくんだ赤ら顔になります。 ..

甲状腺とは食べ物に含まれるヨウ素を原材料に甲状腺ホルモンを作り出す器官です。甲状腺ホルモンは身体の発育を促進し新陳代謝を活性化するホルモンで、身体の恒常性を維持するために必要なホルモンの一つです。甲状腺機能亢進症とは甲状腺に機能的・構造的な問題が発生し、甲状腺ホルモンの分泌量が増加した病気です。中高齢の猫で診断される機会が多く、犬で診断されることは非常に少ない傾向があります。
甲状腺機能亢進症は甲状腺の腺腫様過形成が片側ないし両側の甲状腺で生じる結果、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうことが原因と言われていますが、詳しい発症原因はわかっていません。また、極稀に甲状腺腫瘍によって発症する場合もあります。

甲状腺機能亢進症の主な症状は「動きが活発になる」・「食欲が増す」・「多飲多尿」・「嘔吐」・「下痢」など病気というよりむしろ元気と錯覚するような様子が認められることが多いです。また甲状腺機能亢進症の症例は落ち着きがなくなったり、ときに攻撃的な性格になることもあります。しかし「体重減少」・「毛づやも消失」・「多飲多尿」といった病的な症状が見られることもあります。さらには嘔吐や下痢をすることもあります。そして病態が進行してくると、今度は逆に食欲や活動性が低下してきます。8歳以上の中~高年齢の猫に発症することが多く、この病気は心臓をはじめ、肝臓などの臓器にも影響を及ぼします。

甲状腺機能亢進症の治療法には、内科療法と外科療法があります。内科療法では、甲状腺の機能を抑える抗甲状腺薬剤を投与する方法が一般的です。外科療法では、腫大した甲状腺を切除していきます。

甲状腺機能亢進症には、有効な予防方法はありません。中~高年齢の猫に上記の臨床症状がみられた場合は受診しましょう。甲状腺機能亢進症に関するご質問・ご相談がございましたらお気軽に当院までご連絡ください。

本記事では副腎性サブクリニカルクッシングの診断基準を分かりやすくまとめました。 ..

「看護師の技術Q&A」は、看護技術に特化したQ&Aサイトです。看護師全員に共通する全科共通をはじめ、呼吸器科や循環器科など各診療科目ごとに幅広いQ&Aを扱っています。科目ごとにQ&Aを取り揃えているため、看護師自身の担当科目、または興味のある科目に内容を絞ってQ&Aを見ることができます。「看護師の技術Q&A」は、ナースの質問したキッカケに注目した上で、まるで新人看護師に説明するように具体的でわかりやすく、親切な回答を心がけているQ&Aサイトです。当り前のものから難しいものまでさまざまな質問がありますが、どれに対しても質問したナースの気持ちを汲みとって回答しています。

デキサメタゾン抑制試験とは

「看護師の技術Q&A」は、看護技術に特化したQ&Aサイトです。看護師全員に共通する全科共通をはじめ、呼吸器科や循環器科など各診療科目ごとに幅広いQ&Aを扱っています。科目ごとにQ&Aを取り揃えているため、看護師自身の担当科目、または興味のある科目に内容を絞ってQ&Aを見ることができます。「看護師の技術Q&A」は、ナースの質問したキッカケに注目した上で、まるで新人看護師に説明するように具体的でわかりやすく、親切な回答を心がけているQ&Aサイトです。当り前のものから難しいものまでさまざまな質問がありますが、どれに対しても質問したナースの気持ちを汲みとって回答しています。

デキサメタゾン抑制試験

甲状腺とは食べ物に含まれるヨウ素を原材料に甲状腺ホルモンを作り出す器官です。甲状腺ホルモンは身体の発育を促進し新陳代謝を活性化するホルモンで、身体の恒常性を維持するために必要なホルモンの一つです。甲状腺機能低下症とは甲状腺に機能的・構造的な問題が発生し、甲状腺ホルモンの分泌量が低下した病気です。中高齢の中型犬・大型犬で診断される機会が多く、猫で診断されることはほぼありません。ただし最近では若い小型犬でも診断されることが増えてきています。

甲状腺機能低下症の原因として、主に免疫介在性のリンパ球性甲状腺炎と、特発性甲状腺萎縮によって引き起こされるといわれています。この病気の一部には遺伝的要因の関与も考えられています。また、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)などの他の病気が甲状腺ホルモンのはたらきを阻害し、同様の症状を引き起こすこともあります。

甲状腺機能低下症を発症すると、一般的には皮膚症状や神経症状などの症状が認められるほかに、「元気がなくなる」・「すぐ疲れる」・「動きたがらない」・「体重が増える(肥満傾向)」といった症状が認められます。皮膚の症状としては、「毛が薄くなる(薄毛)」・「毛が抜ける(脱毛)」・「皮膚が乾燥してフケが多くなる」・「皮膚が黒ずむ(色素沈着)」・「皮膚が厚くなる(皮膚の肥厚)」・「細菌感染を繰り返して起こす(膿皮症)」などが認められます。また、全般的に犬の顔が哀しそうに見えてくることもあります(悲劇的顔貌)。この他、心拍数が遅くなったり、発情が止まったりといった症状が見られることもあります。重篤になると、昏睡に陥ったり、意識障害を起こしたりする場合もあります。好発犬種はゴールデン・レトリーバー、シェルティ(シェットランド・シープドッグ)、柴犬、ダックス、ドーベルマン、ミニチュア・シュナウザー、プードル、ボクサーなどの中・大型犬に多く見られていましたが、最近では小型犬で診断する機会が増えてきており、小型犬でも注意が必要です。

甲状腺機能低下症の主な診断方法は血液検査およびホルモン検査による甲状腺ホルモン(T4)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定です。また頸部超音波検査にて甲状腺のチェックも必要に応じて行います。

甲状腺機能低下症の治療は体内で生産出来なくなった分の甲状腺ホルモンを内服薬で補っていきます。基本的に甲状腺機能低下症の治療は一生涯続けなくてはいけません。ただし適切な量の甲状腺ホルモンを投与すると甲状腺機能低下症で認められた食欲や元気・皮膚病症状などが改善します。ただし甲状腺ホルモンを必要以上に内服すると甲状腺機能亢進症を発症してしまいます。甲状腺機能亢進症は「呼吸促迫」・「性格に攻撃性が出てくる」・「多飲多尿」・「食欲旺盛」・「体重減少」などが認められます。そのため甲状腺ホルモン投与開始時は少なくても1ヶ月に1度、甲状腺ホルモンの血中濃度が落ち着いてきたら3ヶ月に1回程度は定期的に甲状腺ホルモン(T4)を測定し、適切な量でのコントロールに努めていきます。

甲状腺機能低下症には予防法はありません。定期的な体調管理が重要になります。一般身体検査にて甲状腺機能低下症の可能性がある場合、当院では血液生化学検査およびホルモン検査を推奨しています。ちなみに当院の検査室にはホルモン測定機器が導入されていますので約30分後には結果を提示し、当日治療内容を検討していきます。甲状腺機能低下症に関するご質問等ございましたら、お気軽にご相談下さい。

クッシング現象の血圧上昇は、頭蓋内圧亢進で生じた脳血流の低下を改善しようとする人間の恒常性により、交感神経刺激が刺激されることが原因で起こります。 クッシング現象の徐脈は、その血圧上昇を圧受容体が感知して、迷走神経反射が起こることによって生じます。 ICUでの日々の勤務お疲れ様です。

糖尿病とはインスリンに関する何らかの問題により、血液中の糖を細胞内にうまく取り込めなくなり高血糖や尿糖が持続的に認められる病気です。糖尿病には「①インスリンの分泌量が少なくなる」・「②肥満や基礎疾患が原因でインスリンの効きが悪くなる」・「③妊娠中に分泌されるホルモンの影響でインスリンの効きが悪くなる」など、大きく3つの要因が報告されています。①は「インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)」と呼ばれており、①が原因の場合はインスリン製剤による治療によく反応します。②は「インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)」と呼ばれており、②が原因の場合はインスリン製剤による治療の他に原因疾患の治療が非常に重要になります。原因疾患には「クッシング症候群」・「慢性膵炎」・「甲状腺機能低下症」・「ステロイドなどの薬剤」・「腎不全」などがあり、原因疾患の治療が糖尿病管理の鍵を握ります。③は「妊娠糖尿病」と呼ばれており、③が原因の場合は避妊手術を行うことにより糖尿病から脱却できる可能性もあります。
犬で比較的多いと言われている「①インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)」の原因はよくわかっていませんが、遺伝的要因や肥満、感染、膵炎など、複数の要因が重なりあって起こっていると考えられています。猫でよく認められる「②インスリン非依存型糖尿病(2型糖尿病)」は肥満やストレス・運動不足といった環境要因や、膵炎やその他全ての疾患が誘因になっていると考えられています。

糖尿病の主な症状は「多飲」・「多尿」・「多食」・「体重減少」です。「多食」ですが「体重減少」が認められます。糖尿病ではインスリンのトラブルにより栄養素が細胞に取り込むことができず、どんなに食べても栄養不良に陥り急激に痩せていきます。また糖尿病の症状がさらに悪化すると、血液中にケトン体という有害な物質が増加して「糖尿病性ケトアシドーシス」という状態になります。糖尿病性ケトアシドーシスは内科疾患の中でも生命に影響する重篤疾患の一つとして知られており、集中的な入院管理を行っても命を落とす可能性があります。
糖尿病を基礎疾患として合併症を発症することもあります。犬の場合、急性に進行する白内障や慢性的な細菌感染による皮膚炎、膀胱炎などです。雌犬では子宮蓄膿症を起こすこともあります。また猫の場合、白内障や糖尿病による失明の報告は少ない傾向があります。糖尿病性ケトアシドーシスにまで症状が進行した場合、運動失調や虚脱といった神経症状が認められる機会が多いです。
好発犬種としてよく知られているのはトイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ミニチュア・シュナウザー、ミニチュア・ピンシャー、ビーグルなどで、特に中年齢以降の肥満犬での発症が目立ちます。猫では5歳以上の肥満の去勢雄に発症が多い傾向がありますが、好発品種は特にありません。

糖尿病の診断は比較的単純で、主に「血液検査」と「尿検査」になります。ただし血糖値は糖尿病以外にもストレスや薬剤・基礎疾患による影響でも高血糖になりますので診断には注意が必要です。その為、当院では血液検査で血糖値の他に主に「糖化アルブミン」や「フルクトサミン」という項目をみていきます。尿検査では主に「尿糖」や「ケトン体」の有無を確認していきます。

糖尿病の治療として、ごく初期であれば食事と運動管理による治療法を検討します。ただし動物においては比較的症状が進行してから診断する機会が多いので、通常はインスリン治療を選択します。犬の場合はインスリン注射を生涯にわたって続ける必要があります。しかし猫ではインスリン分泌能が残っていることもあり、極稀にインスリン治療から脱却できることがあります。
インスリン製剤には効果の発現から持続時間により様々な種類が存在します。犬では主に「中間型インスリン」、猫では「持効型溶解インスリン」を当院では選択する機会が多いです。また糖尿病性ケトアシドーシスの場合は「超速効型インスリン」を使用いたします。実際当院で糖尿病の治療を行う場合、インスリン製剤の種類や投与量の決定は症状・食事内容・体調・体重・基礎疾患の有無などを勘案しながら、入院して2時間おきに血糖値を測定し血糖値曲線(グルコースカーブ)を描きながら判断いたします。さらにインスリン治療の効果を高めるため、肥満の改善・避妊手術・感染症や基礎疾患の治療も同時に行っていきます。適切な食事の回数や内容を考慮した食事療法や、適度な運動をおこなう必要もあります。
糖尿病性ケトアシドーシスを発症している場合、生命に影響する場合が多いため入院治療が必要となります。ほとんどの場合、重度の脱水を伴っていますので急速輸液による脱水の改善と超速効型インスリンによる血糖値の改善およびブドウ糖液とインスリン製剤併用による点滴治療により糖尿病性ケトアシドーシスからの脱却を図ります。

近年では血糖値を測定できる簡易血糖測定器を装着させて、通院しながらご自宅でも血糖調整が出来る場合もあります。糖尿病の予防は適度な食事と運動を心がけ、肥満にならないように日常生活に注意することがとても大切です。また糖尿病を発症した場合は生涯にわたり治療を継続していくことになります。糖尿病の継続治療は定期的な通院による血糖値や糖化アルブミンによるチェックが重要になります。特に「低血糖」が最も重要なインスリン治療における副作用であり、低血糖は直接的に生命に影響を与えます。低血糖を起こさず適切な血糖値に長時間維持することが糖尿病コントロールの一番のポイントです。当院では多くの糖尿病管理を行っており、常に糖尿病管理に関するアップデートを行っています。糖尿病に関するご質問・ご相談などございましたらお気軽に当院までお問い合わせください。