フォシーガの心不全への効果について、ここまで解説したことをまとめました。
John McMurrayは、次のように述べました。「今回、アストラゼネカと広範な臨床現場との連携により、様々な心不全に対するダパグリフロジンの有効性と安全性を検証することが可能になりました。本試験の結果により、数百万の患者さんを苦しめ、世界中の医療制度に大きな負担を強いてきた病態の見方や管理方法が大きく変わるかもしれません。」
アストラゼネカのバイスプレジデント兼グローバル医薬品開発部門循環器・腎・代謝領域の責任者であるElisabeth Björkは、次のように述べました。「2型糖尿病とその合併症の治療薬としてのSGLT2阻害剤クラス全体のため、当社は、DECLARE試験およびDAPA-HF試験、DELIVER試験を通じて心不全に対する臨床研究を推し進め、サイエンスの限界に挑戦しています。ダパグリフロジンの科学的エビデンスは、終了済みの試験を含め、35,000例以上の患者さんを対象とした35件以上の第IIb/III相試験からなる強固な臨床プログラムを含め、今後も引き続き蓄積されます。循環器、腎および代謝疾患という有病率が非常に高い疾患に対するダパグリフロジンでの治療を通じて臨床的な理解を深め、患者さんのアウトカムを改善することが当社の使命です。」
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フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)について
フォシーガは、成人2型糖尿病患者さんの血糖コントロールの改善を適応として、経口1日1回投与で単剤療法及び併用療法の一環として使われる、ナトリウム・グルコース共輸送体2に作用するファーストインクラスの選択的阻害剤(SGLT2阻害剤)です。心血管イベント、死亡もしくは心不全の抑制に対する適応はありません。
フォシーガの強固な臨床プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されています。フォシーガは、現在までに180万患者年以上、30万件以上に処方されました。
DapaCare臨床プログラムについて
アストラゼネカは、循環器、代謝および腎疾患の有病率、死亡率およびこれら疾患からの臓器保護を明らかにし、患者さん中心の包括的なアプローチによる疾患管理を目指しています。これらの疾患は相互に関連していることを受け、アストラゼネカでは、DapaCare臨床プログラムという、ダパグリフロジンの心血管および腎に対する薬効プロファイルを、患者さんの2型糖尿病の有無に関係なく検証するプログラムを開始しました。本プログラムには、約3万人近い患者さんが無作為化臨床試験に登録され、複数国で実施したリアルワールドエビデンス試験によって裏付けられています。DapaCare臨床プログラムは、2型糖尿病合併の有無にかかわらず、心血管疾患の既往がある患者さん、心血管リスク因子を有する患者さん、さまざまなステージの腎疾患を有する患者さんなど幅広い患者データを構築し、患者アウトカムの改善に必要なエビデンスを医療関係者に提供します。心血管、代謝および腎疾患に伴う複数のリスク因子に対応する包括的な患者さんへのアプローチを実現するDapaCare臨床プログラムは、サイエンスの限界に挑むという当社のコミットメントを象徴するプログラムです。
アストラゼネカの循環器・腎・代謝領域(CVRM)について
循環器・腎・代謝疾患はアストラゼネカの主要治療領域のひとつであり、今後の成長基盤です。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、CVRM疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器及びその機能の再生の実現を目指しています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
フォシーガと心不全に関連してよくある質問にお答えしていきます。
慢性心不全では昨年以降、新規の作用機序を持つ薬剤が相次いで登場しています。
Scott Solomonは、次のように述べました。「心不全による入院の約半数は、HFpEFによるものです。人口高齢化に伴い有病率は増加していますが、現在エビデンスに基づいて確立された治療法はありません。DELIVER試験では、大きなアンメットニーズが存在するこの患者集団の有病率および死亡率に対するダパグリフロジンのイベント抑制効果を検証します。」
DELIVER試験は、DAPA-HF試験の相補的試験として実施されます。DAPA-HF(DapagliflozinAndPrevention ofAdverse-outcomes inHeartFailure)試験は、心筋が効果的に収縮せず酸素を豊富に含む血液が体内に十分に送り出すことができない、左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)の患者さんを対象に、心血管死または心不全の悪化に対するダパグリフロジンの効果を評価する二重盲検、無作為化、プラセボ対照国際第III試験です。DAPA-HF試験は、2型糖尿病合併および非合併の両患者さんにおけるSGLT2阻害剤の心血管ベネフィットを評価する最初の試験であり、患者登録は終了し2019年の試験完了に向けて順調に進行しています。
DAPA-HF試験の運営委員会委員長およびDELIVER試験の運営委員会委員である、グラスゴー大学医学部循環器学教授のDr.
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)の適応としては、以下が認められています。
ARNIのイヌ慢性心不全への効果検討とその適応性
◯土井 公明1)4)、樋渡 敬介2)4)、水野 理介3)4)
1) どいペットクリニック(藤枝市)、2)御殿場インター動物病院(御殿場市)、3)岡山理科大学
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)エンレスト®︎は国内において「慢性心不全」 を効能及び効果として2020 年6月に承認された。
ネプリライシン(NEP)とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)を同時に阻害する新規作用機序を有する。エンレスト®は経口吸収されるとサクビトリルとバルサルタンにモル比1対1に分解される。サクビトリルはネプリライシン(NEP)を阻害することで生理活性を有するナトリウム利尿ペプチド(NP)の作用を増大させ、血管拡張、利尿、尿中ナトリウム排泄、交感神経系抑制、心肥大抑制および線維化抑制等の多様な作用を示す。バルサルタンは、RAASを阻害することにより、アンジオテンシンII によって惹起される血管収縮、体液貯留、交感神経活性を抑制し降圧効果を示す。NEPとRAASの同時阻害では、NEP阻害に伴うRAAS活性化がもう一方のRAAS阻害作用により抑制されるため、NEP阻害による利点を最大限引き出すことができると期待されている。今回我々は、既存薬で症状の維持が困難になった慢性心疾患のイヌにARNIを使用し、その効果を検討したので報告する。
イヌ 犬 アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬 ARNI エンレスト サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物 dog canine angiotensin receptor neprilysin inhibitor ARNI Entresto Sacubitril Valsartan Sodium Hydrate
「フォシーガ錠」が新たに取得した効能・効果と用法・用量
【効能・効果】慢性心不全(慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る) 【用法・用量】10mgを1日1回経口投与
○慢性心不全ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。 ○慢性腎臓病ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。
昨年11月には、小野薬品工業のHCNチャネル遮断薬「コララン」(一般名・イバブラジン塩酸塩)が、今年8月にはノバルティスファーマのアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬「エンレスト」(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)が発売。11月には、アストラゼネカのSGLT2阻害薬「フォシーガ」(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)も適応拡大の承認を取得しました。
慢性心不全の半数以上を占めるとされるHFrEFの治療では、▽アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)▽アンジオテンシン2受容体拮抗薬(ARB)▽ベータ遮断薬▽ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)▽利尿薬――などを必要に応じて組み合わせて使うのが標準的。一方、HFpEFでは、死亡やイベントの発生を抑制する効果を明確に示した薬剤はなく、利尿薬によるうっ血の改善や原疾患に対する治療が中心となります。
SGLT2阻害薬フォシーガ、日本で慢性心不全の承認取得/AZ・小野
SGLT2阻害剤のイヌ肥満症への効果検討とその適応性
◯樋渡 敬介1)4)、土井 公明2)4)、水野 理介3)4)
1) 御殿場インター動物病院(御殿場市)、2) どいペットクリニック(藤枝市)、3)岡山理科大学、4)Japan Veterinary Microcirculation Research Center (JVMRC)
ナトリウム/グルコース共輸送体2(Sodium/Glucose Cotransporter2: SGLT2)阻害剤は、近位尿細管特異的にグルコースの再吸収を阻害して尿糖排泄量を増加させ、インスリン非依存性に血糖値を低下させる。日本では2014年より使用可能となった新規作用機序の経口糖尿病治療薬である。ヒトの2型糖尿病で使用され始めたSGLT2阻害剤は、経口薬であるメリットに加え、単剤使用で低血糖リスクが少ないことから近年急激に普及している。さらに、糖利尿・ナトリウム利尿から派生した効果により、体重減少や血圧低下作用、心血管腎保護の有効性も明らかになってきた。故に、今後ヒト医療においてSGLT2阻害剤は糖尿病性疾患のみならず、循環器系や肝疾患などの一般内科疾患でも幅広く使用されていくことが確実と考えられる。イヌやネコの糖尿病に対してSGLT2阻害剤の使用を目的とした場合、血糖値モニターが煩雑であることや、その薬用量が未だ明確でないことなどの課題が上げられる。今回の症例報告では、小動物医療で頻繁に遭遇し治療管理困難である、イヌの肥満症に対してSGLT2阻害剤を使用した症例について報告し、小動物医療におけるSGLT2阻害薬の肥満症への適応性を考察する。
イヌ 犬 肥満 糖尿病 心不全 腎不全 高血圧 ナトリウム/グルコース共輸送体2阻害薬 SGLT2阻害剤 フォシーガ ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物 dog canine obesity Diabetes heart failure kidney failure Hypertension Sodium/Glucose Cotransporter2: SGLT2 FORXIGA Dapagliflozin Propylene Glycolate Hydrate
現在、心不全の治療薬として承認されているSGLT2阻害薬はエンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス®)とダパグリフロジン(商品名:フォシーガ®)の2種類です。当院でも心不全に対し、SGLT2阻害薬を投与している患者様が増えています。
心不全患者において SGLT2 阻害薬を使用する場合、各薬剤の添付文書および本
フォシーガは左室駆出率が低下した心不全の治療薬として米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)などで既に承認。さらなる適応拡大に向け国際共同試験(DAPA-CKD試験)で慢性腎臓病に対する治療も検討されている。
国内では昨年11月、アストラゼネカの「フォシーガ」が慢性心不全の ..
ループ利尿薬との併用で使用されることが多いのですが、ループ利尿薬の量を減らして、その代わりにSGLT2阻害薬を投与されているケースが増えています。例えば、私の担当していた患者様で87歳男性、心不全の胸水貯留にてアゾセミド60mgにて治療中でしたが、入院中にエンパグリフロジン10mgを追加し、結果的にアゾセミド30mgへ減量することができた患者様もいらっしゃいます。
米で心不全適応が拡大 左室駆出率を問わず使用可能に | 日刊薬業
近位尿細管におけるナトリウム・グルコース共輸送体であるSGLT2を阻害することにより、尿中への糖排泄を増加させ、血糖値低下が期待できます。に用いられてきましたが、蛋白尿減少・腎保護効果や心不全の予防または進行を遅らせることが示され、糖尿病合併の有無は問わず(CKD)に使用できるようになりました。ガイドライン上でも、心不全患者における標準的治療薬の一つとされ、CKDでの推奨度も高くなるなど重要視されています。
[PDF] 慢性心不全治療薬としての SGLT-2 阻害薬について
不全症では心臓弁膜が閉じることができず、血液が逆流します。これによって、心臓が余分な負荷を受けます。
SGLT-2 阻害薬のフォシーガ錠が 2020 年に慢性心不全の効能が追加承認され、翌年にジ
・脱水
フォシーガと利尿剤を併用している場合、利尿作用が増強され脱水状態になる可能性があります。
脱水予防のためには適度な水分補給が望ましいですが、
心不全や糖尿病などの治療に用いるフォシーガ錠、「左室駆出率の保たれた慢性心不全 ..
左室駆出率が保たれた慢性心不全における有効性・安全性は確立していないため、添付文書には「左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること」と記載された。
フォシーガ、標準治療を受けている慢性心不全で追加承認-AZほか
――今回の適応拡大は、左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)を対象としたP3試験の結果に基づいて承認されました。一方、左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)に対する有効性を示した薬剤はなく、より大きなアンメットニーズがあります。
処方医が、フォシーガ錠を慢性心不全の患者に使用する場合の投与量を把握してい ..
今回の追加承認は、左室駆出率が低下した心不全患者4744例を対象とした国際共同試験(DAPA-HF試験)の良好な結果に基づくもので、フォシーガは、標準治療との併用で、主要複合評価項目(入院または緊急受診と定義される心不全の悪化、あるいは心血管疾患を原因とする死亡)をプラセボと比べ26%低下させた。
昨年以降、複数の新薬が発売され、今年11月にはSGLT2阻害薬も適応拡大。専門家は「心不全 ..
矢島:慢性心不全の約半分はHFrEFで、残りのもう半分はHFpEF。残念ながら、HFpEF患者の予後を改善する薬剤は今のところ存在せず、本当に待ち望まれている薬剤です。われわれとしても、非常に大きな期待をもって臨床試験の結果を待っています。(編注:HFpEFを対象としたP3試験「DELIVER試験」は今年後半に結果が出る見込み)
慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)。 4).慢性腎臓病<末期腎不全又は透析施行中の患者を除く>。 ..
心房細動などの心拍数が早くなる不整脈が続くと、心臓がダメージを受けて心不全を発症することがあります。また房室ブロックなどの脈が遅くなる不整脈では、脈拍数が遅いため心臓から拍出される血液量が少なくなり、心不全を発症することがあります。
3) 日本循環器学会・日本心不全学会:心不全治療における SGLT2 阻害薬の適正使用に関する.
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、オンコロジー、希少疾患、および循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマにおいて、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については または、ツイッター (英語のみ)をフォローしてご覧ください。
フォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序【糖尿病/心不全/CKD】
参考)
HFrEF(heart failure with reduced ejection fraction):収縮機能が低下した心不全
HFpEF(heart failure with preserved ejection fraction):収縮機能が保たれた心不全
[PDF] 心不全患者における SGLT2 阻害薬の安全性に関する調査 研究
慢性心不全は、主に「左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)」と「左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)」に分類されます。HErEFは左室筋が十分に収縮できないことによって起こる心不全で、HFpEFは心筋の収縮は正常ながら心室が十分に拡張しないことが原因で起こる心不全です。
年 11 月より、慢性心不全に対しても一部の SGLT2 阻害薬の適応が拡大したことで臨床での使用頻度も
※1インスリン治療との併用 ※2ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る ※3ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く
心不全への適応を取得するに至っている。 さらに最近,HFpEF 患者と HFmrEF 患者を
〇慢性心不全、CKDでは効果を実感しにくいため、服薬の必要性を理解してもらいましょう。