機序・危険因子:マグネシウムと難溶性のキレートを形成し、薬剤の吸収が阻害される。


例えば、多剤耐性結核や非結核性抗酸菌症の患者様に対しては、他剤と併用しながら使用されるなど、特殊な感染症にも対応し、治療の選択肢を広げます。


キレートが作られると、薬の吸収が低下し、効果が弱まります。 せっかく指示 ..

胃酸は胃のプロトポンプから分泌されています。プロトポンプにはアセチルコリン、ガストリン、ヒスタミン、の3種類の受容体があります。それぞれの受容体にアセチルコリンなどが結合することによってプロトポンプが作動するわけです。一番確かなのは大元のポンプを阻害してしまうのが効果的です。プロトポンプ阻害剤(=PPI)は下記のようなものがあります。これは市販されていません。市販されよく使われているのはH2ブロッカー(ヒスタミン阻害剤=H2受容体拮抗剤)です。胃腸障害には神経性のものなどいろいろあるのですが、いずれも胃酸の分泌を少なくすればなおってしまいますので、H2ブロッカーが市販されたのは画期的なことだと思っています。医者にゆくことを面倒くさがるかたでも初期の段階で軽快します。夜間はヒスタミン受容体のみが作動しますので夜間の分泌抑制には非常に効果的です。日中はアセチルコリン、ガストロン受容体も働いていますので効きが弱くなります。元から断つにはPPIになってしまうのですが、まずはH2ブロッカーからというところです。H2ブロッカーは市販のものでいろいろあります。

一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。

キレート形成が確認された。 Ca2+は 0.25mmol/L ではキレートを形成せず、0.75 ..

③ニューキノロン系抗菌剤は金属イオンとキレートを形成して、吸収が阻害されます。胃腸薬は以下のものを使用したら良いでしょう。

このことから、適切な使用方法と注意点を遵守することで、患者のQOL向上に大きく寄与できることが示唆されています。

・この相互作用の原因は、生体内における鉄剤と甲状腺ホルモン製剤との吸着あるいはキレート複合体形成による吸収低下であると考えられる。 ..

また、同じフルオロキノロン系抗菌薬でも、GNRに対する感受性率や効果の差があるため(シプロフロキサシン≧レボフロキサシン>モキシフロキサシン)、GNRを対象としている状況 では、原則として最も効果が期待できる シプロフロキサシン を選択します[14,15]。特に緑膿菌への効果は、シプロフロキサシンが最も優れていると考えられています。一方、モキシフロキサシンは効果が期待できないため、緑膿菌を考慮する状況で使用してはいけません[14,16-19]。

医療安全に資するうえで、薬物の相互作用チェックは薬局における重要な役割です。本セミナーの内容は知識として押さえておくべき重要な内容でした。薬剤に関する情報も日々変化しており、薬剤師のスキル向上と情報収集は安全安心な薬物療法を行うためにも非常に重要です。

亜鉛キレート作用(亜鉛の吸収を抑制する作用)のある薬や唾液分泌を ..

④ワーファリンはVitaminKの吸収阻害によって血液の凝固を阻害しますが、抗菌剤はVitaminKを産生する腸内細菌を殺してしまうので、すべての抗菌剤は併用注意になっています。血漿蛋白との結合のしかたで比較的処方しやすい抗菌剤とそうでないものとにわかれますが、クラビットは良くわかりません。

最後に山口氏は、薬物相互作用のメカニズムが解明され、相互作用が生じる生体分子(受容体、酵素、トランスポータなど)が明確になっていくとして、相互作用のメカニズムを学ぶことは有害事象の回避や生じた相互作用に対処するためには必須であると考えを述べた。そして薬剤師が薬物相互作用に関する情報を、患者、医師、他職種スタッフに提供することは、薬を効果的かつ安全に使用する医薬品適正使用につながると述べ、セミナーを締め括った。


キレート形成 Fe2+, Zn2+, Al3+) → 投与時はこれらの薬剤と投与時間を2 ..

排泄過程には、腎排泄による尿細管分泌阻害、尿細管再吸収阻害の相互作用がある。

[PDF] 【金属含有薬剤と相互作用を起こすおそれのある薬剤】

酸化マグネシウム+レボドパ製剤
マドパー配合錠やメネシット配合錠(レボドパ製剤)などは、アルカリ性下において酸化分解するため、酸化マグネシウムと懸濁すると、メラニンを生じ黒色となり、レボドパ製剤の効果が低下することがあります。また、同様にクラリスロマイシンDSやアジスロマイシンDS、リーマス錠も溶液をアルカリ化させるため注意が必要で…

DIクイズ1:(A)クラリスによる発疹の既往のある患者への代替薬

クラリスは、併用注意薬(一緒に内服する場合は注意しなければならない薬)や、併用禁忌薬(一緒に内服してはいけない薬)が非常に多いです。ここには書ききれないほど多くの種類がありますので、常用薬がある方は医療機関を受診する際に必ず申し出るようにしてください。

抗菌薬と他剤との配合変化&相互作用 ~オウンゴールを避けるために

・急性下痢症の9割は感染性、残りは非感染性(薬剤性、中毒性、虚血性など)である。大部分はウイルス性で、ノロウイルス、ロタウイルスなどが代表的。感染性急性下痢症の症状は、嘔気、嘔吐、腹痛、発熱、血便、テネスムスなどである。2011年からロタウイルスワクチンの任意接種が始まり、ロタウイルスによる下痢症は減少傾向である。
細菌としてはサルモネラ、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌、ビブリオなど。海外渡航者の下痢は腸管毒素原性大腸菌、カンピロバクター、稀に赤痢やコレラがある。最近の抗菌薬投与歴がある場合には、クロストリジウム・ディフィシル腸炎を考慮する必要がある。
感染性胃腸炎は毒素性のものと細菌増殖による非毒素性がある。毒素性のものは一般的に潜伏期間は短く、黄色ブドウ球菌(調理者の手の傷)、セレウス菌などがある。急性胃腸炎の場合は摂食したものをよく聞き取ることが重要である。ノロウイルスは二枚貝、ウェルシュ菌はカレーやシチュー、サルモネラは生卵、腸管出血性大腸炎は生や加熱不十分の牛肉、カンピロバクターは鶏肉(生や生焼け)、などが頻度が多い。
・急性下痢症の治療は、成人ではウイルス性、細菌性にかかわらず自然軽快することが多く、基本的に対症療法のみを行うことを推奨。脱水の補正など。海外渡航者は毒素原性大腸菌、コレラ、赤痢、重症例や菌血症では抗菌薬投与を考慮するが、専門医療機関に紹介するのが妥当である。抗菌薬を使用するとしたら サルモネラやカンピロバクターである。腸管出血性大腸菌の推奨治療はまだ統一見解はない。

一部の経口抗菌薬は金属イオン(マグネシウムや鉄など)とキレート ..

・急性気道感染症は感冒、急性鼻副鼻腔炎、急性咽頭炎、急性気管支炎が含まれ、一般的に風邪として受診される病態である。原因微生物の約9割がウイルス(ライノウイルス、コロナウイルスなど)であるが、ウイルス以外ではA群β溶連菌(GAS)による急性咽頭炎、マイコプラズマによる急性気管支炎が挙げられる。
・感冒の経過はまず微熱、倦怠感、咽頭痛、続いて鼻汁や鼻閉、その後に咳や痰であるが、症状のピークは3日前後であり10日以内に軽快する。ガイドラインでは、「抗菌薬を使用しない」ことを推奨している。その根拠として上気道炎後の肺炎、咽頭炎後の咽後膿瘍などに対する抗菌薬投与による発症予防効果はNNT4000(4000人に一人だけ予防できる)程度しかないことによる(BMJ)。ただし、進行性に悪化する場合や、症状の再増悪時には細菌の二次感染を疑う。
・急性ウイルス性上気道感染症のついて、急性細菌性副鼻腔炎を合併する頻度は2%未満である。鼻汁の色だけではウイルス感染症と細菌感染症の区別はできない。症状が2峰性に悪化する場合は細菌感染症を疑う。一般的に肺炎球菌が多い。軽症では抗菌薬を使用しないことを推奨している。39度以上の発熱、膿性鼻汁や顔面痛が3日以上続く、一度軽快して再度悪化した場合などにアモキシシリン(AMPC)内服5-7日間の投与を考慮する。耐性菌の可能性や一次治療不応例ではクラブラン酸・アモキシシリン(CVA/AMPC)を選択する。 βラクタム系にアレルギーがある場合には、フルオロキノロン系を推奨する。テトラサイクリン系もガイドラインでは推奨されているが、日本では主要な原因菌の肺炎球菌に対して耐性率が高く問題である。
・急性咽頭炎は大部分はウイルス性だが、20-50歳に限ると約30%がGAS陽性である。38度以上の発熱、咳がない、圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹、白苔を伴う扁桃腺炎、最近の曝露歴があればGASを疑うが、GAS迅速抗原検査や培養検査が望ましい。治療はGASが検出されていなければ、抗菌薬投与を行わないことを推奨。GAS陽性ならアモキシシリン10日間。ペニシリンアレルギーがある場合には、セファレキシン(CEX)やクリンダマイシンを推奨。ただし、βラクタムに共通にアレルギーの場合はセフェム系でもアレルギーが生じる可能性があるので、診療所レベルではニューキノロンを使用することもやむを得ないであろう。
鑑別として伝染性単核球症が挙がるが、性的にナイーブな若年者、肝・脾腫大、前頸部+後頸部リンパ節腫大、などが鑑別点となりうる。
・急性気管支炎は咳が平均17.8日間つづく。ウイルスが90%、5-10%が百日咳、マイコプラズマ、クラミドフィラである。喀痰の色の変化では細菌性と判断できない。基礎疾患のない70歳未満の成人では、バイタルサインの異常や胸部聴診に異常なければ胸部レントゲンは不要とされる。百日咳は、咳後の嘔吐、吸気時の笛声、流行期、患者への接触歴がある場合に疑うが、LAMP法が迅速性、特異度に優れている。
急性気管支炎の治療であるが、手引きでは基礎疾患や合併症がない場合、抗菌薬投与を行わないことを推奨。ただし百日咳ならば治療を行う。成人のマイコプラズマ感染では、肺炎の合併がなければ抗菌薬治療の必要性を支持する根拠に乏しいとされている。しかしマイコプラズマは聴診所見に乏しいことも多く、症状のつよい場合は抗菌剤投与もやむを得ないかもしれない。慢性呼吸器感染症や基礎疾患のある成人で発熱・膿性痰を認める場合は、喀痰グラム染色を実施し、細菌感染が疑われる場合には抗菌薬の投与が望ましい。咳が2週間以上続く場合は結核の除外が必要である。
百日咳にはマクロライドが第1選択である。ただし成人に適応があるのはエリスロマイシンで、アジスロマイシンは保険適応外である。小児はクラリスロマイシンに適応がある。慢性呼吸器疾患の気道感染症に対してはフルオロキノロンが第1選択、CVA/AMPCなどが第2選択である。 誤嚥など嫌気性菌の関与が疑われる場合にはCVA/AMPCなどを投与する。マクロライド少量長期療法を行っている患者が急性増悪を起こした場合でも基本原則は同じである。慢性下気道持続気道感染を認めるの急性増悪、例えばDPBなどでは緑膿菌が持続感染しているが必ずしも急性増悪の起炎菌とはいえないので、これらをカバーする抗菌薬を選択することになる。

頻用されるマクロライド系抗菌薬としてアジスロマイシン、クラリスロマイシンなどがあげられます。

シプロフロキサシンは、尿路感染症においてevidenceが豊富な薬剤ですが[32-34]、大腸菌の耐性率が高いため、実臨床における有用性は限定的であり、経験的治療に積極的に選択することあまりないと思います。また、副作用の観点から、単純性尿路感染症の場合、代替薬が存在するのであれば、その代替薬を使用することが推奨されています[35]。腸内細菌科細菌が原因の場合、代替薬としてはST合剤、あるいは1日1回投与が可能な静注抗菌薬であるセフトリアキソンまたはアミノグリコシド系抗菌薬があり、院内アンチバイオグラムを参考に、感受性の良い薬剤を選択します。状態が改善傾向かつ安定していることが前提ですが、感受性があれば経口βラクタム系抗菌薬(アモキシシリン、アモキシシリン/クラブラン酸、セファレキシン)も使用可能です[34]。緑膿菌による尿路感染症を外来で治療するケースはあまりないと思いますが、その場合はフルオロキノロン系抗菌薬しか選択肢がありません。その際は、最も効果が期待できるシプロフロキサシンを選択します。

薬剤が亜鉛(Zn) とキレート結合し,尿中への亜鉛排泄を促進する ..

この複雑な構造がレボフロキサシン水和物の抗菌作用において中心的な役割を果たし、その効果を最大限に発揮することを助けています。

DIクイズ1:(Q)クラリスによる発疹の既往のある患者への代替薬

抗菌薬の種類、作用機序、臓器移行性、各種抗菌薬の特徴と副作用などについて説明されました。
ペニシリン系はGPC用をGNRへスペクトラム拡大したがMRSAと非定型細菌はカバーできない。βラクタマーゼ阻害薬配合でMSSA・嫌気性菌をカバーする。アンピシリンをアロプリノールと併用したり、EBウイルス感染症(伝染性単核球症)に投与すると高率に薬疹が発生するので注意が必要である。
セフェム系は腸球菌、嫌気性菌に基本的に無効(ただしセフメタゾンは有効で腹部領域で使用される。)第3世代経口薬は腸管吸収率が低く、長期間使用されると偽膜性腸炎に注意すべきである。特に乳児ではピボキシル基が関与した第3世代経口薬では低カルニチン血症の発症(低血糖、けいれん)に留意する。
キノロン系は嫌気性菌に基本的に無効。したがって誤嚥などではキノロン系単剤投与は推奨しない。使用する際に結核がないかどうか留意すること。中枢神経系副作用(頭痛、めまい、NSAIDsとの併用でけいれん)がある。
静注薬との効果の差が少ない、すなわち消化管からの吸収が非常によい経口抗菌薬として、AMPC、第1世代セフェム(CEX)、CPFX,LVFX,MFLX、ミノサイクリン、クリンダマイシン、ST合剤、リネゾリドなどがある。キノロン系薬は制酸剤(Mg,Ca,Al)や鉄剤を同時服用するとキレートを作って著明に吸収が低下するので、 やむを得ず併用する場合には服薬のタイミングを分ける。
とにかく第3世代セフェムは腸管吸収率が低い。

また、薬歴によると、クラリス(クラリスロマイシン)による発疹の既往がある。 ..

レボフロキサシン水和物(クラビット)は、ニューキノロン系抗菌薬に分類される合成抗菌薬であり、その化学構造は複雑な分子式を持ちます。

【ミニレビュー】フルオロキノロン系抗菌薬 KANSEN JOURNAL

軽症の憩室炎や虫垂炎は外来治療可能です。また、肝膿瘍の治療を経口抗菌薬にスイッチした場合も外来治療に移行できます。このような状況では、腸内細菌科細菌のほかにBacteroides spp.などの嫌気性菌もカバーする必要があるため、シプロフロキサシンとメトロニダゾールを併用することが一般的です。代替薬としては、アモキシシリン/クラブラン酸、ST合剤とメトロニダゾールの併用が挙げられます。また、モキシフロキサシンは、嫌気性菌に対してある程度の効果が期待できるので、内服する錠剤の数を減らしたい場合に検討します。ただし、腸内細菌科細菌に対する効果がシプロフロキサシンより劣る可能性があること、Bacteroides属の耐性率の上昇や一部の腸管内に存在する嫌気性菌について感受性率が悪いことから、積極的には選択しません。