オレキシン受容体拮抗薬 | 脳疾患を知る | 桑名眼科脳神経クリニック


1960年代にベンゾジアゼピン系の睡眠薬が登場しました。バルビツール酸系と同様にGABA受容体に作用し催眠作用がありますが、バルビツール酸系と比較すると耐性、依存性を形成しにくく血中濃度の安全性が広いことから、睡眠薬はバルビツール酸系からベンゾジアゼピン系に急速に置き換わっていきました。


不眠症治療薬と QOL: MT1/MT2 受容体作動薬 ラメルテオンの研究開発

ロゼレムと同じくメラトニン受容体作動薬のメラトベルは、神経発達症の6-15歳小児にのおみ適応が認められたお薬になります。一般の睡眠障害には効果があまり認められていないようです。そのため一般の睡眠薬としては処方することができません。いわゆる発達障害や精神遅滞といわれていたようなお子さんの自然な眠気を強くする効果や入眠障害を改善する効果、昼夜逆転を改善する効果があります。またロゼレム同様に睡眠リズムを整える効果が期待でき、依存性が極めて少ないお薬です。副作用は眠気の残存や頭痛があります。

作用時間としては、ベンゾジアゼピン系の超短時間型に近いと言えるでしょう。
GABA受容体の中の、鎮静や催眠の作用を担う受容体に作用します。ベンゾジアゼピン系よりは副作用は少ないとされているものの、ふらつきや依存性などには注意が必要です。

メラトニン受容体は睡眠障害に対する治療標的として注目され、2010 年に

メリットは、自然に眠りを促す、即効性も期待できる、GABA受容体作動薬よりも依存性と耐性が少ない。
デメリットは、受容体を阻害することでレム睡眠が増えます。夢を見る時間が長くなったり、悪夢を見ることもあります。頭痛や眠気が残ったりする可能性があります。

わが国で承認されている主な睡眠薬はバルビツール酸系睡眠薬、ベンゾジアゼピン受容体作用薬(BZ系薬)、メラトニン受容体作用薬、オレキシン受容体拮抗薬の4種類がありますが、バルビツール酸系睡眠薬は耐性や依存などの問題から現在はほとんど使用されておらず、BZ系薬が処方の主流となっています。

睡眠薬は作用する受容体により,GABA受容体作動薬,メラトニン受容

また、睡眠導入剤や睡眠薬などという言葉は、半減期の短いものを睡眠導入剤と呼んでいるだけで、薬理作用に変わりはありません。どれも、同じベンゾジアゼピン受容体作動薬です。

これは、体内のホルモンに作用し自然な眠気を強める種類の睡眠薬です。大きく分けて、オレキシン受容体拮抗薬メラトニン受容体作動薬があります。

不眠症の治療と流れ · オレキシン受容体拮抗薬 · メラトニン受容体作動薬 · GABA受容体作動薬.

を持っています。そのため、睡眠障害に対して即効性は高いものの、服用には注意が必要な薬です。具体的には、ふらつき等が起きる可能性があるため、体を動かす仕事をしている人や車の運転等が必要な人は適切に医師に相談をする必要があります。また、依存性はやや高いと言われています。具体的な薬の例としては、ハルシオン、サイレース、リスミー、デパス、レンドルミンなどが挙げられます。

多くの患者さんは、「いや、昼間ははっきりしているよ。」とおっしゃいます。しかし、ベンゾジアゼピン受容体作動薬と呼ばれている上記の薬は、脳の働きを低下させることにより眠気を起こさせます。日中は、前の日によく眠れたため、と、体内時計の影響で活動しやすい体の状態が作られているので、眠気はさほど感じないかもしれません。しかし、脳が働いていないことは確かなことです。これは、[1]でも報告があります。


[PDF] ベンゾジアゼピン受容体作動薬は, 催眠・鎮静作用 ..

BZ系薬剤は、幅広い分野で長い間使い続けられてきましたが、現在ではBZ系に代わる薬が発売されており、副作用が問題となるBZ系薬剤を使わなくても治療ができる時代になっています。

現在、下記の薬剤が使用されており、以下の特徴を持ちます。

(1)メラトニン受容体アゴニスト
一般名:ラメルテオン(商品名:ロゼレム)

(2)オレキシン受容体拮抗薬
一般名:スボレキサント(商品名:ベルソムラ)
一般名:レンボレキサント(商品名:デエビゴ)

従来からある睡眠薬です。ベンゾジアゼピン受容体に働いて脳の活動(興奮)を抑えることで睡眠作用を示します。 ..


●2010年発売(武田薬品工業)
●一般名:ラメルテオン
●作用機序
脳内で分泌される体内時計を司るホルモン「メラトニン」とともに、メラトニン受容体に作用することで、自然な眠気をもたらしたり、眠りを持続させる。
体内時計や睡眠リズムを整える効果がある。
メラトニンについて
*メラトニンは、覚醒と睡眠のリズムを整える役割があり、朝、光を浴びると分泌が抑制され身体が覚醒し、夜、暗くなると分泌が促進され眠気をもたらすように働く。
*メラトニンの分泌には光が関与しており、日中、光を浴びることで、夜の分泌が促進される。このため、高齢者の日光浴は睡眠の質を高める上で大切。

●筋弛緩作用がなく、転倒や誤嚥のリスクがない。依存、せん妄、脱抑制も起こりにくいため、高齢者に使いやすい。
●副作用:眠気、頭痛、めまい、倦怠感、発疹、便秘、悪心など
●不眠症治療の初期段階で使われるが、効果を実感しにくかったり、効果発現までに時間がかかることがある(急を要する場合には不向き)
睡眠リズムを整える薬剤なので、原則「毎日服用した方が良い」印象です。
●処方日数については制限なし

に対しては,メラトニン受容体作動薬であるラメルテオン(ロゼレム )が上市されている。 ..

γアミノ酪酸()の作用を強めることで覚醒系への刺激作用を抑制し、眠りやすくするお薬です。鎮静や催眠の作用を担う受容体と、筋肉の緊張をほぐしたり不安を和らげたりする受容体の両方に作用しますので、不安や緊張が強い場合にも効果的です。
ただ、薬を飲んで眠ることに慣れてしまうとなかなか止めづらくなる、薬を飲まないと逆に眠れなくなる、内服後の記憶が飛ぶ、ふらついて転倒しやすい、などの副作用があります。使用は最低限とし、不眠が改善したら、減らし方について主治医と相談しましょう。

メラトニン受容体作動薬にはロゼレムというお薬があります。 ロゼレム


(2)オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ、デエビゴ)について

現在発売されている薬は、ベルソムラとデエビゴの2種類です。

一部の薬は口腔内に苦みを生じるものがあります。 ③メラトニン受容体作動薬

大脳辺縁系や脳幹網様体と呼ばれる脳の部分の神経活動を抑えることで、眠気を促す種類の薬です。大きく分けて、ベンゾジアゼピン系非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬があります。

① GABA受容体作動薬 · ② メラトニン受容体作動薬 · ③ オレキシン受容体拮抗薬.

これらのベンゾジアゼピン受容体作動薬と呼ばれる薬には、多かれ少なかれ依存性が有ります。これは、脳の報酬系を刺激して、気持ち良い眠りを誘発する働きがあるということです。したがって、患者さんは気持ちよく眠れたと感謝されます。しかし、一方で、気持ち良い眠りを手放したくなくなり、睡眠薬に依存するようになってきます。海外のガイドラインは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬を数週以上の長期に渡って投与するべきではないとしていますが、我が国ではこれは必ずしも徹底されていません。患者さんも、「よく眠れているのだから、処方してほしい」となることが多くあります。これは、このようなことをきちんと注意喚起してこなかった、医療行政の問題もあるかと思います。

容体に選択的に作用し、睡眠誘発作用を示す新規メラトニン受容体作動薬ラメルテオンを見出し

実は、ラメルテオンの代謝産物のM-Ⅱにもメラトニンの作用があることが分かっています。M-Ⅱの半減期は、1.94時間です。

対しては、メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬を併用するこ ..

メラトニン受容体作用薬のラメルテオンは、メラトニン受容体に作用することで体内時計を調節し、睡眠と覚醒のリズムを整えます。このような作用機序のため、ラメルテオンの効果が表れるには時間がかかります。少なくとも、2週間を目安に薬の効果を判定しなければいけません。

ベンゾジアゼピン受容体作動薬における抗不安薬の種類と分類 40

睡眠薬は、作用する仕組みごとに分類すると大きく2種類あります。

①脳の働きを抑制する薬
②自然に眠りを促進する薬

②メラトニン受容体作動薬(ロゼレム) ロゼレムは、メラトニン受容体MT1 ..

このような、精神的依存は脳の報酬系の活動が強化されるために起こります。アルコールへの依存も、麻薬覚せい剤などへの依存も同じ作用機序です。ベンゾジアゼピン受容体作動薬は、この脳の報酬系を強化させる働きがあります。そのために、快の感覚があり、気持ちよく眠れるようになり、やめられなくなるのです。

日本では現在、スボレキサント(ベルソムラ®)とレンボレキサント(デエビゴ®)の2種類のオレキシン受容体拮抗薬が販売されています。 ..

メラトニンは体内時計を調節して睡眠と覚醒のリズムを整えるホルモン。睡眠ホルモンとも呼ばれます。
メラトニン受容体作動薬(商品名:ロゼレム)は、脳内のメラトニン受容体に作用し、体内時計を睡眠の方向へ調節し睡眠と覚醒のリズムを整えます。

[PDF] メラトニン受容体のシグナル伝達複合体の構造を解明

オレキシン受容体拮抗薬のスボレキサントは、覚醒を促進するオレキシンの受容体への結合を阻害し、覚醒神経核を抑制することで睡眠を誘導する新しい作用機序のお薬です。

図2:活性化状態のメラトニン受容体 MT1 による作動薬ラメルテオンと認識機構.

私たちの体には、夜になると自然に眠たくなる体内時計のしくみが備わっています。また、脳内に眠気を誘う物質が蓄積して眠りを引き起こすことが知られており、その後の研究で最も有力な睡眠物質としてプロスタグランジンD2が発見されました。起きている時間に比例してプロスタグランジンD2は増えていきます。アフリカ睡眠病という風土病は、文字どおり眠り続けてこん睡状態になり死に至る病気です。ハエの寄生虫トリパノソーマが引き起こす感染症で、トリパノソーマが脳でプロスタグランジンD2を大量に産生させることが原因と考えられています。
それでは、私たちが眠くなったとき、脳の神経回路はどのようになっているのでしょう。プロスタグランジンD2が増えると、脳の膜上にある受容体が感知し、睡眠不足の情報はアデノシン神経系から、睡眠を引き起こす視床下部のGABA神経系に伝達されます。GABAは、さらに奥にある結節乳頭体のヒスタミン覚醒系を抑制します。その結果、眠くなります。睡眠には、筋肉を休ませるレム睡眠と脳を休ませるノンレム睡眠があります。ヒトでは一晩の睡眠の約8割をノンレム睡眠が、約2割をレム睡眠が占めます。ノンレム睡眠はまどろみ期、軽睡眠期、深睡眠期の3段階に分けられます。眠りにつくとまずまどろみ期から軽睡眠期に入り、眠りはだんだん深くなって深睡眠期に移行します。しばらくすると眠りは浅くなってレム睡眠が現れます。ノンレム睡眠とレム睡眠は90~120分程度の周期で繰り返します。
ノンレム睡眠の深い眠りの間に体内では重要な変化が起こっています。子どもの成長を促したり、体の修復に関わったりする成長ホルモンは、ノンレム睡眠中に最も活発に分泌されることがわかっています。また、細菌やウイルスなどの異物が体内に入ると免疫応答が起こって、インターロイキンがノンレム睡眠を誘発します。風邪をひいたときなどに眠くなるのは免疫関連物質が関与しているからです。
ところで、至適な睡眠時間はどれぐらいでしょうか。8時間睡眠を金科玉条のように考えている人はまだ多いようです。実は、8時間という数字に明確な根拠はなく、睡眠時間は発達・加齢とともに短くなっていきます。正味の夜間睡眠時間を年齢別にみると、10歳代前半までは8時間程度、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間です(図2)。