① メラトニンにより、卵巣癌治療薬である cis-diaminedichloroplatinum ( 以 下


米国カンザス州ウイチタ市で開催された第6回リオルダンIVC国際シンポジウムにて、フランク・シャレンバーガー医師の「抗がん補助療法としてのメラトニン大量療法」の講演に注目されました。シャレンバーガー医師はアメリカオゾン療法学会の会長でもあります。学会の出席者はビタミンC点滴療法の効果を高めるための補助療法を正に模索していたのです。そこに一筋の光明が見えたのです。


メラトニンが「がん」と結びついている証拠を示す研究結果を3つ紹介します。 1.メラトニンによるがんの抑制2.夜の明かりとがんとの関係3.

日本人の3万人以上を対象とした研究で、食事からのメラトニン摂取が肝がんリスクに与える影響が調査された。岐阜大学の和田氏らの研究によると、日常的に摂取するメラトニンの量が多い人ほど肝がんに対するリスクが低いと判明した。この研究成果は、2024年2月にCancer Science誌【1】にて発表された。

・時差ボケや昼夜交代制勤務は、体の自然な概日リズムを崩します。メラトニンは、時差ボケや視覚低下、夜勤等による概日リズムの崩壊や加齢によるメラトニン不足の方々の、良質な睡眠とバランスのよい概日リズム作りをサポートします。



メラトニンには、様々な働きが報告されています。 ・良質な睡眠・免疫の向上・がんの抑制・血圧調整・片頭痛の改善

免疫システムと抗酸化作用のサポート

メラトニンは、免疫システムを強化する作用と強い抗酸化特性を持っています。 ストレスによる免疫力の低下を抑え感染症に対する抵抗力を高める効果があります。さらにメラトニンには癌細胞を排除する免疫力を高め、抗がん剤やストレスによる免疫力低下を軽減する効果があることが数多くの研究から確認されています。 但し、自己免疫疾患(慢性関節リウマチ等)やリンパ球の腫瘍(悪性リンパ腫やリンパ性白血病等)の場合は、メラトニンの服用により症状が悪化する可能性がありますので、これらの疾患への使用は控えて下さい。 抗酸化作用においてはビタミンEの6~10倍もの効能があります。メラトニンは、
フリーラジカルダメージから保護するために、ミトコンドリアに入ることのできる数少ない抗酸化特性を持っています。特に高容量のメラトニンには、金属イオン酸化プロセス(特にフェントン反応)を抑制する能力を含む抗酸化活性作用があります。

メラトニンは、睡眠を促し、概日リズムを整える内因性ホルモン、主に脳の松果体で生成される。このホルモンは体内の様々な組織に存在し、抗酸化や抗炎症、免疫調節といった機能も果たしている。また、メラトニンは肝臓で合成・代謝され、細胞保護やがん予防の効果があることも示唆されている。

[PDF] メラトニン濃度を指標とした牛の卵巣機能解析法に関する研究

乳癌は一般的に西洋化の進んだ地域での発症率が高いため,疫学研究では食や生活習慣の西洋化に焦点が当てられ,乳癌との関連が疑われるさまざまな因子が取り上げられてきた。西洋化の一面として,夜間業務に携わる女性が増加してきたのは事実であり,女性のサーカディアンリズムの変化や夜間の電光曝露が関連性のあるリスクとして注目されてきた。
その理論的な根拠となったのは,1978年Cohenらによる松果体と乳癌との関連性についての報告,さらに1987年にStevensが報告した“melatonin hypothesis(メラトニン仮説)”である。Stevensはメラトニンと乳癌の関連性についてさまざまな実験報告をレビューし,電磁波や夜間の電光曝露によるメラトニン減少が内因性女性ホルモンの上昇や免疫系等に影響し,乳癌の発症率を増加させているのではないかと報告した。また,全盲女性における乳癌発症率の低値は,メラトニン仮説を裏付ける疫学的根拠となった。以後,この仮説を検証すべく夜間の電光曝露,あるいは夜間勤務と乳癌発症との関連性についていくつかの疫学研究が行われている。

大分と寒い季節になってきました。コンビニでの肉まんやおでんなどの温かいメニューが恋しい季節になってきています。今回はコンビニもそうですけど、他の業種でも24時間対応事業が増えているのでこれと、前立腺がんの関係についてお話ししようと思います。まずヒトには個人差はありますが、体温・心拍数・決夏に日内リズムがあり、昼間は交感神経がメインであり、夜間は副交感神経がメインであるという、まとまった概日リズムを形成して体調を保っています。このリズムが夜勤でずれることで体に負担がくることが予想されます。実際の健康障害としては胃腸障害、循環器の病気、不眠やメンタルヘルス障害、持病の悪化、がんの増加などが挙げられます。この中でがんについてです。まず女性についてです。2001年のアメリカでの大規模報告の結果です。アメリカの看護師78,562人に月3回以上の夜勤従事年数を効いたデータでは、全く夜勤のない方に比べ、夜勤従事年数1-29年で1.08倍、30年以上で1.36倍乳がんになりやすいという報告があります。(Eva S. Schernhammer, J Natl Cancer Inst. 2001 Oct 17;93(20):1563-8)実際に国際癌研究機関であるIARCより発がん性の分類で交代制勤務は『ヒトに対しておそらく発ガン性がある』というGroup2Aに分類されています。 乳がんは女性に多く前立腺がんは男性にしかないがんですが、どちらも性ホルモンの影響を強く受けるという点が共通点の一つとしてあります。実際に固定夜勤や交替勤務で前立腺癌が増えるのかという疑問が出てきます。 この疑問に対して、JACC Studyがあります。これは2006年に発表された論文で、1988年から全国15,906人の前立腺癌に罹患するかを11年間追跡調査しています。その結果、働く時間が昼夜決まっていない交替制勤務者では、仕事の時間が昼間に限られる日勤者にくらべて前立腺がんに3.0倍かかりやすいという結果でした。また仕事の時間が夜勤に固定されている人については日勤者にくらべ2.3倍のリスク上昇という結果が得られました。しかしこの結果は統計学的にリスクが上がるとしっかり言い切れるものではありませんでした。(Am J Epidemiol. 2006 Sep 15+164(6):549-55)これらの原因としてはメラトニンというホルモンと関係している可能性があると言われています。メラトニンは概日リズムに密接に関与しており、分泌量が日中に少なく、暗くなると増加を指定木、深夜にピークに達して、朝までに徐々に低下しています。このメラトニンは催眠作用と抗腫瘍作用の両方を示すことが報告されています。このため、概日リズム障害が起きるとこのホルモンが低下するのが原因の一つと言われています。 ここまで前立腺癌と夜勤、交替勤務の関係について述べてきましたが、この世の中から夜勤や交替勤務をなくすことは出来ないので、ある程度は許容をしていくしかないと思います。また、前立腺癌については採血でPSAという値をみることでスクリーニング可能ですので、不安な気持ちがある方は採血してもいいと思います。

性ホルモンの分泌を抑制すると言われています。このメラトニン分泌と関連して、性ホルモン関連がん(特に乳

メラトニンは体外から摂取することも可能で、医療用途では主に睡眠の調整に利用されているが、肝がんなど他の疾患への臨床応用まで期待されている。さらに、メラトニンは野菜や植物の種子、卵などの食品にも含まれているが、これらの含有量は医薬品やサプリメントと比較すると非常に少ない。それでも、こうした食品を摂取することで血中メラトニン濃度が上昇することが報告されている【2,3】。過去の研究では、食事からのメラトニン摂取が多いほど死亡リスクが低下することが示されているが【4】、メラトニン摂取とがんの発症に関する研究はまだ十分ではなかった。

前回のでは、よく眠って健康を手に入れましょうといったことを書きました。続く今回の主役となるのがリオルダンクリニック、(というよりもはや)アメリカで睡眠を補助するサプリメントとして国民的に広く根付いている「メラトニン」です。


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癌の発生には神経が必要」という説は、に初めて報告されました。

正常組織が再生する時には血管、リンパ管、神経、免疫系の存在が必要なのと全く同じ理由で、癌が肉眼的なサイズの「癌組織」になるには血管、リンパ管、神経、免疫系の存在が必要な訳です(免疫系が癌を促進する暗黒面を持つという話は。)



正常な神経を除去すると筋肉が萎縮します(下図)。これと同じで、神経を除去すると癌が萎縮します。

1年後には「除神経治療」という新しい試みが胃癌で報告されます()。






当初は「外科的な神経除去」が試みられましたが、「」が重要課題となりました。「アセチルコリン」がカギらしいと解ったので、まず、この阻害剤が試みられました。そのような薬剤(抗コリン薬)は既に多数あります。例えば内視鏡検査で使う「」もそうです。



そして、その後「」が調べられました。

「ストレスが癌の原因になる」ことが疫学的に証明されています(特に大腸癌・肺癌・食道癌がストレスとの関連が強いです。一方、乳癌・前立腺癌・卵巣癌などの「ホルモン関連癌」はストレスとの関係は無いようです())。

ストレス学説から、とが癌促進の重要容疑者として最も注目されました。








アドレナリン(交感神経)が癌を促進するという実験の報告は枚挙に暇が無い位に多いです。

例えば・・・・に交感神経が血管新生のスイッチを入れる、という報告がありました。我々の体内では神経系と血管系が隣接・並走していますが両者の新生はリンクしている訳です。






例えば・・・・では、以下のような「癌休眠」と絡めた研究を紹介しました。ストレスの本来の生理的目的は「闘いのために体を覚醒させる」ことですが、癌も覚醒させてしまう訳です。










現時点では「ガチンコ勝負」と呼ばれるプラセボを使った二重盲検比較試験(いわゆるくじ引き試験)は行われていません。上記の報告は全て「後ろ向き調査(コホート)」と呼ばれる物です。βブロッカーを飲まれている方は高血圧の持病がありますから、どうしても生存期間が短くなります(βブロッカーに不利な結果になり易い)。

本当に効果が有るかを知るには「くじ引き試験」が必要ですが、これは倫理的に容易には行えません。しかしTNBC(TripleNegative乳癌)、皮膚癌、肝臓癌に関してはくじ引き試験をすべき段階にきていると思われます。βブロッカーに不利な条件の「コホート研究」でも「効果あり」と出たからです。



副交感神経は交感神経に拮抗します。そのため「癌を抑制する」と期待されました。しかし動物実験の段階でアセチルコリンが癌を促進する例( )、癌を予防するという例の両方が報告され結論が出ず、人の臨床調査も行われていません。

アセチルコリンのような広範囲な神経細胞で使われている伝達物質では「単一の効果」を期待するのは難しいのかもしれません。






に注目すべき報告がありました。癌の患者さんの精神状態はPTSDと似ており、慢性的ストレスのために内因性のコルチゾルが高値になります。これが免疫抑制を起こし「治療の失敗」の原因になるという内容です。

血中のTSC22D3を測定することで、免疫不全状態が解ります。これが高値なら「ステロイド拮抗薬」を検討すべきかもしれません







ストレスが炎症性腸疾患を悪化させることは医師も患者さんも異論の無い周知の事実です。では、この機序は何でしょう?

で報告された仮説モデルでは最初の引き金は、「内因性による免疫不全」です(下図)。

言うまでも無く治療の際に炎症を抑える目的でステロイドを使いますから、ステロイドは状況により「誘発因子」にも「寛解因子」にもなる訳です。Paradoxに思えますが、本来ステロイドは人体が分泌するホルモンですから、二面性があっても不思議ではありません(血圧を維持するアドレナリンが過剰でも不足でも病気になるのと同じ話です)。



上記のモデルは「ストレス⇒免疫異常⇒腸の炎症」の構図ですがの報告は「免疫異常⇒脳⇒鬱状態」という逆方向のモデルを提案しています(下図)。

つまり腸と脳の間には「両方向性の作用」がある訳です(更に腸内細菌も加わった3者の双方向性モデルが最近の説です)



なぜ免疫細胞の疲弊が起きるのかは未解明ですが(1)ミトコンドリアの粉砕(2)プリン代謝の異常(3)持続性の免疫チェックポイント阻害でも似た現象が起こる()、ことから「無理に働き過ぎたT細胞がフリーラジカル等を蓄積して代謝不全に陥る」のでしょう。





40年前、セルシン等の睡眠薬・精神安定剤使用者は癌のリスクが低いことがベンゾジアゼピン系睡眠薬の作用は伝達物質・GABAを介します。従って、「GABAはストレスを抑え、癌も予防するのでは?」と期待されました。

しかし・・・






鬱病の治療薬は脳内のセロトニンを増加させることで効果を発揮します。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、セロトニン⇒免疫活性化という面があり、長い間「善玉」と思われてきました

しかし最近の論文はセロトニンをアドレナリン、コルチゾルと並ぶ「ストレスホルモン」として分類しています()。

更にとう報告が多く(,,,,)癌の治療では、今は完全な「悪玉」です。化学療法の吐き気止めとして使われるます。


この伝達物質は癌に関しては悪玉に間違いありません()。化学療法の吐き気止めとして使われるNK1阻害剤(アプレピタント)は、抗腫瘍効果があり癌治療薬としてのが進行中です。





適応となる癌の患者さんは少ないのですが(TRK融合遺伝子が陽性の方のみ)、TRK阻害剤の癌への有効性は高く、全身に転移したステージ4の癌が、この薬剤だけで完全に消滅したという報告も散見されます。

「癌と神経伝達物質」の研究では最も成功した例と言えます。TRK阻害剤が著効する理由は競合する相手(ATP)が「非常に弱いから」という説が有力です(下図)が、「本来、脳で発現すべき受容体が異所性に癌で発現し、これを抑えたら癌が死ぬ」という現象には「信じられない偶然」としか言えません。







脳内時計はメラトニンで調整され睡眠リズムを司ります。これとは全く別の「1個の細胞レベルの分子時計」が全身の全ての細胞内にあります(下図)。これを利用している例として、細胞はDNA損傷の起きにくい夜間(=太陽光線が少ない)に細胞分裂を行います。この性質のため癌の転移は夜間に起こるという驚くべき事実があります()。

細胞が集合した「臓器レベル」でもは時計はあり、代謝産物やホルモンを「時間通りに」、血中に放出し他の臓器と連絡をとることで全身のホメオスタシスが維持されています(。この概日リズムが最も重要なのは1日3回の食事を処理する消化器系と肝臓・膵臓です。このホメオスタシスの破綻は全身の代謝異常(糖尿病など)の原因になります()。

「精神的ストレス⇒概日リズムの乱れ⇒ホメオスタシスの乱れ⇒慢性炎症⇒癌促進」という仮説モデルが確立しています(。つまり「」訳です。特に乳癌・前立腺癌のようなホルモン依存癌が影響が大きいようです。






一方、興味深い逆方向の仮説モデルもあります

癌組織⇒肝臓のリズムの強制変更⇒ホメオスタシスの乱れ⇒全身の代謝異常、悪液質という仮説モデルがに報告されました(下図)。





「狂った時計」が癌化に必要(あるいは優位)な現象ならば、逆に「」というアイデアが出てきました。従来は無かった新しいタイプの治療です。

この新しい試みはChronotherapyと呼ばれ、一定の効果が確認されています()。



癌の転移が専ら夜に起こることから、転移を調べる検査(血中CTC検査)の時間、抗癌剤・放射線の理想的な投与時間が模索されています。

に「REV-ERBs(=体内時計を形成する分子 上図)に作用する新規薬剤が極めて癌特異的な殺細胞効果を持つ」と報告され注目されました。その後、も「追試」で効果を確認しました

一時、睡眠ホルモン「メラトニン」を癌の化学療法に併用するとが相次ぎました。しかしもあり、では「更なる検討を要す」とされています。









[PDF] メラトニン濃度を指標とした牛の卵巣機能解析法に関する 研究


睡眠のリズムの維持や質の向上に関わる物質を紹介します。
体内時計をつかさどり、目覚めと睡眠を切り替えるスイッチの役割を担うホルモンであるが脳の「」という組織から分泌されています。メラトニンの分泌が高まると、深部体温が低下し、からだが休息モードに導かれて自然な眠りがもたらされることから、メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれます。メラトニンは夜間に多く分泌され、朝、日光をあびて目の網膜から入った光の刺激が脳に伝わると、分泌が止まります。そのため、夜に強い照明にさらされているとメラトニンの分泌が抑えられ、睡眠と目覚めのリズムが乱れてしまうのです。
メラトニンとともに睡眠の質の向上を左右する物質にがあります。脳内で働く神経伝達物質で、神経の興奮を抑えて精神や感情を落ち着かせ、和らげる効果をもたらすため、「しあわせホルモン」と呼ばれることもあります。
脳や脊髄で働く神経伝達物質であるにも抗ストレス作用や神経の興奮を鎮める働きがあります。

メラトニンは脳の松果体によって生産、分泌される主成分ホルモンであり、概日 ..

・胎生期のマウス唾液腺から体内時計の調整や若返りホルモンとして注目の高いとを発見。
・メラトニンは上皮細胞の形態と接着を変化させ、臓器の大きさをコントロールしている。
・毒性・副作用の少ないメラトニンを用いた臓器の大きさの調節方法により、再生医療研究への貢献に期待。

CDDP)の作用が増強すること。 ② メラトニンにより耐性株の感受性が変

大阪大学大学院歯学研究科の阪井丘芳教授らの研究チームは、マウス胎児の唾液腺からメラトニン とメラトニン受容体 を発見しました。脳の が発現していると考えられていたメラトニンを胎児の唾液腺も発現しており、腺房上皮先端に発現するメラトニン受容体を介して、唾液腺形成の大きさを調整していることを明らかにしました (図1) 。

睡眠ホルモンが前立腺がんのリスクを75%減らす 生活習慣が影響

比較的毒性の少ないメラトニンを用いた臓器の大きさの調節方法は、再生医療の研究において大きな貢献が期待されます。