クラリスロマイシンなどのマクロライド系は耐性の可能性があります。 ..
成人の咽頭炎の多くはウイルス性であり、抗菌薬は不要である。特に咳、鼻汁、嗄声など咽頭以外の症状を伴う場合には、ウイルス性の可能性が高い。成人では細菌性咽頭炎は20%程度で、その多くがA群溶血性連鎖球菌(GAS)によるため、ペニシリンGまたはアモキシシリンで治療する。治療の目的は、症状の緩和(1-2日間罹病期間が短縮)、扁桃周囲膿瘍のような化膿性合併症の予防(NNT27)、周囲への飛沫感染予防(投与後24時間で感染性が減少)、リウマチ熱の予防(NNT3000〜4000)である1)
A群溶血性レンサ球菌は細菌性急性咽頭炎の最も一般的な原因である。成人の ..
clsaacによるModified Centor criteria2)
年齢、症状、身体所見から、検査・抗菌薬治療の必要性を判断することができる。2点以上の場合には、A群溶連菌迅速抗原検査(Strep)を行う。感度70〜90%、特異度95%。陽性の場合は抗菌薬治療を行う。陰性の場合は、小児・青年期では、さらに咽頭培養(より感度が高い)を行うことがあるが、成人では不要3)。ただし、迅速検査と咽頭培養を同時に行うと保険で切られてしまうため注意を要する。
Ulcerans 感染症を経験したので報告する。症例:57歳、女性。
主訴:咽頭痛、左鼻汁への血液混入。
既往歴:関節リウマチ(メトトレキサート、エタネルセプトにて寛解中)、アレルギー性鼻炎。
家族歴:特記すべきことなし。
生活歴:犬、猫飼育中。4カ月間野良猫が自宅にきて、餌などをやり飼育していた。この猫に、くしゃみと鼻汁などの風邪様症状を認めていた。現病歴:2009年1月31日よりくしゃみと水様性鼻漏を認め、鼻かみにて左鼻汁に血液が混入するようになった。その後、咽頭痛と嗄声が出現したため、近医耳鼻咽喉科を受診し、セフジトレンピボシキル、ロキソプロフェンナトリウムを処方された。この際に、鼻・副鼻腔単純X線を施行されたが副鼻腔炎は否定された。症状は増悪傾向を認めたため、2月4日に近医内科を受診し、クラリスロマイシン、ロキソプロフェンナトリウムを処方された。しかし、症状が軽快しないため、通院中の当院膠原病リウマチ内科からの紹介にて2月6日に当科を受診となった。全経過を通して、発熱を認めない。初診時所見:両耳鏡所見は、正常であった。左鼻腔粘膜、上咽頭、中咽頭後壁に偽膜を伴う炎症性病変を認め、吸引による偽膜の除去は困難であった()。また、両鼻腔後方には粘性分泌物が貯留していた。下咽頭、喉頭には軽度の発赤を認めたが、偽膜は認められなかった。触診上、左上内深頸リンパ節の腫脹と圧痛を認めた。血液検査所見としては、白血球数6,700、CRP 4.63であり、軽度の炎症所見を示した。経過:当科初診時以降もクラリスロマイシン、ロキソプロフェンナトリウムの内服を継続したが、2月9日に皮疹が出現し薬疹が疑われたため、2月10日以降はクラリスロマイシンの服用を中止した。2月10日には咽頭痛は改善傾向を認め、中咽頭の偽膜と頸部リンパ節腫脹は消失したが、左鼻腔から上咽頭にかけての偽膜は残存していた。このため、ジフテリアもしくは
通常、成人にはクラリスロマイシンとして1日800mg(力価)を2回に分けて経口投与する。 ..
Ulcerans 感染症を疑い、国立感染症研究所細菌第二部に細菌検査を依頼した。2月13日には咽頭痛はほぼ消失し、偽膜も上咽頭に軽度認められるのみとなった。また、血液検査上もCRPは0.49と改善傾向を示した。2月18日には咽頭痛は完全に消失したが、鼻かみ時の左鼻汁への血液の混入が残存していた。この時点での身体所見としては、上咽頭の軽度の発赤と左鼻腔前方のびらんを認めた。3月13日には左鼻汁への血液の混入が軽度認められたが、上咽頭は正常化し、左鼻腔前方に痂皮の付着を認めた。また、血液検査ではCRPは0.03以下と正常化した。4月10日には症状も消失し、左鼻腔前方にごく少量の痂皮の付着を認めるのみとなった。検査の経緯:2月12日に、患者咽頭の偽膜と血清を受領した。検査の結果、偽膜からジフテリア毒素産生性
A群β溶血性レンサ球菌 (GAS) による急性咽頭炎に対する抗菌薬治療
クラリスロマイシン喉の痛みについて | 医師に聞けるQ&Aサイト
抗菌薬治療の必要性
迅速検査や咽頭培養が陽性であれば治療する。迅速検査が陰性でもCentor criteriaで合計3点以上の場合は、偽陰性の可能性(およびC群・G群溶連菌やFusobacterium属が原因菌である可能性)を念頭に治療を検討してもよい4)。
治療4, 5)
ペニシリンG(バイシリンG®)が第一選択であったが、現在国内で流通していない。そのため、現在は、アモキシシリンを第1選択とする。ただし、EBウイルスによる伝染性単核球症(GAS咽頭炎と症状・所見が似ている)の場合、高率に皮疹を起こすので、注意して使用する。ペニシリンアレルギーがある場合にはクリンダマイシンを使用するが、即時型反応でなければセファレキシンを検討してもよい。日本ではマクロライド耐性溶連菌が増加しているのでクラリスロマイシンやアジスロマイシンは使わない。咽頭炎にレボフロキサシンや広域セファロスポリンを用いる意義はない。難治性、再発性の場合、扁桃周囲膿瘍などの重症例を疑う場合は、感染症コンサルトを考慮する。
副鼻腔炎の場合には鼻水が前に出るだけではなく、のどの方に流れて咽頭炎や気管支炎の原因になることもあります。
Ulcerans が分離され、血中ジフテリア抗毒素価は、培養細胞法で検出レベル(0.0037IU/ml)以下であった。また、患者の環境調査の結果、自宅で餌を与えていた野良猫および子猫(いずれも風邪様症状を観察)からも同菌を分離した。パルスフィールド・ゲル電気泳動解析の結果では、患者由来株は野良猫由来株および子猫由来株と同じ遺伝子タイプであった。患者が発症する以前より野良猫がくしゃみ等の風邪様症状を呈し、その数日後に患者が咽頭炎等を発症した経緯であり、猫からの感染の可能性が高いとみられた。考察:通常、
Ulcerans は正常細菌叢の一部として存在するが、ジフテリア毒素遺伝子を保有するバクテリオファージが菌に溶原化することでジフテリア毒素を産生し、ジフテリア類似の臨床像を呈する可能性があると考えられている。感染経路としては、ウシ、ヒツジ等の畜産動物との接触や生の乳製品の摂取などの報告もあるが、国内では本症例と同様に犬や猫が感染源と考えられる症例が多い。一方、本症例や過去の国内例でも認められたように、鼻腔、上咽頭から咽頭にかけての偽膜形成は本感染症に特徴的な所見である。現在ではワクチン接種等によりジフテリア感染症は稀と考えられるが、
【急なのど風邪?】急性咽頭炎の症状や治療方法・原因について解説!
などがあります。この病気の本質はまだまだ未解明の部分が多く、したがって根本的な治療法も確立されていませんが、感染による好中球炎症を主体とした副鼻腔炎と異なり、マクロライド系の抗生物質はあまり効かないため薬物療法に多くは期待できません。喘息や嗅覚障害を合併した重症例も多いために現時点では内視鏡下手術を施行し、術後ステロイドの内服や局所投与、局所の洗浄を行いながら、ポリープが再発したときにはあまり大きくならないうちにもう一度摘出するといったところが一般的です。再発率が高いといっても鼻閉や後鼻漏が少なくなり、喘息症状が著明に改善する場合も少なくありません。むしろマクロライド療法に多くを期待できない分、手術療法が果たす役割は大きいと考えています。
抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック
また、好酸球性副鼻腔炎は再発傾向が強く、長期の治療が必要なことが多いことより、平成27年7月1日から厚労省により難病指定され、難病医療費助成制度の対象疾患となりました。難病指定医(当院は難病指定医となっています)による診断が必要であり、診断書、申請書、被保険者証のコピー、市町村民税課税状況の確認書類、世帯全員の住人表の写しを都道府県の窓口に提出、審査を経て認可が決定されます。
現状:姫路市休⽇・夜間急病センターでは、⼩児の受診者のうち54%が急性気道感染症(感冒,
※海外のガイドラインではGAS急性咽頭炎に対して1回500mgを1日2回または1回1000mgを1日1回の投与法が記載されています。いずれも投与期間は10日間です。
[PDF] 亀田感染症ガイドライン 咽頭炎(version 2)
急性咽頭炎の症状が強い場合は、対症療法を要することがあります。発熱や咽頭痛に対してはアセトアミノフェン (カロナール他)、イブプロフェン (ブルフェン他)や漢方薬 (桔梗湯、小柴胡湯加桔梗石膏など) を用います。一般的には、最初の2~3日が症状のピークで、あとは1週間から10日かけて徐々に良くなってきます。3日ほど様子をみて良くならないようなら再診してください。万が一、のどの痛みが強くなって水も飲めないような状態になったら、すぐに受診してください。
日本ではマクロライド耐性溶連菌が増加しているのでクラリスロマイシンやアジ
抗生剤が必要な風邪は、急性扁桃腺炎と急性副鼻腔炎です。
溶連菌感染症では主にのどに感染し、咽頭炎や扁桃炎(へんとうえん ..
病原体は肺炎マイコプラズマ( )であるが、これは自己増殖可能な最小の微生物で、生物学的には細菌に分類される。他の細菌と異なり細胞壁を持たないので、多形態性を示し、ペニシリン、セフェムなどの細胞壁合成阻害の抗菌薬には感受性がない。専用のマイコプラズマ培地上にて増殖可能であるが、日数がかかり(2~4 週間)、操作もやや煩雑で、雑菌増殖による検査不能例も発生する。肺炎マイコプラズマは熱に弱く、界面活性剤によっても失活する。
感染様式は感染患者からの飛沫感染と接触感染によるが、濃厚接触が必要と考えられており、地域での感染拡大の速度は遅い。感染の拡大は通常閉鎖集団などではみられるが、学校などでの短時間での暴露による感染拡大の可能性は高くなく、友人間での濃厚接触によるものが重要とされている。病原体は侵入後、粘膜表面の細胞外で増殖を開始し、上気道、あるいは気管、気管支、細気管支、肺胞などの下気道の粘膜上皮を破壊する。特に気管支、細気管支の繊毛上皮の破壊が顕著で、粘膜の剥離、潰瘍を形成する。気道粘液への病原体の排出は初発症状発現前2~8日でみられるとされ、臨床症状発現時にピークとなり、高いレベルが約1 週間続いたあと、4~6週間以上排出が続く。
感染により特異抗体が産生されるが、生涯続くものではなく徐々に減衰していくが、その期間は様々であり、再感染もよく見られる。
マイコプラズマ肺炎 クラリスロマイシン 15mg/kg/日, 分2 (10日間).
リウマチ熱の予防目的のため、症状が改善傾向であっても GAS 急性咽頭炎に対して抗菌薬治療を行うことは妥当で、かつ10日間治療することが重要とされています。なお、GAS 感染後の急性糸球体腎炎は抗菌薬を投与しても予防できません。
・クラリス(クラリスロマイシン)、ジスロマック(アジスロマイシン)、マクロライド系抗菌薬です。 ..
慢性上咽頭炎についてです。
慢性上咽頭炎、繰り返す風邪、万年風邪みたいな感じの方っていらっしゃるんですよね。ちょっと良くなったかなと思ったらまた悪くなって、ちょっと良くなったかなと思ったらまた悪くなってというのをずっと繰り返していて、なかなか良くならないということが結構あるんですね。
ですから治療していくと風邪ひかなくなりましたという風なことをおっしゃる方が多いんです。ところが風邪というのは急性上咽頭炎なんです。上咽頭というのはこの部分なんですね。
・クラリスロマイシン:15 mg/kg/ 日(最大 400mg/ 日)
ここで(A)ウイルスなどが増殖するんですけれども、ここで急性に起こる炎症を急性上咽頭炎、いわゆる風邪なわけです。
[PDF] クラリスロマイシンの「使用上の注意」の改訂について
潜伏期は通常2~3週間で、初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛などである。咳は初発症状出現後3~5日から始まることが多く、当初は乾性の咳であるが、経過に従い咳は徐々に強くなり、解熱後も長く続く(3~4週間)。特に年長児や青年では、後期には湿性の咳となることが多い。鼻炎症状は本疾患では典型的ではないが、幼児ではより頻繁に見られる。嗄声、耳痛、咽頭痛、消化器症状、そして胸痛は約25%で見られ、また、皮疹は報告により差があるが6~17%である。喘息様気管支炎を呈することは比較的多く、急性期には40%で喘鳴が認められ、また、3年後に肺機能を評価したところ、対照に比して有意に低下していたという報告もある。昔から「異型肺炎」として、肺炎にしては元気で一般状態も悪くないことが特徴であるとされてきたが、重症肺炎となることもあり、胸水貯留は珍しいものではない。
他に合併症としては、中耳炎、無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎、膵炎、溶血性貧血、心筋炎、関節炎、ギラン・バレー症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群など多彩なものが含まれる。
理学的所見では聴診上乾性ラ音が多い。まれに、胸部レ線上異常陰影があっても聴診上異常を認めない症例があり、胸部レ線検査が欠かせない。胸部レ線所見ではびまん性のスリガラス様間質性陰影が特徴とされてきたが、実際には多いものではなく、むしろウイルス性、真菌性、クラミジア性のものに多いと報告されている。マイコプラズマ肺炎確定例では、大葉性肺炎像、肺胞性陰影、間質性陰影、これらの混在など、多様なパターンをとることが知られている。血液検査所見では白血球数は正常もしくは増加し、赤沈は亢進、CRP は中等度以上の陽性を示し、AST 、ALT の上昇を一過性にみとめることも多い。寒冷凝集反応は本疾患のほとんどで陽性に出るが、特異的なものではない。しかしながら、これが高ければマイコプラズマによる可能性が高いとされる。
クラリスロマイシンを使用します。また、セフェム系薬剤を使用することもあります ..
慢性上咽頭炎は急性上咽頭炎と違うので、ここの組織がもう変わっちゃうんです。ちょっと難しくなっちゃいますけど、急性と慢性の違い、急性というのは修復するような炎症、修復される炎症ですけれど、慢性の場合は適応型の炎症と言いまして完全に元通りになることはありません。
医療用医薬品 : サワシリン (サワシリンカプセル125 他)
確定診断には、患者の咽頭拭い液、喀痰よりマイコプラズマを分離することであるが、適切な培地と経験があれば難しいことではない。しかしながら早くても1 週間程度かかるため、通常の診断としては有用ではない。近年迅速診断としてPCR 法が開発されており、臨床的に有用性が高いが、実施可能な施設は限られている。
臨床の現場では血清診断でなされることが多い。補体結合反応(CF)、間接赤血球凝集反応(IHA)にて、ペア血清で4倍以上の上昇を確認する。単一血清で診断するには、それぞれ64倍以上、320倍以上の抗体価が必要である。近年、粒子凝集法(PA )、蛍光抗体法(IF)あるいは酵素抗体法(ELISA)によるIgM、IgG抗体の検出も可能となっている。