ライド(エリスロマイシン・クラリスロマイシン)少量を長期にわたって投与する


小児への投与では、体重に応じた適切な用量設定が効果的な治療を行う上で欠かせません。


5-7mg/kg/day (常用量の半量)投与群 28 例 ..

小児におけるマクロライドの使用は、その適応症と安全性に特別な注意が必要とされます。特に、新生児や乳幼児に対する使用は、消化器系の副作用や感受性の違いを考慮しましょう。さらに、体重に応じた正確な投与量の計算が欠かせません。また、未成熟な肝機能や腎機能を有する子供たちには、マクロライド特有の薬物代謝の影響を検討することが重要です。小児科医との連携を取りつつ、慎重に治療方針を決定していきます。

マクロライド少量長期投与を基本とする薬物療法と、内視鏡下副鼻腔手術を組み合わせて治療しますが、好酸球性副鼻腔炎は再発しやすい難治性の副鼻腔炎で、近年増加傾向にある病気です。
鼻内には鼻腔ポリープである多発性の鼻茸が生起し、副鼻腔粘膜への顕著な好酸球浸潤が特徴で、主に副鼻腔の病変は篩骨洞、嗅裂という部位に起こります。

本研究の目的は、マクロライド系抗菌薬の一つであるクラリスロマイシンを用いて、その長期投与による

マクロライド少量長期投与療法は、慢性気管支炎や慢性副鼻腔炎の症状改善に有効な治療法です。

1980年代当初,緑膿菌を主因とする難治性呼吸器疾患に対し,14員環マクロライドの長期投与が患者の病態を著しく改善させる可能性が指摘された。工藤ら1)は,びまん性汎細気管支炎を中心にエリスロマイシンの大規模臨床試験の調査を実施し,これを契機にエリスロマイシンの抗菌活性以外の新たな薬理作用の研究が始まった。現在では,14員環マクロライドであるクラリスロマイシンや15員環であるアジスロマイシンの抗菌作用以外の薬理作用について多数の成果が報告され,マクロライド少量長期療法として各種慢性気道感染症に適応が広がっている。また慢性副鼻腔炎の治療にもマクロライドの長期投与療法が行われ,優れた治療効果を発揮している。そのほか,びまん性汎細気管支炎以外の慢性気管支炎や気管支拡張症,一部の気管支喘息に対する有効性などが報告され,未熟児肺傷害,滲出性中耳炎にも効果があるとの報告が相次いだ。このようにマクロライドは,上気道,下気道を問わず気道粘膜の慢性炎症疾患に対して広く用いられるようになっている。世界有数の治療成績を誇る日本の新生児医療の進歩により,在胎週数の非常に未熟性が強い今までは助からなかった24週未満の児が救命できるようになり在宅酸素療法で退院している赤ちゃんが増えている現状がある。慢性肺疾患(CLD)の赤ちゃんに対して感染予防でのマクロライド少量長期療法を行っている施設もある。また,在宅呼吸サポート療法を必要とする気道病変を有する患者や,気管切開を施行したうえで在宅管理に移行する患者においても使用されることが多くなってきている。ここにマクロライド少量長期療法について解説する。

CAM)200mg/day の少量長期投与を開始した.20XX

禁煙や適度な運動習慣は呼吸器の残存機能を維持・向上させたり、バランスの良い食事は長期的に病原菌と闘うための体力や免疫力を高めます。

▲図1.エリスロマイシンAの構造式


14員環マクロライドとしてはエリスロマイシンのほか、クラリスロマイシンやロキシスロマイシンなどがあり、15員環マクロライドとしてはアジスロマイシン、ツラスロマイシン、ガミスロマイシンなどが、16員環としてスピラマイシン、タイロシン、チルミコシン、ミロサマイシンなどが知られています。

一般的にマクロライドは肺への移行性が良いことから主に呼吸器感染症の治療薬として使用されており、主にブドウ球菌などのグラム陽性菌やマイコプラズマ、クラミジアなどのほか、ヘモフィルスやカンピロバクターなどの一部のグラム陰性菌に対して抗菌力を示します。その機序は、細菌のリボソームの50Sサブユニットに選択的に結合し、ペプチド転移反応を阻害することにより、タンパク質合成を阻害することによります。また、リンコマイシンやクリンダマイシンなどのリンコマイシン系抗生物質は、マクロライドと化学構造はまったく異なるものの、作用部位及び作用機序はマクロライドと同様で、リボゾームの 50Sサブユニットに結合してペプチド鎖の伸長を阻害するため、マクロライドとの交差耐性や作用部位の競合が認められ、作用部位が同じストレプトグラミン系と合わせて、Macrolide-Lincosamide-Streptogramin B class(MLS)とも称されています。

一方、マクロライドは先に述べた微生物に対して抗菌力を示すほか、様々な機能を有していることが知られています²⁾。例えばエリスロマイシンは抗菌作用以外にも消化管運動機能亢進作用を示すことです (表1) ³⁾。

抗菌活性以外の機序により、経口マクロライド系抗生物質の少量長期投与がびまん性汎細気管支炎 ..

蓄膿症と称されていた以前からあるタイプの副鼻腔炎です。非好酸球性副鼻腔炎の中にもいくつかのタイプがあり、鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎、こどもの頃からの繰り返す急性副鼻腔炎、など非好酸球性副鼻腔炎の成因・病態は様々です。マクロライド少量長期療法(クラリス、ルリッド、エリスロマイシンなどのマクロライド系抗生物質を少量で長期間服用します)が基本的治療ですが、患者様の病態に合わせてアレルギー性鼻炎治療なども併用します。鼻中隔弯曲が原因による副鼻腔炎の治療には手術が必要になることが多いです。また、大きな鼻茸がある場合やマクロライド少量長期療法で改善できない場合は手術適用です。

これは消化管蠕動ホルモンであるモチリンのアゴニストとして作用することによります。このことからエリスロマイシンとその誘導体をモチリン受容体作動薬(モチライド)と称されることがあります。モチライドとしてのエリスロマイシンは、感染症治療に用いられる用量より少量で十二指腸平滑筋のモチリン受容体に結合し腸管蠕動運動を起こすとされています。またエリスロマイシンは難治性である慢性のびまん性汎細気管支炎に有効であることが知られています。

この病気は、肺胞に繋がる気管の末端である呼吸細気管支を中心に慢性の炎症を起こす病気で、発症の詳しい原因は分かっておらず、治療法も確立していませんでした。1987年に日本の医師が理由は分かりませんがエリスロマイシンを少量長期投与することで症状が改善することを報告し注目されました。当初は学会発表も不評で無益な治療と批判を浴びたようでしたが、追試でもこの治療法の有効性が確認されました。この作用は本来の抗菌作用ではなく、慢性気道炎症を取り巻く免疫炎症細胞を介する抗炎症作用を誘導することで、好中球の血管内皮への接着を抑制したり、IL-8の遊離を阻害することによるとされています。現在では気道炎症の改善を目的に、マクロライドの少量長期療法(半年から2年以上服用)が一般的な治療法となっています。一人の医師の奇想天外な治療法が難病に一筋の光明を与えた事例として大変興味深く思われました。

さらにマクロライドの細菌に対する作用で注目されるのは、本来抗菌作用を示さない緑膿菌に対して低濃度の接触により、病原性の発現を制御することです。これはクオラムセンシング(Quoram sensing)機構と呼ばれ、生体内で緑膿菌が自らの数が優位になったということを感知して、病原因子の発現を一斉に開始するシステムになります(図2)


クラリスロマイシン(クラリスR、クラリシッドR)の少量長期投与は日本人に多発する

通常、抗生物質は短期間集中投与で効果を発揮しますが、マクロライド少量長期投与療法では、従来の抗生物質療法とは異なるメカニズムで症状改善を目指します。

その他,慢性気管支炎合併例では,マクロライド少量長期療法や,P.

【質問】マクロライド少量長期投与について質問です。 「少量」というのは半量なのか、回数を減らすのか、どちらが一般的なのでしょうか? また、効果の判定はどの程度の期間が一般的ですか?

の長期少量投与法という画期的な治療法を導入して以来、EMの抗炎症作用が ..

【A】「マクロライド少量長期投与」は好中球性炎症性気道疾患に対して保険適応になったこともあり、徐々に認められてきました。

マクロライドの少量長期投与は、この薬が菌を退治する効果を発揮するうえで、最適 ..

マクロライド少量長期投与は「エリスロマイシン400〜600mg / 日」、「クラリスロマイシン200〜400mg / 日」が一般であると考えられます。ただし、これらの用量は経験則によるものとされています。

[PDF] 肺MAC症に対するエリスロマイシン(EM)少量長期投与の臨床

個人的には実際の臨床現場において「クラリスロマイシン200mgを1日1回」で投与されるケースが散見されます。
投与期間については、慢性副鼻腔炎に用いる場合は3〜6ヶ月と報告されていますが、COPDや中耳炎に関しては明確にはされていません。

慢性気管支炎の患者さんに数年にわたりクラリスを少量長期投与しています。 症状詳記をしなくても今のところ査定はされてはいません。

症状が軽い場合は去痰薬を用いた治療を行います。
症状が進行している場合にはエリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシンといったマクロライド系抗菌薬の少量長期投与を行います。投与後4週頃に線毛運動機能の改善が認めはじめ、咳や痰、鼻づまりなどの症状が軽減していきます。したがって、マクロライド系抗菌薬治療が効果を示しているかの判定は、投与後4~8週間目で行い、効果があれば数ヵ月から年単位で治療を継続していきます。

治療は、マクロライド少量長期投与療法(クラリスロマイシン、エリスロマイシンなど)が確立され効果をあげています。 肺結核

マクロライド系抗菌薬(以下、ML薬)は、副作用が少ないこともあってよく使われていますが、耐性化が進んでいることや14員環系ML薬には他剤との相互作用が多いことから、安易な選択と漫然たる使用は好ましくありません。ML薬が第一選択となる場合(対象疾患、原因菌種など)をきちんと押さえておきましょう。また、他系統の抗菌薬が第一選択であっても、種々の条件でそれが使えないときに第二選択としてML薬が使える場合も押さえておきましょう。

慢性気道感染症に抗炎症効果を期待して少量長期投与することもあります。

工藤ら(1984年)によって,難治であった下気道の慢性炎症疾患であるび漫性汎細気管支炎(dif-fuse panbronchiolitis:DPB)に対するエリスロマイシン(EM)少量長期投与療法の有効性が報告された。DPBは非常に高率に慢性副鼻腔炎を併発するが,筆者ら(1990年)はDPBに併発した慢性副鼻腔炎に対する本療法の有効性を明らかにした。これらの報告に基づいて,慢性副鼻腔炎に対してEM,ロキシスロマイシン(RXM),クラリスロマイシン(CAM)といった14員環マクロライドの少量長期投与療法(マクロライド療法)が応用され,この治療法の優れた臨床効果が多くの研究により確認された。今日ではマクロライド療法は慢性副鼻腔炎治療の重要な位置を占めるに至った。

びまん性汎細気管支炎に対してマクロライド系抗菌薬の少量長期投与治療の有効性が報告されて ..

慢性気管支炎や慢性副鼻腔炎でマクロライド系抗生物質を少量継続する方法は、「マクロライド少量長期投与療法」と呼ばれ、長年に渡りその有効性と安全性が確認されています。

薬事情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介(2006年1月)

一方,この治療法があまりにも急速に広まったことで,本来手術的治療が必要な症例や無効症例に対しても,漫然と長期投与が行われる傾向が現れてきたのも事実である。マクロライド療法が慢性副鼻腔炎治療に応用されてから10年以上を経過しており,これまでの臨床効果の報告から本療法の効果が乏しい病態が明らかになってきた。

ける改善が見られるということもあるかと思いますが、これより他の薬剤、たとえばクラリスロマイシン、レボフロキ

びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)は,両肺にびまん性に存在する呼吸細気管支領域の慢性炎症を特徴とする慢性気道感染症であり,閉塞性換気障害をきたす。わが国の本間,山中らによって1969年に提唱された疾患で,欧米には少なく日本をはじめとした東アジアに多い。これには遺伝的素因の関与が考えられており,わが国ではHLA-B54が陽性である患者が多いことが報告されている。以前は予後不良な疾患であったが,工藤らによりマクロライド少量長期投与の有効性が報告され,5年生存率6~7割から9割以上へと予後が大きく改善している。

現在では,14員環マクロライドであるクラリスロマイシンや15員環である ..

【質問】ノイトロジンの用法用量についてご教示ください。 先天性・特発性好中球減少症の適応は、皮下投与又は静脈内投与のどちらの場合でも2μg/kg1日1回と用量設定が同じですが、他の適応では皮下と静注で体重あ...

1)びまん性汎細気管支炎や慢性気管支炎に伴うクラリスロマイシン不応性の

DPBの治療はマクロライド少量長期投与が基本であり,抗菌活性以外の好中球集積抑制や粘液分泌抑制などが作用機序として考えられている。診断後は速やかに治療を開始し,多くの場合は治療開始後3カ月以内に症状が改善,画像所見や呼吸機能なども改善がみられてくる。症状や検査所見が安定すれば治療を継続して2年で終了し,症状が続く場合は治療を継続する。治療終了後に再燃した場合には治療を再開する。

「喘息合併慢性副鼻腔炎に対するクラリスロマイシンの有効性」 ; 野中 学, 東京女子医科大学耳鼻咽喉科.

クラリスをはじめとするマクロライドの特徴のひとつは「抗炎症作用」があることです。つまり、単に細菌を退治するだけでなく、組織に生じた炎症を抑える働きがあるのです。この効果に期待してマクロライドが使用される例はたくさんありますが、最もよく使われるのが慢性副鼻腔(びくう)炎(蓄膿<ちくのう>症)に対する「マクロライド少量長期間投与」です。

様の病態を考慮し,クラリスロマイシン(clarithromycin:

一般に、抗菌薬使用法の原則は「短期間に十分な量を」ですが、この治療は抗菌作用ではなく抗炎症作用を狙ったものであり長期間の投与が必要となります。マクロライド少量長期間投与は、もともとは「びまん性汎細気管支炎」と呼ばれる難治性の呼吸器疾患に対する治療でした。その後、副鼻腔炎に対する有効性も認められ、現在頻繁に行われています。