ラツーダで副作用が認められた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
(2)非定型抗精神病薬(第二世代)
第一世代に比べて錐体外路症状が少なく、陰性症状にも有効と言われます。第一世代と同様にD2受容体を遮断しますが、(2)中脳皮質系や(3)線条体ではドーパミン神経終末上のセロトニン2A受容体遮断によりドーパミン放出が促進され、それぞれ(2)陰性症状、(3)錐体外路系副作用を軽減、改善すると考えられています。オランザピン、アリピプラゾールには神経保護作用があり、非可逆的である陰性症状の進行を防止するとの報告があります。D2受容体に対する結合親和性は、ブロナンセリン>プレクスピプラゾール≧アリピプラゾール≧アセナピン>>他剤。
ラツーダの副作用について、対処法も含めて詳しくお伝えしていきます。
ルラシドンは「ラツーダ」という商品名で販売されているお薬で、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症の治療に用いられています。日本の住友ファーマ株式会社が新規に見出したお薬で海外では2010年より、日本においては2020年から販売されています。
統合失調症ではさまざまな精神症状があらわれます。 患者さんは不安を感じたり憂うつになったり、不眠を訴えることも多く、これらの症状自体が幻覚や妄想を悪化さ せるきっかけにもなります。薬物療法では抗精神病薬以 外にも、抗不安薬や抗うつ薬、睡眠薬などの補助的な 薬剤が使用されることがあります。また、錐体外路症状副作用の項をご覧下さいなどの副作用対策として抗コ リン薬などが必要に応じて使用されます。
ラツーダ)、カリプラジン(医薬品名:ブレイラー;日本未承認 ..
①SDA(リスペリドン(リスパダール)、ペロスピロン(ルーラン)、ブロナンセリン(ロナセン)、パリペリドン(リスペリドンの代謝物)(インヴェガ)、ルラシドン(ラツーダ)):
ブチロフェノン系に似ています。中脳皮質系や線条体ではドーパミン神経終末上のセロトニン2A受容体遮断によりドーパミン放出が促進され、それぞれ陰性症状、錐体外路系副作用(EPS)を軽減、改善します。
ペロスピロンは抗不安薬タンドスピロンの誘導体で、セロトニン1A受容体を介する作用により、統合失調症の強迫症状に有効との報告があります。
ブロナンセリンはD2受容体への結合親和性が最も高く、鎮静作用が殆どなく、また血液脳関門を通過して脳内へ移行し易い為、脳下垂体への影響が少なく高プロラクチン血症を起こしにくい。
ルラシドンはヒスタミンH1、ムスカリンM1受容体に対しては結合親和性を殆ど示さない為、体重増加や過鎮静、口渇、便秘などの副作用は非常に少ない。空腹時に服用すると吸収が低下し血中濃度が十分上昇しない為、1日1回食後投与します。
ルラシドンは「ラツーダ」という商品名で販売されているお薬で、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症の治療に用いられています。日本の住友ファーマ株式会社が新規に見出したお薬で海外では2010年より、日本においては2020年から販売されています。
ラツーダ, ルラシドン, SDA 双極性障害のうつ病にも適応あり
オランザピン:錐体外路性の副作用の発現が少なく、プロラクチンの上昇もおこりにくい。1日1回投与で十分な効果が得られる。口腔内崩壊錠があり、錠剤の服薬が困難な場合に適用である。糖尿病の既往歴のある患者さんには禁忌である。血糖値の上昇、体重増加などに注意が必要である。過鎮静に注意。
既に海外では使用されていましたが、日本でも2022年3月に遅発性ジスキネジア(長期に抗精神病薬を内服していた場合に起こることがあるジスキネジア)に対する治療薬である、ジスバル(バルベナジン)という薬剤が使用できるようになりました。遅発性ジスキネジアでお困りの方はご相談ください。
ラツーダ錠20mg 他 (抗精神病薬; 双極性障害のうつ症状治療薬) (D04820)
カルバマゼピンは「テグレトール」という商品名で販売されているお薬で、双極性障害(躁(そう)うつ病)における躁状態やてんかん、三叉神経痛などに対して使用されます。
クエチアピン:抗幻覚妄想効果は弱いが、抑うつ効果が期待でき、錐体外路性の副作用の発現が少なく、プロラクチンの上昇もおこりにくい。糖尿病の既往歴のある患者さんには禁忌である。血糖値の上昇、体重増加などに注意が必要。
レクサプロ単体よりラツーダ併用のほうが躁転リスクは低くなります。
抗精神病薬はドパミンを遮断する作用があり、過剰に遮断されると以下の症状が認められることがあります。
デプロメールは他の薬剤との併用が難しいので、最近ほとんど使っていません。
SSRIルボックス・デプロメール・パキシル・ジェイゾロフト 主な作用 精神病の症状は、ヒスタミン、セロトニン、アドレナリン、ドパミンなど、脳内神経伝達物質の脳中枢細胞への取り込みの増加にもとづく神経細胞の機能亢進、混
併用禁忌 verstopfung 何時間あける フラッシュ 持ち越し効果 液体 頓服 やめる ..
③ドーパミンD2受容体部分作動薬(DPA)(アリピプラゾール(エビリファイ)、プレクスピプラゾール(レキサルティ)):
既存の抗精神病薬は全てドーパミンD2受容体拮抗薬(アンタゴニスト)でした。ドーパミンD2受容体部分作動薬(パーシャルアゴニスト)はドーパミン作動性神経伝達の活動に応じてその神経伝達を常に生理的なレベル方向へ安定化させ、ドーパミン過剰活動の場合にはドーパミンD2受容体に対して拮抗薬として作用し、低下している場合には作動薬として作用します。この為、(1)中脳辺縁系は抑制し、(2)中脳皮質系は抑制を減弱し、(3)黒質線条体系、(4)結節・漏斗系には影響を及ぼしません。
アリピプラゾールは血中濃度の半減期が60時間と長い。不眠となる事があるので、朝1回投与します。
プレクスピプラゾールはアリピプラゾールよりもドーパミンD2受容体遮断作用が強く、アカシジア(静坐不能症)が少ない。SDAと同じく中脳皮質系や線条体ではドーパミン神経終末上のセロトニン2A受容体遮断によりドーパミン放出が促進され、それぞれ陰性症状、錐体外路系副作用(EPS)を軽減、改善します。
このラツーダは、単剤でも、リチウムなどの気分安定薬との併用でもうつ状態に対する有効性のエビデンスがあります。
(1)定型抗精神病薬(第一世代)
錐体外路症状、高プロラクチン血症、遅発性ジスキネジアを起こしやすい。
①ブチロフェノン系(ハロペリドール(セレネース)など):抗幻覚妄想作用が強い。
②フェノチアジン系(クロルプロマジン(コントミン)、レボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミン)など):鎮静作用が強い。
フェノチアジン系は顆粒球減少症(フェノチアジン系によるアレルギー反応で、投与量とは無関係。服薬3~8週に発症のピーク、死亡率20~50%。発熱、咽頭痛があり、白血球3500以下、好中球30%以下の場合は直ちに投薬を中止し、十分な抗生物質、ステロイド剤などを用いる。)、皮膚色素沈着、角膜・水晶体の混濁を起こします。
そのため、上記の双極性障害うつ状態治療薬に加え、気分安定薬を併用することがあります。
抗精神病薬は抗コリン作用(副交感神経の働きが抑えらえる)を認めるものもあり、それによる副作用が出現することがあります。
レクサプロ, エスシタロプラム, SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)
抗てんかん薬としても使用されている薬剤です。躁状態に有効といわれていますが、焦燥感を呈しているうつ状態にも有効な印象です。混合状態や不機嫌な躁状態にも有効です。
脳波異常のある症例や高次脳機能障害の様な脳器質病変に伴う感情不安定にも有効です。
半減期(薬を服用して濃度が半分になる時間)が9.54時間と短く、1日2~3回の服用が必要です。副作用は、肝機能障害に注意する必要があります。
その他は、体重増加・消化器症状・眠気等です。
催奇形性がある為に、妊娠中の投与は原則禁忌です。
便秘については生活習慣の改善や工夫、漢方や整腸剤、下剤などを併用することもあります。 ..
シナプスにおける神経伝達物質のうち、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンは、それぞれ気分、意欲、快楽に関係しているとされています。
シナプスにおいてセロトニン、ノルアドレナリンが少なくなると、抑うつ気分、意欲低下などのうつ症状が現れ、抗うつ薬の多くは、シナプス間隙におけるセロトニンあるいはノルアドレナリンの再取り込みを阻害して濃度を増加させ、情報伝達を正常化させる、と考えられてきました(モノアミン仮説)。しかし、モノアミン仮説では、抗うつ薬の効果が出始めるのに2週間もかかる事の説明がつきません。最近では、うつ病では神経細胞の突起が委縮しており、抗うつ薬はモノアミンを増やす事を介してBDNF(脳由来神経栄養因子)を増やし、神経細胞の突起を伸ばす作用により効果を発揮する、という考え方が主流になってきました(神経新生・BDNF仮説)。
抗うつ薬の種類としては、第一世代(三環系)、第二世代(非三環系)、第三世代(SSRI)、第四世代(SNRI)、第五世代(NaSSA)、第六世代(S-RIM)があります。
(1)三環系抗うつ薬
エスシタロプラムはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)に分類される抗うつ薬で「レクサプロ」という商品名で販売されています。
抗精神病薬療法は、統合失調症の治療においてもっとも基本的かつ重要な治療法です。抗精神病薬は脳内に ある受容体に作用することにより効果を発揮しますが、 単に幻覚、妄想、不安、緊張、焦燥、興奮等の初発時における急性症状を改善するだけでなく、再発予防や長期 予後の改善においてきわめて重要な役割を担っています。
一緒に服用すると、ラモトリギンの血中濃度が変化することがあるので、他の薬
抗てんかん薬としても使用されている薬剤です。『双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制』に適応をもつ唯一の薬剤です。
うつ病相への効果が報告されており、臨床的にもその印象です。急性期うつ状態への効果の報告もあるようですが、増量スピードが遅い為に急性期治療ではなく、軽うつ状態の補助や維持期(状態安定時)に服用する事が多いです。
薬物相互作用(複数の薬の飲み合わせによって効果が増強したり、薬の持つ効果が打ち消されてしまうことを指す。)が多く、特にバルプロ酸ナトリウムとの併用はラモトリギンの血中濃度を上げてしまう為に、ラモトリギンを25mg隔日投与から開始する事とラモトリギンの使用量も200mgまでに制限されています。
副作用は少ないです。特に眠気やめまい等の鎮静系の副作用は(用量にもよりますが)あまりみられません。
但し、湿疹など皮膚症状をきたす事があり、まれにではありますが重篤な皮膚症状(スティーブンジョンソン症候群等)生じる事があります。
副作用予防の為には、増量スピードをゆっくりしていく事で予防できる事があります。投与初期8週目までは、ガイドラインよりもゆっくりした増量(例えば25mg隔日投与2週間を12.5mg隔日投与に減量して投与。その後も12,5mgずつ増量)を行うで副作用は少なくなる臨床的実感があります。
上記のように増量スピードが遅くする必要があり、急性期の状態悪化時には効果はうすいですが、ゆっくり増量して200mg程度まで増量するとゆるやかに安定した効果を発揮する薬剤です。
ラツーダ)): ブチロフェノン系に似ています。中脳皮質系や線条体では ..
に分けてみていきましょう。ラツーダ以外の抗精神病薬との比較も行っていきます。
レクサプロ、サインバルタなど)、「気分安定薬」(リーマス、デパケン ..
・全体的に副作用も少なく眠気やふらつき、体重増加なども他の統合失調症治療薬に比べて少ない傾向です。
エスシタロプラム(レクサプロ®), おだやかな抗うつ効果。抗不安作用も高い ..
レボトミンより強い鎮静作用と催眠作用をもつので、通常の睡眠薬では効果が不十分な強い不眠に応用される。ふらつきや血圧低下、口渇、便秘がおこりやすい。